隻眼の少女 (文春文庫 ま 32-1)

著者 :
  • 文藝春秋
3.24
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本棚登録 : 2858
感想 : 300
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  • Amazon.co.jp ・本 (506ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167838461

作品紹介・あらすじ

山深き寒村で、大学生の種田静馬は、少女の首切り事件に巻き込まれる。犯人と疑われた静馬を見事な推理で救ったのは、隻眼の少女探偵・御陵みかげ。静馬はみかげとともに連続殺人事件を解決するが、18年後に再び惨劇が…。日本推理作家協会賞と本格ミステリ大賞をダブル受賞した、超絶ミステリの決定版。

感想・レビュー・書評

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  • 第64回日本推理作家協会賞、
    第11回本格ミステリ大賞をダブル受賞
    長い本だが納得。2章立てで見事にひっくり返る。
    犯人わかるわけ無いです‥

    麻耶雄嵩は「神様ゲーム」等読んでるので
    この一筋縄ではいかない邪道(?)ミステリーに違和感は感じない
    むしろ望んでいた
    プロレスで言えば大仁田厚でしょうか?

    こんなのも許容できるミステリーというジャンルは奥深い
    腹を立てたら何も始まりません
    けど500頁は長い‥

  • '23年7月13日、読了。麻耶雄嵩さん、今年七作目、かな…?

    とても、面白かったです!お見事!ただ、ちょっと長い、かな(⁠ ⁠⚈̥̥̥̥̥́⁠⌢⁠⚈̥̥̥̥̥̀⁠)

    他の人のレビューを読むと…「犯人は判った」という人もいるようで…「天才か!」と、ツッコミたくなります(⁠ ⁠・ั⁠﹏⁠・ั⁠)僕は、見事にやられました!

    一々数えてませんでしたが…一体、何重の罠が?麻耶さんらしい、アクロバティックな小説でした。目が回りそう(⁠っ⁠˘̩⁠╭⁠╮⁠˘̩⁠)⁠っ

    良いなぁ…凄く好き♪⁠~⁠(⁠´⁠ε⁠`⁠ ⁠)麻耶ワールド?麻耶沼?に、ドップリとハマっております

  • 2020/05/09読了
    #このミス作品24冊目

    名家琴折家で起こる連続殺人事件に
    母娘2代にわたり御陵みかげが臨む。
    残り20ページまでが完全に茶番。。
    後味悪さは賛否分かれそうだが、
    ドンデン返しに結構楽しめた。

    あとコレ、装丁で損してるよね(汗

  • 御都合主義というのが半分、ミステリーとして面白いと思うのが半分と、ビミョーでした。

    長い作品だけど最後まで犯人の予測出来ず、どいつだーと叫びたくなった笑
    そんな感じだから面白いとも思う…でも、あっ、そこに来るんだ…と以外性と、何でもありなんだなと…と私は思ったかな。
    いや、面白いと思います!が、私は作家のクセは合わないと思いました。

  • H30.2.7 読了。

     最後まで淡々としていて、感情移入できなかった。発想は面白いのに。

  • 自分なりに犯人を考えながら読んではみましたが、わかるはずないー。周りの人々が気の毒すぎます。おもしろかったです。

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    結構好みが分かれそう・・・
    私は”最後の衝撃のどんでん返し”とやらが気になって最後まで読みましたが、イマイチかな。。。500Pかける必要は・・・ない!

    文章はとても読みやすくて、サクサク読めます。
    ただ、中途半端?に難し目な単語が使われているのがわざとらしかったのが苦手。あと、名前がややこしい。
    家や周辺の構造や地理的関係が文章からよくわからなくて、個人的にはちょっとイライラしました(一文推理では大事になる要素でもあるので)



    スケールに対して動機も「???」でした。
    推理も裏をかき裏をかき・・・は面白かったけど。

    種馬は笑いました。
    でも、主人公のキャラがよくわからなかったな・・・アニメ?ギャグ?

  • 麻耶雄嵩作品は2つ目。裏切られ感は大きくて、そういう意味では好みだったんだけど、自分的には本格色が強過ぎてちょっと…って印象だった。なのでそれ以降、積極的には手が伸びずに今に至る。で、本作もやっぱ同様の印象だな。過去が描かれる前半は、浅い人物造形とかペラペラな人間関係に辟易したけど、後半でその理由が明かされてちょっと安心。ただ、その後半も、意外過ぎる真実に到達するためには必要とはいえ、同じようなことの繰り返しで、正直冗長。クライマックスの衝撃で☆4つにしたけど、物語の内容とか人物造形とかだけだと3つかな。

  • この作者の本は初めて読んだ。きっと、この作者はミステリがすごく好きなんだなぁと思う。他の方の感想を読んで「後期クイーン的問題」なる言葉を知った。ミステリの問題提起的な面白さがある。

  • 山深き寒村で、大学生の種田静馬は、少女の首切り事件に巻き込まれる。犯人と疑われた静馬を見事な推理で救ったのは、隻眼の少女探偵・御陵みかげ。静馬はみかげとともに連続殺人事件を解決するが、18年後に再び惨劇が…。日本推理作家協会賞と本格ミステリ大賞をダブル受賞した、超絶ミステリの決定版。


    ・レビュー

    この小説は麻耶作品の中では比較的読後感がライトなものだといえると思う。
    初心者向けの麻耶作品を挙げるなら多くの麻耶ファンはこの『隻眼の少女』と『螢』を挙げるようだが確かに読後の衝撃の度合いとしては入門編的内容かもしれない。
    とはいえ、別段この小説が麻耶作品の特徴の公倍数から外れているわけではない、もちろん『螢』も。麻耶作品としては初心者向けかもしれないがそれはミステリ初心者向きという事にはならず、やはりミステリ初心者で麻耶作品未読ということなら初読は『螢』だろう。
    この『隻眼の少女』はミステリ初心者だと全てを理解するのにやや難解さが残る。

    長編はほとんど強烈なカタストロフによって強烈な印象を残す麻耶雄嵩の小説の中では、『隻眼の少女』は一見するとライトで受け入れやすい本格モノ風の進み方をする。
    ミステリとして非常に読みやすく、キャラクターも狙いすぎな感もあるほどの漫画・アニメ的特徴を備えている。
    ただしここには幾つかの罠が当然仕掛けてある。麻耶雄嵩の作品が普通に落ち着くなんてことはまずあり得ない。

    まずは「意外な展開」だろう。正直ミステリファンからするとこの小説の面白さは「まったくそこじゃない」のだけれど、ミステリファンではない人やたまにしかミステリを読まない人からしたらこの「意外な展開」は本格風の物語の進行から一気に魅力的に惹きつけるポイントだと思う。

    そして次に麻耶特有のアンチミステリ的要素。ミステリファンならおそらくこっちがメインだろう。さあ、今回のテーマはどの枠組みに「問いかける」ものなのか、楽しみにしていいと思う。この点でこの小説は絶大な価値を持っている。

    物語は二部構成だ。
    スガル様という現人神が崇められる村の名家で連続殺人が起こるという、本格推理的な舞台設定で、種田静馬という主人公(語り手)とで探偵の御陵みかげが、探偵と助手として事件に挑むストーリーである。
    そしてその事件が解決してから18年後、非常に印象深い結末に向けて再び殺人事件が起こる。

    テーマは「探偵とその推理」であり、ミステリ読みなら一度は考えることになる、「探偵」についてのある懐疑を物語の軸に据えている。この小説では読者の推理や犯人当てはほとんど意味が無いのであるが、それでも犯人を当てるつもりで本気で突き詰めていくと体感的にミステリの根幹的問題点に行き当たって面白いのかもしれない。

    ブログの方に詳細は書くけれど、この小説は浅く読むか深く読むかで評価が二分しやすい。もちろん「しやすい」というだけで必ずそうなるわけではないけれど、深く読むと興味深いのだが表面的に読むとやや苦しい部分があるのは否めない。
    どうせなら深く読めるよう「後期クイーン的問題」について念頭に置いて読むのがいいと思う。

    本音を言ってしまえばこの小説はここまで非難されるものではないと思っている。トリックが非現実的だとか、犯人当てのトリックありきで書かれただけだとか、色々言われているがよく考えて欲しいのはそんなことくらい作者が解らないはずがないだろうということだ。
    そしてその先にある真意、この小説の意図をしっかり読めば決して前述の非難点が「わざと」書かれているものだと理解できるはずなのだ。そうすれば少なくとも安易に批判的になる人は減って、批判するにしてももっと高尚な評価がされるんじゃないだろうか。

    個人的には、この小説は傑作だと思っている。
    探偵小説に対する非常に重要な問題提起が成されているある意味正当すぎるくらいの「本格」だと思う。
    日本推理作家協会賞と本格ミステリ大賞のダブル受賞はその点が考慮されてのことだろうし、ミステリ読みじゃない人が批判するのはまだしも、ミステリ読みがかなり多く真意に辿り着いていないのが少々哀しい作品かもしれない。

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著者プロフィール

1969年三重県生まれ。京都大学工学部卒業。大学では推理小説研究会に所属。在学中の91年に『翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件』でデビューを果たす。2011年『隻眼の少女』で第64回日本推理作家協会賞と第11回本格ミステリ大賞をダブル受賞。15年『さよなら神様』で第15回本格ミステリ大賞を受賞。

「2023年 『化石少女と七つの冒険』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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