- Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167849016
作品紹介・あらすじ
直木賞受賞作品が文庫化!
小さいおうちは中島京子さんの小説です。2014年に山田洋次監督によって映画化もされている作品です。昭和初期の東京を舞台にした作品で当時の街や人々の暮らしなどが描かれています。女中のタキの視点で坂の上の小さい家で暮らす人たちを中心に物語は進んでいきます。戦争によって少しずつ時代に流されていく家族の物語です。
感想・レビュー・書評
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女中の話。昔の裕福な人とそのお仕えの人の話、最近好き。裕福な人はとことん裕福に煌びやかに、その世界観が好き。最後までしっかり読み応えのある1冊。ラストもいい感じでした。
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おもしろい。昔の日本語の美しいこと。品があふれてる。言葉尻から人となりまで垣間見れ情景が目に浮かぶ。
コロナや戦争、現代と近しい部分も多く、なんだか似たような状況だと時代は繰り返し、もしやまたここに書かれてるような世界になるのでは!そうなったときのヒントなんかないだろうか。等
現代と照らし合わせながら楽しめたのも良かった。
戦争の描写がなんとも現実的というか、フィクションかもしれないけれど、わたしたちが歴史の教科書を見て知るのは極々一部分で、地震も一緒で同じ日本にいながら全く昨日と同じ生活が続く地域にいる人と被災地の方との認識の違いのように、感じ方や体験が天と地ほど違うということがよくわかった。
そういう当たり前だけど、目の前のことしか見えないという意識思い出させてもらえ、忘れないでいたいなぁと思わせてもらえた。
最後になるにつれ、様々な事柄、人物が複雑に繋がっている発見もよくこんな設定思いつけるな!と感心する。よくできた設定に、これは実在する人物なのでは?!と思わず調べたりしてなかなか前に読み進めれない程読み応えあった。
映画化もされたようで、キャストが抜群にぴったり合ってて是非一度観たいです。 -
高校生の時、映画館で山田洋次監督の作品を観た思い出。松たか子はもちろん、黒木華が特にハマり役だった。割烹着がこんなに似合う女優さんはいないと思う。
久しぶりに作品に触れたら、上品さの中に大人の色気があって、頭が火照ってしまった…
余韻のある最終章も素敵。 -
ある女中目線で流れていく
第二次世界大戦前後の暮らし。 -
面白かったー!最後はびっくりな終わりかたでしたが。
優秀な女中も、女中の幸せを願う女主人も素晴らしい。
映画も見たいな。 -
大好きな本です。
辛く、暗い時代だったけど、それだけじゃない。幸せもあったし、人々の生活もあった。悩みも間違いもあった。痛感させられる作品。
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引き込まれた!
昭和10年〜戦後が舞台。
戦争小説では決してなく、東京郊外に建った赤い屋根に白いポーチの洋館での物語。
山形から女中奉公のために上京してきたタキ。
美しい時子奥様へお仕えするタキの目線で起きた出来事を、回顧録として晩年綴る。
ノートを読むのは甥の次男:健史。「頭の良い女中」と評されたタキ。その評価に値する仕事ぶりを、十二分に発揮した、と言うことか⁈
物資が乏しくなるにつれ、創意工夫で乗り切る力、出会いと別れ。晩年の振り返った思い…。
誰しも1つくらい、人生の終盤で省みる事があるのだろうか。 -
昭和の市井のある女中と家族のひとつの物語。歴史の流れの中でもあったはずの素朴な日常と、それでも大きな流れに争い、それでも理不尽な選択を迫られる時代。タキや健史の[頭の良い振る舞い]の結果がどうだったのか、様々な解釈ができるが、それがよかったかどうかはわかりようがなく、その問いの答えを探し続けるしかない、というのも、また個人の人生そのものと、それが時代の流れに委ねられていることのように思えた。
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昭和の市井のある女中と家族のひとつの物語。歴史の流れの中でもあったはずの素朴な日常と、それでも大きな流れに争い、それでも理不尽な選択を迫られる時代。タキや健史の[頭の良い振る舞い]の結果がどうだったのか、様々な解釈ができるが、それがよかったかどうかはわかりようがなく、その問いの答えを探し続けるしかない、というのも、また個人の人生そのものと、それが時代の流れに委ねられていることのように思えた
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少し前に、映画を見て、本も読んでみた。
時代を経て、戦時中、女中時代と現代の振り返っている時代が行き来する。
こんな女中さんがいたら素敵だなと思う。
戦時中、慎ましくなり、生活が変わっていく中で、こういう日常が実際にもあったんだろうなと思う描写だった。