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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784167861018
作品紹介・あらすじ
「こっこ」こと華原琴子、早生まれの8歳、小学校3年生。好きな言葉は「孤独」。
狭い公団住宅に、中華屋から譲り受けた赤い大きな円卓で食事をする華原家は、頑固で文字好きの祖父、明朗快活な祖母、ハンサムで阿呆な父と美人で阿呆で素直な母、それに中2の美人の三つ子の姉の8人家族。みんなこっこがかわいくてしょうがなく、何かと構うが、こっこは反骨精神豊かに「やかましい!いろいろと」「なんで、て聞くなやボケが」と心で思う。
こっこの尊敬する人物は、祖父の石太と、同じ公団に住む同級生のぽっさん。ぽっさんの吃音を、こっこは心から美しいと思う。吃音や眼帯をした同級生のものもらい、韓国人の同級生の不整脈をかっこいいと憧れ、それを真似したときに、「こっこはなんでそんな風なんや」と大人に怒られてしまう。しかしこっこは感じる。なぜかっこいいと羨んでやったことがいけないのか。こっこはぽっさんに相談し、人の痛みや言葉の責任について、懸命に「いまじん」するのだった。そうして迎えた夏休みの祖母の誕生日。ぽっさんにも「言わない」出来事がこっこに起きて――。
世間の価値観に立ち止まり、悩み考え成長する姿を活きのいい言葉でユーモラスに温かく描く。2014年に芦田愛菜主演で映画化され話題に。
みんなの感想まとめ
日常の中での成長や葛藤を描いた物語は、主人公の小学三年生・琴子が家族や友人との関係を通じて、自分の感情や価値観を見つめ直す姿をユーモラスに表現しています。特に、吃音を持つ友人ぽっさんとの交流は、言葉の...
感想・レビュー・書評
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なんやこれー、めっちゃおもろいー
ことこ、めっちゃかわいいー
的な感じで前半はサクサクと読み進めていったのだけれど、日常英会話辞典が出てきたあたりから、作品の様相が変わってくる
ことこの言葉を借りれば、重力によって、ぐぐっと、気持ちをひっぱられる
言葉にできないもどかしさ、戸惑い、悩んで、大人になるということ
前半と後半で、ことこは大きく成長する
読者は、読み始めたら最後、渦をまく円卓の中に放り込まれたように、この作品の中から出られない
それはまるで、人生、そして、生きるということは、確実に死に向かっているということ
大人になるということは、死に近づいているということ
ぽっさんと話すことこ、わからないことをわからない、であるとか、自分の思いであるとかを言葉で伝えることができるのは、ことこの力だ
それに寄り添って一生懸命話すぽっさんはかっこいい
解説にもあるけれど、ぽっさんの吃音や、幹成海の繊細さ、外国籍の子どもたちなど、作品は子どもの全てを受容する
こんな世界であったなら、わたしはもっと、自分に向き合うことができただろうか
重力をきちんと感じることができただろうか詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
H30.9.28 読了。
・「子供が世界を生きる、世界を感じる、ということ。何かが起こる/起こらないに関わらず、それ自体がすでに奥深い物語をはらんでいる。自分がいつの日か耳にした、世界の軋む音が聞こえる。『円卓』は、その裂け目から差し込む息の詰まるような光を、今一度思い出させてくれる作品である。(解説より)。」「世界には阿呆も思慮もある。どちらも分け隔てなく世界は受容する。思慮に偏ることも、阿呆こそが正義と開き直ることも、この作品は良しとせず、優劣をつけない。そのままのバランスの美しさを、それらが融合する場所の幸福こそを、本書は描くのである。(解説より)。」
主人公の小学三年生の渦原琴子(通称:こっこ)と吃音のあるぽっさんなどの個性の強い友人たち、琴子のことを猫かわいがりする程、大好きな家族たちなど西加奈子さんの個性的なキャラ満載の小説でとても面白かった。徐々に終わりが近づいてくると、この世界観から離れたくないと寂しくなるような気持ちにさせられました。
映画も観てみたい。 -
世間の「当然」に立ち止まり、悩み考え成長する物語。西さんの世界観、好きです。
主人公の琴子は、平凡や幸せに反発する小学3年生。大家族に愛され囲まれて生きる。
「うるさいんじゃぼけ」
「だまれ凡人」
と悪態つきまくり(笑)
周りから愛されているからこそ、何不自由なくいろいろなものが与えられているからこそ、琴子のような考えができるんだろうと思うんですけどね。
琴子のそばに、ぽっさんがいてくれてよかったと、心からそう思った。
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初っ端から笑いが止まらない。可愛すぎるぞ琴子!
皆から【こっこ】と呼ばれ愛されながらすくすく成長中の小学3年生、琴子。祖父、祖母、両親、そして三つ子の姉と暮らす。騒がしいほど賑やかで琴子のことが大好きな家族たち。しかし本人は孤独に憧れをもつ。
気に入った言葉をジャポニカ(懐かしい…!)に書き留め、吃音のぽっさんと毎日学校へ通う。同級生には大人びた子やダブルの子、社長の子。偏見がないわけではない。けれど誰もに真っ直ぐに向き合おうとする3年生たちが私は人間らしくて好きだった。自分と違う環境で育った人間を受け入れるって本当に簡単じゃない、大人になる程難しかったりする。表面上受け入れているように見えててもね。
私が小学3年生のとき、ここまで深い考えなかったなぁと感心しました。何事にも真っ直ぐに、時には疑問やいちゃもんを大切にする琴子。石太ではないが、本当に世界を動かしていく人間になるのではないかと期待するのも分かる。そしてそんな琴子が可愛くて仕方ない家族たちの気持ちも。
家族が増えても引っ越しても、渦原家の真ん中には円卓があるんだろうなぁ。 -
子供と大人の境目をユーモラスに書かれている温かい作品。孤独や寂しさに憧れる子供心のリアルが、懐かしくて笑顔になれる。
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私の理解力が乏しいのかな?
キャラ設定はおもしろかったし、好きな感じの子どももたくさん出てきたけど、特に何も残らなかった、、、。
子どもたちがたくさん遊んで色々なことを経験して、こうやって成長していくんだな、ということがわかる作品。
子どもの視点でありながら、どこか俯瞰しているところもあって、そういう西さんの描写力はすごいなと思った。 -
関西弁の小説が読みたくて。
公団住宅のせまい家で、三つ子の姉と両親と祖父母に愛されて暮らす「こっこ」こと渦原琴子。
家の中心に大きな円卓を置き、そこで毎日とても賑やかで明るく食事を摂るこっこは、内心それを疎ましく思う孤独に憧れる小学三年生だ。
眼帯や麦粒腫、妾の子や不整脈などなどに恋焦がれ、頭の悪い家族を口悪く馬鹿にしつつも、それでも彼らからたっぷりの愛情を受けてすくすく育つさまは、なんとも可愛らしい。
「うるさいぼけ。」っていいなー。 -
マンガの様な個性的な登場人物たち。
こっことぽっさんの関係がいい。ぽっさんの吃音を心からかっこいいと思っているこっこを、そのままに受け入れているぽっさん。こっこが級友の病気や境遇を単純に羨ましく思って真似ようとするこっこに、ぽっさんが、こっこの行動は…と優しくじっくり諭すように話す場面が良かった。
みんな〜ほんとに小学3年生? -
「こっこ」は、周囲の一貫した「幸せ」や「可哀想」なんて定義を全くと言ってもいいほど受け入れない。
なんでみんなが揃いもそろって喜んだり嬉しいのか。
なんで本人や周囲が気にしていることなんかを真似したりすると、大人は怖い顔になるのか。
それってそんなにいけないことなのか。分からない。
だって、「こっこ」にとっては、格好いいことなのに。
格好いいから、吃音を真似したり、憧れるから眼帯をする。死ぬ思いをする不整脈だって、ボートピープルだって、ハーフだって、お妾さんの子だって、「こっこ」には格好いいのだ。
ぽっさんと「こっこ」の会話には、はっとさせられる。
「こっこ」の悩みや考えを、真っ正面から受け止め全力で応えるぽっさんは格好いい。
今のふたりの前には手本となる大人はお呼びではない。
大人は見守ればいいのだ。変に子どもに媚びる必要も、物わかりの良い大人を演じる必要もないのだ。
大人は大人の価値観でただ動けばいいのかもしれない。
子どもが大人の態度を、周囲の評価をおかしい、それは変だと思うことも必要なのだろう。
子どもは、悩みぶつかり、そして乗り越えていく力をちゃんと持っている。過保護になる必要もない。
けれどそれは、子どもという時代には、とってもしんどいことかもしれないけれど。 -
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周りを見たら暗い本ばかりが残っている。外はいいお天気で眩しい。こんな日は西さんのほのぼのとした優しい本が読みたくなった。
公団住宅に住む「琴子(こっこ)」は小学校三年生。家族は三世代8人が仲良く暮らしている。琴子は祖父母、両親、三つ子の姉に大切にされて伸び伸びと育っている
六畳の部屋に中華料理店から来た大きな円卓があり、料理がくるくる回ってくる、家族もいささかユニークで個性的。
ユニークといっても琴子はこの年頃からはみ出ているわけではないが、周りが気になり始めた年頃で、そのあたりがとても面白い。憧れの同級生がモノモライが出来て眼帯をしている、いいなぁ眼帯。
発見に満ちた日常をジャポニカ学習帳に書いている。
元気がよく、孤独好きの硬派である。隣りの棟に住む同級生のぽっさんがまたいい、琴子の少し過激な心に、吃音気味の言葉でゆっくり解き、聞かせる、将来が楽しみな男の子だ。
気になる同級生を観察したり、知らない家庭を訪問したりして、琴子の少しずつ広がっていく世界がユーモラスにしみじみと綴られる。
珍しい中学生の三つ子のお姉ちゃんたちは健康的で個性的で優しい。両親に似て揃って美人ナところがまた楽しい。
西さんの直木賞受賞作「サラバ!」が積んであった時がある。違った感動があるようで期待が膨らんでくるが、そのうち読んでみなければと楽しみにしている。
積読が少し減ったら。 -
小学生3年生のこっこにとって"人と違うこと"はかっこ良くて特別なのだ。しかし、純粋に世界を見つめたあの頃は過ぎてゆく。他意に気づいたり、違和感を感じたり、彼女たちの成長過程に心掴まれる。私にもあったであろうその感覚はもうない、大人になってしまったことを実感する。
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『円卓』読了。
2025年に突入してから読んだ本でした。
相変わらず西加奈子さんの作品はとてもとても苦手意識が強い先入観で今回も読んでしまいましたが、見事に裏切られた…とても面白かった。
小3の頃の自分を思い出しちゃった。
わたくしもこっこのような小3女児でしたのでいつも頭ん中は忙しかったな…と。
どう見られているか?とか、憧れに対して強い願望を持ってしまい真似しちゃうところとか。うわ…私もよーやっていたわと読みながら思ってしまった。
そしてその行為が人を傷つけてしまうよとそっと教えてくれる祖父やお友だちのぽっさん。後半のこっこは生きることや死ぬこと、生まれてくることを感じながら成長をしている過程が良かったです…最後の終わり方がとても美しかった。
西加奈子さんの作品をこれからも読んでいきたいな〜(多少の苦手意識を持ちながら)
祖父・石太の「きっと彼女の行く末は、なかなか、困難なものになるだろう」で自分のことを言い当てられたような気分になりました。
2025.1.9(1回目) -
前半は、懐かしい昭和の関西の団地に住む小学生の風景。
「うるさい、ぼけ」
そんな感じやったなーお金はないけど、それなりの幸せ。
後半はだいぶんとブッ飛んでる、鼠人間やら鹿やら。
ラストの紙吹雪はとてもよかったです。 -
物語に流れるわちゃわちゃした賑やかな雰囲気も、個性的な登場人物たちも、子どもならではの感性もどれも好きでした。
「孤独」に憧れる小学3年生のこっこちゃん。
同級生のぽっさん。
家庭科部の部長に、精巧な刺繍をする姉・朋美。
姉たちが、こっこちゃんが可愛くて可愛くてたまらないのがよくわかる。
世の中のことを分からないなりに分かろうと考える、こっこちやんとぽっさんもいい。
小学生ならではの、今思うと「何で?」って思うしょーもないことに憧れたり、色々不思議に思う気持ちが想像できてしまう。
子どもがもつ豊かで奇抜な想像力や妙なあこがれが、楽しい!
あぁ、もう愛しいなぁ。
この頃の感性って独特で、尊いと思う。
ニマニマしながら読み終えました。
続編あったら読みたい。
あとがきにあった言葉にも共感。
『子供は、現実にある世界を眺めながら、別の世界を幻視しているようである。』 -
軽やかにユーモラスに小学3年生の視点で家族や学校での出来事が描かれている。
が、けっして軽い内容ではなく、こっこの成長していく中での思慮や葛藤を細かに、豊かに感じることができる。西先生の表現するこういう世界、大好きです。
ぽっさんと朴くんと香田さんは随分とおとなやな。
三つ子の姉も皆いい子。 -
多感な小学3年生、こっこを取り巻く個性的な人たちとの何気ない日常。感性が少しだけ人と違うようなこっこではあるがその気持ちは分からなくもないくらいの外し方が絶妙。ともするとイジメに発展しそうな状況だけど、登場人物達がとても優しくて癒されます。特にぽっさんがお気に入りです。家族な友人達のそれぞれの個性が際立ち魅力的です。とてもユーモラスな言葉や会話のリズムが楽しく、真似したくなります。
著者プロフィール
西加奈子の作品
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