廃墟に乞う (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
3.24
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本棚登録 : 1217
レビュー : 194
  • Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167796037

感想・レビュー・書評

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  • 他の作者の警察小説に比べて、
    登場人物が身近に感じられる。

    ただ、
    結末が誘導されているだけで、明文化されていないところが
    どうも受け入れられない。

  • 直木賞受賞作、著者の作品特に第二次大戦三部作に比べると小さくまとまりすぎか、北海道の地方色の描写が主題か。

  • 直木賞受賞作。いたって普通。

  • 142回直木賞。北海道が舞台。北海道が舞台の警察系ものは、探偵は吹雪の・・でも、何かモノさみしい雰囲気。内容的には普通の警察小説かな。ちょっと直木賞という看板が悲しい感じです。

  • H24.6.24
    全般には好みではなかった。北海道という土地柄にも馴染みがないし、暗い感じがずっとあった。病んでいる休職中の刑事だからかな。よみ進めるとごく普通の感覚の刑事と言う気はしてきた。俳優の内野聖陽を想像して読んでいた。ドラマになればそれなりにおもしろそう。

  • 【仙道:道警の敏腕刑事(休職中)】

    過去の任務で痛烈な衝撃を受けた仙道は心身ともに耗弱し休職を余儀なくされていた

    休職中にもかかわず、仙道はいくつもの事件に関与し
    事件に新たな光と闇を見出していく

    過去の事件を克服できるかも仙道にとっては大きな問題である。


    〈連作短編集〉

  • 好きな小説家の一人である佐々木譲の直木賞受賞作品。
    刑事もの短編集だけど主人公の刑事は休職中。過去のある事件によってPTSDを患いその治療のため長期休職しているという設定。つまり、普通の刑事としての活躍ができない状態ながら事件に関わり解決の糸口を見出していく。様々な評価を受けている小説だが僕は高く評価したい。娯楽小説とは一線を画する本格的警察小説だと思う。何よりこの作家の筆力がにじみ出ている作品だと思うのだが。

  • 過去の事件でPTSDになった刑事が復帰するまでの話。直木賞受賞作・・・ってこんなものか。結構地味な感じの内容。話に重みはあったが、煮え切らない終わりのものもあったし、いまいち。でも、描写は素晴らしい。

  • 2009年下期の直木賞受賞作。作家デビュー30周年目にして悲願の受賞である。ところで、佐々木譲は1988年、2007年にもそれぞれ「ベルリン飛行指令」「警官の血」で直木賞にノミネートされ、惜しくも受賞を逃している。私の見るところ「警官の血」は彼の最高傑作であり、これを超える警官小説は本人にもなかなか書けないと思う。「ベルリン飛行指令」とそれに続く「エトロフ発緊急電」「ストックホルムの密使」三部作も素晴らしい。で、何が言いたいかっつうと、直木賞はとっくの昔に新人賞としての性格を失なっているので、作家デビュー30周年目の受賞に違和感はないのだが、どうして「廃墟に乞う」だったのか?。作品としては、言っちゃあなんだが本書は「ベルリン飛行指令」「警官の血」よりも数段劣る。「ベルリン飛行指令」で受賞させるか、「廃墟に乞う」で受賞させないか。どっちでもいいけれど、どっちかにしないと直木賞の権威が低下するんじゃないの?。と、どうでもいいことをふと思う。何度も直木賞候補になりながら落選し、「ゴールデンスランバー」でようやく受賞確実となったときにノミネートを辞退した伊坂幸太郎もおそらく同じようなことを考えたんだろうなあ。

  •  人が何か物語を読んで心を動かされたとき、その根底には何があるのか。それが人情というものだと過程すると、その「人情」とは一体何なのか。

     ずいぶん前、友人と酒を飲みながら色んなことを語り合っていたとき、どうしても言いたいことをうまく伝えられなくて自分に辟易してしまうことが多かった。最近そういうことが少なくなってきているのは、自分のいいたいことをうまく伝えられるようになったわけではなくて、自分の伝えたいことが曖昧で、明確な言葉にならないということを自覚したんだからだと思う。

     でも、よくよく考えると、自分の伝えたいことっていうのはその場その場の状況や、語りかける相手によって大きく変化してしまう。だからそもそも、明確に形にすることなんて無理なのかもしれない。

     小説は嘘で固められていて、その嘘を破綻のないように組み立てなきゃいけないわけだけれど、伝えたいことを抽象化して、その抽象化された嘘を具体的な物語の中に組み込んでいくことで、伝えたい曖昧なものが、ぼやけるべきところはぼやけて、はっきりさせるべきところははっきりした形になって読む人間の頭の中に入り込んでくる。
     
     嘘の中で描かれる「人情」は、酒を飲みながら目の前の友人にだけこっそり届けるようなわかりづらいものではなくて、それを目にした誰でも(ひとりでも多くの人間が)わかりうるものでなくてはならない。

     作中の主人公の仙道には、とても温かいものを感じた。それはきっと、色んな人が共通して感じることができる「人情」なんだろうと思う。

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著者プロフィール

一九五〇年三月、北海道生まれ。七九年「鉄騎兵、跳んだ」でオール讀物新人賞を受賞。九〇年『エトロフ発緊急電』で日本推理作家協会賞、山本周五郎賞、日本冒険小説協会大賞を受賞。二〇〇二年『武揚伝』で新田次郎文学賞を、一〇年『廃墟に乞う』で直木賞を受賞する。他に『ベルリン飛行指令』『疾駆する夢』『昭南島に蘭ありや』『警官の血』『代官山コールドケース』『獅子の城塞』『犬の掟』など著書多数。

「2017年 『武揚伝 決定版(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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