太陽の坐る場所 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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レビュー : 468
  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167817015

作品紹介・あらすじ

太陽の坐る場所は、辻村深月による日本の小説で、隔月刊小説誌別冊文藝春秋に連載されていました。水川あさみ主演で2014年には映画化もされました。高校卒業して10年後のクラス会に、女優になったクラスメートを呼ぼうと連絡を取ろうとします。キョウコという2人の同じ名前を持つ女性。そして高校時代の苦い思い出と登場人物の思いが交錯します。

感想・レビュー・書評

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  • 高校卒業後、毎年、クラス会を開く彼ら。
    クラスメイトの一人である「キョウコ」は人気女優に。
    クラス会に欠席し続けている「キョウコ」をクラス会に呼ぼうと画策するところから10年後のクラス会は彼らにとって特別なものとなっていく。
    出席番号22番、1番、27番、2番、7番の5人が当時、現在、そして「キョウコ」とのつながりを語っていく。
    読み進めていくと、「キョウコ」っていったい誰?と思わせる不思議な展開もありつつ、あぁ、そうだったのか・・・、と最後には納得。
    自分自身の高校時代のことを思い起こしつつ、ちょっと切なくなったり、辛くなったり、感動したり。
    中でも出席番号1番の紗江子の話は好きだなぁ・・・。

    http://azumystyle.exblog.jp/18854169/

  • 先日「ハケンアニメ!」を面白く読んだところだったので、映画化されるということもあって読んでみた。
    ミスリードさせるためなのだろうが、ところどころ視点が混乱するというか、発言者や代名詞(彼女)が誰のことを表しているのかがわかりづらかったなあ。
    私も高校のクラス会にはずっと出席している。40になってから始まったクラス会は毎年開催されているのだが、やはり絶対出席しない人はいる。途中からふっつり来なくなる人もいる。
    私は何も考えないで、ただ懐かしさだけで参加していたのだが、この作品を読んで、思いもよらない視点に気づいた。作中人物のように、ずっと過去の人間関係やステータスにこだわっている人はいるんだなと。
    私はそういう点に無頓着だったので、知らないうちに誰かを傷つけてきてしまったのかもしれない。
    クラスメイトとの優劣やヒエラルキーがどうしようもなく気になってしまう人がいて、そういう人はけっこういつまでもその感覚を引きずってしまう。ふだんは忘れていても、クラス会という場に来ると、気持ちが高校時代に戻ってしまうのかもしれない。
    田舎で、近い距離で同級生と接していたら、なかなかその人間関係から抜け出すのは難しいのかも。
    登場人物の気持ちに共感できないなあと思いながら読んでいたが、実は共感したくなかったのかもしれない。自分の中にある悪意やどす黒い感情を直視することになってしまうから。そういうものから目をそらし、気づかないふりで高校時代をやり過ごしてしまった私には、いろいろと重たい作品であった。

  • 一つ一つを消化していく過程が思いのほか重く、読了するのに時間がかかった。

    学校というコミュニティ。その中でもより狭いクラスというコミュニティに存在する嫉妬や恐怖、悪意そして羨望。

    多くの人が経験したことがある舞台ではないでしょうか。一見穏やかだけれども少し潜れば多くの思惑や感情が渦巻く世界。いま考えると、なぜあんなにも固執する必要があったのか不思議な舞台ですが、その当時は自分がそこに「在る」ことを確かめる為に必要だったのだと思います。

    誰かに取り繕うことも、誰かを排除しようとすることも、そして誰かと距離を置こうとすることも、他者への依存なのだと思えます。それは自分がそこに「在る」ために必要だったもの。誰もがその存在のために誰かに依存する。その誰かはその人にとっての太陽。つまり全ての人は誰かを自分自身を明るく照らすことの出来る存在。自分の内なる扉から覗けば必ず明るい光が見える。

    もがき続けた暗闇の時間がいつしか終わり、まるで映画のように、開く扉からまぶしい光が溢れ出す光景で締め括られた読了の瞬間でした。

  • スクールカーストや過去のトラウマを引きずる彼ら彼女らの内面を抉りながら、赤裸々になっていく現在の人間関係...。人の醜さ、浅ましさ、自分の存在価値、居場所...。エコロジカルニッチな人、ヒト、ひと。「出席番号二番」はかなりぞわっとした。

  • 辻村さんの小説は本当に大好き。
    えぐってえぐってつきつけられて、ほんの少し抜け出す道を教えてくれる。
    こんなにも心に深く残る。
    また、前を向けるって思える。

  • 女の本心。

    学生時代の真実なんでしょうね。

    朝井リョウと重なる部分もあります。

  • 内容はシンプルでなく、ん?がいくつも頭に浮かび、読み終えてもスッキリとはしなかった。登場人物たちと同じように、学生時代の苦い経験は何年経とうとも葬りさることはできず、思い出の奥底にある自分とかなさった。

  • 辻村作品では珍しく(?)殺人も凶悪事件もない物語。
    ですが人間関係が怖いです。
    女優として成功しているキョウコ。
    そのキョウコの同級生たちがすごい…。
    マウンティング、見栄の張り合い、分かるような分からないような…。
    今回もミスリードに導かれた私でした。

  • 同窓会に集うメンバーを通して個別の視点から少しずつ真実が見えてくるお話。
    どの登場人物にもいいところ、悪いところ、葛藤があったり優越感があって劣等感がある。
    それぞれの気持ちを読んでしんどくなった。
    先の人生に幸あれと思う人もいれば生きて地獄を味わうといい人もいて人生いろいろと思う。
    友だちは大事にしよう。利用するものではない。

  • 天の岩戸神話をモチーフに、大人になった高校生を描く。クラスメートたちが女優になったアマテラス(=キョウコ)を外(=同窓会)に引っ張り出そうとするなか、それぞれの抱える秘密が明らかになっていく。地方のコンプレックス、女性同士の反目、自己顕示欲など、「あるある」とうなずきながらも怖くなる。
    辻村さんらしい仕掛けもすばらしい。読み返してみるとヒントはたくさん出ていたのに、やっぱり気がつかない。でも、気づかずにいて最後に驚く方が、この人の作品を楽しめるはず。

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著者プロフィール

辻村深月(つじむら みづき)
1980年山梨県生まれ。千葉大学教育学部卒業後、2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。2011年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、2012年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、2017年『かがみの孤城』で「ダ・ヴィンチ ブックオブザイヤー」1位、王様のブランチBOOK大賞、啓文堂書店文芸書大賞などをそれぞれ受賞。本屋大賞ノミネート作も数多く、2018年に『かがみの孤城』で第6回ブクログ大賞、第15回本屋大賞などを受賞し、2019年6月からコミック化される。他の代表作に『子どもたちは夜と遊ぶ』『凍りのくじら』『ぼくのメジャースプーン』『スロウハイツの神様』『名前探しの放課後』『ハケンアニメ!』『朝が来る』など。新作の度に期待を大きく上回る作品を刊行し続け、幅広い読者からの熱い支持を得ている。2020年、河瀬直美監督により『朝が来る』が映画化される。

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