こいわすれ (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2014年4月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784167900670

みんなの感想まとめ

人の親になることを決意した主人公が、親友と共に様々な謎や揉め事に立ち向かう物語です。人間の欲望や複雑な感情が描かれ、特に富突きに絡むエピソードが印象的です。暦にまつわる話もあり、物語に深みを与えていま...

感想・レビュー・書評

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  • とうとう人の親になることになった麻之助が親友とともに様々な謎と揉め事に立ち向かう。富突きに絡むお話が人間のどうにもならない欲を描いていて良かった。暦のお話も好き。最後に悲しい展開になるが、友が変わらず傍にいて背中を支える姿が心強い


  • うっかり先を知ったうえで読んでしまったけど、それにしてもお寿々が死んでしまったのは悲しい…江戸時代には本当によくあったことなんだろうけど。麻之助が普通を間違えてるのに気がつけていないことが一番悲しい。
    早く、麻之助がお寿々の思い出と一緒に幸せを感じられる展開になってほしいから続きを読まないと。

  • まだ未練タラッタラなのかよって思ってたらそんな展開かよ。ええーっ!ってなった。悲しいとか憤りとかじゃなくとにかくびっくりのええーっ!。
    なんだか文体がくどいと感じるようになってきてしまった、たぶん句読点が多いんだろうな

  •  現在、NHK木曜時代劇で放送中の、『まんまこと』シリーズの第3作である。しゃばけシリーズと違い、純然たる人情時代物であり、捕物帳的要素もある。最初に言っておきたい。一話完結ではあるが、『まんまこと』と『こいしり』は読んでおくべきである。

     主人公は、町名主の跡取り息子・麻之助。幼なじみの悪友・清十郎、堅物の吉五郎というおなじみのトリオが今回も健在。なお、町名主とは、奉行所では裁き切れない町内の揉め事を裁定するのが役目。麻之助がどう裁くかが、読みどころの一つ。

     「おさかなばなし」。主がいるという噂が立つ〝置いてけ堀〟に、清十郎が落っこちた。噂を探ってみると…悲しい裏側があった。魂が救われる日は来るか。「お江戸の一番」。一枚の番付が生んだ揉め事を、どうせならイベントにしてしまえという話。そもそもの対立理由というのが…。麻之助でなければ収まらなかっただろう。

     「御身の名は」。極めて現代的で、やっかいなテーマ。誰にでもある心理だけに、誰にでも降りかかるのが怖い。同情する面もないことはないが…。「おとこだて」。これまた現代的な問題である。お武家といえども、そんな簡単にはいかないとは、知らなかった。もう少しうまい手はなかったのかね。現代なら専門のカウンセラーもいるが。

     「鬼神のお告げ」。現代でいう宝くじを巡る、一騒動。麻之助も面倒に巻き込まれることに。本編のコミカルさの裏では、ある事態が進行していた…。こうなるのはちらっとは聞いていたけど、こうするしかなかったんですか畠中さん、と言いたくなる…。

     最後の表題作「こいわすれ」。ショックから立ち直れない麻之助を気に掛ける、清十郎と吉五郎。そんな麻之助に持ち込まれたゴタゴタ。何だかにぎやかで、いつものこのシリーズらしい。それだけに、最後のシーンが…。思い切り泣け、麻之助。

     この先、麻之助がどう生きていくのか、気になるではないか。既に続編『ときぐすり』が文庫化されているので、読まなければ。江戸時代だろうがネット時代だろうが、人の心は不変なのではないか。畠中作品は、過去と同時に今も描いているように思う。

  • 2015/1/23
    なんで殺したし。
    なんて意地悪な神様だ。
    なんか嫌な雰囲気がプンプンだったのでショックを和らげるために先に見たわ。
    怖すぎて。
    なんで殺すんやろう。もうそういうのはいいやん。
    そんな悲しいのは現実だけでいいよ。
    お由有がいるから?お由有が嫌いになりそう。
    へこんだ。

  • 日常ミステリー江戸版。
    主人公たちが庶民的な、ちょっとした『ご町内』の問題を解決していくシリーズ3作目。

    時代が違っても、お金に対する執着、親子関係、男女関係の悩みは変わらないものだったのかな、と思う。
    これが外国ものだったらちょっと違うかもしれないが、日本人の物の考え方、というのは確かに不変だと思うのだ。
    江戸時代が身近になる。

    …にしても切ない展開。
    主人公の恋の行方は、もしかしたらそっちへ向かうの???
    続編が待たれます。

  • 江戸の町名主代理の、お気楽モノ麻之助が、お上にもっていくには軽い・大家たちではさばききれない諍い・争いを華麗にさばく時代物小説。

    言ってみれば、やる気なし刑事、兼、情け深い名裁判官、といった役どころの麻之助が主人公の時代小説。

    ・・・
    六編の短篇・一話読み切りの作品を収録する形もこれまで同様。

    新婚の麻之助、子どもが産まれる前ですが、そんな中でも難問珍問が降ってわいたように集まり、今回も親友兼悪友の清十郎と吉五郎らと解決にあたります。

    飄々としたユーモアあふれるやり取りはこれまで通り。謎を鮮やかに読み切る直観力・推理力も変わりなし。

    ただし、本作では表題が暗に示す通り、麻之助は大きな精神的ダメージを負います。ダメ―ジを食らった後の麻之助の様子は最後の六篇目に詳しいのですが、悲しいのにへらへらしている人になってしまい、見ていて(読んでいて)辛いものがありますね。

    言わば、失ってはじめて、大切なものが分かった、ということですかね。これはもう歴史は繰り返すという位頭では理解できるのに、経験するまで分からない、後天的洞察ですね。

    ・・・
    ということで、久々に読んだ「こいしり」シリーズ第三弾でした。

    ここにきてドーンと暗い調子の結末になっています。第四弾以降シリーズがどうなるか気になるところです。

  • 前作で夫婦らしくなってきてたのに、今作でまさかこんな事になるとは…。本当に大切なものは失ってから気付くことはよくあるけど、子供も妻もなんて悲しすぎる。無理せずゆっくり立ち直って欲しい。救いなのは気心のしれた悪友たち。この関係性だけは崩れて欲しくないな。

  • 江戸時代の神田町の話。ほのぼのだが謎解きミステリーあり。町人達のもめ事を調停する主人公やその周りの人達が面白い。ちょっと前の最新刊を読んだら面白くてまたシリーズ最初から読み直した。あっという間に読み終わった。ページを捲るのが止まらない。

  • <目次> 

    <内容>
    麻之助の妻、お寿々が早産で死んでしまった…赤ちゃんも…。相変わらず、江戸のさまざまな謎を、清十郎、吉五郎と解いてゆく。

  • 1巻では、お互い結ばれることはないが心の中に忘れえぬ人がいる者同士、2巻で日常を重ねて少しずつ夫婦になり、今巻では、お互いが相手を大切に思い愛している。
    麻之助とお寿ずさんが心を寄せ合っていく様が、なんとも愛しく微笑ましくて、だからこそ、今巻にずっとまとわりついているなにか不吉な感じに心がざわついて、一気に読んでしまいました。
    結果、「鬼神のお告げ」で呆然として、「こいわすれ」の最後のシーンで、麻之助と一緒に泣きました。
    しみじみと切なさに浸り切り、読み終わった後しばらく虚脱してしまいました。

    個人的に、作中で起こる様々な「ままならなさ」
    によるほろ苦い読み味が、このシリーズの好きなところなのですが、今巻はもう本当に、切なくてもう。

  • 悲しいお話

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    江戸町名主の跡取り息子・麻之助が、幼なじみの色男・清十郎、堅物・吉五郎とともに、さまざまな謎や揉め事の解決に立ち向かう好評シリーズ第三弾!妻のお寿ずから懐妊を知らされ、驚きつつ大喜びする麻之助には、思いもよらぬ運命が待ち受けており―江戸情緒とともに、切ない幕切れが心にしみる一冊。

    令和4年4月6日~10日

  • まんまことシリーズ3作目の本作は、短編6編という構成でした。主人公の町名主代理の麻之助が幼馴染の清十郎と吉五郎とともに町で起こる騒動を解決する展開は、従来と変わらずですが、今回は、麻之助の妻のお寿ずが懐妊するところから始まり、最後には、驚きの切ない展開となっております。
    今後、麻之助は、どう立ち直っていくのか?が非常に気になり、早く次作を読みたくなりました。

  • こんな大事な巻を読んでなかったとは。先を読んでしまっているので麻乃助は妻お寿ずと生まれてくるはずだった子供も亡くしてももっと飄々とことに当たっているのかと思っていた。こんなにも苦しんでいたんだ。大丈夫と言い続けなくてもいい。気を緩め疲れたと声に出してみていい。友が、親が、周りにいた皆が、心配してくれていたことに気づいた。これで前に進めたということだったんだ。切なかったけど読んでよかった。いや、この巻は読まなきゃだめだった。

  • しっかり者で優しいお寿ずさんはお気楽なこの物語を引き締める役割を担っていたのに、麻之助の成長を引き立てるだけで終わって欲しくなかったです。

  • のほほん飄々としていたけど、本当に大事なものを失ってしまうと普通では居られないものです。
    しっかり受け止めて前を向いて生きていけるようになりたいです。

  • しゃばけ シリーズも面白かったが、「まんまこと」も、
    やんちゃな2人と堅物1人とのやり取りが、面白い。

    町名主の跡取り息子の麻之助。
    町内での色んな揉め事や心配事を裁定するのだが、幼馴染みの同じく、神田町名主の息子清十郎と謹厳実直の同心吉五郎。
    6話からなるのだが、、、しゃばけのように、スラスラと、読んで行くには、少し時代背景など考慮しながら、読み進んだが、恋女房のお寿ずが、、、懐妊していたのに、、、残念な結果であった。

    これから、麻之助は、しっかりと、生きて行くことが出来るだろうか?と、、、つい思ってしまいながら、読み終えた。

  • まんまことシリーズ3巻。なんとなく、危ない空気が漂ってはいたものの、まさかの展開。当時の出産は、今よりはるかにリスクの高いものだったとはいえ、なんとも悲しい結果となってしまい、ここまでやるとは思っていなかったので驚いた。友人や家族、周りの人の暖かさが沁みる。
    清十郎も仕事を頑張りつつあり、男ぶりが増している。吉五郎は相変わらずまっすぐで、男にモテまくっている。今後、おこ乃やお由有がどう絡んでくるのか、切ない期待を込めつつ。

  • 2018.7.14読了。おさかなばなしの怪異で河童と狸に並んで獺も書かれていた。獺が河童とされてる説もあるけれど、獺自体は狸のように化けたりする獣だったのだろうか?というか麻之助よ。やる事はやってたんだな。お寿ずは二十歳くらいになるのかな。吉原の狂歌に武家の書画。吉原の妖艶さは大好きだけどここは私の職業柄朱雀連を応援したくなった。それぞれの連の試みも面白い!ああでも花魁に会えるのはずるい!おとこだての辺りでお寿ずは麻之助の過去の気持ちを知った上でこの人を愛そうとしてたんだなぁ。良い女だ。登場時も魅力的ではあったけど柔和な魅力が随分増した。妊娠してるから尚更なのか。母は強しか。麻之助自身も土壇場で浮かぶ名前がお寿ずになるくらい「夫婦」になってきていたのに…なんてこった。いくらお江戸の頃はそういうのは珍しくなかったからといっても悲しいわ。こいわすれでは今で言うカレンダーが絡んできてカレンダーの商用的な扱いが今と変わりなくて驚いた。富くじは今で言う宝くじだし、本当に色々な物が江戸と同じというか変わってないんだなと思った。そしてマザコンはお江戸の頃にもいたか。まぁいるか。おこ乃ちゃんの「姉さんに似てるなら、私もいつか、幸せになると思います」の言葉は感慨深い。お寿ずは早逝だったがその人生は最後まで幸せなものだったと妄想なんかじゃなくお寿ずの側でちゃんと確信していたからこそでた言葉なのだろうと思う。おこ乃にとっては幸せに暮らし幸せに人生を終えた姉は死してなお羨ましい存在なのかもしれない。一巻から比べると表紙のお寿ずもどんどん柔らかな表現になってるんだよなぁ。切ない。

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著者プロフィール

高知県生まれ。名古屋造形芸術短期大学卒。2001年『しゃばけ』で第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し、小説家デビュー。「しゃばけ」シリーズは、新しい妖怪時代小説として読者の支持を受け、一大人気シリーズに。16年、同シリーズで第1回吉川英治文庫賞を受賞。他に『つくもがみ笑います』『かわたれどき』『てんげんつう』『わが殿』などがある。

「2023年 『あしたの華姫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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