私という名の変奏曲 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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レビュー : 15
  • Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167900755

作品紹介・あらすじ

十八歳の時に交通事故で顔に大怪我を負い、美容整形手術を受けて完璧な美貌を手に入れて世界的ファッションモデルにまでのし上がった美織レイ子が死んだ。整形後の人生の中でレイ子は七人の男女を憎んできたが、その七人もまた彼女を殺す動機を持っており、しかも全員が、「美織レイ子を殺したのは自分だ」と信じていた!? ミステリー史上でも出色のヒロインをめぐる目くるめく愛憎劇を描き切ったその超絶技巧は、帯にいただいた綾辻行人さんの言葉どおり、「まさに連城流、並ぶものなし」です。

感想・レビュー・書評

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  • レイ子に翻弄される人々を描いたミステリ。読者である私も翻弄され、真相に驚き、楽しめました。 かつて整形手術を受けさせられ、トップモデルに駆けあがっり、殺されたレイ子。そんな中で、彼女の元夫が自殺をし、遺書でレイ子を殺したと自白していたのです。しかしレイ子に関わっていた他の六人、それぞれにレイ子を殺した記憶があるのです。 七人の章に分かれ、それぞれのレイ子殺しのシーンが描かれます。繰り返される凄惨なシーンと疑問が膨れ上がる中で、レイ子の人間関係が浮かび上がり、真相の衝撃といった緩急が気持ちよい作品です。

  • 時間があれば。

  • 小さな小さな箱の中の、大きな大きなからくり、のような作品。

  • ドラマを観てなかなか良かったので読んでみる。
    7人が美織レイ子を殺したと言っている。でもそんなはずはなく、一人一人の告白によって真相が明らかになっていく。

    結局、結末は知ってるのでハラハラすることはなかったけど、レイ子が使ったトリックは文章だけだと分かりづらいのでドラマ観てて良かったと思った。コンセプトやら構成やらは面白いと思ったんだけど、なぜかなかなか読み進められず、てこづった。

  • ごく最近,天海祐希主演でドラマ化された作品。もともとは,なんと1984年の作品。連城三紀彦の作品は古びれないということか。
    世界的なファッションモデルとして活躍している美織レイ子を殺す動機を持っている7人の男女。この7人の男女は,全員が「美織レイ子を殺したのは自分だ」と信じている。
    連城三紀彦がこの作品を紹介したことばとして,解説に以下のように書かれている。
    「事件は,他殺と自殺が同時に起こっていて,加害者と被害者の二重奏ともいうべきものかもしれません。その重要な真相の一部が,最初から読者に提示されています。」,「この物語には,確かに女主人を死にいたらしめた犯人と言える人物が存在していますが,それが登場人物のうち誰なのか,作者自身がしらずにいます。従って,この作品には”犯人”の章がありません」,「二つのルールを破って,それでも,謎があり,解決があるミステリーを書くことが可能か。-それに挑んでみたかったのです。」
    この紹介文を見ただけで,読みたくなってしまう秀逸な紹介文でが,ここに書かれている内容は全て真実。実際に,美織レイ子に毒を飲ませた人物が7人のうち誰かは分からない。犯行シーンと美織レイ子が仕掛けた罠については最初から書かれている。それでも,もう一つの罠,共犯者である笠原信雄の存在が隠されているので,「18章 共犯者」の章で笠原信雄の存在と,美織レイ子の代わりに死体役を務めた「石上美子」の存在が隠されているので,「謎」と「驚愕の真相」が浮かび上がってくる。
    プロットが実に見事な作品であり,叙述トリックも非常に見事に使われているとても「よくできた作品」だと思う。よって,玄人筋,ミステリー作家の評価はとても高い。
    個人的な好みとしては,そこまで印象に残らなかったし,登場人物にもそれほど魅力を感じることができず,そこまで「驚愕な真相」とも思えなかった。連城三紀彦の作品は,どれも評価が高く,よくできた作品だと思うが,個人的には好みから少しずれている。この作品の個人的な評価は★3。連城三紀彦の作品は,もっと時間が経ち,もっと歳をとってから読めば,また,評価も変わるかもしれない。

  • なんとも奇妙で、読めば読むほどぐるぐるしてしまうミステリ。でも真相が分かってみると、謎はすっきり解けました。そして端麗で凄絶な雰囲気が印象的な一冊です。
    七人の人間がそれぞれ自分が犯人だと自覚しているにもかかわらず、殺されたのは一人、というなんとも不可思議な状況。そして七人に自分を殺すよう仕向けていた魔性の美女。分かってみるとこの「復讐」はあまりにも悲しく凄まじく。それでもとても魅力的だなあ。

  •  また凝った作りのミステリー。7人の容疑者がそれぞれ自分こそは殺人をおかしたと思いこんでいる。真犯人は1人なのだけれどそれが最後までわからないという趣向。だましだまされる虚々実々の関係とか、入れ替わりトリックとか、工夫が凝らされていてそれが話の進行とともに小出しにされて読者を引きつけてゆくところはさすがに手練の作者ならでは。ただ、7人もの相手それぞれの弱みを握って殺人に至るまで追い詰めるというところが結構無理しているし、殺人トリックもさすがに苦しいところだ。それよりもレイ子の回想シーン。東京の濁った海が地中海よりも南太平洋よりも美しく輝いていた。そんなささやかな幸せが運命の交通事故を境に急転するのが切ない。そこで元に戻るという選択はなかったのか。

  • 「私は7人の男女に7回殺される」という書店の紹介に惹かれ、目次を見た時に「誰か」というタイトルが並んでいることに惹かれ即決で買った本。
    読み進めて行くうちに登場人物達が巻き起こしていく事件の世界に夢中になれた。
    また、タイトルが「誰か」となっているためにすぐに名前は出てこず、これは一体7人のうちの誰なのか考え、読み進め、わかった時の驚きはとても爽快であった。
    だが…欲を言うなれば、トリックはわかったものの、全てが終わっていない。これまで完璧に奏でていた奏者がいきなり曲の途中でステージを降りたような虚しい驚愕が残ったまま。私はまさに、どよめきが残る会場に取り残された客の一人となってしまった。
    作者にはこの変奏曲の終幕をしっかりとおろして欲しかったと思う。

  • 【惜しまれて亡くなった著者、全盛期の代表作】世界的モデル美織レイ子の死。七人の容疑者全員が、レイ子を殺したのは自分だと信じていた!? 連城ミステリーの最高峰ここに復活。

  • トリックがすごいというわけではない。というより端からそこに重きを置いてなどいないのだろう。
    人物の描き方に感銘を受けた。はじめはいかにも人工的に造り上げられた登場人物の造型に戸惑いを感じたが、読み進めるうちにそれが狙いではないかとも思えた気がした。

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著者プロフィール

1948年愛知県生まれ。1978年『変調二人羽織』で第3回〈幻影城〉新人賞に入選。1981年「戻り川心中」で第34回日本推理作家協会賞、1984年『宵待草夜情』で第5回吉川英治文学新人賞、同年『恋文』で第91回直木賞、1996年『隠れ菊』で第9回柴田錬三郎賞を受賞。2013年10月19日に逝去。著書多数。日本の多くのミステリー作家に多大な影響を与え、他界後も多くの作品が再刊されている。2014年日本ミステリー文学大賞特別賞を受賞。

「2017年 『女王(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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