聖書を語る (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2014年1月4日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784167900182

作品紹介・あらすじ

共にキリスト教徒(プロテスタント)、同志社大学出身の二人が、聖書をベースに宗教・哲学・社会問題と縦横無尽に語りつくす異色の対談集。第一章では、カルヴァン派の佐藤氏とバプテスト派の中村氏が、同じプロテスタントでありながら宗派によって異なる、他力本願と自力本願などの相違点、終末論など神学的な問題を語りあう。第二章のテーマは、村上春樹の『1Q84』とサリンジャーを読む。そして、「新世紀エヴァンゲリオン」など、文学やサブカルに見られるキリスト教の影響を読み解く。第三章は、3・11を契機に激変した日本社会を伝統宗教は救えるのかがテーマとなっている。不安定な世の中にはスピリチュアル的なものがはびこるが、本当の意味で自分と他者をつなぐことのできるものは何なのか。ライプニッツのモナド論など引用しながら考察する。

みんなの感想まとめ

宗教や哲学、社会問題を縦横無尽に語る異色の対談集は、キリスト教に対する新たな視点を提供します。著者たちは、同じプロテスタントでありながら異なる宗派の立場から神学的な問題や文学、サブカルチャーにおけるキ...

感想・レビュー・書評

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  • 佐藤優×中村うさぎという私からしたら意外すぎる組み合わせに目をひかれ、ここ5年ほどキリスト教に興味津々なんで購入。佐藤さんは神学と読書の人というイメージがあり、中村さんは高校生だった頃の自分がそのまま大人にスライドしたような人というイメージだったんで同族として避けていた。
    この対談を読んで中村さんに俄然興味がわいてきた。
    村上春樹の読み方(批判)すごい。まさに、私が感じていた胡散臭さを言葉にしてくれていた。まぁそれでも時折読むんですけど(義務感)。

    あと今更だけど新劇場版エヴァのQって謎の福音書Qだったのか、と気づく。

  • 中村うさぎに良いイメージが無かったが、本を開いてみて圧巻。佐藤優の計り知れぬ知識、ただ、読者を置き去りにする超論理的な展開を、見事中村うさぎが一般人的視点で捕らえ、会話が進む。面白い。ただ、もっと聖書を掘り下げて欲しかった。編集の問題だろうが、中盤はこじ付け。

  • 中村うさぎには生きてもらいたい。

  • うさぎさんの言う通り、女性総理大臣が誕生

  • キリスト教の大学に在籍しておりましたが、聖書っておもしろそうだと本書を読んで気付きました。聖書とエヴァンゲリオンを比較しながら語ることが多く、エヴァンゲリオンを知っている身としてはかなりとっつきやすかったです。といっても、エヴァンゲリオンは上澄み程度の知識しかないので、「複数を個にする」物語だということは初めて知りましたが。予期せずして、エヴァンゲリオンもといシン・ゴジラへの興味も高まりました。「神様のノート」というすでに人生は決まっているという考え方もおもしろかった。続きも読んでみたいです。

  • 【あらすじ】
    共にキリスト教徒(プロテスタント)、同志社大学出身の二人が、聖書をベースに宗教・哲学・社会問題と縦横無尽に語りつくす異色の対談集。第一章では、カルヴァン派の佐藤氏とバプテスト派の中村氏が、同じプロテスタントでありながら宗派によって異なる、他力本願と自力本願などの相違点、終末論など神学的な問題を語りあう。第二章のテーマは、村上春樹の『1Q84』とサリンジャーを読む。そして、「新世紀エヴァンゲリオン」など、文学やサブカルに見られるキリスト教の影響を読み解く。第三章は、3・11を契機に激変した日本社会を伝統宗教は救えるのかがテーマとなっている。不安定な世の中にはスピリチュアル的なものがはびこるが、本当の意味で自分と他者をつなぐことのできるものは何なのか。ライプニッツのモナド論など引用しながら考察する。

    【きっかけ】
    大昔、高校時代くらいに中村うさぎと佐藤優の対談本を読んだ記憶があった。聖書について語っていたと思う。面白かったので再読してみようと思った。
    が、昔読んだのは『聖書を読む』の方だった……!間違えてしまったので、本作は初読。

    【特徴】
    ・キリスト教の価値観について知りたい人向け
    私はミッション系スクール出身で聖書に馴染みがあるが、多くの日本人はキリスト教を知らないはず。
    私も、根本の価値観や死生観はキリスト教ではないのだけど、キリスト教から見た世界とはどういうものかがわかって面白い。

    ・頭がいい人の会話を覗きたい人
    2人とも、頭がいい。佐藤優は外務省出身のエリートかつ知識人。質問に対して、様々な角度から知識が出てくる。また中村うさぎは、とにかく鋭い観察眼と、それを言語化する力が強いと思う。
    そんな天才2人の対談をそばで聞き耳立てているような気持ちになる。
    頭がいい人の世界の見え方/捉え方を知りたい人におすすめ。

    【感想】
    そもそも、キリスト教にも種類があるようだ。カトリック/プロテスタント以外にも宗派がある。
    (仏教ですらあれだけ種類があるのだから、改めて考えると当たり前かもしれない)

    佐藤優=カルヴァン派。神様のノートに救われる人が描かれていて、自分はそのノートに書かれてる、つまり救われる人間であると信じている。自分の努力でなんとかなると思うことは傲慢である。
    ※社会の支配者層の中の主流派。
    中村うさぎ=バプテスト派。自分の行動は全てら自己責任である。人生の選択は自分で行い、行動に伴う結果を反省。

    キリスト教は否定神学。合理的な言語でもって非合理を説明する。神様とは、これではない、これでもないと次々に否定して、それでも否定できないもののあるところに神様や宗教がある。
    人間の言語では説明できないなにか。ウィトゲンシュタインの「語り得ぬことについては沈黙しなければならない」
    それでも、語り得ないことについて語る努力を続けていくこと。


    エヴァについて語るシーン。
    人間を完全な単体生物に進化させようと人類補完計画(全ての個を一つの全体に融合させる)が生まれる。主人公の碇シンジは、この計画にノーと言うことで計画は頓挫、人類はまた個に戻ってしまう。
    最後、アダムとイヴのように目覚めたシンジとアスカだが、アスカはシンジを見て「気持ち悪い」と言う。
    全体となることを拒否した以上、個であり続けなければならない。その時に課せられるのは、他者からの拒絶である。

    サリンジャーの話。フラニーとゾーイーについて語っている。要約が難しいけど、サリンジャーってすごいんだ読んでみたい。
    そして、なんか心に残った一説。
      こういうものって、自分のために書くものじゃないの?
      それだけ、自分のために書いている人が少ないってこと。

    佐藤さんは変なことまで詳しい。インクの黄色が不足していると、エロ雑誌が困るらしい。乳首の色が出なくて、乳首の色だけで本の売り上げにすごく影響する。


  • 聖書の外縁を知る軽妙な対話。

    ・クロノス(座標軸上を流れる時間)とカイロス(時間の分節)

  • 佐藤優の一連の自叙伝のファンだが、この本もおもしろかった。中村うさぎ、名前だけは知っていたが、教養の高い人なんだなあ。あの知の巨人、佐藤優と対等に対談しているのだから。対談の時期から、東日本大震災についての考えを語っているし、見方は参考になる。しかし、何よりおもしろかったのは、村上春樹とサリンジャーについての考え方。深く洞察するとそうなるのか、と改めて興味を持った。1Q84は読んでないのでぜひ読んでみようと思った。フラニーとズーイは、10年ほど前に途中まで読んだが完読できなかったんだよな。再読しよう。

  • どちらかというとバプテストの系譜で育った人間なので中村うさぎの考え方はかなりわかる、とともに自分の触れていたキリスト教の範囲の狭さに気付く。10年ミッションスクールに通っても何もわからない、わからないことが悔しい。

  • 常々読みたかった本。途中で挫折したのは何度かあり、今回やっと読み終わった(苦笑)。
    おもしろかった。

    キリスト教もグループで全然違うんだな。

    両人ともキリスト教の素地があって(敢えて信者とはいわない)考え方が刷り込まれていることを前提に自覚的に物事をとらえようとしている。
    カソリックがマリアをどうとらえているか、無原罪と原罪、「われ思うゆえにわれあり」のデカルト(座標軸を発見したの彼だったということは、初めて知った 苦笑)の世界をどう認識しているか、という話はとてもおもしろかった。
    春樹やサリンジャーが読んでみたくなった。エヴァンゲリオンを見たい。
    ヨハネの黙示録のこと、パウロという布教者の存在、聖書の世界は深遠だ。もっと知りたいことがたくさんでてきた。

  • 「聖書を語る」読んでる。今エヴァと村上春樹のトコ。もしやして一番面白い部分じゃなかろうか。中村うさぎ、言っちゃれ言っちゃれ。ニヒニヒしながらチューハイを友に読む。

    キリスト教に入りたい気はするんですよ。救われたいとかでなく考え方嫌いじゃない。葬式が仏式より簡単だというのも利点。でも「頬を殴られたら反対の頬を」は賛同できない。私は殴り返すか、それをしないまでも睨み付けると思う。宗教はむつかしいです。

    ”宗教とは全体主義である。”それに不満はないが、全体の中身を探ればやはり個である、などとも思う。個別でなれ合う。それでいいじゃん。ねぇ。

    聖書を語る」読了。中盤までは面白かったが、後半震災の話になるのでイマイチ。対談集なのでするすると読める。

  • 大変失礼ながらうさぎさんがこんなに賢い方であられるとは存じませんでした。佐藤氏より彼女の観点の方がすっと入る。

  • もうすごくすごく面白かった。
    中村うさぎってとても頭の切れる人だって初めて知った。
    フラニーとゾーイーやエヴァンゲリオンの考察、うんうんと頷きたくなる!
    佐藤氏は中村うさぎの言う通り、乾いていて本当に客観的な物事の見方をすると思うんだけど、そんな人がカルヴァン派の予定説を心底信じているってのは、なんというかちぐはぐな不思議な印象を受けた。

  • 佐藤優と中村うさぎの対談集。キリスト教のプロテスタントであるが、カルヴァン派とバプテスト派であり、互いの考え方の違いを分析した上で、聖書について、エヴァンゲリオンについて、村上春樹について、震災について話し合う。うさぎさんが終末遅延問題を「出るはずのものが出ない、便秘」例えるのが笑えて、とても分かりやすかった。あとアダムとイブが食べた「智恵の実」は自己と他者の存在の認識なのではとか興味深い。後書きのうさぎさんのブログの引用文で泣けた^^; 続編もあるそうなので、読みたいな。

  • [図書館]
    読了:2017/2/12

    どちらも頭の回転の早い人だから読んでて小気味良い。

    村上春樹の小説は「こんな女いねーよ」の8文字で終わると思ってるので中村うさぎの批判には同感。佐藤さんはポルノとしての消費、ディテールが評価されてる点、プロットを作ってないだろうという点に触れている。こちらも納得。

    p. 51 中村 つじつまが合わなくなると知らんぷり、か。
    佐藤 都合が悪いことについては黙る、というのが優れた神学者に求められる資質です。
    中村 政治家みたいだね。
    処女マリアは誤訳、問題について。ヘブライ語では単に「年頃の女」だったのに、ギリシア語では「処女」に訳してしまった。

  • キリスト教といってもプロテスタント、カトリックなどの教派があって、プロテスタントのなかでもピューリタンやバプテスト派、カルヴァン派などがあります。同じキリスト教といっても、神や天国、聖書についての解釈が違うから、自分が出会った宗派によって以後の人生観や物事の考えが代わってくるのだと思うと、ほかの宗教を知ることは世界を知ることと同じくらい大切なこと何だろうと思いました。
    佐藤さんとうさぎさんの対話はとどまるところを知らず、聖書を飛び越え壮大に広がっていきます。うさぎさんが吠えると(笑)佐藤さんがそれを受け止めてくれるから、「で、どうなの?」と、もやもやせずに読むことができました。特にうさぎさんが『1Q84』をはじめ村上春樹著書について熱く怒り?をこめて話しておられたので、ひやひやしちゃいましたが。うさぎさんがエヴァについて語られると、ちゃんと佐藤さんが次の対談までに観てこられます。やっぱり知識力に溢れた人です。だから、どんどんぶつかっていけます。
    聖書の話はもちろんのこと、どうしても最後に言葉や形にできないサムシング、それが神だということ。スピリチュアルは、限界まで行く努力をしないで、早い段階で飛ぶけれど、宗教は、命懸けの飛躍が必要になってくるってこと。3。11が起こり日本が向かった「私の喪失」から「全体主義」のこと。「われ」の喪失と神の死の関係。これらがとても印象に残りました。

  • 佐藤優と中村うさぎの対談集。

    聖書そのものを語っているのは最初だけで、宗教や哲学を中心に話はあちこちに展開する。村上春樹をけなし、エヴァンゲリオンを考察する。最後は3.11の震災の問題から、人はどうつながるか、と展開。

    中村うさぎという人は初めて知ったが、両者とも知識量とその言語化能力がすごい。


    以下は読書メモ:
    プロテスタント
    カルヴァン派 自分は神に選ばれている
    バプテスト派 人間は努力すれば報われる(清教徒)

    終末遅延問題 すでに2000年遅れている。
    クロノス 座標軸を流れる時間
    カイロス 点 事件史
    終末はカイロスの感覚では歴史、決まっている未来、だから終末は来ないのではなく遅れていると考える。

    震災の既視感、エヴンゲリオンでの原体験
    全体主義と揺り戻し

    ライプニッツの単子論で言うモナドでつながる
    全体主義はオーケストラ、各パートは自由

    宗教=洗脳という刷り込み
    最大の洗脳は貨幣

    全体主義に対立する概念は普遍主義。ナチスは普遍主義。全体主義は多元的。

    メメントモリ 死を想え。

  • こういうのが読みたかった!!中村うさぎさんの言葉が秀逸!ウ○コの例えに1Q84のブチ切れ、ウケすぎ。人間の非合理性、皮膚感覚、神はズレ、、テーゼがこのお二方だからこそで、難しいなりに納得できた。哲学と宗教か。。。知っておくと今後生きるのにラクかもたしかに。

  • 2015年6月30日読了。

  • ――――――――――――――――――――――――――――――
    救世主の降誕という人知を超える出来事が起きたことだけを確認すればよくて、誤訳問題には踏み込まない。(佐藤)

    つじつまが合わなくなると知らんぷりか、か。(中村)

    都合が悪いことについては黙る、というのが優れた神学者に求められる資質です。(佐藤)

    政治家みたいだね。(中村)51
    ――――――――――――――――――――――――――――――
    彼がこう言ったんです。ソ連崩壊はいつ始まったか、それはチェルノブイリ原発事故からである。

    原発のような巨大システムが事故を起こすときは、必ず国家や社会の機構の不具合もパラレルに起こっているのだ、と。(佐藤)126
    ――――――――――――――――――――――――――――――
    それでいくとナチスは普遍主義。すべてをドイツ人によって席巻しようとするものである、というわけですね。(佐藤)

    全体主義と聞けばすぐナチスのことを思い浮かべるんだけどな、私なんかは。(中村)

    戦後の言葉遣いが変わったんですね。戦争中までは、多元主義が実は全体主義だったの。(佐藤)193
    ――――――――――――――――――――――――――――――

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著者プロフィール

1960年生まれ。作家・元外務省主任分析官。主な著書に、『国家の罠』(新潮文庫)、『格差社会を生き抜く読書』(池上和子との共著、ちくま新書)がある。

「2020年 『子どもを守る仕事』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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