平成海防論 膨張する中国に直面する日本 (文春文庫 と 17-3)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167900199

作品紹介・あらすじ

尖閣事件で新たな局面に入った日中関係。新章を書き下ろす経済大国となった中国は、海上にも膨張を続けている。日本の隣国への対応は万全なのか。いま、何をなすべきか? 読むべき警告の書。

感想・レビュー・書評

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  • 日本の海に関しての本をほとんど読んだことなかったからか、純粋に知らないことばかりで楽しかった。
    やっぱりこういうの読むと金が大事だなあと思う
    正しいことだから、やるべきだじゃなくて、
    金をどうするかってことまで考えないと
    議論としては成り立たなくなってしまう気がする

  • 著者の基本スタンスは①法整備を含め軍事的な準備は進める(9条改正派かは微妙。堅持派とも読める)。②外交は周到な準備とリアリズム(つまり、石原慎太郎の如き無計画・無思慮なパフォーマンスは×)、③硬軟あい混ぜた交渉態度(譲るべきは譲り、強硬・軍事一辺倒は愚)、④事実を重視か。また、取材態度は対立当事者双方から主張を聞き双方共に指摘(本書の調査捕鯨問題に顕著。扶○○出版書とは一味違う)。特に後者があるゆえ記述に信が置ける。面白い指摘は、中国内の新聞に「産経」が多く引用。理由は日本人性悪説に利用しやすい記事内容。
    引いては、中国の対日感情悪化に産経が荷担し、反射的に日本の国益を損なっていると思しき記述がある点。また、著者は、相手・対手が行っている行動を当方も行いうることを前提にしているようだが、逆もまた同様と言えようか。本書の指摘する事実は、例えば、海賊と日本の輸入路の安全(エネルギー・食糧等)との関係、中国海軍・空軍の増強、現在の規模の調査捕鯨の必要性等は、立場のいかんを問わず認識しておくべきだろう。
    補足。①海保の装備の不備が顕著。とはいえ、予算限界がある以上、海自予算を海保に回す必要性高し。②中国空軍の装備更新のため、制空権こそが緊喫の課題。陸自・海自予算を空自に回す必要性も。2014年刊行(一部本書書き下ろし有。底本2009年)。

  • 【尖閣事件で新たな局面に入った日中関係。新章を書き下ろす】経済大国となった中国は、海上にも膨張を続けている。日本の隣国への対応は万全なのか。いま、何をなすべきか? 読むべき警告の書。

  • 今読むには、少し古いか。民主党政権時代の海防論。尖閣諸島からシーシェパード、北朝鮮不審船からソマリアの海賊まで。尖閣諸島国有化を、オウンゴールと著者は表現する。中国で反日暴動まで引き起こしたこの決断に対し、愛国無罪と。先の手を考えず、集めた基金の使い道も決まらぬまま、また、水面下の外交工作もせず、ただただ、一方的道理を貫いた。あるいは、それで良いのだろうか。手段を狭めたという意味で、私の考えは著者である富坂寄りである。

    しかし、富坂さんが共同通信で働いていたとは。

  • 外大で中国語を学んだ私。
    今中国の人気がまったくないらしい・・・連日の報道を見ればそうなるか。

    日本は国の面積当たりの海岸線延長は世界第1位。
    何とかしないとね。

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著者プロフィール

1964年愛知県生まれ。北京大学中文系に留学した後、
週刊誌記者などを経てフリージャーナリストに。
94年『「龍の伝人」たち』(小学館)で、21世紀国際ノンフィクション大賞
(現・小学館ノンフィクション大賞)優秀賞を受賞。
新聞・雑誌への執筆、テレビコメンテーターとしても活躍。
2014年より拓殖大学海外事情研究所教授。
『反中亡国論』『中国がいつまでたっても崩壊しない7つの理由』
『「米中対立」のはざまで沈む日本の国難』(以上、ビジネス社)、
『感情的になる前に知らないと恥ずかしい中国・韓国・北朝鮮Q&A』(講談社)、
『トランプVS習近平 そして激変を勝ち抜く日本』『風水師が食い尽くす中国共産党』(以上、KADOKAWA)など著書多数。

「2023年 『それでも習近平政権が崩壊しない4つの理由』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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