- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167834012
感想・レビュー・書評
-
何故か空から人が降ってくる町と降ってくるその人間をバットで打ち返す仕事に就く男の話。
こんな小説に評価は要らない。好きか嫌いかだけが問題‥‥‥‥‥‥好きー!
併録作品もギミック満載のイカれっぷり。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この人の作品は、感想を書くのがいつもむずい。
めちゃくちゃ面白くて刺激的な作品であることは間違いない。
しかし、何が面白くて、どこが刺激的なのかを表現することが、本当に難しい。
沼野充義氏の解説に、良い表現があったので引用。
<blockquote> どんなに難解なものを書いても、なんだか魔術師が悪戯っぽくウィンクをしているようなチャーミングなところが感じられて、読者を決して突き放さないのだ。</blockquote>
上手い表現だなあ、と感心する。
確かに、円城氏の作品からは、いつもそんな感じを受ける。
円城氏の作品に対しては「難解」という評を見かけることが多い。
けれど、あまり「難解」だと思ったことは無かったりする。
確かに、読みやすい文章では無いけれど、それは決して悪文だということではない。
あまりに「普通」からかけ離れた文章であり、表現であり、ストーリィであり、キャラクタであるために、すっと入ってこないことが、一番大きい原因だろうと思う。しかも、その「違和感」に、読者が慣れる隙を与えてくれない。氏の書く作品は、同じテンションで結末まで進みはするものの、使われている様々な要素は決して落ち着くことは無く、いつまでも変幻自在に形を変え続ける。そのことが、「読みにくさ」に拍車を掛ける。
けれど、それでも、氏の作品は「難解」では無いと思う。
本作は、表題作の「オブ・ザ・ベースボール」と「つぎの著者につづく」の二本立て。
「オブ・ザ・ベースボール」の方は、氏の作品のなかでも、読みやすい方だと思う。
ただ、相変わらず妙なテンションで、妙な世界がずーっと広がる。
この「妙さ」に惹かれる人は、きっと他の氏の作品も、「難解」とは思わないのでは無いかな、と思う。
「つぎの著者につづく」は、いつもの円城作品、という感じ。
ほんと感想を書くのが難しいけど、とにかく面白い作品。
ただし、読後に「あー面白かったー」となるような作品ではない。
「面白かった・・・。面白かった?面白かった、んだろう。」な感じ。
まあ、不思議な作品を書く作家であることは間違いない、と思う。
よく分かんないけど、面白いんだよなー。 -
昨晩、頭がもやもやしていて、あぁこれは寝れないなと思ったのです。
だから、円城塔を読むべきだと。
円城塔氏が、何を意図して書いたものなのかはわからないけれども(本人に聞けるわけでもなし。)、やっぱり私は、円城塔氏の文章の中に、勝手に私が抱く不安と不条理感と開き直りとを見出していって、大いに安心して満足して、しっかり眠ったのでした。
最近、円城塔氏は、詩人なんじゃないかと思うようになりました。
詩人の定義は知らないけれど、文章のリズムがあまりにも、心を落ち着かせるテンポをもっているものだから。
円城塔入門にオススメできる一編「オブ・ザ・ベースボール」と、とことん知識と教養と薀蓄を蓄えて臨んだらまたずっと深くて豊かな味わいを楽しめるに違いない一編「つぎの著者につづく」。
「つぎの著者につづく」は「これはペンです」で救われた私を、同様に救ってくれました。
もっと本を読み、知識をたんまり身につけて、また読みにくるね。 -
文庫になったので再読。
解説の沼野氏の言葉にあるように、円城氏の文章はどんなに難解でもチャーミング。おかしみと可愛げがあるところが好きなんだなぁ、と思う。
「つぎの著者につづく」は1回目に読んだ時よりも少し頭に入ってきた気がする。注に挙げられている参考文献をひとつずつ読んでいけば、いつかは理解出来る日が来るのだろうか。ぐるぐるまわる、知の迷宮。 -
解説はスタニスワフ・レムの翻訳などで有名な東欧文学者による。このことから円城塔の認知のされ方が分かる。
内容はライプニッツ、ジョイス、ボルヘス、エーコ、カフカ、『完全な真空』などの参照・引用が成された緻密な構成でこの手の文学作品に読み慣れている人はすらすら読める。もともとそうした前衛的文学傾向に興味のある人が対象となっている作品の気がする。
『道化師の蝶』も含めてハヤカワSFではない円城塔も面白い。
円城塔を読み終えたあとは、レム『完全な真空』、ボルヘス『伝奇集』、カフカ作品などにあたってみると作品世界が広がる。 -
2025.01.13
円城塔[『オブ・ザ・ベースボール』#読了
この作品で文學界新人賞受賞→デビューってすごい。純文学の世界ってすげー!と思った。
受容?許容?本当にいろんな可能性を秘めた作家さんをきちんとデビューに導いて売れっ子作家さんとして歩めさせられているってすごい。
まだ初期だからか、読みやすかった。もっと最近の円城塔さんの作品は全くわからなくて挫折していたので楽しく読めて良かった。 -
理解は不要、「読んで、文字を追うこと」を楽しめる本。ファンタジーな夢を文章に起こすとこんな感じなんだろうな、と。
-
…難解としか言いようがない。 空から人が降ってくる街という設定に興味を惹かれて読んでみたが、どこまでも難解な展開でとりあえず、何だこれは…という衝撃しかない。
-
分からん
著者プロフィール
円城塔の作品





