悼む人〈上〉 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
3.59
  • (146)
  • (331)
  • (353)
  • (65)
  • (11)
本棚登録 : 2416
レビュー : 256
  • Amazon.co.jp ・本 (359ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167814014

作品紹介・あらすじ

不慮の死を遂げた人々を"悼む"ため、全国を放浪する坂築静人。静人の行為に疑問を抱き、彼の身辺を調べ始める雑誌記者・蒔野。末期がんに冒された静人の母・巡子。そして、自らが手にかけた夫の亡霊に取りつかれた女・倖世。静人と彼を巡る人々が織りなす生と死、愛と僧しみ、罪と許しのドラマ。第140回直木賞受賞作。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 何とも突飛な発想で、以前から気になっていた直木賞受賞作。映画化されるとの情報に、その前に読んでしまわなければと(笑)
    読み進むうちに、主人公に同化されるのか、気持ちが静かになって行く。

  • 静人がどうして全国を旅しながら見ず知らずの人を悼んで回るのかが判明する。
    大きな展開はさほど無かったように思うが、静人の周囲の人々の想いが静人の行動によってどのように動いていくのか…下巻も気になる。

  • 私が常々思っていた事を代弁してくれているような言葉。「亡くなった人の人生の本質は、死に方ではなくて、誰を愛し、誰に愛され、何をして人に感謝されたかにあるのではないか」
    祖母の死は脳梗塞からの寝たきり。意思を示すこともできず数年。どんなに辛かったかとつい思い出して、そんな最期だなんて…とそこばかりが思い出されてしまう。でも祖母だって同情なんていらないはず。どんなに私達に優しくしてくれて、どんなに皆に愛されてきたかを思い出してくれる方が、絶対に幸せなはず。誰だって生まれたら死ぬのだから、死に方は大した問題ではなくて、どんなに素敵な人だったかの方がずっと大切なんだと、改めて気付かされた。

  • 死者のことを心に刻む。生きている限り覚えているように努める。ひたすらそれだけを続ける旅に明け暮れる青年。その人が誰を愛し、愛され、何をして人に感謝されたことがあったかを問い、その死者が確かに存在していたことをただ覚えておく。
    不思議な物語。このあとどのように話が展開していくのか、想像がつかない。

  • 何と表現するのか分からないが、作家はこの本をどういう意図で書いたのだろう。
    自身の過去の経験から死者のことを覚える旅を続けるという、意味の分からない話。
    色々な死に纏わる話を扱うので、それが目的なのかも知れない。
    ともあれ、下巻に続く。

  • 左膝を地面につき、右手を頭上に挙げ、空中に漂う何かを捕らえるようにして、自分の胸へ運ぶ。
    左手は地面すれすれに下ろし、大地の息吹をすくうかのようにして胸へ運び、右手の上に重ね、こうべを垂れる。
    事件や事故に関わらず、人が亡くなった場所を訪ね歩く旅を続けながら、その人々を「悼む」青年、坂築静人。
    時には怪しい宗教かと訝しまれたり、露骨に嫌がられたりしながらも、彼はずっとそれを続けます。
    彼がなぜ、そのような振る舞いをするに至ったか、母の巡子の口から語られるシーンはあるのですが、それを聴いてもなお、彼の想いはわかりません。
    ただ時折、彼が悼む人の家族の方たちと触れ合う場面があり、それを読むと心がじんわりとくすぐったくなるようなあったかくなるような気がして、それが心地よかったです。
    そして、彼の姿から目を離せない、どうなっていくのか見てみたいという思いが、読んでいる最中にずっとありました。
    ちょっと「悪どい」感じのする雑誌記者の蒔野、ガンに冒され余命いくばくもない中、息子の帰りを待つ母の巡子をはじめとする静人の家族、夫の巧妙な呪縛により彼を手にかけ服役をつとめた後も、夫の亡霊に苛まれる中、静人と旅を共にすることになった倖世。
    これらの登場人物たちと静人が、どんな物語を繰り広げるのか、下巻も楽しみに読みたいと思います。

  • 初天童荒太です。主な登場人物が章ごとに描かれ、風呂敷を広げるように始まります。後半に入ってようやく主人公静人の元に収斂しますが、手当たり次第に「悼む」という行為が理解も共感もできなくて、他の登場人物と同じところにいます。これから下巻ですが、何が始まるのか予想もつきません。

  • 天童荒太の著作はいつもテーマが重たくて、読むにはそれなりの覚悟が必要だったりするけれど、本著は、テーマそのものは死そのものを扱っているにも拘らず、たとえば色で表現すると黒や灰色、茶色ではなく、薄い若草色や水色といった感じの物語りに仕上がっている。とても良い著作でした。

  • 何だろうこの感覚は…これまで読んだことのない物語。読み進めてもしっくり腑に落ちない…それなのに胸の内に深く残るそんな感じ。死ぬとは何だろうか、想いとは何だろうか…そんな問いが湧き上がり次第に霧散して行く。これを繰り返す度に何かが残り、溜まっていく…何かとても大事なもののように感じられた。素晴らしい作品だと思う。

全256件中 1 - 10件を表示

悼む人〈上〉 (文春文庫)のその他の作品

悼む人 上 (文春文庫) Kindle版 悼む人 上 (文春文庫) 天童荒太
悼む人 (上) Audible版 悼む人 (上) 天童荒太

天童荒太の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
伊坂 幸太郎
村上 春樹
伊坂 幸太郎
村上 春樹
東野 圭吾
有効な右矢印 無効な右矢印

悼む人〈上〉 (文春文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする