ロードサイド・クロス 上 (文春文庫 テ 11-25)

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (389ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167812300

作品紹介・あらすじ

ネット社会の完全犯罪に巨匠が挑む! いかなる嘘も見破る「人間嘘発見器」キャサリン・ダンス、第二の事件。 路傍に立てられた十字架。それは殺人の予告だった。十字架に名前の記された女子高生が襲撃されたのだ。被害者はかろうじて難を逃れたものの、同様の企てが連続する。警察の調査から、狙われた少女たちは皆、陰湿なネットいじめに加担していた。いじめの被害者である少年は行方不明となっていた。 カリフォルニア捜査局の尋問の天才、キャサリン・ダンスは少年の行方を追うが、ついに十字架で名前の予告された人物が殺されてしまう。関係者への尋問を重ねて、ダンスは真相へにじり寄ってゆく……。 ネットによる吊るし上げ。ブログの炎上。オンライン・ゲーム。巨匠がコンピュータ社会の闇に切り込み、おそるべき犯罪計画を描き出す。サスペンスの果てに明かされる、アガサ・クリスティーばりの意外な犯人!

感想・レビュー・書評

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  • キャサリン・ダンスシリーズ#2。

    言葉、表情や動作など、相手の様子から嘘を見抜くことができる「尋問の天才」ダンス捜査官の、連続殺人犯との化かし合い。

    殺人現場の路上近くに置かれた十字架(ロードサイド・クロス)が発端。捜査線上に浮かんだのは、「交通事故を起こし、同級生を死なせたとして、ネット(ある著名ブロガーのサイト)上で叩かれている」高校生の青年であった。被害者たちはどうも、その「ネットいじめ」に匿名で参加しているコメント投稿者らしいと目されるのだが・・・。

    ダンス自身の母が(前作との絡みで、殺人の容疑者として)逮捕されてしまうというサイドストーリーもあり、著者得意の二転三転、現実とネットの、または人の心理の奥の、虚実を織り交ぜた先の読めない展開が続く。

    結末の鮮やかさは相変わらずだが、ちょっと作り過ぎかなー、話、上手すぎるかなーという気もする。

  • キャサリン・ダンスシリーズの第二作。

    交通事故で亡くなられた人のために道路脇に立てられた十字架は、
    実際に見かけたことがあるので
    最初の部分の不気味さは半端なかった。

    その後、ネットでのいじめや仮想世界ゲームの話になってしまい、
    不気味さが失われ、
    また、キャサリンの特技である尋問の場面がなくて少し残念だった。

    (下巻へ続く)

  • 感想は下巻

  •  リンカーン・ライムもののスピンオフというより、独自のシリーズといった方がいいようなキャサリン・ダンスのシリーズ。舞台も遠く離れた西海岸だし、だいたい本作にはライムもアメリア・サックスも出てこない。こちらは州捜査局のキャサリンと郡保安官のマイケル・オニールという微妙な関係のペアが捜査にあたる。証拠第一主義のリンカーンと尋問スペシャリストのキャサリンでは拠って立つところがまるで異なるが、そこはそれこの作者の手にかかると、似たようなアクロバティックな展開になる。もうずいぶん読んでいるので、あ、これは引っかけだなというのはほとんどわかってしまうが、しかしそれでもこの真犯人には驚いた。ちょっと結末はあっけないというか、ここだけは犯人がお粗末すぎなのが残念だけど。それと、ストーリーのどんでん返しはともかく、その真相に気づく部分がありきたりで、せっかくのキャサリンの尋問テクニックが事件解決には生かされていないのもちょっと不満。

  • キャサリン・ダンスシリーズの2作目。前作とのつながりである刑事相棒事件の安楽死事件で母親が逮捕される事件をサイドケースに、ブログによる偽情報拡散の恐怖を背景とする殺人事件。道端に十字架を置く手法は宗教的で哲学的。2つの事件の並行する展開の仕様が本当に面白い。下巻へ

  • なにげなく、「この人の本も読んでみるか」くらいのつもりで読みました。文庫本で上下巻飽きさせないエンタメ性はレベルが高かったと思います。インターネットの書き込みなどをめぐる偏執狂的な?殺人事件だった気がします。主人公がシングルマザーで、「細かい仕草から人の嘘や心理を読む」みたいなプロフェッショナル。

    ただ、「うーん結局イカレた犯人の仕業ってことで、そこから動機を巡る人間ドラマには入っていかないのか」と思ったことを覚えています。あと、主人公の感じがぶっちゃけメンタリティとしては優等生だったな、っていう読後感でした。
    (読み終わってから相当に経過してから書いているので、記憶が間違っているかも知れません)

  • ディーヴァーさんに
    求めるレベルが高くなりすぎて
    ちょっとエンプティ・チェアーのときみたいな
    ダレた部分もあったけどやっぱ
    ツイストしてくるあたり流石火星人

  • 2016/2/5購入
    2016/12/30読了

  • 前作の事件に関する“後始末”的な挿話が登場するので、シリーズの前作から読んだ方が善いのかもしれないが…独立作品として十二分に愉しい!!

  • 2009年発表
    原題:Roadside Crossesl

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著者プロフィール

1950年、シカゴ生まれ。ミズーリ大学でジャーナリズムを専攻。雑誌記者、弁護士を経て40歳でフルタイムの小説家となる。科学捜査の天才リンカーン・ライムのシリーズ(『ボーン・コレクター』他)や“人間嘘発見器”キャサリン・ダンスのシリーズ(『スリーピング・ドール』他)は全世界でベストセラーになっている。ノンシリーズ長編小説、短編小説など人気作品も多数刊行
『ブラック・スクリーム 下 文春文庫』より

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