午後からはワニ日和 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 1088
レビュー : 177
  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167801779

作品紹介・あらすじ

「イリエワニ一頭を頂戴しました。怪盗ソロモン」凶暴なクロコダイルをどうやって?続いて今度はミニブタが盗まれた。楓ヶ丘動物園の飼育員である僕(桃本)は解決に乗り出す。獣医の鴇先生や動物園のアイドル七森さん、ミステリ好きの変人・服部君など、動物よりもさらに個性豊かなメンバーが活躍する愉快な動物園ミステリ。

感想・レビュー・書評

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  • 動物園を舞台にした物語。ある日、「怪盗ソロモン」を名乗る人物にイリエワニを盗まれた。希少動物というわけでもないワニを盗んだ犯人と理由は?
    動物園の飼育員がメインキャラクターなので、動物が大好きな個性的な人々(やたらと動物にベロベロ舐められるサバンナ担当主人公、クールビューティー鴇先生、アイドル的存在な小動物担当七森さん、変態で爬虫類担当服部くんなどなど…)が好感が持て、動物園の裏側も見れたようで面白かった。久々に動物園に行きたくなってきた。

  • 動物園からワニが盗まれた。そこには「怪盗ソロモン」という貼り紙が…
    凶暴なワニをどうやって盗んだのか、そして何故…
    その後今度はミニブタが盗まれて、飼育員たちが解明に乗り出した。
    まず動物園のお仕事小説として面白かったし、キャラが立っているのもいい。そして軽いラノベかと思いきや、最後はなかなかハードな内容で考えさせられた。

  • いや〜、面白かった!!(^o^

    動物園を舞台に、飼育員を主人公に据えた、
    立派な「お仕事小説」としてまず面白い(^ ^
    実は密かにあこがれていた職業である、
    動物園の飼育係の生態(?)がよく分かり、
    非常に興味深く読めました(^ ^

    飄々とした主人公と、彼を取り囲む
    「濃いキャラ」の面々のやり取りが楽しい(^ ^
    彼らの日常を追うだけで、一般人には非日常で
    非公開の世界だから、もうそれだけで充分な(^ ^;

    その上、事件が発生して、謎解きをしていくのですが、
    その事件が本格的(?)で(^ ^

    主人公の「飄々さ(?)」に惑わされがちだが、
    起きている事件は重大で申告で(^ ^;
    主人公も結構なピンチに遭ったりする(^ ^;

    動物園で起きた、動物園ならではの事件。
    それが意外な広がり(?)を見せていき、
    最後までぐいぐいと引き込まれてしまった(^ ^

    例によってミステリなので、細かくは書けませんが...
    いや〜、これは面白かった(^ ^
    続編に大期待(^o^

  • ほっこり感のあるタイトルと、とっつきやすい「僕」による一人称に、“日常の謎”系ミステリーのライトノベルかと思ったが、だまされてはいけない。
    全然日常じゃない犯罪に、説得力のある動機。
    さくさく読み進んでしまうテンポ良い文体ながら、中身は社会派でした。
    特に、実行犯のとったある行動の動機は、司法試験の勉強をしていたという作者ならではのアイデアだと思います(器物損壊罪と窃盗罪、知らなかった……)。

    表紙(ワニをおんぶ)と、動物園の飼育員が主人公という設定に、お仕事小説かと思ったら、そちらは正解。

    動物園から、凶暴な上にあまりお金にはならないクロコダイルが盗まれます。
    しかも「怪盗ソロモン」からの犯行声明付き。
    巻き込まれ体質の好青年・桃本くん(呼びにくいので通称「桃」くん)が、獣医の鴇(とき)先生や、後輩の七森さん(動物園のアイドル)、服部くん(自称変態)と、解決を目指します。

    なにより心に残ったのは、飼育員さんたちの仕事ぶりでした。
    冒頭、ダチョウが原因不明の体調不良から回復するのだけど、飼育員は皆、フンの観察など経過は見守りつつ、原因究明にはこだわらない。
    これが人間の子ども相手だったら、精密検査とかもっと深掘りしそうだと思う。
    けれど桃くんたちは、今の医療技術でわからないことは結果オーライなら一旦捨てて、目の前にある毎日の仕事に、限りある体力と頭と時間を向ける。
    自分の健康管理にも気を配りながら(動物への感染予防のため)、必要なら始業時間より早く出勤して餌をやり体調を観察し、残業して出産を見守る。
    とはいえ毎日の主な作業は、掃除。

    大変で、同時に、すごく健やかな仕事への向き合い方だなと、読後すっきりした気分に。
    自分も日々、必要以上に細かいことは気にせず、どんどん身体を動かしていこう、やるべきことをやっていこう、という前向きな気持ちにさせられました。

    と書いた直後から細かいことを言うと、
    携帯に「Valefor」って名前で登録するって、
    さらに別の人がその単語を一度見ただけで覚えるって(だって結構特殊なスペル)、
    そんなことあるかな……。

    あと、桃くんのファーストネームを知りたい。
    あとがきも好きです。本文とは別の面白さです。
    シリーズ続編あり。

  • 飼育員のうち「動物好き」と呼べる人は二割。あとの三割は動物マニア、残りの5割は動物バカ。なるほど、動物園行くと毎度楽しい理由ってのはコレなんだな。

  • 楓ヶ丘動物園のイリエワニが一頭消えた。後には怪盗ソロモンからのメッセージが。
    飼育員の桃本は解決に駆り出されていく。
    遣り手で何を考えているのかわからない園長、空気を読まないオタクの服部、威圧感と過去が気になる獣医の鴇先生、園のアイドル七森さん。
    動物園でいったい何が起きているのか。

    この作家さん、前回は本屋さんが舞台だったなあ。今回は動物園の飼育員さんのお仕事が描かれる。
    飄々とした桃さんが個性の強い面々に引っ張りまわされ、事件解決に巻き込まれてる。
    飼育員さんってムツゴロウ王国のイメージだったと読みながら気付いた。

    「飼育員は一日中掃除をしている。午前中に寝小屋を掃除し、午後に放飼場を掃除し、合間に餌籠その他を掃除し、最後に自分を掃除して帰る。」

    個性的な面々のおかげ?でほのぼのした空気になっているけれど、事件は物騒で、陰湿。後味も悪い。そうだ、本屋さんの時もそうだった。
    リスのような七森さんと実はモデルのような鴇先生、桃さんとの発展はあるのか。
    そこも気になるところ。

  • 「イリエワニ一頭を頂戴しました。怪盗ソロモン」
    凶暴なクロコダイルをどうやって?
    続いて今度はミニブタが盗まれた。
    楓ヶ丘動物園の飼育員である僕(桃本)は解決に乗り出す。
    獣医の鴇先生や動物園のアイドル七森さん、ミステリ好きの変人・服部君など、動物よりもさらに個性豊かなメンバーが活躍する愉快な動物園ミステリ。

  • 似鳥鶏先生の文春文庫での初の長編ミステリ小説。

    創元推理文庫の葉山くんシリーズに負けず劣らず、本書も面白かったです。

    主人公は動物園の飼育員。勤務先の動物園に怪盗ソロモンと名乗る人物が現れ、飼育していたイリエワニを盗み・・・というあらすです。
    この小説でもやはり登場人物が非常に魅力的で、彼らの持っているパワーに引っ張られるように読み進めることができました。皆ライトノベルやキャラクター小説に出てくるようなちょってぶっ飛んだ色付けでしたが、動物園の飼育員という普段あまりお会いすることがない職業であれば、そんなこともあるのかもしれないと思いながら読みました。
    主人公が探偵役というわけではなくさらに探偵役が誰か1人というわけでもなく、主人公の同僚全員で顔を突き合わせて犯人を考えていくという推理の進め方が素人探偵のリアリティのようなものがあって、複数人であれこれと会話しながら調査を進めていくそのリズムが楽しかったです。

    また、動物園の職場の様子と同様に本書の内容も「表面上ほのぼのと見せておいて、動物園の裏側はわりとハードボイルドなのである」にシンクロするところがあり、派手な動きなんかもあったりしてただの日常系などには収まらないイメージはいい意味で本書を購入した時の予想を裏切ってくれました。

  • 似鳥鶏さんの午後からワニ日和読みました!
    ジャンルは動物園ミステリー。
    動物園ミステリーだけにてっきり動物がメインの可愛らしいほんわかミステリーかと思いきや意外とシリアスでヘビーな展開に度胆を抜かれた。
    キャラが多く全てを覚えられないまま話が進んでしまうのでとっさに誰のことか解らなくなってしまったり、主人公がアニメの主人公ばりの天然鈍感ぽかったりと不満な点は無くはないが、さすが似鳥さん!ユニークなキャラのやり取りやミステリーとしてのトリックはしっかりしてたと思うので結果としては好印象。あ、あと動物園の実情に詳しくなれます!
    似鳥さんのファンや、動物園に詳しくなりたいって方オススメですよ!

    なお似鳥さんは個人的にはユーモアミステリーの旗手だと認識しているのだが社会の認識はまだまだ追いつかない様子。。

    頑張れ似鳥さん!!応援してます!

  • 動物園ミステリ。
    かなり読みやすい。
    でもちょこちょこ注釈が入る。
    文庫なせいか本文中心に間がなくて些か見辛い。

    あとがきが面白い。本編もよかったけどあとがきがよかった。
    読後感がいい。読んでよかったなと思える。

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著者プロフィール

似鳥 鶏(にたどり けい)
1981年生まれ、千葉県出身の小説家・推理作家。男性。千葉大学教育学部卒業。北海道大学法科大学院在学中の2006年、『理由(わけ)あって冬に出る』で第16回鮎川哲也賞に佳作入選し、2007年に同作品で小説家デビュー。
2012年の『戦力外捜査官』が代表作。本作はシリーズ化し、武井咲主演でドラマ化された。

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