- 文藝春秋 (2013年12月4日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784167838911
作品紹介・あらすじ
いまならば斬れる!
田沼時代から清廉な定信時代への過渡期。人を斬ったことのない貧乏御家人が刀を抜く時、なにかが起きる。第18回松本清張賞受賞作。
感想・レビュー・書評
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江戸の、時代の過渡期で武士という立場に悩み翻弄される「佐和山道場」の村上登、青木昇平、仁志兵輔の三人の武士たち。
その一人、本作の主人公である村上登がある商人から名刀を預けられるところから物語が動き出す。
昇平が小普請を抜け出世し、出世は二の次とした剣に生きる風の登。間に挟まれた兵輔。そんな中、町で無惨な辻斬りが頻発する。
それを打ち取り出世を目指す兵輔が動きだし、三人の人生の歯車が少しずつ違えていくさまは本当に切なかった。
時代を扱うものなので読みにくい字もあれど文章が読みやすくページ数もちょうどよいと感じた。
様々な背景を読みときながら楽しめますし、誰が辻斬りだのを推測しながらも読めたりして、懐の広い作品に感じました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
時代ミステリーの形をとっているが、いろんな読み方ができ、作品の主題も人によってはいろんな風に捉えるのではないだろうか。
現在にも通じる格差と貧困、若者のアイデンティティ探し、友情とは?様々なテーマを含んでいるので、読む人によって違う読み方が出来るでしょう。
文章が良いので非常に読みやすかったのですが、もう少し書き込んで欲しいところもあったかな。 -
254頁を薄いとみるか、厚いとみるか。
筆者作品は「妻をめとらば」から惚れ込んで読んできただけに、文体、内容、着地は文句ない。
が、しいて言えば人間性の書き込みがあっさりしすぎか。
松本清張賞という冠に疑問を抱いたが、次々と殺されて行く江戸の社会と舞台の中州で蠢く邪念疑念のウソ寒さ・・若者を取り巻く息苦しさに加えて圧倒的な貧困と先の見えない人生の道程。
見方を変えれば種々の面白さが見えるだろうが、全く五里霧中の筋と捉える向きがいても驚かぬ・・終始流れる霧の様な。。
私はあえてそこをミステリーの醍醐味と思い、筆者ならではの語彙の美しさも楽しんだ。 -
ミステリー仕立てでなかなか面白かった。しかしヒロインも脇役も唐突にあっさり死に過ぎ。江戸の頃は箱崎のあたりに中洲なんてのがあったんだねえ。
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時代小説ながら、途中までのミステリー感はすごかった。これが最後まで続けば文句なしの五つ星だったが。。ミステリーなしとしても、一人の青年の成長の物語として読み応えがあった。
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青山文平の出世作である。
ある武士の生き方、剣の道を通して、武士とは、そして人間とは何かを考えさせられる。
結末は、複雑なメソッドが絡み合ってファイナルに向かう。手の込んだ小説である。 -
賄賂まみれだった田沼意次の時代から、清廉潔白な松平定信の時代に移り始めた頃の江戸。幕府が開かれてから百八十年余りたった天明の時代に、貧乏御家人の村上登は、道場仲間と希望のない鬱屈した日々を過ごしていたが、ある時、一振りの名刀を手にしたことから物語が動きだします。第18回松本清張賞受賞作。
(2011年)
— 目次 —
白樫の樹の下で
解説ーーラスボスを捕えよ/島内景二 -
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可哀想な登、恋人も大切な友人たちも大勢が死んでしまった!
刀を手にしているって大変なことなのね! -
えー、青山文平氏って天才じゃん!!
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内容(「BOOK」データベースより)
いまならば斬れる! 人を斬ったことのない貧乏御家人が刀を抜く時、なにかが起きる――。
幕府開闢から180年余りが過ぎた天明の時代。江戸では、賄賂まみれだった田沼意次の時代から、清廉潔白な松平定信の時代に移り始めた頃。二本差しが大手を振って歩けたのも今は昔。貧乏御家人の村上登は、小普請組の幼馴染とともに、竹刀剣法花盛りのご時勢柄に反し、いまだに木刀を使う古風な道場に通っている。他道場の助っ人で小金を稼いだり、道場仲間と希望のない鬱屈した無為の日々を過ごしていた。ある日、江戸市中で辻斬りが発生。江戸城内で田沼意知を切った一振りの名刀を手にしたことから、3人の運命は大きく動き始める。
令和3年2月26日~3月2日 -
この時代だからこそ可能な予測不可能な筋立て
短いが読み応え充分な新人の秀作。 -
剣の道に生きることで未来を切り開いて行こうとする
幼馴染の貧乏御家人3人
その純粋さゆえに壊れてゆく。
1本の刀と出会ったことで転がりだす過酷な運命
青年たちの必死さと純粋さがヒリヒリとする1冊 -
描写がとても丁寧で細かいのが今回はあだになって、少々時間をかけて読了。
もともと「つまをめとらば」で直木賞を受賞されたのがきっかけで、読了後に手にした本だった。
これまで他の作家を含めて、何冊かの時代小説を読んできた中で、青山氏の小説はとても「上品」な印象を受けた。 -
青山文平のものと思い読んでみたが、「つまをめとれば」ほどではなかった。
別のものを読んでみよう。 -
未来の展望が開けない青年たちの夢をかけた、切なくて苦しい青春時代小説。悪政で有名な田沼意次の時代から、松平定信の時代に移り始めた頃の江戸が舞台。御家人の村上登は、道場仲間と貧しいながらも、清浄な武士への鍛錬に勤しむ日々を暮らしていた。そんな時手にした一振りの名刀が大きく三人の運命をかえていくことになる。。本作品、友情と反目、はかない恋など時代に翻弄された士分たちの心の機微を巧みな言葉とともにあぶり出しつつ、辻斬り犯を巡るミステリアスな面など多彩な要素を含む。がすべての要素は、天下泰平の時代に巣くう”貧困”の一点に集約されるよう区切りなく物語は進んでいく。それにしても精緻なロジックと貧困がもたらす悲劇を余すことなくつまびらかにする切れ味抜群の筆力が凄すぎ!筆者の時代小説にかける真摯な想いを強く感じる秀逸な作品です。
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L
背表紙のあらすじはあてにならないので鵜呑みにしないように。
武士であるがゆえに捨てられないもの、刀に魅入られること、人を殺めること、出世、恋、剣技。そうだよ、武士が悩んでしかるべき!の中身。剣の腕があったって人を殺めれば刃毀れもするし、買い替えや研ぎには金がかかるから悩む。真剣を持てばいつ抜くか、抜かざるをえないとき、抜きたい衝動を抑えては悩む。
途中、登の悩みに引き込まれそうになったよ。
名刀を預かることになった登の悩み、とある事件を解決したことで役を得た昇平の悩み、役もなく自身の剣の腕にも限界を感じていた兵輔の悩み。3人の悩みのタイミングにあることが重なって、さらにあらぬ方に転がっていく。
3人が友人だからこそ、重みが増す。感じ。
著者プロフィール
青山文平の作品
