- 文藝春秋 (2011年5月10日発売)
本棚登録 : 130人
感想 : 8件
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784167801328
みんなの感想まとめ
哲学的思考と実生活の接点を探るこの作品は、著者の独自の視点を通じて、日常と哲学の融合を鮮やかに描いています。過去に乖離を感じていた読者も、著者がサルトルやカントといったクラシックな哲学者を引き合いに出...
感想・レビュー・書評
-
過去、ぼくは哲学的思考と実際的な生活のあいだに乖離を見出していた。どんなに高尚なことを考えようがお腹が空くし、どんなに意味がないとのたうち回っても人は実際的には生きることを選ぶ。だが、中島義道のこの著作は実にあざやかに両者を接合し、哲学の境地と彼の日常が融合する世界を示す。引かれている哲学者がサルトルやカントといった古い……いやクラシックな人たちばかりなのは御愛嬌だが、彼にとって哲学がたんにスノッブな知的遊戯ではなく真に生きること、真に生の無意味と対決することなのが如実に伝わってきてこちらも居住まいを正す
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読んでいてほっとする。
-
解説:永井均
-
ずっと前に読んだ講談社現代新書『カントの人間学』の著者。しかし、今回この本を読んで、あまりにも酷い著者の人間性にうんざりした。最低の男である。
「この世の中にはどうしてああも頭の悪い奴がうようよ生きているんだろう」(p.10)
ゴールデンウィーク中はどこに行っても「幸せそうな家族連れが地から湧きだしたようにうじゃうじゃいて無性に不愉快」(p.189)
自分は哲学者だからえらくて、考えない奴らはどうしようもないクズである、と断言してはばからないダメオヤジである。
自分の思索の邪魔だからと言って、妻や子どもとも離縁したらしいが、こんなオヤジのもとに生まれた子どもがあまりにもかわいそうだ。最初から生まなきゃいいのに。
この頑迷なオヤジは独我論寄りで、サルトルを絶賛している点でも、私とは全く異なる。
ただし、人のことをたやすく批判してしまう短気さは、まるで私自身の欠陥を戯画化して拡大したような姿であり、だからこそ私はこんなに腹が立ったのだろう。反面教師としてこの本を読むほかなかった。
ただし、真剣に哲学的問題を思考していることは確かだと思われ、本書を読んで知的刺激をたくさん受けることも可能だ。この人の人間性に苛立つことさえなければ、それなりに参考になるだろう。
カント『純粋理性批判』の岩波文庫版をこんど再読しようと思っていたが、この人によると「1ページに平均10カ所くらい誤訳がある」という。カントの専門家が言うのだからそうなのだろう。
しょうがないので、光文社の新訳文庫を買うことにした。 -
あとがきによるとこれは日記風小説らしい。そうであればまぁ腹も立たない?自分の人生には何の意味もない、自分が書いた本もなんの意味もない、らしい。まぁ意味があるかどうかを判断するのは読み手なんだからいいとして、そういう本の収入が作者に入ると思うと…内容は14章 ニヒリズムにおけるニーチェについての違和感に納得。ニーチェに関する本がハウツー本みたいにベストセラーになる気持ち悪い国で、哲学はどこにあるのだろう。
著者プロフィール
中島義道の作品
