世界を変えた10冊の本 (文春文庫)

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  • 文藝春秋
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レビュー : 153
  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167900366

作品紹介・あらすじ

本当に「知力」が身につく名著の読み方

『聖書』『資本論』から『アンネの日記』まで。池上さんが世界史を見渡し、10冊を厳選。その内容と歴史的位置づけを徹底解説。

感想・レビュー・書評

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  • 実家の母が「読む?」と…
    池上彰氏の本はあんまり…と思いつつ
    どれどれどんな10冊かな?
    ガーン
    1冊も読んだことがないっ!
    これはいかん…と読むことに

    ※個人的備忘録のため、内容に偏り有り


    『アンネの日記』

    ○ユダヤ人であるが故、未来を絶たれた少女の日記
     13歳から15歳まで、隠れ家で綴られた

    ○アラブ諸国ではほとんと読まれていない
     イスラエルを建国したユダヤ人に対する反発からか

    ○オリジナルの日記の内容はかなり赤裸々
     同級生、母親に対する悪口から生理について、そして   恋、最後はユダヤ人としての誇りが力強く感じられる内容


    〜日本にいるとユダヤ人について、あまり知る機会がなく、情報としてのユダヤ人という知識しか得られない
    以前短い間カナダで生活した時はユダヤ人の多い地域があり、やはりコミュニティを以って生活しているようだった
    ユダヤ人を知るためにはユダヤ教と彼らの歴史を知る必要がある
    またこの本はユダヤ人の生の声を知る良い機会のはず
    早いうちに読みたい


    『聖書』

    ○旧約聖書:ヘブライ語 一部アラム語
     新約聖書:ギリシャ語
     イエスはギリシャ語は話せなかったが、キリスト教がギリシャ語圏に拡大していく過程でまとめられたため

    〈旧約聖書〉

    ○ユダヤ教徒は「神から選ばれし民族」

    ○ユダヤ教での安息日
     エレベーターのボタンを押すことも仕事になると考え自動で各階停止するエレベーターも

    ○アブラハムとの契約 カナンの地=イスラエル

    ○十戒(一部)
     ひづめが割れているもの、反芻するものは食べて良い
     牛、羊、山羊は良い
     豚、らくだ、イノシシは汚れたもの
     ヒレや鱗のないもの
     エビ、カニ、タコはダメ


    〈新約聖書〉

    ○いくつかの福音書がある

    ○イエスの母マリアはヨセフと婚約していたが結婚前に
     マリアが懐妊

    ○ローマ帝国の国教となる

    ○十字軍遠征から
     キリスト教対イスラム教という対立構造を生み出した


    〜さすがにきちんと読む機会はないだろうが…
    ユダヤ教、キリスト教によってもたらされた影響は本当に計り知れない
    宗教は政治にも利用される
    各宗教と国民性は切り離せない
    世界史や文化の根底にある
    しかし食べ物に関してはどういった理由からそうなったのか…不思議である


    『コーラン』

    ○ユダヤ教、キリスト教、イスラム教
     全て一神教
     世界を創造した唯一絶対の神を信じる
     つまり全て同じ神様

    ○神が、預言者ムハンマドに語りかけた言葉をそのまま記した最後の神の言葉

    ○世界の終わりがきたら地中で眠っていた死者たちは起こされて神の前に引き出され、一人一人が裁きを受ける
    死んだらすぐに天国や地獄には行かない

    ○ジハード(聖戦)
     アッラーのために戦って死んだ人はすぐに天国へ行ける
     天国への特急券が得られる

    ○イスラム教徒が守るべき五行
    ①信仰告白…自分がイスラム教であることを宣言する
    ②礼拝…1日5回メッカの方向へ
    ③喜捨…生活に困っている人にお恵みをしなさい
     自分の収入の2〜2.5%程度
     現世で財産の一部を差し出すと、来世で受け取る報酬が増えるという考え方
    ④断食…年に1回、1ヶ月 日の出から日の入りまで、飲食不可
     病気や旅行中の者はその時はしなくて良い
    ⑤メッカ巡礼…年に一度 メッカのカーバ神殿へ行くのが望ましい
     全員が白い布で体を覆い、貧富の差、肌の色に関係なく、全員が神の前に平等であることを実感し、連帯感を強める

    ○スンニ派とシーア派
     信者同士の対立は本来ないが、政治や民族の違いが入ることで対立が生まれる
     例)
     スンニ派のフセイン大統領がスンニ派を優遇し、シーア派を抑圧

    ○イスラム原理主義とは
     ムハンマドが生きていた理想の社会に戻ろう
     イスラムの教えによって社会を復興させよう


    〜イスラム復興のためなら暴力も許される
    欧米文化と戦うことはジハードだ
    こういった過激思想があるため、イスラム教に対して偏見を持ってしまう人が多いのも事実
    マスコミ以外からの情報を大事にしたいものだ


    『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』
    マックス・ウェーバー

    ○厳しい禁欲を守っていたプロテスタントのそが、職業倫理を守ることで資本主義で成功していった道筋を分析

    ○経済的に成功している人々がプロテスタントに多い

    ○カトリック→人は善行を積み、良いキリスト者として生きていくことで天国へ行ける
     プロテスタント→現世で善行を積んでもそれで天国へ行ける保証はない

     職業=天職
     神から与えられた義務
     これを全うすることが神の命にかなうことになる
     仕事に全力を尽くせば来世で救われる
     さらにお金が貯まっても神の栄光を示すために時間を浪費せず、禁欲的な生活を続けて働き続ける
     働き続け消費せず、資本を再投下する
     この仕組みから資本主義が確立される
     プロテスタントがアメリカに渡ると、職業の義務だけが残り、宗教的背景が消滅
     強欲資本主義へ展開する


    〜資本主義の意外な誕生を知ってしまった
    では日本は?
    日本人の精神論…
    不平不満を言わず、怠惰な生活を慎み、無駄遣いはしない
    そんなところから日本の資本主義は発展したのでは?


    『資本論』
    カール・マルクス

    ○マルクスはプロセインのユダヤ人

    ○資本の奴隷となった資本家は、利益を上げるために無秩序な競争へと突入して恐慌を引き起こす
    貧富の格差が拡大し、困窮した労働者は団結して革命を起こし資本主義を転覆させる

    ○資本家が利益追求することで労働者は搾取される

    ○マルクスの影響を受けたロシア、中国の社会主義革命は失敗

    ○余談の部分で
    正社員の給料は人件費
    派遣社員に支払われるお金は物件費


    〜資本主義の欠陥について…現社会のブラック企業、非正規雇用の問題など…考えさせられることが多かった
    単純な問題ではないからなぁ


    『イスラーム原理主義の「道しるべ」』
    サイイド・クトゥブ

    ○オサマ・ビンラディンの思想を形成したとされる書

    ○ムスリム同胞団として逮捕され、獄中で執筆された書

    ○イスラム世界の腐敗した体制を打倒しイスラムの原初に戻ることを理想とし主張

    ○主権は国民にあるのではなく神にのみある

    ○つまりイスラム以外は問題外、イスラムでも人間に主権があるものを全て否定

    ○ジハードは防衛だけに限らない
     世界をイスラムで統一するまで、世界の終わりが来るまでジハードは続く


    〜恐ろしく極端で偏狭で過激な思想である
    ただこの思想が今なお受け継がれ支持されているという事実
    日本にいるとどうしても肌で感じるのが難しいのだが、決して遠い国の出来事ではない
    身近な問題なのだと切実に思う


    『沈黙の春』
    レイチェル・カーソン

    ○アメリカ ペンシルベニア州の生物科学者の書

    ○農薬によって自然界は汚染され、やがて野生の生き物は死に絶え、春になっても生き物の声は聞こえない「春の沈黙」がやってくるかもしれない

    ○一見人間に無害ように思われた農薬
     皮膚吸収されなくても体内に入ると肝臓障害を起こすもの
     単独使用でさほど悪影響がなくても、自然界で他の農薬と一緒になり相互作用により極めて有害になるもの
     害虫たちの抵抗力が生まれ、さらに強力な農薬の開発がおこなわれる

    ○具体的な代替策も提案

    〜地球は人間のものではない
    自然の征服など思い上がってはいけない
    人間が地球というピラミッドの頂点に君臨していると勘違いしてもいけない
    環境問題は難しい
    果たして一個人にできることはなんだろう
    知識を増やしながら上手にケミカルと付き合い、地球の一員として自覚を持つことであろうか


    『種の起源』
    チャールズ・ダーウィン

    ○キリスト教徒からは批判を浴びるものの、多くの学者らに支持され、ウェストミンスター寺院に埋蔵される

    ○今となっては当たり前の生存競争や自然淘汰だが当時は素晴らしい発見

    ○社会においても同様だと資本主義に歓迎される
     しかし勝手に社会に当てはめられ、優生学や差別、社会福祉の否定といった影響も

    〜アメリカのキリスト教徒の反進化論には正直驚く
    創造博物館もTVで見たが、全く理解できず
    やはり宗教の力は良くも悪くも絶大である
    理解できなくてもこれもまた真実の姿なのだ


    『雇用、利子および貨幣の一般理論』
    ジョン・M・ケインズ

    ○不景気の時に積極的に財政支出を進め未然に恐慌の発生を防ぐ
    (公共事業などで支出を増やし経済を活性化させる、国債を発行しでも政府の支出を増やし経済の活性化を優先させる)

    ○市場操作による利下げ→株式市場への投資
    を増やす


    『資本主義と自由』
    ミルトン・フリードマン

    ○とにかく自由至上主義

    ○為替変動相場を提唱

    ○所得税最高税率の引き下げ

    ○FRB市場介入させず、通貨供給量のみを緩やかに増加させる

    ○極端だけど興味深い
    『こんなものいらないリスト」
    輸入関税、輸出制限、最低賃金制度、テレビの規制、社会保障制度、免許制度、公営住宅、国立公園、公営の有料道路、累進課税

    〜大胆で非常に興味深い
    根拠も池上氏が解決しており、納得するものもいくつかある
    これを全うできる勇気ある人はいるのか?
    失敗したときのリスクは結構怖いが…

    またケインズとフリードマンを比較しても面白い

    ケインズはイギリスケンブリッジ生まれ
    父親は有名な経済学者、母親はケンブリッジ市長、インテリ家庭で育つ

    フリードマンはニューヨーク生まれだが、ハンガリーからのユダヤ人移民
    そしてユダヤ教の教えは合理的でないとし、ユダヤ教徒ではなくなる

    ケインズ→財政支出による景気回復
    フリードマン→通貨量のコントロール

    ケインズ→財政政策が重要
    フリードマン→金融政策が重要

    ケインズは人々の知性即ち政治家が知性に基づいて行動するという認識

    フリードマンは 政府を信じず、民間と個人の力に最大の価値を見出す




    いやぁ、なかなか面白かった
    そして総じて多くのことを考える良い機会になった
    これらを読むと日本人は緩く生きすぎてやしないかと不安になる
    陸の孤島は楽園から地獄へ変換されるのではという危機感も覚える
    多様性を知り、受け入れていかなければならない時代なのだ
    自分たちだけが守られてぬくぬくできるのも時間の問題なのか…

  • 『聖書』『コーラン』『種の起源』『資本論』といった定番中の定番から、『イスラム原理主義の「道しるべ」』という(少なくとも私にとっては)聞いたことのない書物まで計10冊、池上先生が簡潔ながらも分かりやすい解説を付して紹介している。特に『道しるべ』については全く予備知識がなかっただけに、大いに勉強になった。

    奇しくも先日、ここで取り上げられている『アンネの日記』が破られる事件があったが、その際、イスラエル大使館がなぜ『アンネの日記』を大量に寄贈したのか、本書を読めばその理由がよく分かるだろう。個人的な悲劇は何かと政治的なプロパガンダに利用されやすいのだ。また、同じく本書で紹介されているケインズの財政政策とフリードマンの金融政策を知ることは、アベノミクスを理解する上でも参考となると思う。

    池上先生のレクチャーにはいつも感心しているけれども、その土台には、おそらく若い頃に読んだであろう膨大な量の古典の蓄積があったのだなぁ、と改めて感心させられた。世にはびこる自称コメンテーターとはやはり年季が違う。

    書名は「世界を変えた」と過去形になっているが、ここに挙げられた10冊は、それぞれがそれぞれの形で今なお世界を変え続け、現在の世界を形作っている。その意味でこれは「世界を知るための10冊の本」でもあるのだ。

  • 祝文庫化!

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    「本当に「知力」が身につく名著の読み方
    『聖書』『資本論』から『アンネの日記』まで。池上さんが世界史を見渡し、10冊を厳選。その内容と歴史的位置づけを徹底解説。

    担当編集者より
    『聖書』『種の起源』『資本論』から、『アンネの日記』や話題の“プロ倫”まで。それまでの常識を180度ひっくり返し、今につながる歴史を作った世界の重要書物10冊を、池上さんが鮮やかに解説します。もととなったのは、女性誌「CREA」の昨年12月号から10回にわたる連載。「書物から得る教養は、未来を切り開く力となる」というメッセージは、3.11以降なおいっそう色濃くなり、読むと心に強靭な柱が生まれるような本となっています。(RU)」

  • 1.『アンネの日記』 アンネ・フランク
    イスラエルを支持するような政治目的で利用されている面が否めない。一方で、イスラエル政府によって分離壁で包囲されているパレスチナに住む人たちの中にも、苦しく不安な毎日を送っている少女がいるかも知れないことを忘れてはならない。
    2.『聖書』
    (旧約)聖書は主にヘブライ語で書かれたユダヤ教徒・キリスト教徒の聖典(紀元前5~4世紀頃)。新約聖書はギリシャ語(当時はヘレニズムの世界。ローマ帝国の多くの地域においてはラテン語よりもギリシャ語が lingua franca)で書かれたキリスト教独自の聖典。なお『42行聖書』はラテン語訳。
    旧約聖書の「レビ記」には食べ物の規定がある。
    ×食べてはいけない:らくだ、猪、豚、エビ、カニ、タコ、ひれ・鱗がない魚類
    ○食べてもよい:牛、羊、ヤギ、ひれ・鱗がある魚類
    キリスト教では、神による救いは律法を守る事ではなく信仰によるものであるとしたため、上記規定(律法)を禁止した。しかし、日本の商業捕鯨に反対する人(キリスト教徒も)は、上記規定の教えが根強く残っているのかも知れない。
    3.『コーラン』 
    「汝に戦いを挑むものがあれば、アッラーの道において堂々とこれを迎え撃つがよい。だが、こちらから不義をし掛けてはならぬぞ。アッラーは不義なす者などをお好きにならぬ」。イスラーム原理主義過激派がテロ行為を、欧米文化と戦う「ジハード」と位置づけるのは独善的すぎると思っていたが、それは『コーラン』ではなく、『道しるべ』の影響と納得。
    4.『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』 マックス・ウェーバー
    経済危機が深刻なのは、非プロテスタントの国々(カトリック、ギリシャ正教会)が多い。人間(男性)が働かなければならないのは、「原罪」を犯した結果であり、「苦役」としての性格を持つという思想が受け継がれているから。一方プロテスタントの国は、「Calling(天職)」は、神から与えられた使命であり、労働に対する意欲があることが、その人間が救済を約束されている証になるという。資本主義は、プロテスタントの倫理によって生まれたという。ところで、日本人の勤労意欲はどこから来るのか?武士道か?ムラ社会か?
    5.『資本論』 カール・マルクス
    資本主義が抱える矛盾は、やがて労働者の抵抗を引き起こし、革命に発展するという。しかし、その後の経済はどうやって発展するのか。資本主義に代わる社会主義・共産主義とはいかなるものか。ロシアや中国などの例を見ても、結局資本主義に戻っているのだが。
    6.イスラーム原理主義の『道しるべ』 サイイド・クトゥプ
    「イスラームが全人類を導く役割を果たすためには、イスラーム共同体が原型の形で蘇えなければならない」。イスラム以外の社会はジャーヒリーヤ(無明社会)であり聖戦(ジハード)の対象となるという。人々の英知によって運営される民主主義を尊重せず、自分たちの解釈だけが正しいと考える人たち。どんな思想の世界にも存在する過激派特有の傾向だ。
    7.『沈黙の春』 レイチェル・カーソン
    消費者よりも生産者が重視される結果、現実になるかもしれない「沈黙の春」。経済活動優先の現在、レイチェル・カーソンの警告はますます重要になっている。
    8.『種の起源』 チャールズ・ダーウィン
    ガラパゴス諸島での生物がインスピレーションになって「進化論」は生まれた。かつて、キリスト教社会の根底を揺るがす論争となったが、1996年に当時のローマ法王ヨハネ・パウロ2世は事実上進化論を認めた。しかし現在でも「反進化論」はアメリカで根強く残っているそうである。「この世に生き残る生き物は、(略)変化に対応できる生き物だ」。
    9.『雇用、利子および貨幣の一般理論』 ジョン・ケインズ
    景気が悪くなったら、政府が公共事業などで支出を増やして経済を活性化させる。金利を下げて、企業の投資を活性化させる。フランクリン・ルーズベルト大統領によるニューディール政策の強力な後ろ盾に。しかし、インフレ傾向が続き、恒常的な財政赤字に悩まされるという副作用がある。
    10.『資本主義と自由』 ミルトン・フリードマン
    「政府の仕事は、個人の自由を国外の敵や同国民による侵害から守ることに限るべきだ」。自由市場は思想の自由を保障し差別は減っていく、という。1980年代以降の「新自由主義」に大きな影響を与えている強者の論理である。

  • 池上さんが考える世界に影響を与えた10冊の中に、宗教関連(というか聖書そのもの)が3冊も占めていることが興味深い。
    科学書も宗教と対立していたのにはビックリしました。
    日本に生まれてよかったです(笑)

  • 宗教、経済、人類創生、進化論など多岐に渡る世界にインパクトを与えた本の紹介。著者の解説を読むと、世界は宗教に大きな影響を受けていることがよくわかる。

  • 聞いたことはあるが読んだことがない本の紹介で新鮮であった。わかりやすく書いてもらってはいるが個人的には難しいものが多かった。

    ・アンネの日記:イスラエル存続の一因
    ・旧約聖書:ユダヤ教徒、新約聖書:キリスト教徒独自
    ・コーラン:イスラム教の教え
    ・プロ倫:禁欲に関するキリスト教の教え→資本主義
    ・資本論:資本主義の欠陥を知る
    ・・・

  • ちっぽけな一個人の考えなんて、世界どころか近くの人間にさえ大した影響を与えられないんじゃないかと諦めに似た思いを持っていた。だから、一個人(複数人もあるけど)がその思想を記した一冊の本が世界を大きく変えたという事実は衝撃だった。これは素晴らしいことでもあり、同時にとても恐ろしいことだとも思った。

  • 聖書の違いを理解できた。
    池上さんの解説はやはりわかりやすい。

    紹介していた本の中でも特に「アンネフランクの日記」は読みたくなりました。
    池上さんの指摘する箇所を意識しながら読むと面白そう!

  • ご存知 池上彰氏が選ぶ世界を変えた本。
    大きな影響を与えたものということでいうと、宗教や経済などがどうしても挙げられますが、もう少し広い分野で選ぶとなると、どういう本だったのか、というのは、興味があります。
    原典にあたるのが当然いいとは思いつつ、なかなか手が伸びないものも多いので、こういった概要をつかんで理解しつつ、将来的には原典に挑戦したいと思います。


    ①アンネ・フランク『アンネの日記』
    ・「弱いものは狙われます。けれども強いものは生き残り、けっして負けることはないのです!」
    ・中東問題の行方に大きな影響力を持っている
    ・イスラエルが今も存続し、中東に確固たる地歩を築いているのは、この本の存在があるから

    ②『聖書』
    ・「罪が赦されるように、多くの人のために流されるわたしの血、契約の血」
    ・世界史そして欧米文化を知る基礎

    ③『コーラン』
    ・「汝らに戦いを挑む者があれば、アッラーの道において堂々とこれを迎え撃つがよい。だがこちらから不義をし掛けてはならぬぞ。アッラーは不義なす者どもをお好きにならぬ」

    ④マックス・ウェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』
    ・「労働者は労働を神が望まれた生活の目的と考えて、熱心に働くのだった」
    ・宗教と経済の意外な関係を分析
    ・厳しい禁欲を守っていたプロテスタントこそが、職業倫理を守ることで、資本主義経済で成功していった道筋を分析
    ・資本主義の精神「正当な利潤を組織的かつ合理的に、職業として追い求めようとする心構え」→資本主義的な企業を推進する原動力

    ⑤カール・マルクス『資本論』
    ・「資本制的私的所有の終わりを告げる鐘が鳴る。収奪者たちの私有財産が剥奪される」

    ⑥サイイド・クトゥプ『イスラーム原理主義の「道しるべ」』
    ・「イスラームが全人類を導く役割を果たすためには、イスラーム共同体が原初の形でよみがえらなければならない」
    ・オサマ・ビンラディンの教本

    ⑦レイチェル・カーソン『沈黙の春』
    ・「私たちはだまされているのだ。その行きつく先は、禍いであり破滅だ。」
    ・世界が環境問題に取り組むきっかけ

    ⑧チャールズ・ダーウィン『種の起源』
    ・「われわれの知識は浅いのに、思い込みだけははなはだしい」
    ・キリスト教社会の根底を揺るがした

    ⑨ジョン・M・ケインズ『雇用、利子および貨幣の一般理論』
    ・「われわれが生活している経済社会の際立った欠陥は、それが完全雇用を与えることができないこと、そして富と所得の分配が不公平なこと」
    ・経済不況を救う処方箋となった

    ⑩ミルトン・フリードマン『資本主義と自由』
    ・「政府の仕事は、個人の自由を国外の敵や同国民による侵害から守ることに限るべきだ」
    ・リバタリアン(自由至上主義)
    ・小さな政府と個人の自由を重視


    <目次>
    第1章 アンネの日記
    第2章 聖書
    第3章 コーラン
    第4章 プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
    第5章 資本論
    第6章 イスラーム原理主義の「道しるべ」
    第7章 沈黙の春
    第8章 種の起源
    第9章 雇用、利子および貨幣の一般理論
    第10章 資本主義と自由

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著者プロフィール

池上 彰(いけがみ あきら)
1950年、長野県生まれのジャーナリスト。東京工業大学特命教授、京都造形芸術大学客員教授、名城大学教授、信州大学・愛知学院大学特任教授、特定非営利活動法人日本ニュース時事能力検定協会理事を兼任する。
慶應義塾大学経済学部卒業後、1973年から2005年までNHKで記者として勤める。以降、フリーランスのジャーナリストとして活動。ニュース番組で人気になった。2012年から2016年までは東京工業大学リベラルアーツセンター専任教授を勤め、定年退職後も学生教育に関わっている。

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