観念的生活 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2011年5月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784167801328

みんなの感想まとめ

哲学的思考と実生活の接点を探るこの作品は、著者の独自の視点を通じて、日常と哲学の融合を鮮やかに描いています。過去に乖離を感じていた読者も、著者がサルトルやカントといったクラシックな哲学者を引き合いに出...

感想・レビュー・書評

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  • 過去、ぼくは哲学的思考と実際的な生活のあいだに乖離を見出していた。どんなに高尚なことを考えようがお腹が空くし、どんなに意味がないとのたうち回っても人は実際的には生きることを選ぶ。だが、中島義道のこの著作は実にあざやかに両者を接合し、哲学の境地と彼の日常が融合する世界を示す。引かれている哲学者がサルトルやカントといった古い……いやクラシックな人たちばかりなのは御愛嬌だが、彼にとって哲学がたんにスノッブな知的遊戯ではなく真に生きること、真に生の無意味と対決することなのが如実に伝わってきてこちらも居住まいを正す

  • 読んでいてほっとする。

  • 解説:永井均

  • 06~07年にかけて文學界で連載された、氏の日記風思考記録。
    死とは、無とは、私/他者とは、時間/今とは…etc
    デカルトやカント、サルトルやその周辺の先行研究を踏まえつつ、論が進んでいく。

    うーん…基底となる知識・教養や物事を論理的に追っていく力が無いと、難しかったなー
    けど面白かった。

    絶対なんて絶対ない、という相対は絶対じゃないのか、
    「私は嘘つきです」という私は嘘つきなのか嘘つきでないのか、
    私が死んだ後も世界は有ることをどうやって証明すれば良いのか、
    なぜ常に「今」なのか、過去は有ると言えるのか。
    …こういう議題が好きな方には、内容的はオススメです。
    そんなの考えて何になるん?とかえー考えるとか意味わからんだるーみたい方には、全力でお勧めしません。

    裏表紙の「最終的境地への予感」について予想すると、
     死が怖い
     ←私が居なくなる/世界が無くなる/過去が無くなるから
      ←最初から、私も世界も過去も無かったんじゃね?
       (仮にあったとしても、それらの存在に意味はない)
     ⇒別に死なんて怖くないじゃーん!
    ・・ていう話じゃないのかなぁ、と思ったのですが、でもそれってあんまり今更な話でワンダーがないですね
    だからたぶん違うんだろう・笑

    それにしてもこういう退廃的でNO FUTUREな生き方には憧れます
    いや、「死」を見つめるという点では最高にTOWARD FUTUREな生き方なのかもしれません

  • ずっと前に読んだ講談社現代新書『カントの人間学』の著者。しかし、今回この本を読んで、あまりにも酷い著者の人間性にうんざりした。最低の男である。
    「この世の中にはどうしてああも頭の悪い奴がうようよ生きているんだろう」(p.10)
    ゴールデンウィーク中はどこに行っても「幸せそうな家族連れが地から湧きだしたようにうじゃうじゃいて無性に不愉快」(p.189)
    自分は哲学者だからえらくて、考えない奴らはどうしようもないクズである、と断言してはばからないダメオヤジである。
    自分の思索の邪魔だからと言って、妻や子どもとも離縁したらしいが、こんなオヤジのもとに生まれた子どもがあまりにもかわいそうだ。最初から生まなきゃいいのに。
    この頑迷なオヤジは独我論寄りで、サルトルを絶賛している点でも、私とは全く異なる。
    ただし、人のことをたやすく批判してしまう短気さは、まるで私自身の欠陥を戯画化して拡大したような姿であり、だからこそ私はこんなに腹が立ったのだろう。反面教師としてこの本を読むほかなかった。

    ただし、真剣に哲学的問題を思考していることは確かだと思われ、本書を読んで知的刺激をたくさん受けることも可能だ。この人の人間性に苛立つことさえなければ、それなりに参考になるだろう。
    カント『純粋理性批判』の岩波文庫版をこんど再読しようと思っていたが、この人によると「1ページに平均10カ所くらい誤訳がある」という。カントの専門家が言うのだからそうなのだろう。
    しょうがないので、光文社の新訳文庫を買うことにした。

  • あとがきによるとこれは日記風小説らしい。そうであればまぁ腹も立たない?自分の人生には何の意味もない、自分が書いた本もなんの意味もない、らしい。まぁ意味があるかどうかを判断するのは読み手なんだからいいとして、そういう本の収入が作者に入ると思うと…内容は14章 ニヒリズムにおけるニーチェについての違和感に納得。ニーチェに関する本がハウツー本みたいにベストセラーになる気持ち悪い国で、哲学はどこにあるのだろう。

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著者プロフィール

1946年生まれ. 東京大学法学部卒. 同大学院人文科学研究科修士課程修了. ウィーン大学基礎総合学部修了(哲学博士). 電気通信大学教授を経て, 現在は哲学塾主宰.
著書に, 『カントの時間構成の理論』(理想社. のち改題『カントの時間論』講談社学術文庫),『モラリストとしてのカント1』(北樹出版. のち改題『カントの人間学』講談社現代新書),『カントの自我論』(日本評論社. のち岩波現代文庫), 『悪について』(岩波新書),『悪への自由──カント倫理学の深層文法』(勁草書房. のち改題『カントの「悪」論』講談社学術文庫),『生き生きした過去──大森荘蔵の時間論, その批判的解説』(河出書房新社), 『不在の哲学』(ちくま学芸文庫), 『時間と死──不在と無のあいだで』(ぷねうま舎)ほか.

「2024年 『その二 「純粋理性」の舞台裏』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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