龍馬史 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 372
レビュー : 49
  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167858018

作品紹介・あらすじ

坂本龍馬を斬ったのは誰か? 黒幕は誰か? 幕末最大のミステリーに気鋭の歴史家・磯田道史氏が挑みました。新撰組か紀州藩か、はたまた薩摩藩か? 様々な説が唱えられてきましたが、史料の丹念な読解と巧みな推理によって、ついに謎が解かれました。論争に終止符を打つ画期的論考です。「龍馬は一日にしてならず」。合理的でカラっとした性格、そして既成の枠にとらわれない自由な発想。そんな龍馬を生み出したのは、お金で武士の身分を買った土佐の豪商の家でした。坂本龍馬という破格の人物が出現した背景にも迫ります。

感想・レビュー・書評

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  • 坂本龍馬の人気は絶大で、まるで英雄扱いですね。

    それは司馬遼太郎の小説【龍馬が行く】が多大な影響を与えているようです。(読んでいませんが(^^ゞ)

    彼は過大評価されすぎているのじゃないかというのが、ぼくの感覚です。

    彼が評価される実績は:

    1)薩長同盟を仲介した

    2)大政奉還を実現させた

    3)船中八策によって新政府の青写真を描いた

    でしょうが、彼が独自に編み出したのではなく、受け売りだったというほうが正しいのです。

    それより、彼が主導したのではなく、そういう方向に上手く利用されたとぼくは勘ぐっています。

    だって、彼ほどフットワークが良く、各方面との顔が利く人物はとても利用価値があったからです。

    こういうことを言うと、龍馬フリークから総攻撃されてしまうでしょうが、使い走り、あるいはメッセンジャーボーイだったんじゃないかと思うのです。

    ・・・・・・・・

    磯田道史先生は流石にそこまで言わないけれど、坂本竜馬という人物の評価のされ方はちょっと違うのではないかとこの本で書いています。

    まさしくぼくと同意見・・・・と心強く思ったのですが、そこはそれ歴史の専門家ですから、そんな言い方はしません。

    それより、彼を評価すべき点は、ういう政治思想ではなく、海運ビジネスに於いてだと喝破しているのです。

    これには流石脱帽しました。

    海運といえば、彼が興した亀山社中という商社兼海運会社兼個人海軍ですが、磯田氏はこれを「薩摩のダミー会社」と評するのです。

    これは上手い表現です。

    龍馬は尊皇攘夷を主張する(下級)武士であるよりも、優れたビジネスマンとしての才能を評価すべきというのです。

    これは、まさに目から鱗で、ぼくが漠然と感じていた胡散臭い龍馬像をきれいに取り払ってくれました。

    ・・・・・・・・

    幕末から明治維新に至る過程はとても複雑で理解しにくいものです。

    ここで、龍馬という人物に着目して、彼の動きを追いかけていくと、複雑だった構図がすっきり理解できるのではないかという意図でこの本は書かれています



    その意図は、かなり成功しているといえるでしょう。

    明治維新に関わった多くの人物を繋げるのに、龍馬ほど適任はいないからです。

    ただ、残念なことは龍馬は大政奉還後にすぐ暗殺されてしまい、その後の維新の推移を語る語り部にはなれなかったことです。

    そこで磯田先生、龍馬暗殺の推移を微に入り細に入り、ほぼ本の半分を費やして書いてしまいます。

    まさに、歴史オタクの面目躍如といったところでしょうか。

    これは本としては、余計だった。

    まあ、前回読んだ「素顔の西郷隆盛」と同じように、テーマを絞って書く本が面白い。

    これからも、トリビア集みたいな手抜きの本を書くより、磯田ならではの切り口の本を期待したい。

  • 1〜2時間で読了できる軽い読み物。ですます調は少し気になるけど、史料に丹念にあたり、従来の説にプラスアルファの視点を組み込むのは著者ならでは。爽やかな青年像だけではない、多面的な龍馬が浮き彫りになります。

  • 坂本龍馬の生涯を追いながら、幕末の社会、経済、政治を解説した1冊。最近、テレビなどでもよく見る著者だが、史実を丁寧に押さえつつ歴史を解説してくれるので納得がいく。また、史実を踏まえたうえで、時には大胆にご自身の考え方を述べるのもとても分かりやすい。
    本書でも、龍馬を美化しすぎず、淡々と史実にのっとって、彼の行動やその業績を評価している。龍馬暗殺についても、黒幕なしと断言するその分析に、納得感がある。

  • Kindle

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    明るくて合理的、自由で行動的。貿易を行い戦争もする「海軍」として、亀山社中を創設し、薩長同盟を実現させた坂本竜馬は土佐藩で、どのように育まれたのか?どんな世界を見ていたいのか?誰に暗殺されたのか?竜馬をめぐる数々の謎に歴史家の磯田道史が挑んだ。竜馬を知れば、幕末が見えてくる。

    (感想)
    この著者、文章上手ですね、読ませてくれました。

  • 1章だけ読みました。体調が崩れて、2章以降は読めず。龍馬殺しの犯人の話は幾度も繰り返されてきましたが、どう論ずるのか興味あるところだっただけに残念は残念。もう一度読む気力が起こるかどうか。司馬遼太郎とは違った視点で、歴史学者らしく正確な記述を心掛けながら龍馬の魅力、幕末の立役者たちを浮き彫りにさせる記述の仕方はさすがではあります。だがしかし、幕末を好きという人はいるけど、こんな殺伐とした時代のどこがいいのかなぁ、というのが私の正直な感想でした。2章以降も一通り読み終えました。竜馬殺しの犯人なんて、別にどうでもいいことなのに、なんでこんなにいまだにいろんな説を唱える人がいるんだろう、ととても不思議な話。ただ、本書は、事実を淡々と積み重ねて、奇説を論破されています。まぁただなんといっても、龍馬を題材にして、英雄化して、儲けたいのではないか、という思惑を著者に少し感じてしまったのも事実です。

  • 坂本龍馬の現存する百三十九通の自筆の手紙の中から十五点を選び、年代順に追っていき、龍馬とはどのような人間だったのかに迫る。

    一次資料の自筆手紙から龍馬の性格、思考、節目節目の行動、人間関係、幕末の政局にどのようにかかわったのかを読み解くわけだけど、龍馬って本当になんでも手紙に書いちゃうんだね。

    これ敵対している側に読まれたら不味いじゃんって内容もバンバン書いちゃってて、著者もいうように自分は死なないという根拠のない自信と奔放であけすけな性格が調書でもあるけど短所でもあり寿命を縮めたんだろうな。

    第三章は龍馬の暗殺について様々な説を手紙とその他の資料などを用いて分析し、結論を出している。

    この本が出た後だと思うけど、一度テレビで著者と同じ説を取ってるのを見た覚えがあるな。 NHKだったかな?

  •  龍馬の生涯を語れば、幕末史の生きた教科書となる。龍馬を巡る謎に歴史家が挑む。

     若かりし頃、小説の影響で熱烈な龍馬ファンになって以来、最近は、やはりあれは所詮小説だからと少し冷めてきたいたので、この作品を読んで、改めて龍馬の魅力を感じることができました。

     龍馬の手紙を始め、数々の史料をもとに語っていく龍馬像は、小説とは違った冷静な視点で龍馬に迫ることができました。

     龍馬暗殺の真犯人説も説得力があり、自分もこの著者の考え方に納得しました。

     自分の中で龍馬の存在がまた少し大きくなりました。

  • 豪商才谷屋で育った為ビジネス視点が自然に備わっていた事、幕藩体制が揺らぐ情勢から従来より自由に行動できる余地があった事、これらが龍馬という人物が成長し活躍出来た要因と言え、ダークな一面も含めながら、その事績を追っていく内容。剣の達人といった類の話は無く、かわりに私設海軍を興した力量こそを高く評価する点、最新の龍馬像を提供している。読みどころは暗殺に関する考察で、当日までの龍馬の行動と、実行犯の事件前後の具体的な行動の描写は、史料に基づいている分、小説より遥かに臨場感があった。

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著者プロフィール

磯田道史(いそだ みちふみ)
1970年、岡山県生まれの研究者。茨城大学、静岡文化芸術大学などを経て、国際日本文化研究センター准教授。専攻は日本近世・近代史・日本社会経済史。
実家は備中鴨方藩重臣の家系で、古文書が豊富にあった。高校生のとき実家と岡山県立図書館の古文書を解読している。京都府立大学文学部史学科、慶應義塾大学文学部史学科を経て、慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。「近世大名家臣団の社会構造」で史学博士号取得。
2003年刊行の『武士の家計簿 「加賀藩御算用者」の幕末維新』が第2回新潮ドキュメント賞を受賞し、2010年森田芳光監督により『武士の家計簿』のタイトルで映画化し大ヒット。2015年には『天災から日本史を読みなおす』で第63回日本エッセイスト・クラブ賞を受賞。その他代表作に『日本史の内幕』などがあり、多くの新書がヒット作となっている。

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