円卓 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
3.87
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本棚登録 : 2398
レビュー : 302
  • Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167861018

作品紹介・あらすじ

二〇一四年、芦田愛菜主演で映画公開決定!三つ子の姉をもつ琴子は、口が悪く偏屈な小学三年生。周りの価値観とぶつかり、悩み考え成長する姿をユーモラスに温かく描く感動作。

感想・レビュー・書評

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  •  世間の「当然」に立ち止まり、悩み考え成長する物語。西さんの世界観、好きです。
     主人公の琴子は、平凡や幸せに反発する小学3年生。大家族に愛され囲まれて生きる。
     「うるさいんじゃぼけ」
     「だまれ凡人」
    と悪態つきまくり(笑)

     周りから愛されているからこそ、何不自由なくいろいろなものが与えられているからこそ、琴子のような考えができるんだろうと思うんですけどね。

     琴子のそばに、ぽっさんがいてくれてよかったと、心からそう思った。
     

  • H30.9.28 読了。

    ・「子供が世界を生きる、世界を感じる、ということ。何かが起こる/起こらないに関わらず、それ自体がすでに奥深い物語をはらんでいる。自分がいつの日か耳にした、世界の軋む音が聞こえる。『円卓』は、その裂け目から差し込む息の詰まるような光を、今一度思い出させてくれる作品である。(解説より)。」「世界には阿呆も思慮もある。どちらも分け隔てなく世界は受容する。思慮に偏ることも、阿呆こそが正義と開き直ることも、この作品は良しとせず、優劣をつけない。そのままのバランスの美しさを、それらが融合する場所の幸福こそを、本書は描くのである。(解説より)。」

     主人公の小学三年生の渦原琴子(通称:こっこ)と吃音のあるぽっさんなどの個性の強い友人たち、琴子のことを猫かわいがりする程、大好きな家族たちなど西加奈子さんの個性的なキャラ満載の小説でとても面白かった。徐々に終わりが近づいてくると、この世界観から離れたくないと寂しくなるような気持ちにさせられました。
     映画も観てみたい。

  • 瑞々しい感性。西加奈子さんの持ち味がええ感じに活かされた作品。

    円卓のある渦原家、隣人のぽっさん、早熟なセルゲイ、優等生 朴くん、謎に満ちた幹成海。

    それぞれの個性が強烈で、可笑しいのに少しほろりとする。

  • 口が悪く、偏屈で硬派な、孤独に憧れる小学3年生のこっこ。
    こっこの日常が活きのいい言葉で綴られていきます。

    この妙なリアルさはなんなのでしょう。
    不整脈のくだりのこっことジビキ。ここでこっこが感じた恥ずかしさとか、ジャポニカを投げたときの気持ちとか、なんだか自分にも心当たりがあったりする。

    なるほど、子どもの世界か。確かにあの頃は何か起こっても起こらなくてもすべてが「奥深い物語」だった気がします。
    懐かしくは思えても、もう自分は成人側だから、夏休み明けのジビキの気持ちがめちゃめちゃわかる。色鮮やかで、光の射す世界を生きるこどもって本当に眩しい!

    最後のぽっさんの涙の場面は本当に尊く美しいし、幹成海が撒いた紙の雪もとてもきれいでした。

    玉坂部長をはじめ、出てくるキャラクターがみんな個性的で面白いです。

  • 「こっこ」は、周囲の一貫した「幸せ」や「可哀想」なんて定義を全くと言ってもいいほど受け入れない。
    なんでみんなが揃いもそろって喜んだり嬉しいのか。
    なんで本人や周囲が気にしていることなんかを真似したりすると、大人は怖い顔になるのか。
    それってそんなにいけないことなのか。分からない。
    だって、「こっこ」にとっては、格好いいことなのに。

    格好いいから、吃音を真似したり、憧れるから眼帯をする。死ぬ思いをする不整脈だって、ボートピープルだって、ハーフだって、お妾さんの子だって、「こっこ」には格好いいのだ。

    ぽっさんと「こっこ」の会話には、はっとさせられる。
    「こっこ」の悩みや考えを、真っ正面から受け止め全力で応えるぽっさんは格好いい。

    今のふたりの前には手本となる大人はお呼びではない。
    大人は見守ればいいのだ。変に子どもに媚びる必要も、物わかりの良い大人を演じる必要もないのだ。
    大人は大人の価値観でただ動けばいいのかもしれない。
    子どもが大人の態度を、周囲の評価をおかしい、それは変だと思うことも必要なのだろう。
    子どもは、悩みぶつかり、そして乗り越えていく力をちゃんと持っている。過保護になる必要もない。

    けれどそれは、子どもという時代には、とってもしんどいことかもしれないけれど。

  • こっこの純粋さや個性豊かで暖かな登場人物たちに心打たれます。テンポ良くユーモアに富んだ会話に笑いながらも、純粋さ故に世間とのズレを感じるこっこの姿には子供らしさを懐かしむと共に、大人になることの侘しさを感じました。
    しかし西さんの描く作品には魅力的な登場人物が多いですね。今作で言えば、ぽっさんとおじいちゃんが格好良すぎでしょう。文庫版P109からの三人の会話にとても惹かれました。

  • 子供の頃に誰もが持っていたはずなのに、大きくなるにつれ空気を読んだり、知識としての善悪基準によっていつの間にか封印されていった純粋な視点が、遠慮なく伸び伸びと描かれている。
    差別とかいじめとかではなく、ただ純粋に普通ではないものへの興味や憧れを表現するこっこの素直さが眩しいです。

  • なんやこれー、めっちゃおもろいー
    ことこ、めっちゃかわいいー

    的な感じで前半はサクサクと読み進めていったのだけれど、日常英会話辞典が出てきたあたりから、作品の様相が変わってくる

    ことこの言葉を借りれば、重力によって、ぐぐっと、気持ちをひっぱられる
    言葉にできないもどかしさ、戸惑い、悩んで、大人になるということ

    前半と後半で、ことこは大きく成長する
    読者は、読み始めたら最後、渦をまく円卓の中に放り込まれたように、この作品の中から出られない
    それはまるで、人生、そして、生きるということは、確実に死に向かっているということ
    大人になるということは、死に近づいているということ

    ぽっさんと話すことこ、わからないことをわからない、であるとか、自分の思いであるとかを言葉で伝えることができるのは、ことこの力だ
    それに寄り添って一生懸命話すぽっさんはかっこいい
    解説にもあるけれど、ぽっさんの吃音や、幹成海の繊細さ、外国籍の子どもたちなど、作品は子どもの全てを受容する
    こんな世界であったなら、わたしはもっと、自分に向き合うことができただろうか
    重力をきちんと感じることができただろうか

  • 小学生こっこが主人公。

    同級生がしてきた、眼帯!かっこええ!!
    仲良しのぽっさんの吃音!かっこええ!!
    男子が不整脈で倒れる!かっこええ!!

    大人は、不名誉だとか隠したいとか病気だとか
    できるだけ人に見せたくない姿だけど
    こっこからしたら、自分にないそういう非日常の姿が
    とてつもなく「かっこいい」だからマネしたくなっちゃう。
    大人から見たら不謹慎の一言になっちゃうけど
    そうそう、自分だって包帯にあこがれた時期あった(笑)
    松葉杖ついてみたい、と思ってたこともあった。
    実際やってみたら、こんな不便なことなかったけど。

    そんな素晴らしい人生の春を過ごすこっこたち小学生
    もう夏も過ぎて秋にさしかかろうとしている
    今の大人の私には
    そっちの方がずっとかっこいいよ。

  • 姉から貰った一冊。
    自分では余り手に取らなかったであろう一冊。

    文句なしに素晴らしい。
    小学三年生のこっこ、口が悪い。悪いと言うか汚い。
    小学生にして孤独に憧れる。
    何とも個性的で愛すべき女の子。

    こっこの家族や周りにいる友達も愛すべき人物が多い。
    おじいちゃん、格好良いなぁ。
    ぽっさんも堪らなく格好良い。

    私は子供に戻りたいなーと思う事はないけれど、
    自分が子供の頃も、そう言えば色々な事を考えて
    感じていたなと、無性に懐かしく感じ
    最後の方では涙すら出ました。

    読後感は温かい気持ちになるような、少し寂しいような、不思議な感じ。

    何てことない日常を非常に愛おしく感じさせるのが上手い作家さんだなぁ。
    本をくれた姉に感謝せねば。

    余談ですが私の家族は読書家が多い。
    実家へ帰り、面白そうな本を貸してもらうのを密かな楽しみにしています。

  • 初めて本を読み終わって「おぉぉぉ」と声が出た。明け方5時に。
    この想いをどこかにぶつけるべく、急遽ブクログ登録、これを書くに至る。我ながら変な発散の仕方。
    西加奈子さんとの出会い(?)は、NHKでの椎名林檎様との対談番組から。あの椎名林檎様でしても「言葉の選びかた」「心の動きかた」を絶賛されていたので、どんな本を書かれるのだろうと古本屋に行き物色したのがコレ。

    前半半分、声を出して笑う。視点がコロコロ変わるのもおもしろいし、急に物語の外からツッコミが入るのも良かった。
    関西出身のため、どぎつい関西弁の文章にも苦なく読み進められる。逆に、関西の、特に大阪南部とかの、関西弁に馴染みのないかたには読みづらさ満載かもしれない。

    「眼帯」から始まるこの本が様相を一変させるのは、中盤、朴くんの不整脈や在日韓国人の話題、幹さんの机のなか、という問題。
    同年代より回転の速いアタマを持ってしまった子どもたちの会話では、もう笑いではなくちょっと冷や汗もの。

    登場人物は、どの人も曲者ぞろいに見えるけど、でもすぐそばにいるような、何ならわたしも主人公みたいな思考も持っていたような。
    昔の思考を振り返らされるくすぐったさと、大人になった自分がどれだけ成長したのか試されているようなドキドキ感を持たせてくれました。
    最後は、すべての心のゆらぎをたった一言でぴしっと締めてくれるような、すっきりした終わりかたでした。
    よかった!

  • とりあえず、子供が主人公なだけでとても弱いです。しかもその子供が、小学3年生のとっても可愛い女の子であるにも関わらず、相手が教師であろうが家族であろうが、二言目には「うるさいぼけ」と関西弁で一蹴しちゃう凶暴で偏屈な女の子だったりしたらなおさら。

    けれどそんな琴子(こっこ)の家族たち(祖父母、両親、三つ子の姉)は、彼女を溺愛していて、あんまり可愛いのでいつか目の中に入れてやろかしらんとまで思っている。基本的に美人で天真爛漫なこの渦原家の女性たちの屈託のなさにものすごく癒される。「円卓」というのは、この大家族が食卓として使用する、中華料理屋からもらいうけてきた真っ赤な回転するあれのこと。

    こっこの家族も愉快ですが、友人たちもとにかく個性的。国際色豊かなクラスには、天然キャラの人気者ベトナム人のゴックんや、ロシア人とのハーフで「九歳にして好色で、挙句ハンサム」な横山セルゲイ、在日韓国人だけどハンサムでクラス委員の朴くん等、魅力的な男子もたくさんいるのだけれど、いちばん「ええ男」なのは、なんといっても、こっこの幼馴染の「ぽっさん」!べつにイケメンではないし、吃音でどちらかというと大人しいけれど賢いぽっさんは、こっこから絶大な信頼を得ていて、このふたりの初恋と呼ぶことすら憚れるような純粋な信頼関係には終盤で涙しました。

    個人的に一番ツボだったキャラは、美人三つ子の一人で手芸部の朋美の先輩・玉坂部長。他にも変なキャラクター続出で、ツボると1ページで2~3回は笑ってしまいます。それでいて子供たちの成長もきちんと描かれていて、家族に愛されすぎて「孤独」に憧れていたこっこが本当の意味でそれを体感し、少しだけ大人になるくだりはとても感動的でした。笑って泣けて、これぞ西加奈子!な1冊です。

  • おもしろくてテンポよく読めた。ことこ達が大人になった話も読んでみたい。

  • 西加奈子さんの書く小学生はすごくいい。

    私にもあんな頃があったんだろうか。どうだったのだろうか。すっかり忘れてしまったけど、あんなんだったら、よいな。

    限りなくゴシック体に近い力強い字体、そのままのこっこちゃんがいい。

    彼女を見守るナイト役が、ハンサムだけど好色なハーフの男の子ではなく、優等生で人望もある学級委員の子でもなく、寿老人をこよなく愛する幼馴染のぽっさんであるのもいい。

    とにかく、西加奈子さんの書く小学生は、私にはNo1。
    次点は、万城目学さんの「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」

  •  初めて西加奈子を読んだ。面白かった。
     個性的な子どもたちと彼らを育てる大人たち。
     ぽっさんは素敵やな。月夜のシーンは感動的。

     うるさいぼけ。

  • 小学生3年生の琴子。
    公団住宅の狭い家で、祖父母、両親、三つ子の姉、と、共に生活をする。
    悪態をつき偏屈者の琴子。
    色んな問題を提示しているのだが、、、、
    背景も、学級の国際的。
    会話文が、面白い。

    しかし、光漏れる感動傑作とは、、、言い難いと、思う。
    今の時代の人には、円卓自体、どのような物かも知らないであろう。
    年数だけは、重ねた私でさえ、生まれて一度も使用したこともない位だから・・・

  • 2019.3月。
    .
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    .
    うわ、カッコいい。
    こういう風に子ども時代を生きたかった。
    今からでも遅くないか?
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  • 眼帯をしている女の子に憧れて、自分も真似をする9歳の女の子琴子。彼女は公団に、祖父母、両親、中学生の3つ子の美人の姉の8人家族で暮す。皆から、かわいがられている。母親が妊娠、引っ越しか。バランスが崩壊する。顔を踏んでくれと言ってくるきもいおっさんの登場、そこで琴子は一瞬、精神崩壊し、うさぎを自分の顔の上に置くという奇行を行う。思春期の少女の不思議な感覚を再現していて、胸にずしっとくるものがあった。子供のころには持っていたが、今はない感覚が蘇ってくる。
    http://muto.doorblog.jp/

  • 主人公の「こっこ」こと渦原琴子は、孤独に憧れる小学3年生。とにかくこの子、口が悪いです。
    琴子ほどではないけど、孤独が格好いいと思ったときがあったし、クラスの子が眼鏡をかけてきたら、自分も目を悪くして眼鏡をかけて目立ちたいという気持ちになったことがある。だからなのか、琴子には憎めない可愛らしさを感じました。
    何気ない日常に、ほんの少し事件が起こり、気付かぬうちに成長していく子どもたちの姿が上手に描かれていると思いました。
    阿呆で、人情味があって、何だかしんみりしていて「嗚呼、大阪だなぁ~」って感じの作品でした。

  • 元気いっぱいの小学3年生「こっこ」の日常。子どもたちの生活って大阪弁で書いたとたんに生き生きしてくる。この思い込みの嚆矢は「じゃりん子チエ」あたりだろうか。それと小説の主人公になる子どもたちは、男の子はもの静かで考え過ぎなほど思慮深く、女の子は元気一直線の直感型って感じが多い気がするなあ。世の中の大勢とは違うかもしれないけど、文学に進む男女の性向とは重なっている気が。
    ヒロイン願望たくましきこっこはご不満らしいけど祖父母、父母、三つ子の姉と暮らすにぎやかな毎日がうらやましい。みんないいキャラ。夕食の円卓にのる麻婆春雨茄子豆腐とか鶏と野菜の酢醤油煮とかおいしそう! こっこの友達も魅力的。特に老成感のあるぽっさん。そして、これも大阪ならではだろうか、さらっと書かれている在日韓国人の朴くんのこと。
    子どもって大人が忘れてしまっているだけで、周囲を慮って発言したり黙っていたり、思っているのと違う「子どもらしい」振る舞いをしたりできるものなんだよね。うまく表現できないことはあるけど、思っていることは大人並みかそれ以上だったりする。

  • こっこ、小学3年生。孤独に憧れ、「うるさいぼけ」が口ぐせ。かわいそうな生い立ちや境遇の友達を羨ましく思い自分にはなにもないと感じる。たくさんの価値観に出会い自分とはなにかと3年生なりに消化していく。個性的な面々がおもしろい。

  • すっごいよかった。

    大人が書いた子どもじゃなくて、
    ほんとに子どもそのものの感覚というか。
    西加奈子すごい。
    こっこも大好きだし
    ぽっさんも大好きだし、
    家族のみんなも学校のみんなも
    個性的で楽しかった。

    こうやってみんな一生懸命
    大人になっていくんだなぁ。
    自分もそうだったのかと思うと
    ちょっとこそばゆい読後感。

  • 初西加奈子さん。公団六畳中華屋の円卓。様々な子供。鼠男。美人三姉妹にゴシック書きの妹。ジャポニカ。刺繍。蟻。蜂の子。吃音の賢者。鹿が逃げ出し、言葉の紙吹雪。
    白黒も含めてカラフル。読後が良いな。

  • 映画をみて小説をよみまた映画をみた。1度目の映画は流し見であったのも含めヘぇくらいだったが(失礼)、2度目はとても感動した。小説を映画化することに否定的な人もいるが見る見ないはその人自身の判断として様々な媒体の楽しさ、入り口が広がる感じがあるから私は映画化に賛成だ。(もはや本の感想ではない。

  • 決して再び戻りたくはないけれど、確かにあんな頃があったんだと、甘酸っぱいような、優しい気持ちで思いかえすきっかけになった作品。

    「こっこ」こと琴子はいつも色んなことを考えている、「うるさいぼけ」が口癖のちょっと偏屈な小3生。
    大事なことは大人からではなく、いつも親友の少年、「ぽっさん」との会話のなかで知っていくのだ。それを見守る祖父石太がまたいい!
    そして、作品の最後でぽっさんがこっこに謝るシーンは、何度読んでも胸を衝かれる。
    ぽっさんが初めて、早く大人になりたいと願い、こっこが初めて「寂しい」という気持ちを体験したシーン。
    それは、美しい夕焼けの情景と共に、読後も心に焼き付いているのだ。

  • 生まれてこの方こっこのような天才肌な視点は持ち合わせていないが、小学生のときの楽しかったこと、不思議だったこと、怖かったことやもやもやしていたことなど、自分でも分かってなかった感情が言葉にしてあり、手元に戻ってくる。こう感じてたんだなあ、と今になって驚いたようなすっきりしたような気持ち。とにかく登場人物のキャラが特濃で記憶に残る。読み終えたときの不思議な納得感が忘れられない。

  • おどろくほどの、子供目線での描写。純粋でけったいな。 そこが西さんの表現力の妙なんだろうな。 “孤独”である事でアイデンティティを気付こうとする女の子は「サラバ!」に通ずるところを感じたが、ここも西さんの実体験から? ビールの味は『至極のカ行』にほっこり。

  • 激しくて尖っていてきらきらして危うい剥き身のままの個性。
    子供って凄い。
    読みながら始終どきどきしていたのは、つまらない老婆心が故。
    自分を均して世界に馴染もうとか、摩擦を減らして自分を消耗させないようにとか、わからなくてもわかったふりをするとか、そういった打算が一切ないから、はらはらした。
    でもそれが子供の世界なんだよなと思いなおした。
    ぽっさんは、小さな哲学者。こっこの主治医でもある。いい男だなと思う。
    こっこは生き方が不器用だけど、本能のなせる技か、いい人を周りに集めているからうまくやっていけるだろうなと思った。

    • komoroさん
      9nanokaさんのレビュー最近特に真剣に本と向き合っています。
      いい本と出会っているのでしょう。そして常に自分にとってプラスにしているの...
      9nanokaさんのレビュー最近特に真剣に本と向き合っています。
      いい本と出会っているのでしょう。そして常に自分にとってプラスにしているので人間として成長しているのでしょうね。
      そういう事が出来る人は少ないです。
      2016/06/10
  • 自分で思い返すだけでは出てこないような幼少期の日々を思い出させてくれた本。

    子供は自由だとか素直だとか言われるけれど、知っている世界が狭い分、大人よりうんと面倒なしがらみや複雑な気持ちを溜め込んでるのかもなぁ。

    読み進めていてちょっと飽きてきたなぁというときに、ぐるっと変わる視点。子供が少し大人になるときってまさにこんな感じなのかも。

  • 少年少女が主人公の小説はあんまり好かんけどこれは違った。こっことぽっさんが可愛らしい。

    小さな恋のメロディを見終えたあとと似たような気持ちになった。

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著者プロフィール

西加奈子(にし かなこ)
1977年、イランのテヘラン生まれ。エジプトのカイロ、大阪府堺市で育つ。関西大学法学部卒業。雑誌「ぴあ」のライターを経て、2004年『あおい』でデビュー。
2007年『通天閣』で織田作之助賞大賞、2011年咲くやこの花賞、2013年『ふくわらい』で第1回河合隼雄物語賞、2015年『サラバ!』で第152回直木三十五賞を受賞。
その他代表作として、宮崎あおい・向井理出演で映画化された絵本『きいろいゾウ』、同じく映画化された『円卓』、20万部を超えるベストセラー『さくら』、本屋大賞ノミネート作『i』など。2020年初夏、『さくら』が映画化決定。プロレス好きとして知られる。お気に入りの本は『アントニオ猪木詩集』。

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