オリーブ (文春文庫 よ 31-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167813024

感想・レビュー・書評

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  • オリーブの木を買ってきた翌日、突然、消えた妻。跡を辿ろうとする夫は、2人の婚姻届すら提出されていなかった事実を知る。彼女は一体何者だったのか?そして、彼女の目的とは?表題作の「オリーブ」をはじめ、「紅雲町珈琲屋こよみ」シリーズの著者による、「大人の嘘」をモチーフにしたサスペンス作品集。

  • 短編5作品。
    どれも大人の読み物という印象。読後にしみじみとしたものが流れる感じ。短編の良さが特に感じられた粒そろい。

  • *オリーブの木を買ってきた翌日、突然、消えた妻。跡を辿ろうとする夫は、2人の婚姻届すら提出されていなかった事実を知る。彼女は一体何者だったのか?そして、彼女の目的とは?「大人の嘘」をモチーフにしたサスペンス作品集*

    しばし放心ののち、じわりと込み上げてくる、心に染み入る余韻。久方ぶりに胸を打つ作品に出会いました。
    「嘘」も「喪失」も「痛み」もそのまま静かに受け入れ、咀嚼し、そっと手を伸ばす。ゆっくりと立ち上がり、歩き出す。哀しみも微笑みも表裏一体だと知っているのは、大人だからこそ。得も言われぬ情緒溢れる、大人のための物語。

  • 藤田香織・書評シリーズ。
    2冊目のこちらもkamoshigiさんよりお借りしての読了。

    最近読んだ角田光代の「かなたの子」
    さかのぼると沼田まほかるの「痺れる」
    もっとさかのぼると朱川湊の「花まんま」

    この辺とおんなじ感じ。

    とはいえ、藤田さんも書いていたけど、
    ただただ失ったものだけを呈すのではなく、
    そこからいろんなものを気づかせてくれるというか、
    救いがある、一筋の光がある、どれも終わり方で、
    読了後の後味は決して悪くありません。

    この方もはじめての出会いだったけど、
    別の作品も読んでみたくなりました。
    (紅雲町珈琲屋こよみシリーズ。)

  • 解説でもあったが、オリーブのように最初は「苦い」と感じていたものが「旨い」と感じるようになる、そんなような小説だった。
    初めは裏切りや盗みなどの卑劣な行いに嫌気がさすなと感じていたが、それぞれ主人公が大切なとのを失うと同時に、これからの未来を歩んでいく様にどこか清々しさを感じるようになった。
    今はまだこの物語を読むには「苦い」と感じるような人生経験だか、いつかまた読んだ際に「旨い」と感じる日がくるのかもしれない。

  • 表題作の「オリーブ」がとても好きでした

  • 妻が家を出た理由に愕然とする夫、余命幾ばくもない男が自宅で見つけた妻と親友の秘密…
    大人の嘘をモチーフにした五篇からなる作品集。男女の愛憎に満ちたサスペンス風味です。
    初読み作家のはずだが、するすると読める。どこかで読んだ事がありそうな、なさそうな、
    新鮮味がないような、しっくり馴染むような。いずれ他作品も読んで相性を確かめてみたい。

  • めちゃめちゃ面白かったです。びっくりした。表題作の『オリーブ』から『カナカナの庭で』『指』『不在』ときて、最後の『欠けた月の夜に』まで、粒ぞろい。すごい。
    解説の「子供の頃、苦いとしか感じられなかった食べ物が、いつの間にか「美味しい」と思えるようになったように、吉永南央の描く「苦さ」を私は「旨い」と思う。」この一文が、本当にまさにその通り。そのまんま『オリーブ』。短編集を読んで、全ての話が手放しに好きなものって正直かなり少ないですが、これは文句無しで全部すきです。星5。でも強いてNo.1を決めるなら、どんでん返し感にしてやられた、やっぱり『オリーブ』か『欠けた月の夜に』かなあ。ここは甲乙告げがたい。よい読書の時間でした。

  • どれもなかなかにシュールな短編集。
    紅雲町珈琲屋こよみシリーズから入ってるとびっくりするかも。
    でもこういう雰囲気も好きだな~。

  • 2015.5.9 読了

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著者プロフィール

1964年、埼玉県生まれ。群馬県立女子大学文学部美学美術史学科卒業。2004年、「紅雲町のお草」で第43回オール讀物推理小説新人賞を受賞。著書に「紅雲町珈琲屋こよみ」シリーズ『誘う森』『蒼い翅』『キッズ・タクシー』がある。

「2018年 『Fの記憶 ―中谷君と私― 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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