TOKYO YEAR ZERO (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2012年11月9日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (560ページ) / ISBN・EAN: 9784167812133

作品紹介・あらすじ

戦後日本を描く暗黒小説大作!



焼け跡の東京をさまよう殺人鬼の闇、それを追う警視庁刑事の封印された過去。あまりに圧倒的なミステリ大作。「このミス」3位。

感想・レビュー・書評

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  • 書架で見かけて。

    すごい。
    日本人でもここまで描けないと思うような、
    戦後占領下の東京の猥雑な、ある意味熱い空気感というか臨場感が
    ひりひりと描かれている。

    翻訳家が秀逸なのか、編集者が凄腕なのか日本語も全く違和感がない。
    ここのところ、どうなのよという翻訳をちらほら見かけたが、
    日本人が書いたといってもわからないぐらい。

    というか、話の展開がすっきりしないところとか、
    主人公の内面をどろどろを書きつづるところとかは、
    日本人が書いたという方が納得できるかも。

    そして、一応実際の連続殺人事件が題材なのだが、
    そこの謎解きはあるんだかないんだか、よくわからない。
    主人公の秘密の方が謎解きの主題なのかも。
    いづれにしても、ミステリーとしては、いまひとつ。

  • ちょうど楽しみに観てたTBS金曜ドラマMIU404の最終話のサブタイトルがゼロだったのが感慨深かった。コロナ禍の2020年はトーキョーイヤーゼロなんだな。戦後のような空虚な時代。焼け野原。この本については最後何がどうなったのだろう。芝で見つかった身元不明の女性の死体は三波=片山が殺した愛人の由紀。動機は結婚してとせがまれたから。死体を小平の連続殺人の中に潜り込ませた。と推理してよくよくチェックすると、服装が同じだった。いや実に分かりづらかったけれどはっきりと書かなかったのは実際に存在した被害者への冒涜にならないように、ってとこかな。色々人のレビュー読んでみたけど、ここに突っ込んでる人がいない。気づかないって残念すぎない?

  • 病的に繰り返される同じ言葉に飽きます。翻訳のせいなのか、はたまた翻訳のせいなのか訳のわからないストーリーが頭に全く入ってきません、!。

  • 玉音放送の日の午前、女の腐乱死体が見つかったという通報を受け、駆け付けた刑事三波(と部下、憲兵など)。彼らは倉庫の別の部屋に隠れて震えていた朝鮮人の男を犯人と断定し、その場で殺してしまう。その一年後、同じような手口で殺された女性が次々と発見される。

    謎解きとしての面白味、警察小説としての面白味もあるけれど(何せ実際に起きた事件で有名な事件なので結末を知っている人も多いと思う)、何より戦後の東京の混乱ぶり、歪んだ秩序、不衛生さ、傲慢さ、そういう部分の描写がすごく上手で、暑い痒いくさいなどの感覚的なキツさにぐいぐい引っ張られた。
    Ⅱは帝銀事件、Ⅲは下山事件を描くらしい。楽しみ。

  • 終戦、いや敗戦の年が東京元年…『TOKYO YEAR ZERO』ということか。小平事件を扱った非常に難解な物語だ。文章のサブリミナル、読者を狂わせようという悪意に満ちた文章としか受け取れない。『日本人よ、お前達は敗北したのだ。戦時中にお前達が他国で狼藉の限りを尽くす間にお前達は小平のような殺人鬼を野放しにしていたのだ。悔い改めよ。』というメッセージが頭の中に響いてくる。非常に苦痛を伴う物語。作者の術中にはまったか…

    デイヴィッド・ピースの作品は、ハヤカワ文庫の四作からずっと読んでいるが、いずれも狂気に満ちたホラー小説のようだ。

  • すごい。
    巻末に挙げられた参考文献や映像の一覧も圧巻です。

  • 著者はイギリス人で、
    イギリス人の感性で書かれる第二次世界大戦後の日本に興味を覚えて読み始めた。
    終戦からストーリー始まるが、その時代設定の警察小説なんて読んだことないので興味を持ったのだが、
    読み始めてみると、
    文章が僕には合わなくて読みずらい。(これは著者ではなく、訳者と相性が悪いのかわからないけど)
    100ページくらいで読むのやめた。

  • この作家は第一作以来で読んでみたのだが、依然としてエルロイのバッタもんくさいところは否めない。ちょっとスタイルにこだわりすぎと言うか。

    しかし終戦直後の東京を舞台にして、ガイジンが書いた不自然さもあまり感じさせぬ。このドロドロした感じが出せるのはたいしたもの。次作も読んでみたい気になった。

    解説によると上田秋成と泉鏡花を意識していたと。言われりゃなるほど納得だが、ミステリとかけ離れた取り合わせで、読んでいる最中はそうとは思わなかった。

    ラストは何となく予想できたスジではあるが、いまいち何がどうだったのかきちんと分かっていなかったりする。

  • 実在した事件―――小平事件を追う一人の警官。
    何が真実で、何が嘘なのか。
    誰が本人で、誰が偽名で生きているのか。
    価値観の大転換期。
    復興への喧騒、それは昨日までの真理をいとも簡単に覆してしまう。

    そんな時代の真実。
    一つの真実は殺人鬼がいるという事。
    被害者の生きていた足跡も真実だという事。
    病んだ警官、病んだ組織。
    事件を追うのは矜持なんだろうか。
    それとも、現実からの逃避行なんだろうか。
    それとも、妄想に次ぐ、妄想?

    世相―――時代背景の描写、リアルな"生"と"性"。
    実在人物と"タブー"。
    史実と虚飾の組合せ。

    圧倒されたなぁ。
    日本人作家ではここまで書けたかどうか。
    外国人作家だから書けたであろう、終戦直後の赤裸々な日本、日本人の姿。
    倫理も秩序もへったくれもない混沌と荒廃の東京。

    とんでもない異質なノワール小説です。

  • ひたすら重い。
    戦後の日本の状況を垣間見ることができる。
    戦争に負けるってことがどういうことなの考えさせられる。

  • 小平事件をモチーフにしたノワール?
    ちょっと読みにくいところもありますが、イギリス人がここまで戦後の日本を書き込んだというだけでも脱帽。

  • 決して読みやすい小説ではないが、終戦前後の東京の汗臭さと怪しさが濃厚に臭う。飢えた社会の身も蓋もないもない有様は強い説得力を持つ。

  • 終戦直後の東京を舞台に、実際にあった殺人事件を題材にして刑事たちを描く。3部作の1作目だそうだが、文体が特殊。叙述と叙情が渾然一体となって「ガリガリ」「トントン」などが頻繁に挿入される。これは好き嫌いが分かれるのでは。慣れるまでに時間がかかる、というか、最後まで慣れなかった。終戦直後の混乱期で、題材としては非常に良いし、物語自体は面白かった。ただ、この文体が…。続きを読むか迷う…。

  • ドグラ・マグラのような小説。ちょっと無理。

  • 終戦直後に実際に起こった連続女性殺人事件を背景に、敗戦後の日本の姿を描いたミステリー。
    主人公による呪詛の言葉が文中で一見脈略もなく繰り返される上、主人公が抱えた幻想と実際の出来事が渾然一体として語られるため、非常に読み辛かったが、戦後の混乱期の日本がこれでもかという程執拗に描かれており、その迫力にはとにかく圧倒された。
    帝銀事件を扱った第二作も好評のようなので、機会があれば読んでみたい。

  • 繰り返し吐き出される言葉が呪詛か念仏のようで、異様な程物語の幅を広げてるな。

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