あなたに、大切な香りの記憶はありますか? (文春文庫 編 20-3)
- 文藝春秋 (2011年10月7日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167801564
作品紹介・あらすじ
「香り」の記憶は何かのはずみに想いだす、忘れがたいもの。人気作家8人(阿川佐和子、石田衣良、角田光代、熊谷達也、小池真理子、重松清、朱川湊人、高樹のぶ子)が「記憶の中の忘れがたい香り」をテーマに競作。あなたの中のかけがえのない記憶を呼び覚ます贅沢なアンソロジー。さあ、8つの扉のどこからでもお入り下さい。
感想・レビュー・書評
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香りにまつわる短編集。心に引っかかる懐かしさ、これから味わうほろ苦さ、思い出したくないほどの苦しさ……香りは記憶に結びつくというけれど、歳を重ねたこれからは、香りを記憶するよりも思い出すことが増えるんだろうか。そんなことを考えながらも、すっと沁み入る作品でした。
とくに「父とガムと彼女」「ロックとブルースに還る夜」がお気に入り。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ベテラン作家達のアンソロジー。
「いちば童子」朱川湊人氏の描く昭和ノスタルジーがとても好きです。
熊谷達也氏のカフェの話、角田光代氏の子供の頃に抱いた父への疑惑の話。
香りと共に、フッと記憶が蘇ったり、過去の自分に戻ったり。年を重ねるほどに、そんな体験が多くなってきたような気がします。
どの話も、どこか懐かしい感じがして、ほっこりしたり胸がザワザワしたり…八篇すべて面白かったです。 -
夢の香り 石田衣良 ★
父とガムと彼女 角田光代 ★★
いちば童子 朱川湊人 ★★★★
アンタさん 阿川佐和子 ★★
ロックとブルースに還る夜 熊谷達也 ★★
スワン・レイク 小池真理子 ★★★★
コーヒーもう一杯 重松清 ★★★★
何も起きなかった 高樹のぶ子 ★★★ -
有楽町の無印で気になって買った。
「スワン・レイク」と「コーヒーもう一杯」がお気に入り。
香りに焦点を当てて編まれたアンソロジー。
匂いフェチのわたしには印象に残るお話ばかりでした。
とりあえずカルディでマンデリンを買ってみる。 -
実力はぞろいでの、香りにまつわるアンソロジー。ぞっとするもの、ほっとするもの…これは面白かったです。
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『香り』がテーマのアンソロジー。
コーヒー会社のウェブサイトで公開されていたものらしい。
その手の作品集としては、なかなか良い方に入るのでは?
内容がバラエティーに富んでいるのが良い。
『夢の香り』石田衣良
★★★
読みやすいけど、はじめからオチが見える。
『父とガムと彼女』角田光代
★★★★
やっぱり角田さんは何でもうまくこなす。
ちょっと昔の映画を見てるようだった。
『いちば童子』朱川湊人
★★★★
恋愛じゃないのがいい
『アンタさん』阿川佐和子
★★★★
テンポ良く、面白い。やはり上手い。
『ロックとブルースに還る夜』熊谷達也
★★★★
初めて読む作家。
なかなか良い感じだ。
他の作品も読もうかな。
『スワン・レイク』小池真理子
★★
だから何?という感じ、スミマセン。
もっと面白い作品を書く人なのに、香りもこじつけっぽい印象しかなかった。
『コーヒーもう一杯』重松清
★★★★
読んだことがあるかも…と思ったら「季節風 冬」という短編集に載っていました。
甘酸っぱい青春。会話の一つ一つがいい。
コーヒー会社のウェブサイトに、王道でコーヒーの香り
『何も起きなかった』髙樹のぶ子
★★★★半
ベテランの味。
これはすごい往復書簡(メール)
女同士の腹の探り合い、怖いなあ~ -
「香り」が関係する8つの短編で構成。
まず、企画本を続けて読んでいたことに驚いてしまった。
物語の著者が全て違うのでそれぞれ新鮮味があるのですが読後感が不完全燃焼な感じになるので、個人的にはあまり好んでは読まない部類です。
その企画本を続けて読んでいたということは、気になる著者、読んでみたい物語があったからだと思います。
恋愛の香り、過去の香り、疑惑の香り、この企画本では「香り」がテーマ。
全ての物語を読んだ後にタイトルの通り、自分にとって大切な香りを考えてみるとほっこりします。 -
においフェチなので、つい手に取ってしまった。香りの記憶はおもっている以上に、したたかだ。