いまなんつった? (文春文庫 く 34-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (389ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167811020

作品紹介・あらすじ

セリフを書きセリフを覚えセリフを喋って20年。人生の半分をセリフとの格闘に費やして来た宮藤官九郎さんが、思わず「いまなんつった?」と聞き返したくなるような名セリフをエッセイに! 『♪ドラゴン、ドラゴン、清少納言』、『喜劇は、誰が笑うか分かんないからね』、『宮藤くん! 警察!』、『塩がめっちゃかかってておいしいーっ!』などなど、テレビ・舞台・映画・音楽・家庭などで宮藤官九郎が耳にした膨大な言葉の中から選んだ名セリフばかり。いろいろ妄想しながらお読みください!

感想・レビュー・書評

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  • 脚本家、監督、俳優、そして一児の父でもある
    クドカンこと宮藤官九郎。

    18年セリフと格闘してきた著者が
    思わず聞き返したくなるような
    ドラマや舞台や映画の名台詞を
    毎回紹介したエッセイ集。


    いやぁ〜
    NHKの朝ドラが面白過ぎて
    今自分の中で
    何度目かのクドカンブームの到来です(笑)

    彼は自分と同世代なだけに
    出てくる懐かしのドラマがすべてツボで
    もうニヤニヤが止まらんス(*^o^*)


    実は原作にも脚本にもなかった
    ドラマ「池袋ウエストゲートパーク」の長瀬智也のセリフ
    『ブクロさいこー!』

    伝説のドラマ「刑事ヨロシク」をパクっていた(笑)
    『タイガー&ドラゴン』

    等身大パネルではなく
    立体的な斉藤由貴に会いたいという(笑)
    20年来の念願が叶った
    『吾輩は主婦である』

    ドラマ「はぐれ刑事純情派」の
    藤田まことのセリフ
    『はい、携帯安浦』に隠された謎。

    あまりに含蓄のある言葉に
    目から鱗が落ちた、
    松尾スズキの楽屋でのつぶやき
    『いつまでふざけられるかな』。


    名言も沢山出てきま
    す。

    「声に出した時に
    初めて面白いのが良いセリフ、
    そのセリフの輝きを
    ずっと維持できるのが良い役者」。
    (どんなに良いセリフでも
    役者の下心が入るとそれは観客には響かない)

    「年を取ると涙もろくなるのは
    努力と挫折を繰り返した末に起こる現象」など。


    役者のエピソードでは
    台本のセリフとアドリブの境界線を超えて
    違和感なく思いつきでセリフを喋る達人の西田敏行(笑)。

    自分が書いたセリフなのに
    アドリブだと思わせる
    言い回しの天才の阿部サダヲ(笑)。

    きのこの山を食べながら
    舞台の出番を忘れる(笑)
    松田龍平。


    そして身内の話では
    思わず吹いた(笑)
    クドカン父の名ゼリフ
    『カックラキンは1日1時間!』や

    水谷豊や暴れん坊将軍の大ファンである
    三歳の愛娘のかんぱちゃんの話など、

    笑える小ネタや名台詞の数々に
    言葉の凄みや旨味を堪能できる良本!


    ヘタレな童貞精神と
    シリアスと非シリアスの絶妙な塩梅、
    昭和へのオマージュ、
    そして既成の枠なんて軽々と越えていく
    パンクな意志を併せ持つ
    クドカン作品の魅力が
    この一冊で垣間見えますよ♪

    • kwosaさん
      円軌道の外さん! お元気ですか。

      いつもたくさんの花丸と激アツなコメントをありがとうございます。
      こちらも触発され熱く返事を差し上げていま...
      円軌道の外さん! お元気ですか。

      いつもたくさんの花丸と激アツなコメントをありがとうございます。
      こちらも触発され熱く返事を差し上げています。
      『鍵泥棒のメソッド』『逆転裁判』そして以前の『続・荒野の用心棒』『死の罠』にもコメント返ししていますので、よかったら笑って読んでやってください。

      前置きが長くなりましたが、クドカン脚本いいですよね。
      初めて意識したのは『池袋ウエストゲートパーク』
      原作では「チャイナタウン、いい映画だったよな」と言って、映画になぞらえて鼻をナイフで切りつけるシーン。
      TV版では「本官さんっているでしょ、天才バカボンの。鼻の穴ひとつなんだよねぇ」ってなっていて、この脚本書いたヤツこそ天才だ、って思いました。

      あまちゃん、いいですよねぇ。
      今朝もでんでんさんが「アボカドとアボガドって、どっちが正しいんだ」って言っていて笑ってしまいました。

      いやあ、この本は読まねばいけませんね。
      とりあえず「携帯安浦」の謎がメチャメチャ気になっています。
      2013/06/04
    • 円軌道の外さん

      vilureefさん、
      コメントありがとうございます!

      おおーっ
      「あまちゃん」仲間
      嬉しいです(笑)(^O^)

      ...

      vilureefさん、
      コメントありがとうございます!

      おおーっ
      「あまちゃん」仲間
      嬉しいです(笑)(^O^)

      仕事がない日や
      遅い出勤の日にしか見れないけど、
      NHKの朝ドラとは思えない怒涛の展開に(+小ネタの数々に)
      周りのみんなにも
      勧めまくっております(笑)


      そうなんですよ〜

      vilureefさん御指摘のとおり、
      クドカン作品は
      DVD化されると話題に上がるんやけど
      いまいち視聴率には泣いてきたんですよね〜(>_<)

      一般的にブレイクして
      普通な作品になっちゃう心配も
      この本を読む限りではなさそうだし(笑)、
      コレを機に
      独特のこだわりを持った彼の作品が
      多くの人の目に留まることを
      切に願います♪


      2013/06/12
    • 円軌道の外さん

      kwosaさん、
      こちらこそ
      いつも熱く思いのこもったコメント
      ありがとうございます!


      てか、ジャック・ニコルソンのチ...

      kwosaさん、
      こちらこそ
      いつも熱く思いのこもったコメント
      ありがとうございます!


      てか、ジャック・ニコルソンのチャイナタウンが
      天才バカボンの本官さんに変換されてるなんて
      今の今まで
      知らんかったっスよ〜(爆)(◎o◎)

      IWGPの原作
      久しぶりに読み返してみようかな〜(笑)


      クドカン作品って、面白い言葉や
      いいセリフを出し惜しまないんですよね(笑)

      これでもかってくらい密度の濃いギャグや
      深い会話が盛り込まれているから
      慣れてない人は聞き流しちゃうし
      疲れちゃうんやけど(笑)
      サブカル好きや
      昭和を知る人など
      マニアのツボには
      かなりハマるんスよね〜♪


      あはは(笑)
      安浦のネタは
      わざわざ携帯に電話があった時に
      コレは携帯ですよと
      相手に知らせるのは
      なぜか?という話なんやけど、
      クドカンの考察が面白いですよ(^_^;)


      コレ、ドラマだけではなく
      クドカンが感じた
      映画での印象深いセリフも沢山出てくるので、
      kwosaさんなら
      何かと楽しめると思います!


      2013/06/12
  • 『あまちゃん』とか『中学生丸山』とか
    まさに今をときめく、というタイミングでこの本を読めたのはラッキーだった。

    文字として書かれていることならともかく
    音の形をした『言葉』は自分の場合は聞き流してしまうことが圧倒的に多いが故
    宮藤氏の『音』として発せられた言葉を拾う感度というか
    台本の言葉にしろ、誰かが何気なく言った言葉にしろ
    それを掬い上げる感性というか能力といったものは
    流石に『言葉』を仕事にしてる人だなー、という印象を受けた。

    本の感想としては、読むにつけ感じ入ることがあまりにも多いので
    単純に『面白い』というのは憚られるんだけど
    下手に理屈をつけるよりも単純に面白いと言うのがいちばん楽(爆)。
    本書の中で誰かが言っていた通り、情報量が桁外れに多いのだ。
    そんなわけで、この本がどういう風に面白いか説明することを放棄させていただいた。
    四の五の言わずに読むのがいちばん手っ取り早い。

    三宅弘城さんと中村獅童さんのエピソードは面白すぎた。
    個人的にギクッとしたのは『よう食べるなホンマ』に出てくる
    『抜けて聞こえる声』というくだり。
    自分このタイプです。間違いなく。
    ライブとかコンサートの最中に何度かステージ上の人に怒られたことあるもん(爆)。
    ホントに聞こえちゃうんだなーと思って改めて怖くなりました。
    そして申し訳なかった。

    自分の中での宮藤官九郎さんというと
    高見沢俊彦さんの『騒音おばさんVS 高音おじさん』の作詞。
    『スープも冷めないディスタンス』とか『レスポールでしばくぞ』とか大好きだった。
    それにしても意外とクドカン脚本のドラマ見てないんだなー、と
    この本を読んでて気づいたという。
    ちゃんと見たのは『木更津キャッツアイ』『マンハッタンラブストーリー』と
    今やってる『あまちゃん』くらいだな。
    『11人もいる』は録画したのを間違って見ないで消しちゃったし(´・ω・`)

  • 最近になってようやく「あまちゃん」を見始めた。明らかにこの本を読んだ影響だ。その気になって見てみると、実に台詞がすごい。構成がすごい。
    そういえば「タイガー&ドラゴン」も途中からハマった。
    たぶん最初がなんか派手な感じがして腰が引けてしまうのだ。でも見始めるとその台詞の巧妙なことにやられてしまう。
    このエッセイもまた、何度でも読みたくなる話ばかり。
    クドカンはすごい、というのが結論。

  • 「週刊文春」にて2008年5月から2010年9月まで連載されていたコラムの文庫版。
    宮藤さんがそのとき携わっていた作品やバンドの話や娘さんの話がギッシリ詰まったボリューミーなエッセイでした。
    ドラマの脚本執筆中に娘さんから何話書いてんの?と聞かれて8話と答えた宮藤さん。ひゃくわ?と聞き間違いされてこう返す。「8話だよ、全部で11話だから。100話も書いたらお父さん死んじゃうからね。100話とか、冗談でも言っちゃダメだよ」……数年後に朝ドラ書いてますよー!!(笑)

  • 宮藤官九郎。実はドラマちゃんと観たことない。
    観たら絶対面白いんだと思うわ。
    ただ、、、もっと昔に観てたら良かったんだろう。
    しかしながら、特別企画のところで、本人の年齢に合わせて作品の厚みが変わってる的な内容が書いてあったので、そういう見方もひとつなのかもしれない。
    たわいない会話の中に想像力が働くのは、さすが。

  • 2008年~2009年に文春に掲載されたクドカンのエッセイ。面白かった。何気なく発せられた言葉や、ドラマや映画などでの台詞に気をとめて、自分なりの考察。育児日記もかんぱちゃん面白そうなので読んでみたい。巻末のプロデューサー対談は宮藤さん読んでどう思ったのだろうなぁ。すごく褒めてるけど、ほぼ身内だから遠慮もないので、本人にしたら赤面ものって感じがする。ファンなのでにやにやしながら読んでしまった。

  • クドカンの、セリフにまつわるエッセイ。短くて楽〜に読める。
    オチをつけようとしているところが、無理やり感があってあんまりハマらなかった。

  • 人生の半分をセリフとの格闘に費やして来た宮藤官九郎が、思わず「いまなんつった?」と聞き返したくなるような名セリフをエッセイに。TV・舞台・映画・音楽・家庭で耳にした名&迷セリフ111個と描き下ろしを収録。

    最近、クドカンのドラマ観なくなったなぁ…木更津とかすっごい好きだったのになぁ…と懐かしくなって読みました。いつのまにか、あのハイテンションについていけなくなってしまった…

    連載していたのがかなり前なので懐かしいものもあり、あーこんなドラマあったなぁ…と思いつつ楽しく読みました。個人的に爆笑したのは「1オクターブ違うとキーは一緒らしいよ」読みながら「キー一緒じゃない?」と思ってたんですよね…(笑)終始、禁煙する禁煙すると書いてありましたが結局禁煙できたんですかね…

  • 台詞がテーマのエッセイ。一つ一つが短いのでサクッと読めて面白かった。久しぶりにクドカン作品を観たくなった。

  • クドカン大好き〜〜〜〜!!!!!!!!好きで好きでたまらん〜〜 一番好きな脚本家 ギャグとか笑いのセンスが好きなのもあるけど、伝われ伝われと込めて発信するそのメッセージ性に ほんとに救われる 星野源に通ずる カルチャーへの愛を感じる

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著者プロフィール

脚本家、俳優、作詞家、演出家、映画監督、ミュージシャン。1970年、宮城県生まれ。91年より大人計画に参加。2001年に日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞した映画「GO」をはじめ、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」、NHK大河ドラマ「いだてん〜東京オリムピック噺〜」など数々の話題作の脚本を手掛ける。16年「グローイング アップップ」、21年「わーわーわー~はじめてのウソ~」などの楽曲をNHK Eテレ「みいつけた!」へ作詞家として提供。また、同局のアニメ「わしも‐washimo‐」の原作絵本(安斎肇絵、小学館)も担当。

「2023年 『NHK みいつけた! グローイング アップップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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