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Amazon.co.jp ・本 (400ページ) / ISBN・EAN: 9784167817015
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
人間関係の複雑さや過去の遺恨をテーマにした物語は、クラス会を舞台にした緊張感あふれるストーリーが展開されます。登場人物たちの高校時代のカーストや羨望、嫉妬が絡み合い、彼女たちが抱える感情の葛藤がリアル...
感想・レビュー・書評
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辻村深月らしさ満載の作品でした。
ストーリーへの引き込み方がエグい。登場人物を敢えて各章の見出しにせず、出席番号で惑わせていく。わかりづらいなと思っていたら、後々になって色んな面白みが出てくる。ただ、最後はダレるかな。
学生時代のカースト、当時の人気者、有名になったあいつ、同窓会の鬱陶しさなどなど、自分の周りにいる人物に置き換えたりしながら読んでたら、何だか笑けてきました。ゲスゲスしてて良かったです笑 -
辻村深月さんの作品には、いつも圧倒される。
この作品も、そう。
悪意と憎悪と嫉妬と羨望と。
それがごうごうと渦巻いている。とてもリアルに。とても生々しく。
高校時代の教室で。あるいは、10年後の同窓会の場で。
それだけでも充分心を持っていかれる。でも、さすがは辻村さん。これだけでは終わらない。彼女が仕掛けていたトリック。最初から、綿密に。何故それに今まで気づかなかった!慌てて戻るこれまでの同級生たちの言葉の数々。これまで読んでくる中で感じた違和感は、あって当然だったのだ!ぺらぺら、ぺらぺらと戻っていくと、いつの間にか深夜になっていた。夏至。空は、いくぶん明るい。もうすぐ、太陽が世界を照らす。太陽はいつだって、そこに坐っている。
それぞれの同級生から語られる教室での出来事、その時の立ち位置。そして、今の自分。
自分にとって象徴的な出来事だったとしても、相手からしたらなんてことない出来事って、ある。
そんな時、それぞれの視点で別々に描かれると、その出来事は、全く違った様相を呈してくる。
「うまくやれた」、そんな風に思っていた彼女。彼女にとっては大したことのない出来事だった。だから、彼女の章では表には出てこない。しかし、別の章で明かされる彼女の悪意、棘。彼女の「うまくやれた」悪意に満ちた行動が、この物語の鍵を握っている。物語が別の視点で描かれた時、それが如実に現れる。太陽は、人間の悪意が行動化することを、歓迎しない。それを、見逃さない。
毎年毎年、高校の同窓会を開催する島津。
なぜ彼がそんなに同窓会にこだわるのか。
同じく、高校の頃の同級生のことを思い出した。
彼女は同窓会ばかり開催し、その時に選抜されたメンバーが集まる。そう、「選抜」なのだ。
わたしに「来れない?」と連絡が来るのは、選抜されたメンバーが何人かキャンセルした時だ。
それがあまりにも露骨だから、気づいてしまう。
友人に聞くと、案の定その友人はすでに誘われ済みで行けなくなっていたり。
いつもそうして、友達を選抜する彼女から声をかけられた結婚式。
彼女を切るならここだ、と思った。
あまりにも日程が迫ったタイミングだった。だから、気付いてしまったのだ。誰かが「欠席」するのだと。
こいつは、結婚式ですらそんなことをしてるのか、結婚式ですらわたしは二番煎じなのか、込み上がる怒りと呆れ。
「同窓会みたいになって楽しいと思うから」
そう言ってしつこく誘ってきた。
断ったら出席者を羅列して、「この人たちが来るんだよ!だから来なよ!」という誘い方をしてきた。
気持ちは分かる。だけど、失礼にも程がある。彼女が声をかけるのはわたしじゃない。
そして、なぜ同窓会が楽しいと決めつけてくるのか。
たぶん。
彼女は高校時代がピークだったんだろう
大学へ行っても、留学を経験しても、ずっと高校時代のメンバーとつるむ彼女はやはり異常だ。
高校時代の友人と繋がり続ける彼女を、羨ましいと思った時期もあった。
だけど、大学へ行っても、社会人になっても、高校の時のように中心になることができなかったんだろう。
だから、高校の頃の友人を「選抜」して、毎回毎回同じ話題でバカみたいに盛り上がるのだろう。
高校の頃にバカみたいに盛り上がる話なんて、大概そこにはいないクラスメイトの愚痴や先生の悪口だ。
もう、そんなことを言って爆笑できるほど子どもじゃなくなった。
他のことで忙しくなったし、社会はもっとやばい奴であふれてる。
いつまでもそこに留まる友人を、ダサいなと、そんなふうに思うようになっていった。
こんな風にここでダサいって言ってるわたしも相当ダサいけど。
この作品の言葉を借りるなら。
P368「私が言いたいのは、あなたには新しい場所に新しい価値がきちんとあるように見えたってこと。一体どうして、こんな場所に必死になるの」
新天地でうまくやっていけているのなら、わざわざ高校時代の同級生なんかに固執しない。そこに固執するのは、やはり新しい場所でうまくやってゆけないからなんだろう。
ハライチ岩井の同窓会の記事を思い出す。
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00087/112200002/
この手の作品を読む時。自分のメンタルがそんなに良くない時が多い。今の自分はここまで酷くないな、とか登場人物と比較してしまう。
こんな読書、いい加減やめたい。
やってることが、同窓会でマウントとる奴と一緒である。 -
高校卒業から十年、毎年開かれるクラス会。
クラス会への参加は、年々少なくなりつつある。
一人のクラスメイトが、女優「キョウコ」として活躍し始めたことで、クラス会の主旨が変わり始める。
物語の主体が、クラスカーストで言えば、上位であった少女達であるところが緊張感があります。
彼女達は、クラスの中心であるため、羨望と嫉妬が渦巻くグループに坐る。そこには、悪意さえある。そして、高校時代の遺恨を未だ残したまま今に至る。「キョウコ」にコンタクトをとったクラスメイト達が、クラス会から退き始める。彼女と会った事で、過去の呪縛に見切りをつけたのだろうと思う。
遺恨が残るのは、現在地に満足できていないから。
望む未来では無かったんでしょう。
私は、さてさてさんと同じで、クラス会なるものに参加した事がないので、世の中のそれなりの女性達の思惑がわからないかもしれませんが、想いとしては現実に近いかもしれない。
登場人物がそれほど多くないのに、音が同じ名前を使う事で彼女らの心象と存在の交錯を狙ってくるので、嫉妬や悪意の重なりがなかなか解けない。
女性に厳しい一作。-
おびのりさん、どうして私がクラス会に参加したことがないのをご存じなの?と思いました。私がレビューに書いていたのですね。自身のレビューはほぼ読...おびのりさん、どうして私がクラス会に参加したことがないのをご存じなの?と思いました。私がレビューに書いていたのですね。自身のレビューはほぼ読み返したことがないのでなんだかとても新鮮です(笑)。私、恩田陸さん、辻村深月さんのお二人の作品の読書から入ったので初期の読書はこのお二人の作品ばかり。レビューも今の私とは別人のように短い(笑)のでなんだか不思議な気分です。この作品もそうですが恩田さん、辻村さんについては一通り読み返したいという思いがとても強いです。拙いレビューを気にかけてくださりありがとうございました!2023/05/11 -
さてさてさん、こんばんは。
私と同じだ!って嬉しくなったので、ついつい書いてしまいました。
私は、最初の頃から比べたら、これでもレビュー長く...さてさてさん、こんばんは。
私と同じだ!って嬉しくなったので、ついつい書いてしまいました。
私は、最初の頃から比べたら、これでもレビュー長くなりました。^_^
レビュー書いても、読んだ本忘れてしまい困ったものです。どうぞよろしくm(_ _)m2023/05/11
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挫折や屈辱、恐怖の体験があるからこそ、囚われてしまう過去。いつか見返してやりたい、そんな気持ちを原動力に前へ進んだ経験も一度や二度はあるはず。
高校卒業から大学、社会人と時を経て、仕事や私生活の端々で徐々に差が顕れる20代後半。傍流に生きた過去をコンプレックスに持ち、現在まで縛られてきた聡美、島津、紗江子らが、目の前の日々に新たな価値を見出だし、クラス会メンバーを降りていく姿が印象的でした。
最も恐れるべきは、変わり行く周囲と変われない自分。成功を目の前に見せてしまったのは、自分の責任ではない、と無関心さを醸し出せるほどに今を生きるキョウコこそが真の太陽なのかもしれません。 -
性格悪いやつ多いなぁ…と思いながら辻村深月の表現に感銘する。自分も同級生の誰かが有名になったら家族や会社の人に無駄に自慢しそう。
語り手が変わる毎に、ちょっとずつ伏線を回収していくんだけど、その印象が薄くて不完全燃焼。
更に最終章にかけて「名前」のヒミツが分かった時も、驚愕よりも困惑が強くて、誰かどうで誰が何したか分かんなくなって、なんか最後の方は置いてけぼりでした。 -
私の本棚の著者登録者1位は辻村深月さんです。はやく全作品読んで、さらに再読したい作品がいくつもあるのに、現実は年に4〜5冊ペースですね(´._.`)時間が足りません。
小さな世界で、もがく少年少女には誰もがフラッシュバックするものが大なり小なりあるのではないだろうか。
宮下奈都さんのあとがきに、「辻村深月を読むのにいちばんいいのはいつなんだろう。」とある。私は今作を読んでも、鏡の孤城や凍りのくじらを読んでも、10代の時に出会いたかったと感じたが、宮下奈都さんは最後に、「答は、今、だ。辻村深月はいつも今読むのがいちばいい。ただし、覚悟を決めて。相当翻弄されるのは間違いないから。」と締めている。すごくしっくりきた。30代の私が今読んでも、しっかり辻村深月の文章に翻弄されている。改めて素敵な作家さんだなと思う。
「自殺も、死者との邂逅も、ない。それでも胸をかき乱す物語が目の前に立ち現れてくる。覚えがありすぎて、目を伏せたくなるような思春期の少年少女たち。彼ら彼女らの言動がいちいち身につまされて、どんどん動悸が激しくなってくる。しかし、おや、と思う。あるはずの《覚え》が、ない。私自身の高校時代にこれほどドラマティックな出来事があったか。ない。覚えなんてない。ないのに、わかる。覚えがあったような錯覚に陥っている。(あとがきより)」 -
スクールカースト、序列、女王様など学生の時の立ち位置や自分の居場所、関係性などを形容する言葉はあるが、アマテラスの神話を織り交ぜこの関係を表したのは、なるほどうまいなと思いました。
太陽は信仰の対象でもあり、畏怖の対象、天上にあって強烈な光を放つ唯一の存在。スクールカーストの頂点に立つ者を表現するのに、これほどピタっとハマるのはないのではないかと思うぐらい自分の中でストンときました。
女王だった同級生を語るクラスメートは太陽神アマテラスの伝説や寓話を語る市井の人々のようで面白かった。
このまま太陽の元で蠢く人々の話で終わるのかな、と思いましたが、その太陽が…という展開はさすがでした。
最後に物語の中心となった2人が邂逅する場面は映画のワンシーンのような、絵画、ある意味宗教画のような美しい場面が想像できて好きでした。
しかし…同窓会はこだわりや、プライドや、わだかまりが消えた50代以降が俄然楽しいですよ(笑)
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今回の辻村深月さんの物語は、好みではなかった。
ごちゃごちゃしていて、ミスリード誘っているのも分かりやすいし、共感出来る人物はいませんでした。
まぁ、結局のところ同級生たちの昔と今の話。
読むの一苦労しました。 -
今まで読んだ辻村深月氏の中で、1番トリックに驚かされた。ゾワゾワとさせられた。
キョウコの同窓会は、十数年後くらい先にしたいという発言に共感した。
p246狭い教室には、狭いからこそ曲がった法や支配がまかり通ってしまう。
p384扉は私の内にこそあり、そしてまた、私の内にしかない。 -
F県立藤見高校旧3年2組出身で、いまや人気女優となったキョウコ。
島津たちは、なんとかして彼女をクラス会に参加させようと画策するが……。
回想にある、高校生のヒエラルキーと、さまざまなトラブル。
そして、地元組と上京組、独身組と既婚組といった、現在の対立。
同窓会から始まり、だんだんと個人個人が浮かび上がってくる。
響子の女王ぶりと、転落。
彼女の想い人という記号でしかなかった清瀬が、だんだんと実体を伴っていく。
同級生たちの身勝手さや、ドロドロした感情が渦巻く話だが、不思議と引き込まれる。 -
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青春の歴史を追いながら、ミスリードにかかってしまいました。
辻村深月さんは、どうしてこんなにも心理描写を描くことができるのか不思議でならない。
とても楽しめました。
高校卒業から10年。クラス会で再会した仲間たちの話題は、人気女優となったクラスメートの「キョウコ」のこと。彼女を次のクラス会に呼び出そうと目論む常連メンバーだが、彼女に近づこうと画策することで思春期の幼く残酷だった“教室の悪意”が、まるでかさぶたを剥がすようにじわじわと甦り、次第に一人また一人と計画の舞台を降りてゆく……。28歳、大人になった男女5人の切迫した心情をそれぞれの視点から描き、深い共感を呼び起こす。圧巻の長篇心理サスペンス。 -
辻村深月さんは、子供と大人の狭間で揺らぐ思春期の中高生を描くのが本当に上手いと感じる。
こんなドラマチックな青春を過ごしていなくても、何故かしみじみとする懐かしさとチクチクとした痛みを覚える。
大人となった今では教室という狭い世界で、なんであんなに一喜一憂していたのかと思うが、学生時代は家庭よりも大きな世界だった。
社会に出てからの人生に比べて、一瞬で過ぎゆく学生生活は、いつまでも心にこびりついて離れない。
大人になってからも引きずって、あの教室から一歩も進めない人も少なからずいるのだろう。 -
昔の自分を見てるようだった。
昔の同級生が何をしているかネットで探してみた自分と。
本の内容ではなく、自分のことだが、、だけど、もう囚われないと決めている。人と比べても悲しくなるだけだから。今を楽しみたいと思ってSNSはやめた。
本の話に戻ると、自分を強く、良く見せようとするキャラクターたちは自分にもそんな事あったなと思い出す。一つ一つの話は、ちょっとずつキャラクター達の勘違いからボタンが掛け違えていくようだった。
個人的には、佐栄子と貴恵の話が良かった。大人しく、子どもを連れて電車に乗るのは周りに迷惑だからと言ってた友人が、自分と浮気をした男を殴り、夜中に子どもを乳母車に乗せて化粧もせず、心配して駆けつける。自分を見下していると思った友人が、正しい所が好きだったから一緒にいた、自分もそうなりたかった、と言う最後のシーン。私もそんな風に思える人に会いたいし、人を大事に出来る人になりたい。
過去は嬉しかったこと、悲しかったこととか色々あるけど、囚われすぎない。未來に向かって進んでいきたいと思える作品でした。 -
何故これほど上手に人間の心の揺れ動きを表現できるのだろうか。
内容としては特に大きな事件でもない、何でもない日常の連続なのだがその何でもない日常が大きなしこりとなり人を作っていく。その青春、大人になっても未だに残る傷、カサブタ。それが非常に繊細に描かれており心が揺さぶられた。 -
「女は怖い」の一言に尽きる話。冒頭から違和感たっぷりだが、語り手が替わる度に景色が裏返り、違和感の正体も少しずつ明らかになっていく展開にハマった。天岩戸神話に即したラストは爽やか。辻村さんのねちっこい女性心理の描写には、いつも唸らされる。再読必至。
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『坐る』、日常使うことなど全くない字が書名に使われるこの作品。古事記の天照大神のエピソードを背景にするというなかなかに興味深い内容でした。
高等学校を卒業した後、毎年のようにクラス会を開催し続けて早10年という彼らのお話。登場人物の内5名に順番に焦点が当たって、それぞれの視点からの当時の振り返りと現在が描かれていきます。こういった形式で書かれた本というのは他にもあると思いますが、なんといっても辻村さんらしいトリックが仕掛けられているのがポイント。毎度のことなのですが、それが分かっていながら今回もしてやられました。気づかなかった隠された真実。学習能力のない自分。
一方で、面白いなと思ったのは、同じ出来事、同じ景色を見ていても随分とその第一人称の人の心持ちによって見える世界が違うんだということです。その人が何を大切にしているか、その価値観の在処によって、見えている世界がこうも反転してしまうんだなと。まあ、当たり前といえば当たり前かもしれませんが、こう考えると、自分自身もあの時代、あの瞬間に自身に全く認識がない中で知らずと人を傷つけ、痛めつけていたこともあったのかもしれません。人間社会で生きていくというのも本当に怖いものだと今更ながら思いました。
それにしてもこの本に登場する彼らはあまりにもクラス会に囚われすぎているように思います。私自身は、クラス会には一度も出席したことがありません。10代の自分に何かあったわけでもなく、人生でも最高の時間を過ごして輝いていた時代だと思っています。ただ、そう思っているからこそ、輝きを失わせたくない。美しい想い出として永遠に封じ込めたい。だから、自身で時間を止めた。あの時代に触れることをやめてしまっている。『私に言わせてもらえば、囚われているのはみんなの方よ。そして、あなたは特に囚われている』と語る今日子の言葉は、何だか自分自身に向けられている言葉のようにも感じてしまいました。私は未だ過去に生きているのかもしれません。最後にそんな風に感じた作品でした。 -
人はそれぞれの人生を生きている。
それでも、人が関わりあう限り生まれてくるものがある。
嫉妬、憎悪、対比、劣等感。
素敵な関わり方ができるはずなのに、それらの感情があるから、綺麗には生きられない。
ぐちゃぐちゃした人間関係って嫌だなと思いました。 -
高校卒業して10年間に度々開かれているクラス会。クラスの中に、女優として有名になった”キョウコ” がいる。キョウコに、ぜひクラス会に参加してほしい。そんな思惑を巡り、5人の視点で、高校時代の思い出と今の自分が語られる。
人は自分の物語りの中で生きている。
読んでいて苦しかった。
囚われの扉の鍵は開いているというのに。自分の太陽が坐っている場所に向かってほしい。
【時間は何よりの薬】これは母から教えてもらった。そして、最近【テイカー】を知った…自分の利益のために人から奪おうとする人。2つの言葉が頭に浮かんだ。
著者プロフィール
辻村深月の作品
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感想 :

おっ!
辻村さんの隠れた名作発見!!
読んでみたいです。
おっ!
辻村さんの隠れた名作発見!!
読んでみたいです。