悼む人 上 (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2011年5月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784167814014

みんなの感想まとめ

死を悼む旅を続ける青年の物語は、彼が出会うさまざまな人々との関わりを通じて、死と向き合う意味を深く掘り下げています。事故や喧嘩、家事など、さまざまな形で命を失った人々の現場を訪れる中で、彼は誰を愛し、...

感想・レビュー・書評

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  • 不慮の死ー事故・家事・喧嘩等々ーを遂げた人々を 死を迎えた現場で“悼む”旅を続ける青年。
    誰を愛し、誰に愛され、どんなことで人に感謝されたことがあったか。それを知り、そのことを覚えておく事で、悼む。
    彼が悼みの旅を続ける意味合いを、エログロ記者を目撃者・偽善者として、余命わずかな母親を保護者・代弁者として、望まない夫殺しの殺人者を随伴者・傍観者として、解き明かそうとしている。
    少なからず影響を受ける者、嫌悪する者、死者の記憶の共有を喜ぶ者。掴みどころのない彼の行為は、本人さえ理解できていないのか?
    うーん?どうなるのか、下巻へ。

    • おびのりさん
      そうなんです。悼む人は、良いんだけれど、その周辺の人がまとまりがないんですよ
      そうなんです。悼む人は、良いんだけれど、その周辺の人がまとまりがないんですよ
      2023/03/25
    • みんみんさん
      永遠の仔はドラマ観てたけどキツい内容だよね?
      永遠の仔はドラマ観てたけどキツい内容だよね?
      2023/03/25
    • おびのりさん
      ドラマ残念ながら見てないんです。
      悼む人は、掴みは面白いし、悼むって感覚と現場を旅する行程は、良いんですが、殺人者で悼む人を追随する女性が、...
      ドラマ残念ながら見てないんです。
      悼む人は、掴みは面白いし、悼むって感覚と現場を旅する行程は、良いんですが、殺人者で悼む人を追随する女性が、右肩に、殺した夫の霊をのせてるんですね。それが、霊か女性の幻想かも明確にしないで、意思疎通したりするんですよ。
      エログロ記者は、最初懐疑心いっぱいだったんですけど、影響受けて、犯罪者被害者に寄り添った記事を書いたり。悼む人に集中して読めば良いのかもだけど。直木賞受賞作を選んだのですが、そのドラマになっている方が良いかもしれません。
      2023/03/25
  • 直木賞作品。
    死について考え続ける話。だけどしばらくの間は苛立ちのほうが多い、極めて独特な作品。

    亡くなった人を悼む。善としか言えないはずの行為なのに、蒔野や倖世と同じく、静人の行動が偽善に感じて苛立つ。
    次第に、自分の身近で起こった死にも照らし合わせてしまい、覚えていてくれるというのが救いになることもある、と思えてしまう。

    朔也の独白は、静人への反論のようですごく良かった。改行少なく文字が続く。畳みかけるような圧迫感も見事。

  • “悼む” ----- 人の死を悲しみ嘆く -----

    といっても、静人は各人の死亡現場で祈りを捧げ、「あなたのことを憶えておきます」と唱えるだけで、事件・事故のネタは新聞記事やラジオから拾ったもの。
    しかも祈りに際して死にいたる顛末には触れないと決めているため、唱える内容はどれも酷似したものになってしまいます。

    被害者の遺族や友人から罵倒されることも多いにも関わらず、薄っぺらい祈りを重ねて何になるのか。

    何より、他人の死を悼むあまり、何より大切な家族の死を身近で悼むことができなかったのは本末転倒ではないでしょうか。
    友人の命日を忘れるよりも罪深いように思えるのですが…

    「静人の悼む行為は理解され難い」と作中でも槇野に指摘されていますが、全くその通りで、
    最終的な行き着く先が見えず、困惑が残る結末でした。

  • 宗教的思想なのか?精神の病気なのか?悼む人がなぜそんな事をするのか訳が分からず戸惑ったが、読み進めさせられる力があるお話です。
    死への向き合い方を考えさせられる。

  • 下巻へ。
    完全に高良健吾で再生されてる。

  • 人の死、様々な死因があるが死後には殆ど死者に対する営みが家族以外されず、忘れ去られる。家族、親戚、同僚、更に鳥の死から死後に報われる世界を見ていた静人は「悼む」事でその死を弔った。知りたかったことは3つ、生前、誰に愛され、誰を愛し、誰から感謝されたのか。僧侶が悟りを受けるまでの修行のような旅を続ける。

  • 不慮の死を遂げた人々が生前誰を愛し、誰に愛され、感謝されたかを聞き「悼み」の旅を続ける主人公、静人。
    彼の行動に心を揺さぶられる蒔野や倖世もまた、重い枷を背負っている。心を鷲掴みにされるような、怖いほどに純粋な静人の思いが描かれる。

    読んでいて、気持ちのどこかがしんどくなってくる程に、自らの死生観を問われているよう。

    どう結末を迎えるのか、下巻に続く。

  • 人の死とはどういうものなのだろうか。
    この世にいなくなった人をずっと思い続けることはできるのだろうか。
    僕も大切な人を亡くしたのに。
    その時は胸が張り裂けるような思いをしたのに。
    今は日常の生に追い立てられ、大事な人の存在も希薄になっていく。

    静人の悼むということは何を意味するのか。
    生とは死とは。

    徐々に明らかにされていくエピソードがどう帰結していくのか。

  • すごく面白い!
    次から次へ気になる話が出てきて早く下が読みたい!

  • 死者を悼む旅を続ける青年の物語。

    ここで言う「悼む」とは、弔うことでもなく冥福を祈ることでもない。

    忘れずに覚えていると言うこと。

    とても単純なことのように思えるがこれがものすごく心に突き刺さった。

    確かに死んだ人とは二度と会えないが、覚えてくれる人がいる限りその人の存在が消えることはない。

    そこにスポットを当てた作品だと感じた。

    死ぬとはなんなのか、生きるとはなんなのか、存在するとはなんなのか、その全てに一つの導きを与えてくれているような気がする。

    どれが正しいなんて分からないが、主人公は全て分かっていて、母に会いに行かず、倖世に託しのではないか、誰かが覚えてくれていればその存在は消えることはないのだから。

  • 「悼む人〈上〉」
    第140回直木賞受賞作。


    ゴロウデラックスにまさかの天童荒太登場!を見てから、作品を読もう読もうと時は過ぎ。代表作の一つである本作を漸く読了。


    個人的な想いで不慮の死を遂げた人々を悼むため、全国を放浪する坂築静人。彼の行為に疑問を抱く人と抱かない人、貴方はどちらだろうか。


    静人は死を遂げた人間が悪人だろうと、その悪人もきっと愛されたことがあるに違いないと考え、であれば、死を悲しんだ人がいるはずだからその人の為にも悼む。死んだ人はどんな人だったのかを死者の関係者に聞き回る為に、変人や不審者扱いをされる。死を弄んでるかの様に見え、不謹慎だと怒鳴られることもある。しかし、静人は悼むことを続ける。


    確かに静人は善人ではあるが、同時に異様さを感じてしまうのは仕方がない。だから、彼の行為に疑問を抱く蒔野の気持ちは理解できる。更に自らの過酷な経験を通じて静人に「もう悼まないで。少なくとも愛なんて言葉で覚えないで」と訴え、静人が蕭然と改心を表明するのを待った奈義の気持ちも無視は出来ない。


    しかし、静人は彼らの疑問や想いに対して明快な回答を出す訳ではない。だから彼らは答えを見つける為に静人に付きまとう。静人は何故そこまでして悼むのか。不明で奇怪で謎めいた行為を紐解きたくなる。それは仕方ないことだ。誰だって静人を見たらそうなる。

  • 何とも突飛な発想で、以前から気になっていた直木賞受賞作。映画化されるとの情報に、その前に読んでしまわなければと(笑)
    読み進むうちに、主人公に同化されるのか、気持ちが静かになって行く。

  • 初天童荒太です。主な登場人物が章ごとに描かれ、風呂敷を広げるように始まります。後半に入ってようやく主人公静人の元に収斂しますが、手当たり次第に「悼む」という行為が理解も共感もできなくて、他の登場人物と同じところにいます。これから下巻ですが、何が始まるのか予想もつきません。

  • 未だに思い出したように余震が続く東日本大震災。
    一瞬の出来事が多くの人々の生死を分け、15,000余の方々が亡くなり、9,000弱の行方不明者が残る。
    遺体があがらない、見つかっても判別がつかない、多くの人がこのような死の形に向き合わなければならない事態は戦後の平和な時代には絶えて無かったものと思われる。
    全国を放浪し死者を〈悼む〉旅を続ける坂築静人。彼ならこれにどう向き合うのか。
    彼の行為をどう捉えたら良いのか、薄気味悪い、得体の知れない、意味分かんない…、もどかしさとも悩ましさともつかない思いを持ちつつ、しかし、蒔野や倖世と同じく放っておけずに読み進め次第次第にその世界に入り込む。
    『亡くなった人を、ほかの人とは代えられない唯一の存在として覚えておきたいんです』と、『その人は、誰を愛したか。誰に愛されたか。どんなことで人に感謝されたことがあったか』を問い続ける。
    三流週刊誌の記事を読むような生々しさをもって多くの死が描かれ、加えて彼を取り巻く人々‐人生に倦んだ週刊誌記者、自らが手にかけた夫の亡霊に取り憑かれた女、対人恐怖症の父、末期癌の母、別れた恋人の子を身籠る妹‐の壮絶な人生模様に人間の本性が垣間顔を出す。
    『彼はいまどこですか。何をしていますか。なぜあんなことをしていたのでしょう。いまもああした行為をつづけていますか。何が目的ですか。〈悼む人〉は、誰ですか』…戸惑いのまま下巻へ。

  • 亡くなった人を「悼む」旅を続けている青年に関わった人達の視点の物語

    詳細な感想は下巻でまとめて

    以下、公式のあらすじ
    --------------------
    不慮の死を遂げた人々を“悼む"ため、全国を放浪する坂築静人。静人の行為に疑問を抱き、彼の身辺を調べ始める雑誌記者・蒔野。末期がんに冒された静人の母・巡子。そして、自らが手にかけた夫の亡霊に取りつかれた女・倖世。静人と彼を巡る人々が織りなす生と死、愛と僧しみ、罪と許しのドラマ。第140回直木賞受賞作。
    "「この方は生前、誰を愛し、誰に愛されたでしょうか?どんなことで感謝されたことがあったでしょうか?」ーー事件や事故で命を落とした人々のためを「悼む」放浪の旅を続ける静人。 彼の問いかけはそのまわりの人々を変えていく。 家族との確執、死別の葛藤、自らを縛り付ける""亡霊""との対決、思いがけぬ愛。 そして死の枕辺で、新たな命が生まれ……。 静かな感動が心に満ちるラスト! " 映画化、舞台化された話題作。
    --------------------

  • 2.0

  • 自分の身近な存在だった、今は亡き人達を偲ばれる時間だった。

  • 静人がどうして全国を旅しながら見ず知らずの人を悼んで回るのかが判明する。
    大きな展開はさほど無かったように思うが、静人の周囲の人々の想いが静人の行動によってどのように動いていくのか…下巻も気になる。

  • 私が常々思っていた事を代弁してくれているような言葉。「亡くなった人の人生の本質は、死に方ではなくて、誰を愛し、誰に愛され、何をして人に感謝されたかにあるのではないか」
    祖母の死は脳梗塞からの寝たきり。意思を示すこともできず数年。どんなに辛かったかとつい思い出して、そんな最期だなんて…とそこばかりが思い出されてしまう。でも祖母だって同情なんていらないはず。どんなに私達に優しくしてくれて、どんなに皆に愛されてきたかを思い出してくれる方が、絶対に幸せなはず。誰だって生まれたら死ぬのだから、死に方は大した問題ではなくて、どんなに素敵な人だったかの方がずっと大切なんだと、改めて気付かされた。

  • 死者のことを心に刻む。生きている限り覚えているように努める。ひたすらそれだけを続ける旅に明け暮れる青年。その人が誰を愛し、愛され、何をして人に感謝されたことがあったかを問い、その死者が確かに存在していたことをただ覚えておく。
    不思議な物語。このあとどのように話が展開していくのか、想像がつかない。

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著者プロフィール

天童 荒太(てんどう・あらた):1960年、愛媛県生れ。1986 年、「白の家族」で野性時代新人文学賞受賞、1993年、『孤独の歌声』が日本推理サスペンス大賞優秀作となる。1996 年、『家族狩り』で山本周五郎賞受賞。2000 年、『永遠の仔』で日本推理作家協会賞、2009 年、『悼む人』で直木賞、2013 年、『歓喜の仔』で毎日出版文化賞を受賞する。他に『静人日記』『ペインレス』『巡礼の家』『青嵐の旅人』『昭和探偵物語 平和村殺人事件』などがある。前作『包帯クラブ』は2006 年ベストセラーになり、映画化もされた。

「2025年 『包帯クラブ ルック・アット・ミー!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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