- 文藝春秋 (2013年5月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784167858018
作品紹介・あらすじ
坂本龍馬を斬ったのは誰か? 黒幕は誰か? 幕末最大のミステリーに気鋭の歴史家・磯田道史氏が挑みました。新撰組か紀州藩か、はたまた薩摩藩か? 様々な説が唱えられてきましたが、史料の丹念な読解と巧みな推理によって、ついに謎が解かれました。論争に終止符を打つ画期的論考です。
「龍馬は一日にしてならず」。合理的でカラっとした性格、そして既成の枠にとらわれない自由な発想。そんな龍馬を生み出したのは、お金で武士の身分を買った土佐の豪商の家でした。坂本龍馬という破格の人物が出現した背景にも迫ります。
みんなの感想まとめ
歴史的なミステリーを解き明かすこの作品は、坂本龍馬の真実に迫りつつ、彼の魅力的な人物像を浮き彫りにします。著者は、龍馬の手紙や資料を丹念に調査し、彼の自由な発想や合理的な性格、そしてその背景にある土佐...
感想・レビュー・書評
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坂本龍馬は幕末に活躍した志士の代表格であり、薩長同盟を実現して船中八策や大政奉還の原案を出した人というイメージがある。果たして、現代に流布されている坂本龍馬の功績はどこまでが本当で、どこまでが司馬遼太郎などのフィクションによって作られたものなのだろうか。そして、誰がなぜ龍馬を暗殺したのか。
気鋭の歴史学者によって、龍馬の手紙など実存する資料を丹念に調査した結果、シンプルな龍馬像が浮かび上がってくる。そもそも、龍馬は姉などに宛てた手紙が数多く残っている。筆まめかつ、自身の考えや恋愛までも開けっ広げに書いている。だからこそ後世の人々は龍馬を扱いやすいし、様々な創作が生まれる余地がある。
一方で龍馬の功績については慎重な評価が必要である。薩長同盟や大政奉還のような出来事については、歴史の流れとして不可避の状況になっておりそこに龍馬の働きが活きたとは考えづらい。しかし実質的に日本初の海軍であった海援隊の設立については、むしろもっと評価されても良い。
誰が龍馬を殺したのか。新選組や京都見廻組といった幕府側の暗殺なのか、それとも薩摩藩説や土佐藩説など味方に殺されたのか。これらについてもむしろ龍馬は殺されやすい宿場に逗留し、目立ちやすい行動を数多くしていた部分に原因があるとも考えられる。
龍馬が現代に生きていたら、恐らくはTwitterなどのソーシャルメディアをまめに更新し、自身がどこにいて何をしているのかを事細かにアピールするような自己顕示欲とオープンさを発揮したことだろう。それが周囲との軋轢や争いごとを生み時には炎上といった事態も辞さないベンチャー社長といった感じではないか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
坂本龍馬に関する本は星の数ほどあるけれど、分かっている事実をこうも客観的に列挙して論考を重ねた本はあまり見られなく貴重。説得力を持ってぐいぐい迫ってきます。
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ページ数は多く無いが非常に分かりやすい上に説得力がある。龍馬暗殺については多分本書の通りだろう。
それよりも本書を読んで坂本龍馬から学べる事が多い。①フットワークが軽い②考え方が柔軟③手紙などで自分の考えを直ぐにアウトプットする
以上は時代を超えても通用するだろう。肝になる人物には必ず会いに行ったり通貨にまで目をつけていたりと先見性もある。また無邪気ではあるが紀州藩への対応のように悪辣な時もある。この悪辣さは関わりたくは無いが味方にしたら大きいだろうと思える。 -
坂本龍馬の生涯を追いながら、幕末の社会、経済、政治を解説した1冊。最近、テレビなどでもよく見る著者だが、史実を丁寧に押さえつつ歴史を解説してくれるので納得がいく。また、史実を踏まえたうえで、時には大胆にご自身の考え方を述べるのもとても分かりやすい。
本書でも、龍馬を美化しすぎず、淡々と史実にのっとって、彼の行動やその業績を評価している。龍馬暗殺についても、黒幕なしと断言するその分析に、納得感がある。 -
龍馬は不思議な人物だと思っていた。身分は低かったけれど活躍して、いくつもの逸話があり、死は謎深く、裏表がないからこそ裏がありそうで(口が軽かったのは今回初めて知った)、というイメージだった。
全然違った(笑)
生い立ちから丁寧に追うと謎は少なかった。驚き。磯田先生の語り口調が明快なのでするする読めるし、楽しい。暗殺も、丁寧に紐解けば謎じゃない。歴史って面白い。 -
龍馬の生涯を語れば、幕末史の生きた教科書となる。龍馬を巡る謎に歴史家が挑む。
若かりし頃、小説の影響で熱烈な龍馬ファンになって以来、最近は、やはりあれは所詮小説だからと少し冷めてきたいたので、この作品を読んで、改めて龍馬の魅力を感じることができました。
龍馬の手紙を始め、数々の史料をもとに語っていく龍馬像は、小説とは違った冷静な視点で龍馬に迫ることができました。
龍馬暗殺の真犯人説も説得力があり、自分もこの著者の考え方に納得しました。
自分の中で龍馬の存在がまた少し大きくなりました。 -
1〜2時間で読了できる軽い読み物。ですます調は少し気になるけど、史料に丹念にあたり、従来の説にプラスアルファの視点を組み込むのは著者ならでは。爽やかな青年像だけではない、多面的な龍馬が浮き彫りになります。
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坂本龍馬の人気は絶大で、まるで英雄扱いですね。
それは司馬遼太郎の小説【龍馬が行く】が多大な影響を与えているようです。(読んでいませんが(^^ゞ)
彼は過大評価されすぎているのじゃないかというのが、ぼくの感覚です。
彼が評価される実績は:
1)薩長同盟を仲介した
2)大政奉還を実現させた
3)船中八策によって新政府の青写真を描いた
でしょうが、彼が独自に編み出したのではなく、受け売りだったというほうが正しいのです。
それより、彼が主導したのではなく、そういう方向に上手く利用されたとぼくは勘ぐっています。
だって、彼ほどフットワークが良く、各方面との顔が利く人物はとても利用価値があったからです。
こういうことを言うと、龍馬フリークから総攻撃されてしまうでしょうが、使い走り、あるいはメッセンジャーボーイだったんじゃないかと思うのです。
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磯田道史先生は流石にそこまで言わないけれど、坂本竜馬という人物の評価のされ方はちょっと違うのではないかとこの本で書いています。
まさしくぼくと同意見・・・・と心強く思ったのですが、そこはそれ歴史の専門家ですから、そんな言い方はしません。
それより、彼を評価すべき点は、ういう政治思想ではなく、海運ビジネスに於いてだと喝破しているのです。
これには流石脱帽しました。
海運といえば、彼が興した亀山社中という商社兼海運会社兼個人海軍ですが、磯田氏はこれを「薩摩のダミー会社」と評するのです。
これは上手い表現です。
龍馬は尊皇攘夷を主張する(下級)武士であるよりも、優れたビジネスマンとしての才能を評価すべきというのです。
これは、まさに目から鱗で、ぼくが漠然と感じていた胡散臭い龍馬像をきれいに取り払ってくれました。
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幕末から明治維新に至る過程はとても複雑で理解しにくいものです。
ここで、龍馬という人物に着目して、彼の動きを追いかけていくと、複雑だった構図がすっきり理解できるのではないかという意図でこの本は書かれています
。
その意図は、かなり成功しているといえるでしょう。
明治維新に関わった多くの人物を繋げるのに、龍馬ほど適任はいないからです。
ただ、残念なことは龍馬は大政奉還後にすぐ暗殺されてしまい、その後の維新の推移を語る語り部にはなれなかったことです。
そこで磯田先生、龍馬暗殺の推移を微に入り細に入り、ほぼ本の半分を費やして書いてしまいます。
まさに、歴史オタクの面目躍如といったところでしょうか。
これは本としては、余計だった。
まあ、前回読んだ「素顔の西郷隆盛」と同じように、テーマを絞って書く本が面白い。
これからも、トリビア集みたいな手抜きの本を書くより、磯田ならではの切り口の本を期待したい。 -
坂本龍馬の歴史的資料を紐解きつつ、日本の幕末史を読み解こうという試みの本。
倒幕派の人々の仲立ちをし、協力関係を取り結んだ男の生涯を辿ることで、複雑な幕末史の見通しが良くなる。
簡潔にして明快な論理。難解な言葉遣いもなく、非常に読みやすい。 -
史学者の視点から坂本龍馬を見つめ直す。「竜馬がゆく」など小説、映画のイメージを
超えた、書簡などの基礎資料に基づき龍馬の実像に迫る。
書簡からうかがえるおおらかな性格、才谷屋の血、商人の発想など。決して劇中のイメージを否定するものでなく、むしろ上書きしている。
歴史ミステリーの一つとしれる龍馬暗殺の実行犯についても筆者は謎はないとして、回答を出している。
特に「竜馬がゆく」読者には楽しめる一冊であろう。 -
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数年おき恒例の「竜馬がゆく」読了の後、続けて読みました。事実を論理的に整理して、淡々と諭されると、その説得力たるや。英雄視など余計なものは取り払って、シンプルに見えてくる坂本龍馬にも、しっかり魅力はある。
とても読みやすく、さすが磯田先生。 -
桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
https://indus.andrew.ac.jp/opac/volume/789349 -
B289/サ
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坂本龍馬を取り巻く幕末期の歴史を学べる一冊。
当時の時代背景がよく理解できた。
一方で、幕末期に命をかけて戦った志士たちの熱量は、小説の方が心に響く気がする。好みの問題だが、私は歴史書よりも歴史小説の方が好きなのだろう。 -
歴史の資料をもとに、リアルな龍馬像を描いた作品。司馬遼太郎の「龍馬が行く」のイメージは史実からそう遠くないと感じるものになってる。
幕末史が複雑でわかりにくい、と著者は書いてるが、幕末の小説を読みまくった私はそんな感じは持ってない。が、所詮小説、史実とは少し違うのだろうとは思う。こうして新たな書物をよんでも、やはり龍馬は魅力的だと思えたのでよかった。 -
1)自筆書状から龍馬の人となりを探る、
2)龍馬の生きた幕末の時代を外観する、
3)龍馬を斬った人物とその黒幕に迫る、
の3部構成。
龍馬の人柄、そして龍馬の生きた幕末史をわかりやすく辿ることができる。そしてその稀有壮大な人柄に改めて魅了される。また龍馬を斬った犯人そして黒幕にも迫る。斬った犯人は数多の小説や論考でお目にかかるが、黒幕は・・?このあたりも、興味を惹かれる。 -
司馬史観に対する批評も含め、龍馬の功績について疑問が多く聞かれるが、磯田先生の資料を根拠としたこの論説は非常に冷静で好感が持てる。なんにもまして、あのユニークで個性豊かな手紙の存在は、龍馬の人となりを表していることを最初に取り上げることにより、磯田先生の想いが込められていると感じる。
2024-040 -
表面を撫でるような読後感
刺さるものがなかった❗ -
面白かった。最初に龍馬の人となりを手紙を通じて解説し、その後時代背景をなぞり、クライマックスの犯人探になる。犯人探しは非常に納得できる内容で読んで良かったと思う。
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磯田先生の本は
歴史上の人物や事柄に
本当に深い愛があって
ぐいぐい読んでしまう
面白かった
主人の本棚から拝借
著者プロフィール
磯田道史の作品
