虚報 (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2012年4月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (448ページ) / ISBN・EAN: 9784167787042

みんなの感想まとめ

人の生命や自死について深く考えさせられる物語が展開されます。元新聞記者である著者が描くリアリティある新聞記者の世界は、登場人物たちの個性や泥臭い部分まで丁寧に描写されています。特に、若手記者の長妻が自...

感想・レビュー・書評

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  • 最愛の人を亡くすとそうなるのだろうか。

    記者経験のある著者ならではの、リアリティのある新聞記者の世界が感じられた。

    話しは逸れるけど、虚報(誤報)を訂正しないAやMなどの新聞社は信用が無いので傾くのは致し方ない。

  •  元新聞記者の堂場さんは、モデルなしで人物を書きさりげないディテール(細部)を連ねてリアリティを固めていると「あとがき」の解説されている。確かに表現は登場人物の個性をうまく生かして躍動的かつ泥臭い部分まで書かれているのです。
     物語は、新聞ではあまり取り上げて報道しない「自殺」をテーマに上げている。
     取材対象は、ビニール袋集団自殺で練炭や硫化水素を使った自殺と違って、他人を危険に巻き込んでもいないのだから、いずれ話題にも上がらなくなるだろうと、主人公の一人で若手の東日新聞記者・長妻は考えていた。
     長妻は元々長野支局で五年過ごし、かつての同支局の大先輩である本社社会部の市川から声をかけられ取材を継続する。
     今回の事件は、全国で七都県一八人に及んでおり、その根源は呼称「自殺サイト」から波及しサイトの主宰者は、テレビにも出演している大学教授の上山(かみやま)であることが分かり大きな波紋を広げた。
     上山の主張は概ね以下の通り。
     『自殺は、自らを殺すことで。自死は、自ら死を選ぶこと、自死は犯罪ではありません。
    自ら命を絶った人を罰することに全く意味がないからに他なりません。
     刑法第二百二条、相手に自殺の意思を抱かせることで自殺教唆が成立する。とあるが、掲示板には「死ね」とは書いていない。
     生きているのが苦痛であるのに、なぜ無理に生きる必要があるのか、安楽死の要件は、ほとんど自死にも当てはまり、人間には自らの死を選ぶ権利がある』
     警察は、上山を自殺幇助の容疑で逮捕した。
     社会部市川と長妻は、自殺サイトの本質を探り記事にするため積極果敢に取材を進めるのです。
     以上が導入部のあらすじです。
     上山氏の主張に反論するのは難しい。しかし、人の生命は儚い、だからこそ大切に生きなければならないと思う。自他の生命について考える良い機会でした。
     この問題の答えは、あなた自身で考えを導き出すことに意義があると思います。

  • 元新聞記者の作者だからこそのリアリティだなあと思いながら読んだ。
    大学教授が自殺を教唆するようなサイトを作り、実際に自殺者が多発する。
    なんだか読んだことのあるようなあらすじで目新しさはなかったかなあ。

  • 新聞記者さんのお話。
    個人的には上山さんが好き。雰囲気も言ってることも顔も(想像)もいいよー。
    ただー市川さんと長妻さんの関係をもうちょっと深く?うーんなんていうんだろう因縁めかせて?ほしかったかも?そこちょっと違和感あった。

  • 面白かったー!

    仕事ってそういうものだよね。
    人生ってそういうものだよね。
    劇的ってないよね。

    長妻くんは充分劇的な人生だと思うけど。
    医者とか警察とか軍人とかじゃないと人の死の間際にはそこまで触れないと思うし…

    色々あったけど、誰かの少しづつの優しさに包まれていて幸せだと思った。

    市川くんはもっとちゃんと対話をしようね。

    目の前のチャンスってその場で掴まないと得られない物だけど、今回は掴んでからも確かめるチャンスはいくらでもあった。
    自分もそうなった時、目先の輝きに囚われずに冷静でいられるようにしたい…

  • 大学教授のサイトがきっかけで発生した「ビニール袋集団自殺」事件を、やり手キャップの市川と担当する社会部の新聞記者の長妻は、たびたび他社に出し抜かれ、追い詰められていくが、やがて独自の取材で起死回生のスクープを放つ…。生き馬の目を抜く報道の最前線を活写した怒涛のエンターテインメント長編。

  • 東日新聞の敏腕記者市川と新人長妻の、集団自殺事件をめぐる取材と、その結果生じた虚報。細部がよく書き込まれていて、リアリティがあるのだけれども、読み進むにつれてしんどくなってくるのは、市川にも長妻にも、それほどシンパシーを感じることができないせいかもしれない。

  • 面白くない。主人公の2人に全く魅力がない。若い方の記者に何か光るものがあるわけでもなし、中年の方の記者も一体どこが優れてるのか、コネを持ってる以外に何にも伝わってこない。特に嫌なのがこいつら2人がチームとして全く機能してないところ。先輩が若手を育てようと全くしてないとこが読んでて不快だった。事件も特に盛り上がらないし堂場瞬一の中で最も面白くなかった。ただテーマは興味深いな。あと、「IPアドレスがac.jpだった」とかちょっと調べればわかるのにおかしな事書いてるから興醒めもした。

  • 地方の支局から本社に転勤してきたばかりの長妻は、やり手キャップの市川と組んで「集団自殺」事件を追うことになる。
    他社に抜かれることは、記者にとっては負けを意味する。
    たびたび他社に抜かれた長妻は、焦りもあって取り返しのつかないミスをおかしてしまう。
    取材相手について十分な調査をしたはずだった。
    裏をしっかりと取ったうえで記事につもりだったが、内容は事実とは大きく違っていた。
    いわゆる「虚報」である。
    自殺をキーワードに、報道の最前線で働く新聞記者たちの生き様を描いている。
    法の専門家である上山は、何故自殺を肯定するようなサイトを開いたのか。
    その謎が、彼の持論である「人には死を選ぶ権利がある」と密接にかかわっている。
    長妻には過去に親しかった友人が自殺したという経験があった。
    同じ経験をしたとしても、人によって受け取り方はさまざまだろう。
    大きな出来事として立ち直れないほどのショックを受ける人もいれば、試練だと思って前向きに受け止め立ち向かっていく人もいるだろう。

    自殺は善か、悪か。
    けっして善ではないとは思う。
    でも悪か?と聞かれると、悪だとは即答できない。
    何故なら、当事者にしかわからない理由がきっとそこにはあると思うから。
    ただ残された人たちの辛さもほんの少しでいいから考えてほしい、とも思う。
    生命は誰のものなのか?
    いま生きている私の生命は、私のものであって、私だけのものではない・・・と思う。
    いつも支えてくれる両親をはじめとする人たちのおかげで、これまで生きてこれたのだから。
    結局のところ、実際にその立場になってみなければ答えはわからないのかもしれない。
    「虚報」をめぐる物語よりも、上山が淡々と語る自論のほうが気になってしまった物語だった。

  • ブンヤの内情が細かく書かれていてなかなかリアル。ただキャラクターにちぐはぐな感じを受けた。長妻の焦りはわかるけど、市川は傲慢なのかただの不器用なのか...。[more] 考えてみれば、表題は単なるネタバレだったのか。

  • 140ページ読んで、あまりの展開のなさに読むのを放棄。

  • テレビでも活躍する大学教授のサイトがきっかけで
    全国で頻発する自殺。

    教授は何故そのようなサイトを作ったのか

    若手とベテランの新聞記者が謎に迫る

    新聞や雑誌のスクープ合戦の裏には
    こんな悲壮な苦労があるのかと驚く。

    元記者の作者ならではの作品

  • そういうものかな。

  • 連続する集団自殺は大学教授の運営する自殺サイトをきっかけとしていた。週刊誌にスクープされたこの事件を追う新聞社社会部のベテラン記者と新米記者、それぞれの立場での葛藤がリアル。これは警察小説ではなく新聞社の記者を中心とした話で、刊行当時読売新聞社社員であった著者、しかも社会部記者、雑誌編集者という経歴を知ると臨場感に納得できる。

  • 大学教授のサイトがきっかけで発生した「ビニール袋集団自殺」事件を、やり手キャップの市川と担当する社会部の新聞記者の長妻は、たびたび他社に出し抜かれ、追い詰められていくが、やがて独自の取材で起死回生のスクープを放つ…。

  • 大手新聞社を舞台にした社会派エンターテインメント長編小説。
    著者の堂場さんは新聞社に勤めながら小説を書き始めたらしいです。

    あらすじは、主人公の新聞記者・長妻厚樹は「ビニール袋集団自殺」事件を追っていると、その自殺に有名大学教授のサイトが関与していることが週刊誌でスクープされ「抜かれて」しまう。
    教授は記者会見で「人には死ぬ権利がある」「彼らは自分を殺す自殺ではなく、自ら死を選んだ自死である」と発言し、それに対し報道陣はますます過熱していく。

    登場人物たちの動きが事細かに書かれていてリアルで臨場感がありました。
    でも新聞社がメインなので事件に進展がなくじれったい。
    第三章まで読んでリタイアしました。
    読み始めた本をリタイアしたのは初めてで悔しいです。
    元々自分好みの内容ではないと思っていたけど家にあったので、もっと幅を広げていろんなジャンルを読んでいきたいな、と思ったのだけど。

    自殺と自死、さまざまな捉え方があって興味深い内容ではありました。
    どちらにしても残された人は悲しい。それだけは真実。

  • クライムノベルではなく、新聞記者の話です。ベテラン記者と若手記者の話です。最後がよかったですね。

  • 事件記者を扱っている割には、なんとも盛り上がりに欠けるストーリー展開。

  • 久しぶりに読書しました。

  • 若手の大手新聞記者がやり手のエース社会部記者と共に事件の真相を追う。手口が同じ自殺が連続して発生し、根本はエース記者の知り合いである大学教授が開設している自殺サイトである疑いが浮上する。二人は独自に真相を探していくが、教授が知り合いということと、警視庁最高幹部クラスのネタ元を持っていることから、事件へのアクセスは有利化と思われた。しかし、ライバル紙に特ダネを相次いで抜かれた焦りから、よく確認もせずに虚報を大見出しで流してしまう。事件を警察側でなく、新聞社側からの視点で見せるのだが記者も会社員であり、なかなか面白い展開となっている。

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著者プロフィール

堂場瞬一(どうば しゅんいち)
1963年茨城県生まれ。2000年、『8年』で第13回小説すばる新人賞受賞。警察小説、スポーツ小説など多彩なジャンルで意欲的に作品を発表し続けている。著書に「刑事・鳴沢了」「警視庁失踪課・高城賢吾」「警視庁追跡捜査係」「アナザーフェイス」「刑事の挑戦・一之瀬拓真」「捜査一課・澤村慶司」「ラストライン」「警視庁犯罪被害者支援課」などのシリーズ作品のほか、『八月からの手紙』『傷』『誤断』『黄金の時』『Killers』『社長室の冬』『バビロンの秘文字』(上・下)『犬の報酬』『絶望の歌を唄え』『砂の家』『ネタ元』『動乱の刑事』『宴の前』『帰還』『凍結捜査』『決断の刻』『チーム3』『空の声』『ダブル・トライ』など多数。

「2023年 『ラットトラップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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