太陽の坐る場所 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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レビュー : 472
  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167817015

作品紹介・あらすじ

太陽の坐る場所は、辻村深月による日本の小説で、隔月刊小説誌別冊文藝春秋に連載されていました。水川あさみ主演で2014年には映画化もされました。高校卒業して10年後のクラス会に、女優になったクラスメートを呼ぼうと連絡を取ろうとします。キョウコという2人の同じ名前を持つ女性。そして高校時代の苦い思い出と登場人物の思いが交錯します。

感想・レビュー・書評

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  • 高校卒業後、毎年、クラス会を開く彼ら。
    クラスメイトの一人である「キョウコ」は人気女優に。
    クラス会に欠席し続けている「キョウコ」をクラス会に呼ぼうと画策するところから10年後のクラス会は彼らにとって特別なものとなっていく。
    出席番号22番、1番、27番、2番、7番の5人が当時、現在、そして「キョウコ」とのつながりを語っていく。
    読み進めていくと、「キョウコ」っていったい誰?と思わせる不思議な展開もありつつ、あぁ、そうだったのか・・・、と最後には納得。
    自分自身の高校時代のことを思い起こしつつ、ちょっと切なくなったり、辛くなったり、感動したり。
    中でも出席番号1番の紗江子の話は好きだなぁ・・・。

    http://azumystyle.exblog.jp/18854169/

  • 先日「ハケンアニメ!」を面白く読んだところだったので、映画化されるということもあって読んでみた。
    ミスリードさせるためなのだろうが、ところどころ視点が混乱するというか、発言者や代名詞(彼女)が誰のことを表しているのかがわかりづらかったなあ。
    私も高校のクラス会にはずっと出席している。40になってから始まったクラス会は毎年開催されているのだが、やはり絶対出席しない人はいる。途中からふっつり来なくなる人もいる。
    私は何も考えないで、ただ懐かしさだけで参加していたのだが、この作品を読んで、思いもよらない視点に気づいた。作中人物のように、ずっと過去の人間関係やステータスにこだわっている人はいるんだなと。
    私はそういう点に無頓着だったので、知らないうちに誰かを傷つけてきてしまったのかもしれない。
    クラスメイトとの優劣やヒエラルキーがどうしようもなく気になってしまう人がいて、そういう人はけっこういつまでもその感覚を引きずってしまう。ふだんは忘れていても、クラス会という場に来ると、気持ちが高校時代に戻ってしまうのかもしれない。
    田舎で、近い距離で同級生と接していたら、なかなかその人間関係から抜け出すのは難しいのかも。
    登場人物の気持ちに共感できないなあと思いながら読んでいたが、実は共感したくなかったのかもしれない。自分の中にある悪意やどす黒い感情を直視することになってしまうから。そういうものから目をそらし、気づかないふりで高校時代をやり過ごしてしまった私には、いろいろと重たい作品であった。

  • 一つ一つを消化していく過程が思いのほか重く、読了するのに時間がかかった。

    学校というコミュニティ。その中でもより狭いクラスというコミュニティに存在する嫉妬や恐怖、悪意そして羨望。

    多くの人が経験したことがある舞台ではないでしょうか。一見穏やかだけれども少し潜れば多くの思惑や感情が渦巻く世界。いま考えると、なぜあんなにも固執する必要があったのか不思議な舞台ですが、その当時は自分がそこに「在る」ことを確かめる為に必要だったのだと思います。

    誰かに取り繕うことも、誰かを排除しようとすることも、そして誰かと距離を置こうとすることも、他者への依存なのだと思えます。それは自分がそこに「在る」ために必要だったもの。誰もがその存在のために誰かに依存する。その誰かはその人にとっての太陽。つまり全ての人は誰かを自分自身を明るく照らすことの出来る存在。自分の内なる扉から覗けば必ず明るい光が見える。

    もがき続けた暗闇の時間がいつしか終わり、まるで映画のように、開く扉からまぶしい光が溢れ出す光景で締め括られた読了の瞬間でした。

  • スクールカーストや過去のトラウマを引きずる彼ら彼女らの内面を抉りながら、赤裸々になっていく現在の人間関係...。人の醜さ、浅ましさ、自分の存在価値、居場所...。エコロジカルニッチな人、ヒト、ひと。「出席番号二番」はかなりぞわっとした。

  • 辻村さんの小説は本当に大好き。
    えぐってえぐってつきつけられて、ほんの少し抜け出す道を教えてくれる。
    こんなにも心に深く残る。
    また、前を向けるって思える。

  • 女の本心。

    学生時代の真実なんでしょうね。

    朝井リョウと重なる部分もあります。

  • 同じ教室にいても、それぞれの景色があるし、それぞれの物語がある。過去にとらわれないようになってはじめて卒業と言えるのかな。

    なんか読みながら????と思いながら、まんまとミスリードさせられてた私笑辻村深月好きです。

  • 辻村深月作品、4作目。ツナグ、鍵のない夢を見る、朝が来る、から来ました。メディアミックスされてる作品の方が読みやすいかなーと。

    軸乱立、という印象。複数人物の視点から描かれていて、どれも読み応えがある…はずなのに、ミスリードを狙った叙述トリックもあり、物語に深く入り込めなかった印象。

    響子とキョウコは随分と印象が違う、と読み進める中でも思っていた。清瀬にまつわる事件で性格変わったのかな?とか、大人になったってことかな?などと思っていましたが、人が違ったとは。同じ人と思わせてじつは別人でしたオチでは、イニシエーションラブが印象深かった。あれも学生時代と社会人になってからで人格が変わったのかと思わせられて混乱したけど、あっちはそのトリックが小説の主軸で、あまり気にならなかった。
    でもこっちは、、人を動かす行動原理の根底にあるものとか、罪の意識のない悪意とか、そのコミュニティにいつまで固執するべきなのかとか、色々気付きはあったのに、あったからこそ、叙述トリックが邪魔でした。

    個人的に思ったのは。
    ある時代のコミュニティに、しがらまれる必要は無いということ。わたしは人と仲良くし続けることが苦手みたいで、小中高大、新卒入社の同期、それぞれ本当に一部としか連絡取っていない。そのときは、それぞれにすごく仲良かったり、楽しかったはずなのに。仲良くし続けられる人たちがいるってことをSNSで見ているので、自分の人望の無さか?などと寂しく思うこともあるけど、降りていいのかな、と思った。なんで疎遠になるかというと、お互いの立場が変わるからなんだよね。違う大学に行ったら、お互いに無意識の上下関係が生まれる。就職したら、結婚したら、子供が生まれたら、、それぞれ、お互いに妬み、とまで行かなくても自分と比べるクッションが挟まってしまうと、もう昔の同志の関係ではなくなってしまう。それが不快なのなら、閉じこもってもいいのではないかと。

    ところで響子が自分から体育倉庫に閉じこもるシーンに、どうも違和感が。セリフも「〜だわ」とか「あなたにはその権利がある」とか芝居じみているし、なんでどうして閉じこもることになったわけ??というのが、繋がらなかった。最後の方読み流したからなにか記述を読み逃したかなー。そうそう、天岩戸伝説と掛けてあったのも、余計というかじゃなければそっち主軸にしたらよかったんじゃないのというか、軸乱立、という印象に繋がってしまいました。

    あと、キョウコが、響子を許して由紀を許さなかった理由は何だろうか。よく分からない。

    あ、解説の宮下奈都さんも書いてたけど、2章の紗江子編が良かった。最後、キョウコとの電話の後自分の構築していた安定が崩壊してからは自暴自棄のバッドエンドかと思いきや、救いがあってよかった。辻村さん作品、救いがあるところは、好きだなと思う。

  • 高校を卒業してから10年後の同窓会に集まるクラスメイト達。
    章ごとに語り手が変わり、高校時代と現在が語られる。

    名前が紛らわしいので、途中??となりつつ読み進めたところもあったが、読後感も良かったと思う。

  • 内容はシンプルでなく、ん?がいくつも頭に浮かび、読み終えてもスッキリとはしなかった。登場人物たちと同じように、学生時代の苦い経験は何年経とうとも葬りさることはできず、思い出の奥底にある自分とかなさった。

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著者プロフィール

辻村深月(つじむら みづき)
1980年山梨県生まれ。千葉大学教育学部卒業後、2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。2011年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、2012年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、2017年『かがみの孤城』で「ダ・ヴィンチ ブックオブザイヤー」1位、王様のブランチBOOK大賞、啓文堂書店文芸書大賞などをそれぞれ受賞。本屋大賞ノミネート作も数多く、2018年に『かがみの孤城』で第6回ブクログ大賞、第15回本屋大賞などを受賞し、2019年6月からコミック化される。他の代表作に『子どもたちは夜と遊ぶ』『凍りのくじら』『ぼくのメジャースプーン』『スロウハイツの神様』『名前探しの放課後』『ハケンアニメ!』『朝が来る』など。新作の度に期待を大きく上回る作品を刊行し続け、幅広い読者からの熱い支持を得ている。2020年、河瀬直美監督により『朝が来る』が映画化される。

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