小銭をかぞえる (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 635
レビュー : 102
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167815011

感想・レビュー・書評

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  • 夢を追うダメ男を絵に描いたような話。



    小説ではなく、私小説だから本当にあったエピソードが基になってるんだよね。。。。



    本当にこんなひとがいるのかぁ

  • まじぱねえっす!

    金が無くて、同棲中の彼女の親に莫大な借金抱えてるのに、衝動的に高価な古本を買う姿勢はかっこういいものだ。しかし、小市民的な部分も多く描写されていて、あれだ、福満しげゆき先生を「ブックメイカー」で過負荷にしたらこんな感じになるんだ!

  • とても独特な文体だったので、個人的にはちょっと読み辛かった。
    自伝的小説らしいが、自虐的というか何というか...今時まだこんな物書きさんが実在するんですね。
    同棲している彼女へのイメージが激しく変化する様(理想化からこき下ろし)とか、暴力的、衝動的な行動から、いろいろと想像を巡らしてしまいます。

  • ナルシズムのない(そして階級が違う)太宰、あるいは男側から描いた自虐の詩。とにかく文章の上手さが異常。悲惨な話なんだけど、どこか笑ってしまう息の抜き方も良かった。面白かった!

  • 他に「焼却炉行きの赤ん坊」を収録。

    「焼却炉行き~」は相変わらず絶望感しか漂ってこない内容。
    古書店があるとふらっと入ってしまうなど、西村賢太氏とは嗜好が自分が似ている気もした。

    「小銭をかぞえる」は珍しく、師匠の藤原清造の描写が多く、真面目な作品という印象を受けた。結末はどうしようもなかったが。

    この人の本って今かなり売れてると思うんだが、お金入ってきても贅沢な暮しはしないんだろうか。
    それとも今みたく、藤澤清造の墓標を部屋に飾りながら戦前の何万もするような古書を買い漁る生活をするのか。
    きっと今と変わらない生活をするんだろうね。

  •  5冊目の西村賢太。『焼却炉行き赤ん坊』というタイトルを見た時には戦慄が走った。ついにやりやがったかと思わずにはいられなかったが、流石にそんなことはなかった。
     いつもなら主人公のイカレ具合にぐいぐい引っ張られる同著者の小説だが、『焼却炉~』では珍しく女性側に「こいつやべえよ」という気持ちを抱いてしまった。石女のことを考えたらそんなことは口が裂けても言えない(むしろ石女とも言えない)のだけど、人が抱く痛切な悩みは、傍から見たら喜劇的に映ってしまうこともままある。
     翻って著者に眼を向けてみる。全てを晒して私小説・・・などと何かの宣伝で見たが、あくまで小説と言うスタイルを採っている以上。全てを晒しているなどと言うことは絶対にない。田山花袋だって、弟子の残り香がする蒲団をくんくんしただけでは済まなかったのかもしれない。
     晒されていない物が何なのかは分からないが、それだけにまだまだ他の小説にあたってみたい作家だと思っている。

  • ほんと最低な男ね!古臭い文体がダメ男を尚更際立たせるわ!

  • もし映像でのみこの物語を見ることができなかったら どれほど鬱屈とした気分になるだろう。
    こんなサイテー男と同居している女にも嫌悪感しか感じないだろう。
    けれど 西村賢太の圧倒的な文章力によって、何かが足りない者同士が一緒に生活していく哀れで無様な物語を、けして陰鬱に思わせない。
    「俺」の会話の文体は、時にドラマの『渡る世間は鬼ばかり』のようであり、時に時代劇のようだ。この手前勝手なサイテー男に「僕という男はすっかり手持ち無沙汰になってしまうな」などと言われると可愛らしく思えてしまうからタチが悪い(笑)。
    又、筆者が好んで使う「根が~に出来ている」という言い回しが可笑しくて、物語の展開がいかに悲惨で救いようがなくとも滑稽な面白みを味わうことになるのだ。

    小銭を数える女も、それを見ている男も等しく哀れで滑稽だ。
    けれど、人と暮らすという事、生活するという事は、滑稽な姿をさらけ出して、許しあうと言うことの繰り返しなのだと思う。

  • 201105

    焼却炉行き赤ん坊
    小銭を数える
    の二本立て。

    ・大事にしている資料に何かしてやろうなぞいう気持ちは、てんから持ち合わせてはいなかったのかもしれぬ。
    それを逆の立場だったらそうした陰険な復讐を〜

    と、自分の色眼鏡でしか相手の気持ちを測れない。

    というのは程度の差はあれ、誰にも当てはまる問題であって、
    だからこそ、物語は人の数だけ生み出される。

    という、ちょっと、本筋とはそれた感慨を抱いたのだけど。

    この作者の本は数を読むとどんどん立体的になっていくので中毒のようです。

    郵便局員は苦役列車ですよね。

  • 最低だけれど、面白かった。
    オススメの本と人には進められないが、自分としては結構好きな系統かも

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著者プロフィール

1967(昭和42)年7月12日、東京都江戸川区生まれ。中卒。新潮文庫版『根津権現裏』『藤澤清造短篇集』角川文庫版『田中英光傑作選 オリンポスの果実/さようなら他』を編集、校訂、解題。著書に『どうで死ぬ身の一踊り』『暗渠の宿』『二度はゆけぬ町の地図』『小銭をかぞえる』『随筆集 一私小説書きの弁』『人もいない春』『寒灯・腐泥の果実』『西村賢太対話集』『一私小説書きの日乗』(既刊六冊)『棺に跨がる』『形影相弔・歪んだ忌日』『けがれなき酒のへど 西村賢太自薦短篇集』『薄明鬼語 西村賢太対談集』『随筆集 一私小説書きの独語』『やまいだれの歌』『下手に居丈高』『無銭横町』『夢魔去りぬ』『風来鬼語 西村賢太対談集3』『蠕動で渉れ、汚泥の川を』『芝公園六角堂跡』『夜更けの川に落葉は流れて』『藤澤清造追影』などがある。

「2019年 『狼の吐息/愛憎一念 藤澤清造 負の小説集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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