ポリティコン 下 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2014年2月7日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (480ページ) / ISBN・EAN: 9784167900250

みんなの感想まとめ

物語は、主人公トイチの複雑な人間関係や運命に翻弄される様子を描きます。読者はトイチに対して強い嫌悪感を抱き、彼がもっと制裁を受けることを望む声も多く、主人公に感情移入できないという意見が目立ちます。終...

感想・レビュー・書評

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  • ラストはあっさりとしたハッピーエンド?

  • 理想の農村を作った人の血を引く男と脱北者を援助し行方不明となった母親を持つ娘が主人公の話。全般的に重苦しい雰囲気だが、人生を生き抜く力のようなものを感じる。

  • 2020.09.09 読了。

    下巻の勢いすごくない?
    上巻の話の崩し方エグい。

    そしてマヤとの契約。
    東一はクズなのかもしれないけど、結構感情移入できる現実的な思考なのよね。だからやめとけ!と思いながらも戻れない気持ちの弱さにグイグイ引き込まれていっちゃう。
    どんどん落ちていくんだけども。

    で、真矢編。
    あの可愛かったマヤは何処へ?
    ってくらい変わり果てた真矢。
    もっとまっすぐ生きて欲しかったのに。色々と酷過ぎる。
    ここまで酷い話にする必要あるか?ってくらい酷い。
    この酷さが桐野夏生先生。
    天才的な酷さ。

    時間の流れは恨み辛みもある程度風化されるよね、って言う感じの終わり方が良かった。
    なんだかんだでトイチ、いい奴じゃん。実際はめちゃくちゃ酷い奴だけど。最後はなんか泣けた。
    こういう愛の描き方もあるんだなぁ。

    この作品に出会えて本当に良かったと思うほど面白かった。
    寝るのが惜しくなるくらい読むのが止まらない作品。
    桐野夏生先生の作品もっと読まなければ。

  • 主人公トイチが上下巻通して本当に嫌なやつだったので、もっと制裁されてほしかった。そして謎はすべて回収されずじまいだったので、不満は残る。とりあえず運命に翻弄され、幸せになれる方法がわからないマヤが不憫。

  • 桐野夏生っぽい。ただ、主要登場人物に感情移入できぬまま終了(「メタボラ」にはあった愛嬌が決定的に欠けてる)。特筆すべきは、終章の「礼儀正しいオヤジ」の登場だけで、一瞬にして物語のバックボーンを正体不明の不気味なものに変えた力量。この瞬間があっただけで、とりあえず読んだ努力は報われましたね、という作品。

  • f.2022/9/22
    p.2014/2/10

  • ラストが、希望の始まりなのか、絶望の始まりなのか.......読む人次第ってところだろうか。私には『歴史は繰り返す』絶望にしか思えん。主人公トイチが上下巻通して本当に嫌なやつだったので、もっと制裁されてほしかった。そして謎はすべて回収されずじまいだったので、不満は残る。とりあえず運命に翻弄され、幸せになれる方法がわからないマヤが不憫。ポリティコンってなんぞや?の疑問は下巻の解説で説明されていて、そこだけはスッキリした。

  • 再読。

    前回も思ったはずだ。
    「風と共に去りぬ」のスカーレットとレッドバトラーみたい、と。
    それも、なんか暑苦しいってところだけなんだけど。
    まったくの個人的な感想だから、もちろんホントは全然違うのだが。

    いろんな、背景とかあるのだろうけれど、イヤ、私には暑苦しいキャラクターの方々であった。

  • 東北に作られた理想郷「唯腕村」。創設者の直系の血を引く者である東一は父が亡くなったとき無理矢理、理事長を継承し村を我が物としていく。他の農村と同じく高齢化と過疎の問題を抱えた村は、女性を含む訳ありな若者を受け入れる。またまた人間の負の側面をこれでもかと突き付ける桐野夏生全開。

  • 上からの流れから、視点が真矢に変わる。

    上に比べれば、少しは真矢のキャラクターを知ることはできたけど、さらに謎が深まった気がしないでもない。
    そして上と同じなのはかなり冗長。
    けずれるエピソードもあったんじゃないかと思うほど。
    途中で何読んでんのか頭が混乱した。
    東一と唯腕村の行く末がどうなるのか見ものだったけど、うーん…うーん…最後は拍子抜け…。

    読めないことはないし、読んでればまぁサクサクと読んでいけるんだけど、一度何かのタイミングで読むのを中断すると、続きを読むのに間があっても特に気にならない。
    ということはそんなに面白くなかったということなんだなと。

  • うむう、やっぱ怖い。恐い。桐野夏生の小説は、なんでこう、こんなに怖いのだろうなあ、、、圧倒的です。原始的、というか、全てが剥き出し、というか、混沌の坩堝、というか、圧倒的なんですよね。なんの呵責も躊躇も容赦も無い、というか。とにかくまあ、怖い。

    桐野夏生の小説世界の中に、もし自分が登場人物として存在したのならば、即座にケチョンケチョンに扱われてボロ布のように捨てられて死んでるんちゃうか?という気がします。自分みたいなヌルい甘ちゃんは、この世界では、絶対に生きてかれねえよ、食われる立場だよ、って気がするのですよね。

    ただ、そんなおっとろしい世界が、圧倒的に魅力的でもあるんだよなあ、、、そこが、桐野夏生さんの、スッゲエなあ、、、って、尊敬しまくっちゃうところなのです。圧倒的に恐ろしく、それでいて堪らなく魅力的な小説を創り出す人。それが、自分にとっての、桐野夏生という人物の印象です。

    この小説、下巻で、スッゲエなあ!って思ったのは、一瞬で時間が飛ぶんですよね。
    第2部が始まって、いっきなり物語の主人公が、東一から真矢に変わったのにもビビったんですが、第一章「小さな灰色の蛇」から第二章「あたしは誰でもない」で、いっきなり10年経過するんですよ。月日が。いきなり。なんの説明もなく。面食らった。は?って思った。これまで、長いこと長いこと、上巻ほぼ全部と下巻途中まで、丁寧に丁寧に、唯腕村の現場の変化を、ゆっくりゆっくり書いてて、いきなり10年すっとばす。

    なんじゃそら、と。その10年間も、真矢には色んな色んな人生の激動があっただろうに、容赦なく10年すっとばす。スゲえ。桐野さん、思い切り良すぎでしょ。何年も何年もかけて、丹精込めて育てた盆栽を、いっきなり半分切り落とす、くらいなイメージ?を、抱いちゃいました。桐野夏生、恐るべし。なんだかもう、ホンマに凄いと思ったんです。

    で、まあ、なんだか得体の知れない色んな怖さは、最後まで解決されないことテンコ盛りのまま、この小説は終わるのですが、ドロドロのおっそろしさを抱えたまま、なんだかやけに爽やかな雰囲気で?終わるところも、やっぱ怖いなあ。桐野夏生という一人の、類い稀なる女傑の、圧倒的な創作意欲。それはもう、でえれえですね。おっかないです。圧倒的に。
    そして、魅力的なんだよなあ。いやはや凄い。

  •  上巻読後の予想が、悪い方に外れちゃった……(´ェ`)ン-…
     てっきり、トイチがヤクザの傀儡となり、その桎梏から逃れようとあがくが叶わず、イワン村崩壊……一方マヤもヤクザのもとでヤクづけにされ風俗・AV落ちし、あげくはマカオの売春宿に売られてそこで変わり果てた母と再会……っていったような地獄絵図を想像してたんだけど……(´ェ`)ン-…
     残念ながら(?)本作のヤクザはしごくあっさりしていて、借金返したらイワン村との関係はおしまい、夜の街で働くようになったマヤはけっこう自由で楽しそう……(´ェ`)ン-…
     そんな展開は期待してなかったんだけど……(´ェ`)ン-…

     上巻の末尾を見ると、本来別の短編を長編に融合させたみたいだけど、結局それが失敗だったみたい……(´ェ`)ン-…
     下巻、視点がマヤに切り替わってからおかしくなってくる(>_<)
     本当に知りたいイワン村の発展過程・人間関係の推移が伝聞でしか語られず、空っぽに近いマヤの都会生活ばかりが淡々と綴られる(>_<)
     最後の方も、トイチが理事長職から引きずり降ろされるところこそ読みたいのに、マヤの疑心暗鬼描写(誰も彼もスパイじゃないか?という)がほぼ無意味に語られるのみ……(´ェ`)ン-…
     ラストも取ってつけたみたいだしなあ……(>_<)

     全体として、つまるところ、サル山のボス争いみたいなもんで、誰がどんな理念を掲げてどんな実績を上げたって、妬み嫉み僻み歪みで反感を食らう閉塞社会の物語なんだよねえ……
     直情径行のトイチの俗物ぶり(二十代からああだもんな)は読み応えがあるけど、やはり肝心な(売られたマヤが帰郷するまでの)十年間ぶんの叙述欠落が痛い(>_<)
     終始トイチの視点に固定して、マヤはあくまでなに考えてるか分からない謎の美少女でよかったんじゃないかな?……(´ェ`)ン-…

     あと、上巻のレビューでトルストイやドストエフスキーと比してみたけど、彼らと決定的に違っているのは「宗教の不在」だろうなあ……(´ェ`)ン-…
     日本的無宗教はリアルと言えばリアルだけど、物語として芯が通ってない感じになっちゃった(>_<)
     べつにキリスト教でも仏教でも神道でなくてもかまわない、なんか土着の原始信仰(呪い・祟り・禁忌・伝承等々)みたいなものがあればもっと胸に迫る小説になったんじゃなかろうか?
     この「土地」が、人を引きつけ操り翻弄し、必要がなくなったら放り出す、とかいうような(キング「シャイニング」の「ホテル」みたいな感じでね)……(´ェ`)ン-…
     田舎ならどこが舞台でもいい話になっちゃってるのはどんなもんかなあ?……普遍性を得た代わりに、致命的に失ってしまったものもあると思う……(´ェ`)ン-…
     まあ、宗教の代わりにトーテムポールの「存立理念」があるのかもしれないけど、あれじゃあまりにも弱く、実際口先だけに終わってるわけだし……(´ェ`)ン-…
     どいつもこいつも自分可愛さの感情で動いてるだけだから、ロシア文学的な重量感、「運命の物語」が感じられない(>_<)
    (「土地」でなく「(イワン村創始者の)血」がトイチらの運命を操ってるのかもしれないけど……(´ェ`)ン-…
     西村寿行「血(ルジラ)の翳り」なんかと比べると、やっぱ弱いな(´ェ`)ン-…)


     さすがに手だれナッツの作品だから最後まで読ませはするけど、本作はダメだな(>_<)
     後半を全面的に書き直せば傑作になるかも知れないけど……(´ェ`)ン-…

     2017/11/13

  • もっと不幸になってほしかった

  • 唯腕村の新理事長に就いた東一の独裁政治に、村民の派閥闘争が起こる。村の再興は危険なビジネスを伴う虚業であり、底なし沼のような闇の中に希望の光は灯るのか。破滅か新天地か。衝撃の下巻。
    主義を貫くには独裁しかないが、従う人々をまとめるには根回しが必要だ。東一に決定的に欠けているのはその部分。でも挫けない不屈の闘志はカリスマ的要素。こんな厄介な人間は側にいたら、面倒で仕方ない。強烈な印象を残す人物だった。

  • 2016/5/2購入
    2021/3/22読了

  • トイチは…無理だ………

  • 2015.6/26〜30。かつて理想郷としてつくられた「唯腕村」。若い世代では唯一この村に留まっている東一。彼の欲深さや、自分勝手に正当化しつつも葛藤していたり、感情が人間臭くて良かった。腹は立つが。

  • 閉鎖された場所にいると、こうなるのかなー・・・、わかるような、わからんような。
    ただ、非常に興味深く、一気読みではありました。
    おススメもしないし、再読もしないだろうけどw

  • 理想郷を目指す、田舎の寒村「唯腕村」が舞台。そのモットーから想像するイメージとは裏腹の、ドロドロとした狭い人間関係や欲望、さらに村の高齢化や厳しい財政など現実的な問題がてんこ盛り。面白かった!

  • ★2.5。
    直近読んだこの作家の作品同様、設定に捉われ過ぎていて地に足が着いていない感じのストーリー。その結果、この作家の特徴でもある人間の業の描写も何となく入ってこない。
    うーむ、残念。好きな作家だったのだが、こうも続くと見直さざるを得ないか。

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著者プロフィール

1951年生まれ。1993年『顔に降りかかる雨』で江戸川乱歩賞、1998年『OUT』で日本推理作家協会賞、1999年『柔らかな頬』で直木賞、2003年『グロテスク』で泉鏡花文学賞、2004年『残虐記』で柴田錬三郎賞、2005年『魂萌え!』で婦人公論文芸賞、08年『東京島』で谷崎潤一郎賞、2009年『女神記』で紫式部文学賞、2010年『ナニカアル』で島清恋愛文学賞を受賞。

「2011年 『小説家の饒舌 12のトーク・セッション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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