俺だって子供だ! (文春文庫 く 34-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (474ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167811013

感想・レビュー・書評

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  • 脚本家クドカンの子育てエッセイ。常に引っ張りだこで多忙な日々を送る彼の赤ん坊との臨月1歳から3歳誕生日までが記されています。

    子どもは特に好きではなく、自分の子供も特にほしいとは思わなかったという彼が、結婚10年目にして父親になることに。
    タイトルにもある通り、彼自身が永遠の少年というイメージなので、さもありなんというところでしたが、実際に父親になると、忙しい合間を縫って出来る限り子育てに協力している様子が見て取れます。

    赤ん坊の時の世話は、夫婦で協力し合っても本当に大変だったことが行間から感じられますが、リアルな大変さは省略して、楽しくさらっと読めるようにしており、いつものクドカン節は健在。
    あえて言わなくてもいいようなマイナス面も、彼が書くとカラリとして嫌みがありません。

    自分の娘を溺愛しているのに「エルトン・ジョンに似ている」なんて表現し、さらに「エルトン・ジョンがリア・ディゾンにみえる溺愛ぶり」などと書いています。
    読んでいる方は、想像力を求められ、なかなかのカオスとなります。

    ドラマで切羽詰まった時には、家事手伝いなど全くできず、奥さんにケータイの充電までやってもらっているという売れっ子。
    さぞたくさんの本に親しんできたことだろうと思いきや、活字が苦手で、前年読んだ本は『蛇にピアス』と『大人計画社長日記』の2冊のみと知って驚きました。

    青春爆発的な作品をたくさん生み出している彼ですが、そのうちに新米パパを主役にした作品も登場するかもしれません。

  • 読む順番間違えたー(泣)

    子供嫌いな宮藤さんの子育てエッセイ(笑)。
    なのでいいことばっかりは書いてなくて
    ムカついたことも凹んだこともちゃんと正直に書かれてて好感を持った。

    0歳から3歳まで、年齢ごとに章立てされているのだが
    読んでるだけでかんぱちゃんの成長具合が判る筆致に脱帽。
    特に言葉を発するようになる前とその後では
    どっちも可愛くて堪んないオーラが出てるんだけど
    その種類が違うってことがちゃんと読み取れるように書かれているのがすごい。
    『いまなんつった?』のレビューに
    『『音』として発せられた言葉を拾う感度』と書いたのだが
    宮藤官九郎という人は音を拾う感度云々以前に特異な観察眼を持ってるんだなというのが
    今回この本を読んでみての大まかな感想である。
    眼だけじゃなくて、観察したものを五感で掬い上げる能力、というか。
    そしてしっかり親バカ目線も発動しているのが微笑ましい。
    子供はいないし、作る予定も願望もないけど
    せめて親御さんの苦労は慮れるような度量を持っていたいとは思った。
    何せ人間以前の動物を相手にしてるわけだから(爆)。

    NHKでやってた宮藤さんと葉加瀬太郎さんの対談の番組で
    小学生になったかんぱちゃんの様子を先に見ていただけに
    この本を読んでいて感慨深いものがあった。
    子供って、育つもんなんだなぁと。

  • 笑った。クドカンびいきも少なからずあるだろうけど面白かった。私もこどもは得意ではないけど純粋にいいなと思う。文春でたまに読んでいたけど、訳の分からない生き物が人になっていく過程はやはり一気読みが良い。軽い文章だけどどんどん成長していく様は感慨深い。何もかも子供に合わせる必要もなかろう、というスタンスがなんだか良い。親の生活があるんだしこのくらい良い意味で無責任に育ててもいいのでは。ところでエッセイは読むのになぜか時間がかかる。

  • こどもは苦手、こどもなんて絶対育てられない、と思っていました、私も。
    でも、「うちの子」は特別なんですね、どうしようもなくかわいいんだもの。なんとかなっちゃうものでした…子育て。
    なので、この本、にやにやしながら「甘すぎじゃない?」と突っ込みながら、読みました。
    表紙絵のせなけいこさんの「ねないこだれだ」「いやだいやだ」を愛読していたうちの子も、もうはたち。
    あっという間に大きくなっちゃって。
    近い将来、オトナになったかんぱちゃんにこの本を読まれたら、大変なんじゃないの?クドウさん、と心配です。

  • かんぱ可愛い。の一言に尽きる

  • 「11人もいる!」観てたらクドカン読みたくなったので買った。
    クドカンがちゃんと育児してるのがほほえましい。
    初めてのことばかりで親はいろいろ大変だったり悩んだりするけど、しっかり子供は育っていくのだな。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「育児してるのがほほえましい。」
      「真夜中の弥次さん喜多さん」しか観たコトないのですが、それだけで頭はブっ飛んで洗脳された感じ。でも、この本...
      「育児してるのがほほえましい。」
      「真夜中の弥次さん喜多さん」しか観たコトないのですが、それだけで頭はブっ飛んで洗脳された感じ。でも、この本は逆に素晴しい本ですね。子育てする機会が巡ってきたら読み返そうと思ってます!(全く予定ナシですが)
      2013/01/28
  • タイトルを最初に見たときは何を考えているのかと叱りたくなったけど、中身はコメディックな子育てエッセイ。隣人の親バカぶりを笑って許せる人なら楽しく読めると思う。拙い言葉や動作を、どう解釈するかでなかなかに笑わせてくれます。

  • 子育て素晴らしい!みたいな話じゃなくて良かった。淡々と自分の子供のバカさ加減を書いたり、でも可愛いと思ったり。そういうもんなのね、子育て。

  • クドカンさんの愛娘かんぱちゃん観察日記。子どもにまったく興味ないけどくどーさんの視点が面白くて楽しめた。育児してるというより観察して体験している感じ。乳幼児なので排泄の話が多い・・・。15年前ってことはかんぱちゃんもう中学生になってるのか・・・。これ読んだんですかね(汗)。嫌だろうなぁ。巻末のファミリー対談が愛に溢れててよろしかった。ほっこりしました。

  • せなけいこさんについては完全に同意。表紙もグッときた。おもしろいけど、タバコのポイ捨てはだめだよ、宮藤さん。

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著者プロフィール

脚本家、俳優、作詞家、演出家、映画監督、ミュージシャン。1970年、宮城県生まれ。91年より大人計画に参加。2001年に日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞した映画「GO」をはじめ、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」、NHK大河ドラマ「いだてん〜東京オリムピック噺〜」など数々の話題作の脚本を手掛ける。16年「グローイング アップップ」、21年「わーわーわー~はじめてのウソ~」などの楽曲をNHK Eテレ「みいつけた!」へ作詞家として提供。また、同局のアニメ「わしも‐washimo‐」の原作絵本(安斎肇絵、小学館)も担当。

「2023年 『NHK みいつけた! グローイング アップップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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