歴史に消えた参謀 吉田茂の軍事顧問 辰巳栄一 (文春文庫 ゆ 11-1)
- 文藝春秋 (2013年7月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (393ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167859015
作品紹介・あらすじ
吉田茂にただひとり、信頼された陸軍中将英米派として対米開戦を批判し、戦後は陸上自衛隊の礎を築いた男。CIA文書や残された人々への取材で、名参謀の姿が明らかになる!
感想・レビュー・書評
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辰巳栄一という人は白洲次郎の本の中でちらっとでてきたと思うが、ほとんど認識していなかった人物であった。戦前から丹念に追うことで人物像や国家観が理解でき、戦後日本の問題点までが見えてくる。戦前戦後を一貫した価値観の中で生きており、大局をみることの意味を考えさせられる。
そういう意味で優れた労作であり、現在において読み返す意味はますます増している。
戦後のある種異様な価値観をリセットする視点を提供する人物として、価値のある評伝である。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
英国畑のインテリジェンス将校であり、戦後は吉田茂の下で再軍備や情報活動に従事した辰巳栄一の評伝。
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・こんな合理的な国際情勢に対する分析ができた帝国陸軍軍人もいたんだと、しかも、将官で戦後も吉田茂の元で活躍されたとは知らなかった。
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「情報(インテリジェンス)とは人である」。
国家の行く末を舵とる人間の知性(インテリジェンス)の構造が関わってくる、という解説にシビれる。
仕事の舵取りもそうだし、自分の判断が、後々、何年、何十年後に「あの時のあの人判断は正しかったね」と言われる人になりたいものです。 -
【吉田茂にただひとり、信頼された陸軍中将】英米派として対米開戦を批判し、戦後は陸上自衛隊の礎を築いた男。CIA文書や残された人々への取材で、名参謀の姿が明らかになる!
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なるほど。
歴史の影に隠れた、人物なんですねぇ。
こう言う人が、もっと重用されていれば、
戦争は避け得たでは無いかと思います。
それにしても、今の日本。
こう言う、国家感を持った人が居なくなりましたねぇ