- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167832018
感想・レビュー・書評
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人間関係やカーストをメモしながらもう一度読みたいと思いました。
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終点はこの子だったのか…。
学生時代に感じていた、感じすぎていたカースト問題を思い出した。
グループに所属していると、好きな子、好きなものを好きと言うことが難しかったり、周りの目を気にしすぎてしまったりしていたんだっけ…。 -
あったな、こんな気持ち。と思い出させてくれる。
誰もが通る青春の日々。 -
デビュー作からこのテイスト全然変わってないのすごいな…
全然関係ないけど表題作が中に存在しなくて勝手に驚いた。 -
ふたりでいるのに無言で読書が良かった
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甘酸っぱくない、ほろ苦い青春の物語。平凡でいることに不安を感じる思春期の女の子のリアルな感情。読んでいて胸が痛くなる、、。だけど、読み終えると平凡が決して悪くないなぁ!という気持ちも。個性とか独創性に憧れて自分を見失うことは自分の過去にもあって、苦しかったけれど、ありのままでいいんだ、と思える、そんな作品です。
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外部生の中に有名カメラマンの娘がいた。女子高生のどのグループにいるのか、何者かになりたいという感情が、少しのすれ違いが重なり、関係性が変わっていく。
踏み出した勇気の一歩は変わっていないように見えても確かに動いている。 -
都内の私立女子校って特殊なんだろうなぁと思う。育ちの良さは生きていく上で武器になるのか否か。それはそうと、『けむたい後輩』の時も思ったが、人の心の機微を描くのが上手い。個人的には恭子さんが好きだな。
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作者と同世代だから? あるいは、登場人物たちと同様に中高一貫の女子校出身だから? 自然と自分の高校時代がよみがえった。生々しい描写。こういう子いたな、こういうグループあったな、この感情に覚えがある…。先日読んだ『ナイルパーチの女子会』は、この作品の大人版だ。苦しくて痛い、柚木さんの傑作のひとつ。
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女子高生それぞれの心の内を描いた、連作短編集。
最後の作品だけ、少し毛色が違うけど全体的に面白かった。
それぞれの作品には、カラフルだったり少し地味めな色だったりと、何故か色彩溢れる印象を受けた。…不思議。 -
ひりひりする、女の子特有のものがぎゅっと詰まった本。
ふたりでいるのに無言で読書がとても好き。 -
すごくせつない話だった。
一緒に傷ついた。
自分、自分、自分。 -
4つの短編から成る連作集。甘酸っぱい甘夏のような高校生時代をうまく描いてます。あの頃ああいう思いをして過ごしていたなと感じるひとコマは誰しもが持っていそう。個人的には3番目のお話が、ボスと平凡な層で好感を持てました。するっと読めるのでお時間のある時に。
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社会のなかでの自分の居場所を模索し始めた、少女たちの物語。
ある者は身につける物や周りに置く友人で自分の場所を保とうとし、それができない者は独自の価値基準で人を値ぶみする。誰もしたことがない経験によって自分を特別にしようとする者もいる。
みな、自分の場所を探しているだけなのだ。
子供の頃に抱いた「世界の中心は自分なのだ」というあの万能感を、証明しようとしているだけ。
なのにこんなにも、不器用で、苦しくて、うまくいかない。
この小説は、そんな自我の模索に苦しむ少女たちの物語だ。少女期に抱きやすい劣等感や葛藤をとても上手に描いていると思う。
私が特に好きなのは、第3話——読書好きの地味な保田と、クラスで一番派手な恭子さんの一夏の交流の物語だ。
恭子さんは自分の価値を、自分の持ち物(容姿・彼氏・友人など)で保っているけれど、保田は自分の価値を決めることには興味を持たず、好きなものに対してまっすぐだ。
恭子さんはそんな保田に惹かれていくのだけれど、結局「人の目」を気にすることをやめられない。
この話を読んで、「桐島、部活やめるってよ」を思い出した。 -
お嬢様高校の生徒たち。
普通の少女、希代子は、個性派の朱里にあこがれ、森ちゃんは、おとなしげだけど禁止されてるバイトを始めたり。
クラス一華やかな恭子さんは、違うグループの保田早智子になんだかわからない気持ちを抱く夏休みを過ごし。
自分に自信満々なような朱里は、7年たってようやく新しい一歩を。
それぞれにスポットをあてた4つの短編。
誰しも経験したことがありそうな気持ち。
とても細やかに繊細に少女たちの思いが描かれていて、懐かしいような気分になりました。
読後感も良かったです。 -
タイプの違う少女をそれぞれの方向から描いたオムニバス。読んでいると自分と似たタイプの女の子が出てくるかもしれない。不思議とどの作品も共感してしまう。読んでいるうちにヒロインに同化してしまうのか「うんうん、わかるわかる」と思ってしまう。もし私が高校生のときにこの本を読んでいたら、もっと密度の濃い日々を過ごせたのではないか、と思った。
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分かり合って終わらない。終わる人とは、そこで終わる。ほんの少しの切なさを残して。それでもみんな進んでいって、いつか大人になったとき、あの時は青春だったなあ、なんて思い出すんだろうな。
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単行本のときに読んだのを思い出した。今回、読書会の課題本なので読みました。女子高だったのでこの空気よく分かる。時代は違っても女子校生って内部、外部とかあって同じなんだよなって思う。好きなキャラは恭子さんかなー。素直な人だと思うから。
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なんか、みんなから抜かされていく感じ、すごくわかるかも。
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完全に表紙から入りました
色合いも雰囲気も可愛らしくて、ブックカバーもつけないで読みたいくらい!そして、この本を読んでいる私を見てほしいっ!こんな可愛らしい本を読んでいる私って、素敵でしょ?
なんてね。笑
そんな気持ちを持っている私も十分、女子だ。この本に出てくるような、周りの目を気にして、でも自分は特別なんだって思いはどこかにあって、だけど今の自分よりももっと輝ける場所に行きたくてそんな自分になりたくて。
だけど現実は、、、。っていう
読み終わってから表紙を眺めたら
単純にときめいてただけの自分はいなくなってたけど、
あーーーおもしろかったな -
確かタイトルに惹かれて予備知識なく購入した。
ある女子高を舞台にした連作短編集。全体を通して見ると、冒頭の「フォーゲットミー、ノットブルー」だけ少し雰囲気が違うと思ったが、元々この作品が発表され、続く3作はその後同作での脇役を主人公に据えて後から書かれたものなのだとか。
道理で他の3作では登場人物の性格が少し違うわけだ。
最初の「フォーゲットミー、ノットブルー」を読んで、思春期の独特な空気感を巧く描き出しているなと感心した。
思春期を巧く描く作家と言えば、今年私が知った豊島ミホもそうだが、彼女の作品は今作で感じたような痛みや苦さは薄かったように思う。
勿論彼女の作品でも「あの頃」ならではの切なさは感じたが、読後自身の過去の眩い面を見つめ返すことが多かった。
しかしこの「フォーゲット~」については、当時の劣等感や焦燥感、嫉妬等、醜い面を鮮明に思い出してしまった。
特別に思っていた相手との関係に、些細なことから違和感を覚えていく様が、とても丁寧に描かれていく。
あるきっかけで抑え込んでいた感情が一気に悪意となって噴き出した場面と、その後の展開がとても自然で、頭では不快に思いながらもその成り行きには納得させられてしまった。
内容として感心したのは「フォーゲットミー、ノットブルー」だが、好きなのは「二人でいるのに無言で読書」。
この二人がもう一度友達になることはないかもしれない。でも、この夏に受けた影響を忘れないといいなあ。 -
柚木さんは食べ物の本ばかり書いているのかと思っていたが違うようだ。この小説は舞台は女子高。エスカレーター式で内部生と外部生がいて、転校生がいる。転校生に魅力を感じ、平凡な慣れ親しんだ友人を卑下したり、いけてない子と仲良くするのを恥じたり。周りの目を気にしていないふりをし、ものすごく気にする。小説なのにドラマなどよりも人物が活き活きとしていた。しかし読んでいて、子供特有のイタさが自分の過去とかさなり恥ずかしくなった。
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プロテスタント系女子高の生徒たちを主人公にした連作短編。
柚木麻子さん、他の著書(あまからカルテット、かな)の表紙が、可愛いお稲荷さんの写真で、それだけの理由で何度か書店で手に取ったことがあります。裏表紙を読むと、とりあえず同世代女性作家が書いた、同世代女性が主人公の現代小説であるということはわかる。この手の小説は、きっとライトな書き口ですぐ読めて、ある程度は必ず共感できるだろう、と思うのだが、でももしとてもつまらなかったら、無性に腹立たしい気持ちになってしまう気がする、立場が似ているだけに。
というよくわからない臆病心で今まで買わずに来たのですが、こちらは女子高生が主人公。プロテスタント系女子高って私の経歴にばっちり符合するので、「立場が似ている」感はじゅうぶんあるのですが、女子高生だったのはもう遥か昔のことなので、過去時制の距離感にすがって、ついに買ってみました。
読みはじめは、やっぱりどうかなつまんないかも、となぜか妙に警戒しながら読みましたが、第二話あたりから急に作品に対する信頼感が生まれ、一気に読みきりました。
都内私立女子高生、基本的には恵まれた環境の苦労知らずの少女たちです。ただそれは客観的な評価であって、本人たちは学校という狭い社会を生き抜くことに必死である。「桐島辞めるってよ」の作者が帯に賛辞を書いていましたが、まさにあの感じで、「学校って、今にして思えば下らないしどうでもいいのに、なんか辛かった」という郷愁を煽ります(郷愁を煽るって言わないかもしれないけど、なんか「煽られ」ました)。クラス内のグループとか階級とか、自分は魅力的かとか、人とちゃんと違っているかとか、はたまた自分は人とちゃんと同じかとか、そういうことを気にしながら生きている。
あの辛く苦しい感じをただ思い出させるだけの小説だと、つまらない→腹立たしい のルートに入ってしまうところでしたが、この小説の女の子たちは、肝心なところで妙に行動力があります。あるいは自分の非を認める素直さが、あるいは自分の本当の気持ちに気付ける賢さが、あるいは自分の引き起こした状況に立ち向かう強かさが、あります。「こういう嫌なことあるよねー」で終わらずに、プチ・カタルシスをもたらしてくれる。とは言ってもジブリのヒロインみたいなスーパー女子ではなく、ちょっとした強さ、あのときの私がちょっとでもこうだったら、と想像できるような、現実味のある強さ。だから、うまくいかない日常がきれいさっぱりおとぎ話のように解決する、というわけではない。カタルシスがプチたる所以はそういうことです。
これだったら、同世代ものも読んでみてもいいかも、と思えました。 -
プロテスタント系の私立女子高に、ある日、有名なカメラマンの娘・奥沢朱里が転校してくる。彼女は学校は平気でさぼるし、制服も正しく着ない、でも絵が抜群にうまくて成績もいいから先生たちからも気に入られている。平凡な希代子は、急速に朱里に惹かれて、友達になりたい、家に招かれたい、と夢中になる。やがて、朱里の本心を知った希代子は……。
お嬢様女子高を舞台にした、痛い、いたーい女子の話。
有名人の娘と仲良くなりたい、個性的な子と友達になったら自分も個性的になれる気がする。夏休みで地味な自分から抜け出してクラスメイトを驚かせたい。ダサい子と友達でいるなんて恥ずかしい。人と一緒なんて、絶対に嫌だ。
女子ならなんとなく共感できそうな痛いところをとことん書く。柚木さんの本をずっと読んできて、とうとうデビュー作を読んだ。
この本をさらにブラッシュアップしたのが王妃の帰還になるのかな。
つくづく痛い、でも分かる。むずがゆくて恥ずかしい若さ。しみじみ上手だなと思う。
でもここまで苦く終わるなら、いっそのこと朱里は救済しないで、一人で海を見に行ってちっとも楽しくないことを思い知ってほしかったな。 -
女子高に通う女の子たちの連作短編。
女子高に通っていた身からはリアルに感じる、女子同士のわかりあえなさの描写がとても巧み。
共感を求めて、それを信じていながら、他人とはいい意味だけでなく「違う」ということに気づくまでの苦しさ。
どの短編も、苦い。
心理描写が巧みで唸る。 -
おもしろかったあー ( ´-` )*
1日で読めた !!
すごく複雑なんだけど
ほんとは すごく シンプル。
女の子の人間描写が上手すぎます。 -
生々しい。でもそれがリアルですごくよかった。人生のなかで自分も立ち会ったことあるようなないようなシーンがたくさんでてくる。登場する女の子も男の子も、みんなちがう性格なのに全員の様子や気持ちがまるで自分のリアルな友達を見てるみたいにわかる。ストーリーの筋もよくも悪くも現実的。もう二度と味わいたくないと思う気持ちがたくさんつまってるのに、読んでよかったと思える小説でした。