Iターン (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2013年2月8日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (416ページ) / ISBN・EAN: 9784167838416

作品紹介・あらすじ

血圧急上昇のリーマン・ノワール!



冴えない広告代理店の営業・狛江が赴任した先はリストラ対象の弱小支店。ヤクザの巣でもんどりうって辿りつく、戦う男の姿を見よ!

みんなの感想まとめ

サラリーマンとヤクザという異色の二重生活を描いた物語は、主人公が業績不振の支店に赴任し、思わぬトラブルに巻き込まれるところから始まります。広告代理店の営業としての奮闘と、ヤクザの舎弟としての葛藤が同時...

感想・レビュー・書評

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  • この著者の作品を初めて読んだ。
    コミカライズ版の1巻が激安セールだったので読んでみたらなかなか面白くて、原作を読んでみたのである。

    主人公は、中堅どころの広告代理店の中年サラリーマン。彼は東京から、閉鎖間近いと噂される業績不振の北九州支店に飛ばされる。支店長になったため役職上は栄転だが、実質は左遷だ。

    支店の閉鎖を避けるべく、業績を上げようと奮闘するも、広告がらみのトラブルでヤクザに脅され、紆余曲折の末になんと「舎弟」にされてしまう。

    つまり、主人公は心ならずも、サラリーマンとヤクザを「兼業」する羽目になるのだ。
    その後は、「サラリーマンもの」と「ヤクザもの」の物語が並行して進んでいくような奇妙な展開を見せる。

    荒唐無稽な設定ではある。が、広告代理店の仕事とヤクザ社会の描写にそれぞれリアリティがあり、突飛さをあまり意識させない。

    主人公の親分となる岩切は、口より先に手が出る粗暴なヤクザ。まるで『ドンケツ』(本作同様、九州を舞台にしたヤクザマンガ)の主人公・ロケマサのようだ。

    主人公は岩切によって、どんどんのっぴきならない立場に追いつめられていく。
    だが、彼が働いている広告代理店も、腐敗した上司が幅をきかすブラックきわまる環境なのだ。

    読んでいるうち、「こんな会社なら、ヤクザの組のほうがまだしもマシではないか」という気がしてくる。そのへんも本作の面白いところ。

    終盤の大逆転劇には、半沢直樹的な痛快さもある。
    サラリーマン小説とノワールの面白さを兼備した、サービス満点なエンタメ。

  • 任侠映画とか血生臭くて観ないが、この本を読んで映画化して欲しいと思ってしまう、魅力ある本でした。
    とにかく面白かった。
    最後の終わり方…続編が読みたくなる。

  • 広告代理店の営業マンの単身赴任先Q支店で、ヤクザの抗争に巻き込まれてしまう。獄中で自首のタイミングを図る組長に、広告マンらしく新聞広告の誤植でメッセージを入れるところなど面白かった。展開は荒唐無稽だけど、コミック的面白さ。

  • 40代、望まぬこと、理不尽に思えることに多々会うけれども、逃げるではなく、渦中に思い切って飛び込めば、活路が見えてくる!
    そんな40おっさんへの応援歌。



  • うだつの上がらない広告代理店の冴えない営業マン・狛江が単身赴任したのは、リストラ対象の北九州支店。
    思わぬトラブルからヤクザに絡まれ、あれよあれよという間に組長の舎弟になることに。気付けば堅気の仕事と土日は組事務所の住み込みに。
    百貨店からピンハネし、更には銀行から金を強請りとることに。
    四十半ばの悲哀の中年サラリーマンのコミカルな北九州物語。
    福澤徹三氏、ハズレなし。面白い。

  • 福澤徹三『Iターン』文春文庫。

    リーマン・ノワールとはまさにピッタリのネーミング。スピード感があり、ユーモラスで、ドキドキハラハラの一気読み小説。

    同族経営の弱小広告代理店の冴えない営業マンの狛江はリストラ対象の北九州支店への赴任を命ぜられる。単身赴任で向かった北九州支店は営業マンの柳と事務員の吉村の二人だけ。リストラ回避のために奔走する狛江は思わぬトラブルからヤクザに絡まれ、大借金を負い、ついには犯罪にも手を染める。果たして狛江の運命や如何に。

  • 「Iターン」
    熱演中。


    ムロツヨシ熱演中のIターン。ムロツヨシのキャラクター的にぴったしだと思っていたところ、原作は結構キツイ。とにかく狛江が不憫なのだ。コメディ要素がもっとあるかと思っていたが(これもムロツヨシが主演だから、と言うバイアス)、親会社も支店も取引先も妻も、ヤクザに絡まれる前段階からかなりキビィ。不憫過ぎる。広告業は潰しが効かないとか考える前に、絶対やめるべきだ。と何度思ったことか。なんじゃ、これは〜!である。


    しかし、本丸の竜崎と岩切である。これはあかん。狛江はよくぞ頑張ったと言える。確かに、狛江は狛江なりに、ちゃんとすべき点があった。でも、怖いのは怖い。と言うか、一番やばいのは土沼印刷。取引先としてやば過ぎる。Q市とはこれほどやばいのかを示している。絶対、辞める笑。


    生き地獄に陥った男のI(自分)ターンとは?を問うテーマが狛江の肩にかかっている。人生後半、どうやって自分を取り戻すか。それを体現している。本来あるべき姿を無視する会社。下っ端にミスを押し付ける、嫌がらせをするお偉い方・上司。そんな理不尽な環境を変えることを諦めてしまっていた自分。


    しかし、それがなんだと反旗を振りかざす狛江。普通はこんな遣り方じゃないはずなのに、ヤクザに絡まれたことで火事場の馬鹿力が発揮されるのだ。めちゃくちゃ絶望的なとこに放り込まれた唯一の功名だろうか。にしても、絶対に嫌だな。

  • ごく普通のさえないサラリーマンが、ひょんなことからヤクザの舎弟になってしまいう、っていう荒唐無稽な設定だけど、面白かった。
    次の展開が気になってしまった。

  • 序盤は、有り得ないほどドンくさい狛江にイライラしたけど。サラリーマンがこんなに異次元の体験を繰り返したら、怖いもん無くなるわ!って、すっかり引き込まれてしまった。

  • 40代のサラリーマンの物語。
    不振にあえぐ会社から左遷され、家では妻と子供に邪魔者扱いと胸が痛くなるくらい可哀想な狛江が現実に立ち向かう姿は、ちょっと勇気が出ました。

  • 福澤徹三は、ヤクザの論理をうまく小説に取り入れる。
    相手の弱みをつくり出し、そしてはめる。
    そのはめ方がたくみで、従わせる。
    中堅広告代理店のサラリーマン 狛江は、
    北九州の支店に左遷された。
    狛江は、簡単に ヤクザにはめられる。
    そして、借入が どんどんと 増えていくが
    単にはめられるのでなく、自分もはめる側に
    回って、悪事を働くが、それが 悪事だと認識していない。
    いつの間にか、仕事を どんどんとることが出来るようになる。
    そして、ヤクザをバックにして 出世する。

    ふーむ。筋金入りブラック企業のブラック中間職となる。
    みごと、返り咲くのである。

  • ぱっとしないサラリーマンの日常と40代の複雑な感情を表現。また彼が巻き込まれる非日常がなぜか日常と通ずるところがある。最後は本当にほっとしました。

  •  著者の恐怖ホラー小説のファンなのだが、『東京難民』とか社会派(?)小説もそれなりに楽しめる。中年サラリーマンが左遷先の土地でひょんなことからヤクザの舎弟になり、組絡みの抗争に巻き込まれる。そこまで落ちぶれ、暗い展開しかないと思わせてからの大逆転劇は痛快である。現実離れもここまで行くとファンタジーとして受け入れやすい。

  • 広告代理店というと大手のキラキラしたイメージが先行するけど、色々と苦労することも多いんだろうなという印象。その苦労が振り切れてるのが本作。禁酒禁煙していたうだつの上がらない主人公がヤクザと関わることになり、酒タバコを再開し暴力に慣れ、度重なるトラブルに疲弊して悪事にも手を染め、それでも足を洗うタイミングが訪れたところで本来の優しさや甲斐性(?)を発揮してまた泥沼に巻き込まれていく、救いのない話。が、心情描写も少なくテンポよく話は進むので暗い作品ではない。出版当時と今の世の中は(ヤクザの立ち位置とか、コンプラとか)かなり変わっているだろうこともあり、現実味は希薄だけど任侠コメディとしては面白い。ドラマ化されているようなのでこちらも気になる。
    Iターンというタイトルから、東京から北九州に飛ばされはするもののそこで旗を立てるラストになるかと思いきや、最終的にUターン?してしまうのは不完全燃焼。

  • 理不尽系が苦手だから終始イライラした。
    けど、やくざの内情のとこからは面白く読めた

  • 冴えないサラリーマン狛江さんに対して、序盤は何やってんだよ感がありました。しかし、ラストに向けて痛快感で一気に読み終えました。東京本社凱旋編が気になります。ドラマで起用されたムロツヨシさんと重ねて読ませていただきました。

  • なんかずーっとうまくいかん続きのハラハラしっぱなしで疲れた(笑)#読了

  • うだつの上がらない中年サラリーマンが九州に飛ばされ、ひょんなことからやくざの抗争に巻き込まれていく。終盤になっても全然駄目な主人公が、最後に急展開し謎の活躍を見せ終わる、というのはいかにも日本的だが、やはり気持ちのいいものである。続編ありそうな終わり方なので次作に期待。

  • 読みやすい。内容は結構薄め、予想外の内容。2もKindleで無料なら読みたい

  • いつだったか話題になっていた本だなと
    概略も知らずに読み始めました。
    Uターン、IターンとかのIターンかと思ってたら全然違いました。笑
    ヤクザがでてくる話とかいつも読まないのですが、会社とヤクザにふりまわされる主人公がおかしく、またテンポが非常に良いのでスラスラと読み終わってしまいました。2があるようなので、続きも楽しみたいと思います!

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著者プロフィール

福澤 徹三(ふくざわ・てつぞう):1962年、 福岡県生まれ。ホラー、怪談実話、クライムノベル、警察小説など幅広いジャンルの作品を手がける。2008年、『すじぼり』で第10回大藪春彦賞受賞。著書に『黒い百物語』『忌談』『怖の日常』『怪談熱』『S霊園』『廃屋の幽霊』『しにんあそび』『灰色の犬』『群青の魚』『羊の国の「イリヤ」』『そのひと皿にめぐりあうとき』ほか多数。『東京難民』は映画化、『白日の鴉』はテレビドラマ化、『Iターン』『俠(★正字)飯』はテレビドラマ化・コミック化された。

「2023年 『怪を訊く日々 怪談随筆集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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