かわいそうだね? (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 1977
レビュー : 201
  • Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167840020

感想・レビュー・書評

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  • 私の中の綿矢りささんの位置付け。絶望したいときに読むみたいなところある。

  • 私はあきよタイプ

  • 女って本当にめんどくさいよね、わかるわかる、って感じ。女でいることは本当にめんどくさい。
    「亜美ちゃんは美人」が読みたくて手に取ったけど、思いもよらず表題作もおもしろかった。「亜美ちゃんは美人」はもう……。さかきちゃ~ん!!うお~~!!って感じ。
    女でいることはめんどくさい。本当にね。

  • 2018 11/13

  • 「かわいそうだね?」は、最後の展開が痛快ですごくスッキリした。また、「可哀想」という言葉の意味考えさせられた。可哀想って客観的でしかなくて、可哀想な人なんていないんだよね。
    「亜美ちゃんは美人」めちゃくちゃおもしろかった。女性特有の感情や行動を鋭く書いてて、さかきちゃんに共感したなんて言いたくないけれど、共感した。

  • 良い意味で、登場人物にとてもイライラさせられる作品!
    「かわいそうだね?」では別れた元カレの家に図々しくも転がり込みあざとく振る舞うアキヨや、彼女がいるのにそんなアキヨをかばい続ける隆大。
    「亜美ちゃんは美人」では、亜美ちゃんをチヤホヤし、さかきちゃんをマネージャー扱いするサークルの男子や、天然でさかきちゃんの気持ちに気付かない亜美、さも自分が偉いかのように振る舞う崇志。
    それぞれのキャラクターに対しイライラし、主人公の立場になって悲しんでいるうちに、「これって普段自分が見ている世界だな〜」「いるいるこういう奴」と思い始めて、つい笑ってしまう。個人的には「亜美ちゃんは美人」のほうが好き。主人公はきっと、最後にやっと亜美ちゃんを本当の親友として受け入れられたんだなと感じたから。

  • 『夢を与える』の直後に読んだため、「かわいそうだね?」の樹里恵は幹子の、亜美ちゃんはゆーちゃんのポジ版に思えた。どちらも救いのある読後感。主人公たちはなんせ自己分析が冷静で、達観したユーモアがあり、自分をだましたくてもだませない人たち。

    表題作はとちゅうでイライラして読むのをやめそうになったけれど、最後のカタルシスがすごい、声を出して笑ってしまった。いやあなたはきっとこの先大丈夫!!なんかまたダメ男を捕まえそうな気がしなくもないけど、それでもきっと大丈夫! 自分に方言が搭載されていないことを非常に口惜しく思う。

    「亜美ちゃんは美人」は、「超絶美人の友だちがいる、って設定の短編、なぜか最近立て続けに読んでいるような」と若干白々と読み進め、でも主人公のさかきちゃんもまた美人でありとても良い子なので、ありがちなテーマながら他作品とは全く違う、すがすがしい印象を持った。まさに小池くんのいうとおりで、さかきちゃんこそが非常に稀少な存在なんですね。さかきちゃんがいれば、亜美ちゃんもきっと大丈夫。たださかきちゃんの彼、毅くんのさかきちゃん以外の相手って…まさか亜美ちゃんではないよね? 

  • かわいそうだね?の意味がよくわかる。その中にいろんな感情が含まれている。それでもその人はその選択をしているし、それを踏まえて自分は自分の選択をしなければならない。

  • このほんで綿矢りさがすきになったの覚えてる1ページ目を見て実家の近所のモスバーガーで読んだのもおぼえてる

  • 久しぶりの綿矢さん。相変わらず文章が的確。赤線を引きまくりたい衝動に耐えながらの読書。
    中編二本。

    『かわいそうだね?』
    樹里恵は幼い頃の震災の影響で地震がとても恐ろしい。だからいつでも、どんな状況でも地震が起きたら、のシュミレーションを繰り返す。繰り返すけれど、いつもそれは生き残りに失敗したところで終わっていた。頼れるはずの彼の姿はその想像の中で現れない。何故なら彼は恋人の樹里恵がいるのにもかかわらず元恋人のアキヨさんを一緒に住まわせている。アメリカから恋人の隆大について日本へやってきた彼女は、しかし日本で隆大は彼女をあっさりと捨てる。別れる。彼女のことを“恋人”と見れなくなったから。そして樹里恵と付き合っている今、彼女が一番大切だけれど、自分について国を出てしまったアキヨさんが職にあぶれアパートを追い出されたことに同情し、突き放せないという。隆大と別れたくなくて、一時の避難と考えて、樹里恵はそれをオーケーしたのだがアキヨさんはまったく出ていく気配が見えない。後輩に相談したらさっさと別れるべきと言われ、英語の教師陣には彼氏は正しいと返され、アキヨに同情したり嫉妬したり共感したり。そして隆大との旅行で目にしたものに樹里恵は覚悟を決める。
    彼女からマシンガンのようにあふれるラアトの大阪弁がなんとも力強い。そして最後の一行に、綿谷さんの人生への愛情が滲んで見えた気がした。
    『亜美ちゃんは美人』
    特出して美しい姿をしている亜美ちゃんが大好きなのは、そんな彼女の隣だと劣化版の烙印を押されてしまうさかきちゃんだ。さかきちゃんは亜美ちゃんが嫌いだ。それでも学生時代は彼女がそばにいるおかげでカースト上位の位置だった。それでも募る嫉妬心で大学は別のところを受けるさかきちゃん。そんな彼女にサークルだけでも一緒にという亜美ちゃん。そして見事に大学での立ち位置を亜美ちゃんの“マネージャー”にされたさかきちゃんは、部員の少ない、全く有名ではい山岳部に入る。くっついてはいった亜美ちゃんはそこでもお姫様だったが、さかきちゃんはマネージャーではなかった。夏の合宿では恋人もでき、卒業後は仕事に恋にさかきちゃんは忙しく、亜美ちゃんに会うこともへっていく。そんなある日亜美ちゃんから恋人を紹介したいと連絡がある。亜美ちゃんは彼に出会ってはじめて人を好きになったといった。そんな彼氏は怪しい会社に勤め、見かけも不健康なラッパーのようで、そしていつも無意味に人を馬鹿にしていた。印象最悪のその彼と、亜美ちゃんは結婚するという。周りは大反対するが、さかきちゃんはそれができない。それは彼女に復讐できる機会だからだろうと言われたりもするが、さかきちゃんは考える。果たして、けしてうまくいかないのが目に見えているその結婚は不幸なのか。亜美ちゃんに復讐がしたいのか。それはこんな形の復讐なのか。そして亜美ちゃんの結婚式のスピーチに、その答えの一片が、もしくはすべてが言葉になって彼女へと伝えられる。

    泣くかと思った。さかきちゃんも樹里恵も自分に似ている、なんて思わない。けれど、分かる。置かれた状況、求められる役割。それに疲弊する、傷付く、それを笑われ消耗する。そして彼女たちが結、結局、と手の中に残したものはあまりにあっさりと手の中から落としかねないものだった。それを、“危ない、危ない”と握りなおす。私にはそんなお話だった。

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著者プロフィール

1984年京都府生まれ。2001年『インストール』で文藝賞を受賞して作家デビュー。04年『蹴りたい背中』で芥川賞、12年『かわいそうだね?』で大江健三郎賞を受賞。ほかの作品に『夢を与える』『勝手にふるえてろ』『ひらいて』『しょうがの味は熱い』『憤死』『大地のゲーム』『手のひらの京』などがある。

「2018年 『100万分の1回のねこ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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