仕事漂流 就職氷河期世代の「働き方」 (文春文庫 い 65-2)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167838522

作品紹介・あらすじ

学歴エリートはなぜ会社を辞めたのか?選択肢がどんどん消えていく。常に不安だから走り続けるしかない……。就職氷河期に仕事に就いた八人の、「働くこと」を巡る葛藤。

感想・レビュー・書評

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  • 著者の前作も確か読んだと思うんですけれども、今作と似た内容だったかと…あ、いや、あれはもっと、、、仕事をする前の話だったかな? つまりは学生時代の悩みなんかを綴った著書だったような気がしないでもないんですけれども、今作は転職に悩む、といった内容なんですなぁ…

    世代的には僕より5、6歳年上の方たちだと思うんですけれども、そういった先輩方も二十代前半とかね、まあ、二十代すべてをひっくるめればアレですね、僕らと似たような悩みを抱いていたんだなぁ…と。感じた次第であります!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    結局のところ、若者の悩みなんて世代間であんましギャップ? とかないのかなぁ…みたいなことは思いましたね。皆似たような悩みを抱きつつ、戸惑い、大人…というか、オッサンになっていく…みたいな。

    まあ、そんな感じで割かし楽しめましたけれども、中途退屈する場面も多々あって、僕はアレですね…あまり他人の人生にそれほど興味を抱かない人物なのだなぁ…という自己認識を得ました! さようなら。

    ヽ(・ω・)/ズコー

  • 本書は高学歴で大手に勤める人間の贅沢な悩みであり、今の日本を生きる大多数の切羽詰まった苦しみとはかけ離れたもの。見習おうにもレベルが高すぎて参考にはならなかった。
    第1章 転職する一番の理由はその仕事が辛いからでしょう?どうして辛いのかを考えて転職しないと、どこに行っても同じ辛さを味わう事になる。要するに転職するのなら、別の職種にチャレンジするべきであると感じたし、自分の経験からもそう思う。
    第2章 読んでるだけで苦しくなってくる。一流大学の生徒が100社受けて全て落ちる人もいるって社会から拒絶された様ようなものだ。
    第3章 ネットワークセールスの悩み。人材紹介会社へ転職するけど、何だか無理に転職の理由付けしているように見えた。理想の上司に巡り合えたから転職しますって意味不明。
    第4章 大手電機メーカーの研究員という最高の職場でありながらも同世代がいないという孤独のため辞めてしまう、何とももったいない。
    第5章 広告代理店で契約で働く女性。結婚したが、もし子供を出産すること考えると、年齢的制約もあるなか、どこまで無理して社員になるために仕事に打ち込むべきかと悩んでいる。
    第6章 総合商社からベンチャーのECサイトへと転職。なかなか勇気があるというか無謀なというか、でも見事な成功を収めたケースだと思う。転職の目的がはっきり明確でブラていなかったのが素晴らしい。
    第7章 東大からキャリア官僚という最高のエリートコースから抜け出しNPOを設立。少しインパクトが弱い印象を持った。
    第8章 外資系コンサルティング会社に転職し年収が大幅に上がるも退職しMBA取得のため、お子さんもいるのにアメリカへ留学する。常に危機感と目的意識を持って努力する姿勢は凡人とは違う。

  • 【学歴エリートはなぜ会社を辞めたのか?】選択肢がどんどん消えていく。常に不安だから走り続けるしかない……。就職氷河期に仕事に就いた八人の、「働くこと」を巡る葛藤。

  • 部下のバイオリズムの変化を気にしながら、なぜ彼の成績が振るわないのかを客観的に指摘できる「目」をもつこと。

  • ロストジェネレーションと呼ばれる世代の8人のノンフィクション。
    内容は各人毎に分けられ、仕事に対する葛藤が詳細にかかれており、会社から自立していく様が書かれている。
    全員、転職を経験している。

    ロストジェネレーションとは、高度経済成長期もバブル期も経験せず、社会に出る頃には就職氷河期を迎えていた世代のことである。

    本書の特徴として、非常に読みやすい、小説のように読めたことをあげておく。
    著者の詳細なインタビューと文章力に依るところが大きいように思う。

    この本は、どんな層の人が読んでも参考になる。
    というのも、都市銀行、電機メーカー、外資コンサルなど、幅広い分野をカバーしており、雇用形態も正社員としてだけでなく、契約社員として働く方にもインタビューされているからだ。

    内容は様々だが、転職に関して感じたことは、その選択が正解かどうかはわからないことであるが、第三者から見ると、その選択はまた同じ問題を繰り返すことになるのではないか?
    ということは感じることができるということだ。

    極論に近い例を出すと、どうしても広告代理店で働きたいと思っていても、根底には華やかなイメージだけえらんでいるのでは?
    と思われてしまうようなケースが多く、この場合はたいていその人は仕事に満足できない。

    なぜなら、これは会社から自立できていないからだ。

    会社から自立した考えからができない限り、仕事に満足することはできない。
    自分のやりたいことは会社でなくもっと細かな職種や実作業による部分が大きいからである。

    まとめ
    ・仕事はマクロな面(事業内容)とミクロな面(実作業)を考慮することが満足に繋がる
    ・今の世の中に正解はなく色々な道がある。自分が正しいと思う道が正解であると思うことが重要

  • インタビューのまとめもさることながら、仕事をする上で何を目的とするか、何のために生きるのか、自分自身とかさねて読むと考えさせられる点がいくつもある。
    また著者の綿密な取材にも文中から拝察でき良かった。ロストジェネレーションという言葉も随所に登場するがどんな世代の方でも考えさせられると思う一冊

  • 『今時の若いもんは』を唱える壮年サラリーマンに読んで欲しい。『大量生産、ベルトコンベヤー』時代の教育及び就労は時代遅れであり、この本の登場人物の感覚が正常であることに気付くだろう。

  • それぞれ迷いながらも、真剣にみずからの「仕事」に向き合い、選択をつかみ取っていく「氷河期世代」。その典型ともいえる、メーカー、官僚、銀行、コンサルなどに就職/転職した若き男女へのロングランインタビューをもとに、彼らの希望、葛藤、挫折、前進、停滞の様子をビビッドに紹介している。

    あやふやな「自己実現」ばかり追求して行動の指針を持とうとしない、とか、すぐに飢えることもないのだから、結局甘やかされているのだ、とかいうふうに、彼らの世代を貶めるのは容易い。しかし本書で、彼ら男女の赤裸々な感慨と行動の様子を読むうちに、日本のコンサバな会社組織が、なんらかの変化を迫られているということが、ジワリと感じ取れる。

    重たい本だ。

  • 職業はその人の何を決めるものなのか?と、ある意味社内求職中の身分で、改めて働くことについて考えたいと思って購入。

    働くことに対する考え方が多用であること、その具体例を知ることができた。

    今まで自分が見聞きした以外にもいろんな世界があること、その一方で、自分の仕事は自分で作り上げていくという思いを改めて強くした。

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著者プロフィール

稲泉 連(いないずみ・れん):1979年、東京生まれ。早稲田大学第二文学部卒。2005年に『ぼくもいくさに征くのだけれど 竹内浩三の詩と死』(中公文庫)で大宅賞を受賞。主な著書に『「本をつくる」という仕事』(ちくま文庫)、『アナザー1964――パラリンピック序章』(小学館)、『復興の書店』(小学館文庫)、『サーカスの子』(講談社)などがある。

「2023年 『日本人宇宙飛行士』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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