あまからカルテット (文春文庫 ゆ 9-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167832025

作品紹介・あらすじ

『ランチのアッコちゃん』著者の美味しい探偵小説女子校時代からの仲良し四人組も、いよいよ三十歳目前。恋に仕事に押し寄せる悩みを、美味しい料理をヒントに無事解決へ導けるか!?

感想・レビュー・書評

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  • 中学時代からの親友4人の女性の物語。

    4人の誰かが危機に陥ると他の3人が絶対に駆けつけてそれぞれの特技を駆使し助けます。そうしていつも4人が固い結束で結ばれている感じが気持ちよく、思わず一緒に応援してしまいます。

    ストーリーについては、そんな都合がいいことはないだろうと思うこともありますが、そんなことはどうでもよくなります。むしろその都合のよさは4人の友情に添える花のような気にさえなりました。

    こんな友達がいて羨ましいなあと本気で思ってしまいました。

  • “三度の飯より好き”、それは”何よりも好きであること”の例えでもあります。逆に考えれば、”三度の飯”というのは”何よりも”と同じくらい好きなことでもある、そんな風にも考えられます。そう、私たちは”食べること”に大きな喜びを見出します。毎日のことだからこそ、そして、あなたも私も全ての人間にとって欠かせない行為だからこそ、そこに喜びを見出したくなるものでもあると思います。そして、”食べることは生きること”とも言われるくらいに、人にとって”食べる”ことは大切なものです。そして”食べる”という行為には”生きる”ことと同じように、そこに人生の喜怒哀楽が伴うことが多いように思います。そんな我々が、何かを”食べる”時によく使われる言葉として『あまから』という表現があります。甘いと辛いという全く対照的な形容詞を繋げたその言葉。一方で、我々が”生きる”中で、やはり『あまから』という言葉が使われることがあります。甘いのも人生、辛いのも人生。恋に迷い、仕事に悩み、そして生きることの意味を考えながら前に進んでいく我々の人生。この作品は、様々な食べ物が、仲良し女子四人組を繋げながら、食べ物と人生の喜怒哀楽を味わっていく物語です。

    『男の子としゃべったのは六年ぶりだ』と目を見張る咲子。講師をしているピアノ教室に来る男の子や保護者はいるとしても『恋愛対象になりうる異性』と話すことは久しぶりで、『真っ赤になる』咲子。『たまたま花火大会で隣のシートだった、名前も知らないこの人を』、『もう好きになってるの?』と自問する咲子。『お嫌いですか?』と勧められた『お稲荷さん』、思わず『美味しそう』と呟きます。そして頬張る咲子。その時『どん!と、みぞおちに響くような低音が轟き、この夜一番の大きな金色の花火が上がった』その後、『すごい綺麗でしたね』『すごく美味しいです』と『同時に言葉を発して、思わず顔を見合わせてしま』った二人。『是非、今度食べに来てくださいよ。結構人気メニューなんですよ。お稲荷さん』という男性に『えっ。食べ物屋さんをなさっているんですか。あの、どちらで…』と続けようとした時、男性のグループでドタバタがあり、結局それ以上話す機会もなく終わった一夜。そして場面は変わり『え?それで終わり?』と『真っ先に言葉を発した』薫子は、『連絡先は?名前は?メルアドは』と咲子に詰め寄ります。『なにそれ、ありえない。あと二年で三十歳なんだよ?出会いの大切さ、わかってんの?』と『非難がましく叫んだ』のは満里子。そんな二人の非難にうつむく咲子。『わかるよ』と『優しくうなずいてくれる』のは由香子。そんな『中学時代からの親友三人の顔を見回』す咲子。『月に一度はこうして咲子の家に集ま』るのは『十四歳の頃から四人が大切にしている習慣』という親友四人組。『これ一ついただくよ』と『お稲荷さん』に手を伸ばす薫子に『シンデレラのガラスの靴になんてことをっ』と悲鳴を上げる満里子。『遠慮せず一個ずつ食べなよ』と言う咲子の一言でみんなで頬張る『お稲荷さん』。『これ、素人さんの仕事じゃないよね。お金とれる味だもん』と腕を組んで呻る薫子に『あっ。そういえば、お店出してる、みたいなこと言ってた』と返す咲子。『手がかりはこいつだけ…か』と『一口残したお稲荷さんを見つめ』ながらつぶやく薫子。『もういいよ。みんなに話したら気が済んじゃった。こんなお稲荷さんだけで、彼にまた会えるわけないんだよ』と『口調とは裏腹に、とても寂し気な彼女』を見る三人。そして、この『お稲荷さん』を手がかりに、あの夜の男性を求めて『「お稲荷さんの君」を捜し出す作戦』が始まりました。

    五つの短編から構成される連作短編の形を取るこの作品。単行本では、様々な料理を前にした四人の親友たちがテーブルを取り囲む絵が、そして文庫では、美味しそうな四個の『お稲荷さん』の写真が大きく中央に鎮座するこの作品では、次から次へと美味しそうな食べ物がまるで特別出演の大切な登場人物かの如く登場します。また、各短編のタイトルもその短編を象徴する食べ物の名前が含まれていて、それだけで読者の食をそそるような表現が印象的ですが、中でも最初の短編〈恋する稲荷寿司〉はとてもいい味が出ています。花火大会で偶然にも隣のシートに座ったことで、『お稲荷さんはお嫌いですか?』とタッパーを差し出した男性の一言で始まることになった二人の関係。そのきっかけの場面を演出する『お稲荷さん』は『しっとりと輝く褐色のお稲荷さんが、九個仲良く鎮座していた』とこれだけでそのタッパーの中味が目に浮かぶようです。そして『美味しそう』と『思わず唾を飲みこ』む咲子は『いただきます』と『洗っていない手で一個をつかみ取ると、口を大きく開けて頬張った』というその『お稲荷さん』。そして食べた瞬間の描写。『じゅっと煮汁が染み出した。こっくりと甘く煮ふくめられた油揚げ、硬めに炊かれたすし飯がほろりと崩れていく』というその『お稲荷さん』の描写はとてもリアルです。『咲子はため息を漏らした』という幸せを感じる瞬間。『こんな美味しいお稲荷さん、食べたことないです。今までの人生で、間違いなくベストワンの味です』という表現が食べてもいない読者にもその味を自然に感じさせるくらいに見事な描写だと思いました。そして、そんな『お稲荷さん』を男性探しの手がかりとして盛り上がっていくこの短編では、『お稲荷さん』を『シンデレラのガラスの靴』という言い方で特別視していきます。そして『お稲荷さん』を通して、その先に待つ男性のハードルをどんどん上げていく展開を経て、高く上がったハードルを見事に超えていくだけの説得力のある結末を見せてくれます。これに続く各短編も〈はにかむ甘食〉〈胸さわぎのハイボール〉〈てんてこ舞いにラー油〉と変化球的な食材も織り交ぜながら、四人の親友たちが、それぞれを支え、支えられしていく様子が描かれていきます。そして、全体の四割程度のページ数を占める最後の〈おせちでカルテット〉では、いかにも食材の競演といった『おせち』の如く、てんやわんやの大活劇が繰り広げられていきます。

    『大人になってそれぞれの立ち位置をつかみ取ると、コンプレックスを感じる相手とだって仲よくできるよってことが言いたかった』と語る柚木さん。そんな柚木さんの考えを作品中一番代弁していたのがピアノ講師として生計を立てている咲子だと思います。音大を出て一見華やかな世界に生きてきた咲子ですが、『不況で家計が逼迫する今、真っ先に削られるのはお稽古事』という社会の変化により、大型スーパーで試食販売の副業を余儀なくされます。そんな時に浮かぶのは親友達の顔。『人気料理研究家に編集者、大手化粧品ブランドのショップ店長』という面々。『グループ内で一番年収が低いのは自分であることに間違いない』とマイナス思考に陥り『大好きな音楽を仕事にしたことが誇りだったけれど、いつの間にか格差を感じるようになっている』と感じる咲子。『ああ、何もかもが同じだった少女時代に戻りたい』と嘆き『「好き」を最優先して生きてきたツケが、三十歳目前にしてまわってくるなんて』とも感じます。そんな風に落ち込んでしまった咲子の視点からは他の三人が一見輝いているようにも感じられます。しかし、彼女たちの人生も決して順風満帆ではありません。夫婦関係に悩んだり、給与が大して増えない割には責任だけが増えていく会社での立場に悩んだり、妻や嫁としての立場と仕事との兼ね合いに悩んだり、とそれぞれに悩みを抱えています。思うに三十歳前後、アラサーと呼ばれる時代は、青春の残り香も消え去り、人生の中で自分の地歩が固まっていく、そんな時代なのだと思います。そんな大切な時代を、この物語の主人公たちは、人生の甘いも、辛いも何も隠し事せずに語り合い、一緒に泣いて、笑って、怒って、そしてまるで自分のことのように励まし合う、そんな関係で乗り切っていこうとします。『一人でもやれるから、四人でもやれるんだね。皆と友達で良かった…』としみじみと感じる結末には、それぞれの立ち位置を比べるのではなく、それぞれの立ち位置からその時自分にできる役割を考え、お互いを思い合い、支え合い、そして助け合っていく、そんな姿がありました。『本当に好きな相手なら頼ったっていいんだと思う。その方が、相手も嬉しいと思う』と語る薫子。それは、『甘えるとか頼るって信頼しているってことだもの。立派な愛情表現だもの』というその関係。そんな素晴らしい関係を築く四人の女性たちの物語。『お互いの環境がどんなに変わっても、こうやって仲良くしていられればそれでいいじゃない』と続けるその言葉に、この先も人生のあまからを一緒に噛み締めて頑張っていこうとする四人の絆の強さを感じました。

    美味しそうな食べ物が全編に渡って登場するこの作品。その中で描かれるのは、色んな味がする食べ物と同じく、色んな味がする人生の物語でした。甘いものを食べると辛いものが食べたくなる。辛いものを食べた後には、甘いものがより美味しく感じられる。山あり谷ありだからこそ、飽きない人生。谷があるからこそ、そこから立ち上がって再び頂を目指そうという気持ちが起きる、それこそがあまからがある人生の面白さなのだと思います。

    様々な立ち位置の四人の女性がそれぞれ精いっぱい生きていく物語。『四人で一人。でも、一人だって頑張れる』と力強く生きる姿に、読者の私も今日の元気をいっぱいもらった、そんな前向きな気持ちになれる作品でした。

  • 女子高時代の仲良し四人組。

    最初はお料理がヒントの人探し。
    四人それぞれの人物像を紹介しながら、それぞれ四人のドラマが綴られる。

    そこには必ずお料理が登場し、柚木先生らしい世界観(*^^*)

    女四人の親友かぁ。。。
    読んでいて微笑ましくて、何となく自分も友人と連絡を取りたくなってしまった。

    私はクラスや部活の中でも1番に結婚してしまい、1番に出産してしまったので、まだ遊び盛りの20代の友達を一気に失った(^_^;)

    結婚しても続いている友人関係いいなぁー(*^^*)
    1番に子育てが終わった今、みんなに遊ぼーって声をかけると、まだ子供が幼稚園だよ!!!と怒られたり(^_^;)

    なかなかうまくいかないもんだ(笑)

  • 女性の友情ハートフルミステリーですね。
    アラサーの四人、ピアノ講師の咲子、大手出版社の編集者の薫子、有名デパートの美容品販売の店長の満里子、専業主婦だが料理研究家の由香里は個性的で性格もバラバラだが女子高の中学からの親友仲間。
    短編連作でそれぞれの抱える問題をアラサーの友達関係とは思えない団結力で解決していく物語。
    日常の謎なのだが、作家さんは本格探偵小説仕立てにして推理しながら解決策を見出だしていく。
    とても面白く、読みやすい上に問題点の洗い出しが明確でサクサクと読み進めました。
    女性の友情がかくも堅固なる事に恐れ入るのですが、解説によるとなかなか紆余曲折がありそうですね。
    それぞれが叱咤激励して成長する物語でもあるので感動しました。続篇が欲しいですね。

  • H30.11.4 読了。

    ・仲良し4人組女子がそれぞれ主人公になる連作短編集。恋愛あり、失恋あり。悩み、失望する時も友情パワーで乗り越えていくストーリーは次の展開が気になって楽しんで読めた。最後の「おせちでカルテット」は、ハラハラドキドキする展開でとても面白かった。
     「食の趣味」が同じって、人間関係で大事だよね(笑)。私もこんな友人が欲しいな。それと続編が出ないかな。

    ・「本当に好きな相手なら頼ったっていいんだと思う。その方が、相手も嬉しいと思う。甘えるとか頼るって信頼しているってことだもの。立派な愛情表現だもの。」

  • 中高、女子大と一緒だったアラサー女子4人組
    学生時代と違い、恋に仕事に結婚にと人生の転機を迎える女性に友情は成立するのか?

    装丁のお稲荷さんにびっくりし、なんだか楽しい予感に手に取った食べ物にまつわる章立てで、それぞれとても美味しそう
    特にラー油の項は、ゴクリと喉がなった

    恋する稲荷寿司 / はにかむ甘食 / 胸さわぎのハイボール
    てんてこ舞いにラー油 / おせちでカルテット

    熱い友情の名の下に、友達の食べ物にまつわる事件や悩みを仕事で得た知識や人脈で協力しながら、解決していくというストーリー

    アラサーをとっくに過ぎた私は、ガチャガチャしたストーリー展開がちょっとうるさいなと思ったが、恋や仕事、姑との関係に悩み、自信を失いながらも、助け合いながら、乗り切っていく

    女性は、人生の岐路に立つ度に友情が途切れ、持続することは難しいのではないかと思ったが、エッセイストの酒井順子さんが巻末の解説で、女性の友情というものについて、的を射たコメントをされていた

    甘くもあり、辛くもある「あまからカルテット」の友情
    若い頃に厳しく鍛錬された友情というのは、その先どんな山だの谷たのがあっても、途切れずに続いていくと

    そういえば私だって、一時途切れた友情もひととしいくと、また、復活している。若い頃よりもよりこなれた感じで・・
    酒井さんの解説に納得した

  • 親友の女性4人が繰り広げるにぎやかなエピソード。
    楽しく描かれています。
    軽い謎解きあり。

    中学以来、ずっと仲のよい4人組は、28歳の今も良く集まっています。
    薫子は、きりっとした優等生で今は編集者。ただ家事はやや苦手。
    由香子は、おっとりした主婦で料理上手。ブログから人気が出ます。
    満里子は、デパートの化粧品販売員で、華やかな美人。よく合コンに出ている。もてるけど、結婚が決まらないのにやや焦りを感じ始めているところ。

    咲子は自宅でピアノを教えています。かなり綺麗だけど大人しく地味な性格。
    1話目「恋する稲荷寿司」で久々に気になる相手に出会い、身元がわからない彼のことを皆で探すことに。

    2話目「はにかむ甘食」では子供の頃食べた甘食の味を再現しようとする。
    3話目「胸騒ぎのハイボール」では、満里子が付き合っている彼の好みが気になり‥
    4話目「てんてこ舞いにラー油」
    新婚の薫子が家事と仕事の両立に悩み、助けを借りつつ奮闘。
    5話目「おせちでカルテット」
    薫子が姑の来る正月におせち料理を出すのに困り、皆で分担する約束をするが、思いも寄らない出来事が続き‥?!

    まだ28歳なら元気だし、4人ともそれぞれ取り得があり、普通より恵まれているとも言えます。
    スピーディで明るい展開なので、気楽に楽しめますね。
    内心では親友より自分が劣っていると感じるコンプレックスもあったり、一人で悩んでいることもあるのがリアル。
    起こる出来事はけっこう大変で、恵まれているとばかりも言えない感じになってくるけど、そこをにぎやかに面白おかしく。
    出てくる食べ物がとても美味しそうで、庶民的なのも好感が持てます。
    一気に読めて、元気が出るお話でした☆

  • 中高一貫 女子校出身の、仲良し4人組
    謎解き物語り

    咲子
    ピアノ講師 自宅で母と2人暮らし。
    28歳独身
    母の仕事もへり、自分の生徒も減りつつあり、他の3人に比べて経済的に不安がある。

    由香子
    既婚 夫は単身赴任中
    目鼻立ちがぼんやりした童顔
    身体つきも子供っぽく、他の3人に容姿でコンプレックスあり。

    薫子
    編集者 仕事も出来て、美人
    家庭は、両親が離婚して、寝に帰る場所だった。
    人に借りを作ったり、助けを求めるのが何より苦手。
    上手に甘えられない。

    満里子
    美容部員のトレードマーク、夜会巻きでキリリとして、国内最大手の老舗化粧品メーカー、デパートの化粧品コーナーの店長。
    平社員の3倍仕事して、売り上げノルマで、頭がいっぱい。

    本当に、リアリティー満載の4人!
    この4人の心情も、ことばも、不安や怒りも、あるあるの世界。
    柚木麻子さん、すごいなぁ〜!

  • 楽しく読めた。
    女性の気持ちを上手く表せている。
    似ていない4人の友達が友達なのはそれぞれが同じような強さを持っているから友達でいられるのかな。
    まだまだこれからそれぞれの人生は変わっていくのだろけれども、それで距離が出来たとしてもまた会う日はくるのだろう。

  • 容姿も性格も置かれている状況も全然ちがう、けれど女子中学時代からなにかと助け合って生きてきた4人のアラサー女子たちによる、ドタバタほろりコメディーな人生小説!

    主人公は4人。
    男勝りなバリバリ編集者の薫子、美人美容部員の満里子、自宅でピアノ教室を開いている咲子、料理ブログから火が付き、今や人気料理主婦ブロガーの由香子。
    はじめの短編こそ、咲子の青春マンガのような恋愛エピソードからはじまりましたが、その後も主人公が交代しつつもアラサー女子それぞれの悩みを、お互いの良さも悪さも活かしながら(まさに“甘辛”!)これでもか!と乗り越えていくお話たちでした。

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

    30歳前後はまさに、女性にとってゆらぎの歳ではないでしょうか。
    仕事に恋に家庭にやりたいこと…それぞれのバランスが人によって大きく違ってくるが故に、いままでうまくいっていた友情にゆらぎが生じ、疎遠になってしまったりすることも少なくありません。
    けれどこの「あまからカルテット」の主人公たちは、「アラサー女子、揺らいでます!境遇も全然違います!けど、そこを乗り越えてつながる友情、あったっていいじゃない!どど〜ん!!!!」という感じで、ででーんと見せてくれるのです(擬音多いなー)!!

    ミステリーではないけれど、謎解きのようなエピソードもあり、コメディとしてもドタバタしっかりたのしませていただきました。
    「3時のアッコちゃん」(おなじく柚木麻子さんの小説)のようなビタミン小説をまた読みたいな、という方にはこちら「あまからカルテット」、オススメです。
    そして読み始めるときにはなんとも思っていなかった表紙のいなり寿司が、読み終えたときには無性に食べたくなっている、ハズです。

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著者プロフィール

1981年生まれ。大学を卒業したあと、お菓子をつくる会社で働きながら、小説を書きはじめる。2008年に「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞を受賞してデビュー。以後、女性同士の友情や関係性をテーマにした作品を書きつづける。2015年『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞と、高校生が選ぶ高校生直木賞を受賞。ほかの小説に、「ランチのアッコちゃん」シリーズ(双葉文庫)、『本屋さんのダイアナ』『BUTTER』(どちらも新潮文庫)、『らんたん』(小学館)など。エッセイに『とりあえずお湯わかせ』(NHK出版)など。本書がはじめての児童小説。

「2023年 『マリはすてきじゃない魔女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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