随筆集 柚子は九年で (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2014年3月7日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784167900564

作品紹介・あらすじ

私は歴史の敗者を描きたい。その存在に意味はなかったのかと

「蜩ノ記」で第146回直木賞を受賞した、現在最も支持されている歴史時代小説家の初エッセイ集。透徹した視点で過去現在を語る。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

歴史の敗者に寄り添い、その存在に意味を見出す視点が魅力的なエッセイ集です。著者の生涯や思考が垣間見える内容で、特に若き日の出会いや誠実な自己研鑽が強調されています。ページ数が少なく、気軽に読み進められ...

感想・レビュー・書評

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  • 若い頃の上野秀信さんとの出会いを大切に、誠実に自らを磨き上げた筆者の生涯が垣間見える随筆集。

  • 葉室さん好きくらいしか手を出さないだろう、葉室さんの随筆集。
    これまでに読んだ作品の登場人物たちが、どういう思いで葉室さんに捉えられ描かれたのかなど
    それぞれの人物へのアツい思いがわかったり、直木賞受賞の日の行動などなかなか知らないことが多く興味深く読みました!
    桃栗3年柿8年、柚子は9年で花になる。
    大器晩成の作者らしい言葉だと思いました。今後も作品を楽しみにしたいと思います。

  • そんなに頁数がないので、すぐに読み切りました。
    葉室さんが亡くなった事を知ったのは、本屋さんでの追悼特集を見かけた時で、とても残念だった事を思い出しました。

  •   大河ドラマ「龍馬伝」では薩長同盟は龍馬の功績のように書かれているが葉室は龍馬一個人で果たせるものではないとしてます。
     郷里の武将 立花宗茂を描いた「無双の花」について。若いときは豊臣秀吉に讃えられていたのが関ヶ原で西軍につき領地家禄も失い浪人になったのが、のち徳川に仕官がかない大名に返り咲いたことをだいざいにしている。葉室は勝者より敗者などに寄り添う視線が読者を惹き付けるのだろう。
     直木賞を受賞してからのこころの構えを書いてますが、まだまだ伝えたいことがあったと思うと急逝して残念でならない。

  • 五十でデビューした著者ならではの
    人生観が中年に沁みる。

    藤沢周平や山本周五郎も
    読み返したくなった。

  • 葉室麟の随想集。
    日経新聞のリレーコラムは読んでいる時も思ったが、小説の清廉なイメージより、少し柔らかい文体でエッセイを書くんやなぁと、この本を読んでも改めて思った。

    葉室さん自身も行っているので失礼を承知で書くが、彼の魅力は遅咲きの花であるところ。小説家一筋何十年って人の作品もいいものだが、葉室作品は小説家になる前の経験なり思索なりが積み重なって磨かれたものなんだと、この随想集を読んで分かった気がする。

    年齢だけは半世紀を経ようとしている俺、折り返しを過ぎてしまって、残りの人生はこれまでより短いものになるはずだが、その場で出来ることを着実やっていく、そういう生き方を指南されたような気がした。

    そうそう、藤沢周平、北重人作品もフォローしておこう。

  • 随筆だけで読むのではなく、葉室先生の作品を知ったうえで、読んでほしい一冊。
    巻末の『夏芝居』、何となく予想はしていたのに、市助に「やられた…」とうなだれずにはいられなかった。

  • 山本周五郎は、時代小説の手本。
    その弟子の早乙女貢の世話で、文学者の団体に入った。
    好きな作家は、司馬遼太郎、藤沢周平、石川淳、、田辺聖子。
    ところどころが読書の手引きに。

  • 直木賞受賞以前から注目していた葉室麟の随筆集。
    作家としてのデビューが遅く、何度応募すれども賞に該当せず、「柚子は九年で花が咲く」の言葉に例え、10年目にやっと直木賞を受賞できたことを淡々と記している。
    著者の人柄がにじみ出るエッセイ集。
    巻末の短編小説も、著者の師事する藤沢周平の趣きがある佳作。

  • 葉室麟の始めての随筆集。
    その中の「柚子の花が咲くとき」の中で、
    「社会人になって原稿を書く仕事をする傍ら、たまに文學界や群像などの文芸誌が主催する新人賞に応募したこともあった・・・(略)・・・しかし五十歳になった時、『このままでいいのだろうか』とふと思い直した。若い頃に抱いた夢や思いを何ひとつ成し遂げることなく、いたずらに歳月は過ぎ去っていく。自分の残り時間を考えた。十年二十年あるだろうか。そう思った時から歴史時代小説を書き始めた。老いを前にした焦りかとも思ったが二度とあきらめたくはなかった。書き続けるうちに、懸命に過ごせば、移ろい過ぎる時は豊かさを増す事ができるとわかるようになった。時間は長くはなりはしないが豊穣にはなっていくのだ」
    少し長い引用だが、この中に作者の全てが詰め込まれているような気がした。

    それに引き換えわが身を振り返ってみれば・・・恥ずかしい限りです。

  • 【私は歴史の敗者を描きたい。その存在に意味はなかったのかと】「蜩ノ記」で第146回直木賞を受賞した、現在最も支持されている歴史時代小説家の初エッセイ集。透徹した視点で過去現在を語る。

  • 武士の立場を、藤沢周平と近い雰囲気で描いていると思っていたが、この本を読んでそれも納得できた。また、自分の時間の制約を意識することを考えさせられた。

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著者プロフィール

1951年、北九州市小倉生まれ。西南学院大学卒業後、地方紙記者などを経て、2005年、「乾山晩愁」で歴史文学賞を受賞しデビュー。07年『銀漢の賦』で松本清張賞を受賞し絶賛を浴びる。09年『いのちなりけり』と『秋月記』で、10年『花や散るらん』で、11年『恋しぐれ』で、それぞれ直木賞候補となり、12年『蜩ノ記』で直木賞を受賞。著書は他に『実朝の首』『橘花抄』『川あかり』『散り椿』『さわらびの譜』『風花帖』『峠しぐれ』『春雷』『蒼天見ゆ』『天翔ける』『青嵐の坂』など。2017年12月、惜しまれつつ逝去。

「2023年 『神剣 人斬り彦斎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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