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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784167812157

作品紹介・あらすじ

古今のイヤな名作短編を精選!読後感最悪。



クリスティーやハイスミスのイヤミスからロシア現代文学の鬼才による狂気の短編まで、後味の悪さにこだわって選び抜いた名作短編集。

みんなの感想まとめ

人間の心の暗い側面を描いた短編集で、厭な物語が集められています。各作家の独特なスタイルが光り、アガサ・クリスティやパトリシア・ハイスミス、モーリス・ルヴェルなど、著名な作家たちの作品が収められています...

感想・レビュー・書評

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  • 前から気になっていた、人間の心の恐ろしさを描いた名作アンソロジー11編。

    イヤミスと一口に言っても、湊かなえさんの『告白』のような感情直撃型イヤミスは、ただ辛くなって落ち込んでしまうので苦手。

    私が好きなイヤミスは、皮肉やブラックユーモアや、後からじわじわくるようなひねりのあるもので、この本にはそんなイヤミスが多く収録されていた。

    ■アガサ・クリスティ『崖っぷち』
    人間の醜い感情だけど、その気持ちもわかるという部分もあって、気づけば夢中で読んでいた。特にあるシーンは強烈に心に焼き付いた。今までクリスティの短編は苦手でほとんど読んでこなかったけど、楽しめたので短編もチャレンジしようかな。

    ■パトリシア・ハイスミス『すっぽん』(既読)
    毒親と子どもの物語。最近読んだばかりの『11の物語』の中でも1番衝撃的だった作品。
    ハイスミスの母親との関係を基にしていると知ると、より胸に迫るものがあった。

    ■モーリス・ルヴェル『フェリシテ』
    短いけど1番心に残った。
    一度だけ触れた温かさが、その後の孤独の感じ方を変えてしまう。幸せを知らなかった方が良かったのかな…と考えさせられた。
    余韻がなんとも切ない。。。

    ■シャーリー・ジャクスン『くじ』
    明るいのどかな村の様子が描かれる一方で、村人全員が引いているくじの目的はいつまでたっても説明されない。じわじわ漂ってくる不気味さが良い。

    ■フランツ・カフカ『判決』(既読)
    前回は4回続けて、今回も2回読んだけど、前回とはまた少し違った見解になった。
    読むたびに作品の顔がまったく違って見える瞬間がたまらなく好き。
    読めば読むほど味わい深い、スルメのような作品。
    ハイスミス『すっぽん』と同様に、この作品も親との葛藤がにじみ出ている。
    葛藤があるから物語が生まれるのか、感受性が強すぎるから苦しみを余計に抱えてしまうのか…そんなことを考えてしまった。

    ■フレドリック・ブラウン『うしろをみるな』(既読)
    2回目なのにまたビビってしまった。
    解説は普通は巻末にあるものだけど、『うしろをみるな』の前に置かれていて、ナイスな演出だった。

  • これすごく名作揃いで好きなんだけど、表紙がB級っぽすぎてそれだけが残念‥。

    シャーリー・ジャクスンの、くじ
    パトリシア・ハイスミスのすっぽんが特に好き

  • 後味の悪い短編を集めたアンソロジー。普段あまり読まないタイプの作品なんだけど、やっぱり暴力的な描写が入る作品は特にイヤな気分になるなあ。一番良かったのがモーリス・ルヴェルの「フェリシテ」。イヤというよりは切ない。

  • 読後嫌な気持ちになる話しかないアンソロジー
    なかなかナイスなテーマ

    アガサ・クリスティー
    Pハイスミス
    モーリス・ルヴェル
    ジョーRランズデール
    シャーリィジャクスン
    ウラジーミル・ソローキン
    フランツ・カフカ
    リチャードクリスチャンマシスン
    (リチャードマシスンの息子)
    ローレンス・ブロック
    オコナー
    フレデリック・ブラウン

    実に錚々たる面々、平伏す面子
    平均点が高くて満足なんですが
    マシスンの「赤」
    これはすごい、まったく知らなかった
    たったの4ページ
    切れ味抜群後味どんより素晴らしい

    そして解説後にブラウンの「うしろをみるな」を配置する憎らしさ。いいアンソロジーでした
    いやなはなししかないけどね

  • 厭な気持ちになる物語を集めた短編集。でもホラーじゃないよ。

    これを読んで幸せな気持ちになる方は、自分が異常であると自覚してください、……というくらい、笑えたり、暖かかったり、幸せだったりする物語はありませんので、「わざわざ厭な気持ちになる物語をなんで読まなきゃあかんねん」という方は、この本のことは忘れて結構。厭な話は嫌いだけど何故か読んでしまうという方は、手に取ってみては(ちなみに、どの作品もグロいわけではありませんので、そういうのが苦手な人でも安心です)。

    本書には11の物語が収録されていますが、個人的なおすすめをいくつか紹介。


    モーリス・ルヴェル『フェリシテ』。フェリシテという女性の掌編。孤独しか知らなければ孤独には耐えられるけれど、人の温もりを知った後の孤独には耐えられない、というド直球テーマ。厭な物語のアンソロジーに収録されているが、どう考えてもこれは純文学。人間心理をストレートに描いています。

    ジョー・ランズデール『ナイト・オブ・ザ・ホラー・ショウ』もかなり厭な気分になる。たったひとつの選択ミスが決定するバッドエンドへの直行便。南部アメリカに根付く黒人差別の行き着く果ては。

    リチャード・クリスチャン・マシスン『赤』。たったの4ページ。タイトルの『赤』の意味に気づいたとき、あなたは間違いなく鬱々とした感情の渦になすすべもなく放り込まれる。4ページしかないので、本書が気になっている方は、『赤』を立ち読みしてから、買うか買わないかを決めてみてはどうでしょう。

    が、個人的には何と言っても、シャーリィ・ジャクスン『くじ』。村という集落で起こる一年に一度の大イベント、くじ引き。ナゼ?もドウナル?も語られないまま進むくじ引き。ページの終わりに向けて、不安な感情と厭な気持ちがじわりじわりとせりあがってくる、厭な物語の傑作。ジャクスンと言えば『たたり』とか『すっとお城で暮らしてる』が代表作ですが、この『くじ』も短編の古典的名作だったんですね。無知でした。


    ……こうして厭な物語を読んでみると、ふと気づいたことがあります。幸せな結末の物語は、「なんじゃこりゃ」とか「サイコーに感動した!」とか人それぞれの感想になりがち。多分それは幸せの尺度(カタチではなく)が人それぞれの価値観によりものが大きいからではないかと思います。しかしながら、「あ、これはイヤだ」という感想は、みんながある程度同じように感じるのではないか。人として生きる上で、イヤだと感じる物事は、人である以上同じなのではなかろうか。本書を閉じたあと、そんなことを考えました。


    ちなみに、フレドリック・ブラウン『うしろをみるな』も、厭な物語といえば厭ですが、他の作品とは後味が全く異なりますので、ご注意を。必ず最後に読むこと。

  • クリスティやカフカと様々な作家の厭な話を集めたアンソロジー。
    シャーリイ・ジャクスンの「くじ」が断トツ!見事!
    以前から聞いていた傑作という評判はその通りだった。
    しかし本当にどれもこれも厭でしたねぇ…。

  • 『古今東西の名だたる作家たちが贈る、不快感抜群のイヤミスアンソロジー! 不貞を働いた恋敵への制裁、古くから村に伝わる慣習、妹を殺した殺人犯への復讐劇などなど。登場人物のたどる、最悪の結末とはいかに?』

    ムカデのように這いずり回り、蜂のようにグサリと刺す。そんな悪意と不快感が、本を通じて全身に感染するように感じました。これこそ"毒書"体験!

    印象的だった作品をいくつか……。

    『くじ』
    何が起こるのか、なぜそれをやるのか、何も説明せずに淡々とコトが進んでいき、ラストで不快感は頂点に。
    何なんだこれは! という叫びが、この残酷な短編に対する感想です。

    『赤』
    たった4ページの物語が、これほどまでに怖いなんて! 抽象的な説明が実像を結んだ瞬間、あまりの残酷さに身の毛がよだつ思いをしました。

    『言えないわけ』
    話の展開は読めていたのに、それでもこのオチは予想できなかった! この短編集の中では、悪意が最も色濃く現れた作品だと思います。

    その他の作品も、救いようのない絶望感たっぷりの作品ばかりです。
    特に最後の最後の作品、「うしろを見るな」は、絶対に最後に読んでください。

  • 58冊目『厭な物語』
    (アガサ・クリスティー他 著、2013年2月、文藝春秋)
    読者の心を抉るような、読後感の悪い短編小説を纏めたアンソロジー。
    アガサ・クリスティー作「崖っぷち」、フランツ・カフカ作「判決 ある物語」など全11編収録。
    歴史にその名を残す文豪から、現在でも活躍中の人気作家まで、幅広い人選。
    収録されているのは海外文学のみである。
    孤独や嫉妬、復讐心といった人間の心の闇が、嫌というほど描かれる。
    スラッシャー・ホラーのような作品もあり、夏の読書にうってつけである。

    「後ろは見るなよ。」

  • この邦題のセンスは 
    ちょっと アレですが・・・

    これまでにもう、数え切れないくらい
    読み返している 翻訳物の短編集。

    昨今流行りの「イヤミス」なるジャンルが
    子どもの遊びに思えてくるほど
    底力を感じる作品ばかりです。

    「読者を驚かせてやろう」という
    技巧的な意図ではなく

    もっと本質的な恐ろしさ。

    善行と正義の皮を被った利己主義
    アガサクリスティ の『崖っぷち』。

    真の絶望というのは
    もしかしたら こんな風に 
    とても 静かに
    訪れるものなのかもしれない
    『フェリシテ 』。

    慟哭。
    それ以外の何物でもない『赤』。

    この後も、きっと何度も何度も
    読み返すと思います。

    人は どれほど残酷になれて
    運命は どれほど不条理なものなのか。

    そして その先に見えてくる
    希望の微かな光ー。

    大好きなアンソロジーです。

  • 収録作は著名な作家のものばかりなので、読んだ事があるものもいくつか。アメリカの作家が多いけど、せっかくアンソロジーなのだから、もう少しバラエティが欲しい。
    クリスティの「崖っぷち」は初読。この一編だけで値段分の価値があると思えるので、まあ満足。

  • 本当に救いのない形で終わっていく物語ばかりでして、正直読んだ時の感想が「えー…」というね。これで終わっちゃうの!? 一片の救いも与えずに…? という感じでしてまあ、海外の人と日本人って感覚が違うのかもしれませんねぇ…。

    ↑まあ、日本の作品でも救いのない物語なんてたくさんあるんでしょうけれども…それにしたってこの作品に収められている短編は容赦がない、と思いましたねぇ…社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    海外ミステリってか、海外の作品って土地やら場所やらもカタカナだし、僕の貧困な想像力じゃ想像しきれない部分があって苦手だったんですけれども、不思議とこれはどんな結末になるんだ!? と先が気になる感じでぐんぐん読めましたねぇ…。

    なんでも続編とかあるみたいですし、うーん…そちらもぜひとも読んでみたくなりましたねぇ…おしまい。

    ヽ(・ω・)/ズコー

  • 全部が読後「厭な」気分になるかと言われると微妙だけど、この値段でいろんな作家の作品が読める点ではお得。これを導入部に好きな作品の作家を読んでみるといいのかも。
    パトリシア・ハイスミス「すっぽん」やシャーリィ・ジャクスン「くじ」は有名すぎて、いろんなアンソロジーに入ってるので、今さらな感じ(名作ではあるけれども)。
    やっぱりアガサ・クリスティーの「崖っぷち」が秀逸だった。あとフラナリー・オコナー「善人はそういない」もかなり救いのない話。

  • まさに厭な物語。後味の悪い話を集めたアンソロジーです。
    厭さでいうと「ナイト・オブ・ザ・ホラー・ショウ」が抜きん出て厭だった。次に「赤」それとやっぱり「くじ」も厭だなぁ。「言えないわけ」は、あれっこれは爽快な復讐劇なのでは…?と思ってたらやっぱり厭なラストだった。「うしろをみるな」を一番最後に持ってくる構成が素晴らしい。
    後味の悪い話が結構好きなので面白かったです。第二弾も読もう。

  • この種の厭ミス・奇妙な味と言われる小説はたまに読むと面白いのだが、あまり続けて読むべきではない。早川の「キス・キス」と続けて読んだら気分が悪くなってしまった。

  • 古今東西の11編の厭な話を集めたアンソロジー。

    アガサ・クリスティー、パトリシア・ハイスミス、ジョー・R・ランズデール、ローレンス・ブロックといったミステリ作家から、モーリス・ルヴェル、シャーリイ・ジャクソン、リチャード・マシスンといったホラー作家、さらにはフランツ・カフカ、ウラジミール・ソローキン、フラナリー・オコナー、フレドリック・ブラウンの短編を収録。

    日本のイヤミス作家、真梨幸子、沼田まほかる、湊かなえの作品に比べるとスルメのようにジワジワと厭さ加減が持続する作品ばかり。

  • クリスティはじめ、さすがの名手ばかりの短編集。

  • わたしとしてはやはり群を抜いて
    シャーリイ・ジャクスンの「くじ」が最もよかったように思う。
    これはすでに読んで知っていた作品なのだが、
    何度読んでも恐ろしく、見事な人間描写だと感じざるを得ない。

    それから
    ・アガサ・クリスティー作「崖っぷち」
    ・ローレンス・ブロック作「言えないわけ」
    ・フレドリック・ブラウン作「うしろをみるな」
    あたりが、読んでいて――そして読み終えて――個人的には結構好きだなと感じた。

    しかしながら、この本の中で最高の収穫は間違いなく、
    「フェリシテ」だろう。シンプルだが、人間のもつ一面を見事に描き出した名作だ。著者のモーリス・ルヴェルという作家に非常に興味を持った。
    彼の短篇集「夜鳥」もぜひとも読んでみたい。

    それにしても、この本に収録されている11作品中8作品がアメリカ生まれの作家によって書かれたもの(翻訳はもちろん日本人だが)というのは、
    果たして本当に偏った選出ではないと言い切れるだろうか?

    もちろん、十分に愉しめたのだから、私個人としては全くもってかまわないのだけれど。

  • 海外の選りすぐりバッドエンドの短編11編のアンソロジー。
    見事な後味の悪さだった。
    アガサ・クリスティはこういうのとか「春にして~」みたいな作風が好き。小中学生で読んでもピンとこなかったような作品。
    私のベストスリー
    1 赤/リチャード・クリスチャン・マシスン
    2ナイト・オブ・ザ・ホラー・ショウ/ジョー・R・ランズデール
    3フェリシテ/モーリス・ルヴェル

    ルヴェルは積み読であるから楽しみ。

    リチャード・クリスチャン・マシスンはあのリチャード・マシスンの息子さん。

  • 厭な話、傑作選。えげつなさでは「ナイト・オブ・ホラー・ショウ」かな?短いけど「赤」も酷い話。「言えないわけ」の騙し合いもね~。「善人はそういない」この本の中にはいないですね。「判決 ある物語」は再読の筈なんですが全然覚えてなくて楽しめた。「崖っぷち」の終わりもびっくり。「すっぽん」ある意味素直な残酷さ。「くじ」も再読。こちらは最近読んだので・・・そして最後の「うしろをみるな」首筋がさむくなりました。うしろ見ます。わっ

    • 日向永遠さん
      nanacoさん、コメントありがとうございます!
      この本、絶対nanacoさん好みだと思います^^
      面白かったですよ!!
      nanacoさん、コメントありがとうございます!
      この本、絶対nanacoさん好みだと思います^^
      面白かったですよ!!
      2013/03/10
  • タイトルを見た瞬間京極夏彦の『厭な小説』を思い出して即座に手にとってしまった
    実際に解説にはそれから発想を得たのだろうと想像されると書いてあった
    あと帯の『読後感最悪。』に惹かれて

    実際読後感最悪です
    バッドエンド嫌いな人は言わずもがなですが読まないほうがいいかも…
    逆にそういうの好きな人には最高だと思います

    『フェリシテ』が切ないなかにも美しさのようなものがあって好きです
    あとは短いけれど衝撃のある『赤』
    『善人はそういない』ば厭ななかにも悪党の考えには考えさせられるとこもあり…

    一番厭だったのはダントツで『ナイト・オブ・ザ・ホラー・ショウ』
    最初から最後までずっと厭な気持ちで読んだ
    ゲスいし、残酷だし、胸がムカムカする
    さすがにこれはホントに厭だったなぁ

    最後の『うしろをみるな』は配置がさすが

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著者プロフィール

1875-1926年。フランスの作家。パリで医学を学び、趣味で書き始めた短篇小説が《ル・ジュルナル》紙に採用され作家となる。数百篇に及ぶ短篇の多くは恐怖や悲哀、異常心理を主題とし、ポーやモーパッサンの系譜を継ぐ残酷物語として人気を博した。グラン・ギニョル劇場で残酷劇も執筆。短篇集に『地獄の門』(1910)、『夜鳥』(1913)がある。大正・昭和初期に《新青年》誌で紹介され、江戸川乱歩、夢野久作らが熱烈な賛辞を捧げた。

「2022年 『地獄の門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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