- 文藝春秋 (2012年5月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784167833015
みんなの感想まとめ
円朝の人生と人間性を、彼に関わった女性たちの視点から描く物語が展開されます。多様な登場人物を通じて、円朝の魅力や時代背景が浮かび上がり、特にその人脈の広さに驚かされます。物語は、円朝の弟子が語り手とな...
感想・レビュー・書評
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円朝のまわりにいた人々が円朝に関わったオンナたちを語る。その語りを通して円朝の人生、人間性を語る。
雑誌の連載ということもあって、こういう語りが読者を引き込むのだろう。本という形式でまとめられると、少しつまらなく感じる。 -
時代の絶頂を極め、近代落語の祖と言われた大名人・三遊亭円朝と彼を愛した五人の女。江戸から明治に変わる歴史の大転換期に生きた彼らの姿、いつの世も深く果てない男女の仲を、語りの名手がいま鮮やかに炙り出す――全盛を支えた名妓から、淋しい晩年を看取った娘分まで、女を活写する傑作時代小説。解説対談・春風亭小朝
(2009年)
--- 目次 ---
惜身の女
玄人の女
すれ違う女
時をつくる女
円朝の娘
解説対談・春風亭小朝 -
昨年の12月から読み出したのに、なかなか読み切れなかった本である。
活字も大きく、すぐに読めてしまうだろうと、思っていたのだが・・・
円朝という偉大な落語家の話なのだが、、、、売れない(?)弟子が、語り手のように、物がっていく。
テンポの良さに、最初は、ググっと引き込まれて行った。
噺家とお姫様のような旗本のお嬢様の女性。
円朝の息子、、、後に勘当されるのだが、その母親。
吉原の花魁。
引く手あまたの柳橋の名妓から正妻になったお幸さん。
そして、円朝の養女の娘たちと、最後まで世話をした娘。
この時代を風靡した落語家の円朝が、人脈が凄いのに驚かされる。
そして、そのパトロンでさえ、芸を磨かすのに、お金を惜しまない所が、凄い時代だったのだと、、、、。
読んでいて、実物像が、どんなであったのでだろうと・・・と、そして、その時代の身分の差の結婚に、やはり、越えてはいけない範疇が、あったのだと、、、感じてしまった。 -
落語が好きで、「塩原多助」も、「真景累ヶ淵」も、昔、『明治文学全集』で読んだことがある。
まったく読んだことがない作家の作品だけれど、数年前からずっと気になっていた。
円朝のおかみさんとなったお幸、円朝の子を産んだお里、ひょんなことから関わりを持った長門太夫、養女お節などの女性たちとのかかわりを通して、円朝の半生が浮かび上がってくる仕掛けの小説だった。
それを語るのは、円朝の弟子で、今や本業では食いあげて、五厘という、芸人にくっついて上前をはねる仕事(今でいうならマネージャー?)となった八。
まず印象的なのは、本当に聞こえてくるかのような、歯切れのいい江戸弁。
これに惚れ惚れしてしまう。
江戸っ子の痩せ我慢や、そこに根差す粋。
絶対自分には無理(笑)
円朝の語り口がどんなものかも描かれていて、想像を掻き立てられる。
怪談になるとわざと声を細めて粘っこい話し方をする、なんてある。
小さな声でもよく通った、などとも書いてある。
どんな風だったのだろう。
タイムスリップして聞いてみたい。
怖がりで、だからこそ怪談話に強みがあったという分析も面白い。 -
内容(「BOOK」データベースより)
時代の絶頂を極め、近代落語の祖と言われた大名人・三遊亭円朝と彼を愛した五人の女。江戸から明治に変わる歴史の大転換期に生きた彼らの姿、いつの世も深く果てない男女の仲を、語りの名手がいま鮮やかに炙り出す―全盛を支えた名妓から、淋しい晩年を看取った娘分まで、女を活写する傑作時代小説。 -
人それぞれ
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伝法な口調の「語り手」の地の文のおかげで、とにかくスピード感を持って読める。
主人公は円朝自身ではなく、あくまでその周辺の「女」であることが
他の円朝ものとは違う利点。
うむ面白い。
いろんな女。
ただ決め手に欠ける。
そんな読後感。 -
円朝の弟子が語るという設定。落語家の話を聞いているようで読みやすかった。出てくる女性はタイプは様々だけど、一所懸命で可愛い。
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男目線の女だが、そこは松井今朝子なので容赦無く厳しい。時代描写も楽しい。
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円朝について勉強した後、柄谷「日本近代文学の起源」辺りを再読、という読書計画の手始めとして。
円朝の残存する記録をネタにした二次創作のような立て付けなので、当初目的からするとそぐわないけど、本当に落語家が語っているかのような軽妙な語り口で楽しく読めた。 -
明治時代の落語家円朝を題材にした作品はいくつか読んだが、なぜ現代までその高い評価が継続しているのかいまだ得心がいかない。ただし、「真景累ケ淵」を読むとそこにあぶり出された奥深い人間の情念にぞっとさせられる。本著では円朝の弟子というかマネージャー的な男を語り部にしてその女性遍歴が綴られ、大きな変化の真っただ中にあった当時の世相と一方で普遍的な男と女のお話が語られている。神話化されてしまった感のある主人公だが、ここでは彼に関わった女の様子と共にとても身近に感じられて親しみさえ覚える。
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三遊亭円朝と彼の人生に関わった五人の女たちについて、いっとき円朝の弟子でありながら噺家をやめた男が語るという、一人称の小説。
形式としては、「吉原手引草」と同じ。
2009年に単行本で出されたのを、今回文庫で出版したもの。
松井作品はどれもそうだが、この作品も人物が生き生きとしていて、読み進めるのが非常に楽しい。
特に、人の服装なんかの描写は想像力をかきたてるし、文章のテンポはすばらしい。
わたしは最後の、円朝の娘がいちばん良かった。 -
江戸から明治への市井の人々の姿。
円朝をめぐる女を描きながら、世相を描く。
あー、累ヶ淵、もしくは牡丹燈籠を観たい、聞きたい。
著者プロフィール
松井今朝子の作品
