- Amazon.co.jp ・本 (396ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167901011
作品紹介・あらすじ
稀代の小説好き米澤穂信さん厳選、世界短編傑作集不思議な物語、いじわるな話、おそろしい結末、驚愕の真相。あの米澤穂信が世界の名作から厳選した最愛の短編小説が一堂に!
感想・レビュー・書評
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「破滅の種子」お勧め。不運を運ぶ指輪が宿命に突き動かされた人の手に次々と渡っていき、商人ジスカ氏のでっち上げた嘘が現実となる。
バイオリンの声の少女→海に住む少女
墓を愛した少年→不思議屋ダイヤモンドのレンズ詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ちょっとした空き時間に
スマホをいじっている人ならたくさんいるが、
本を読む人の姿は見かけなくなった。
もし、いたら。
もし、夢中になって読みふけっている人をみかけたら、
(何の本?)なのかが、気になってしょうがない私は
(お願い!カバーを外して~~)と念力を送り続けてしまうかも知れない。(笑
そんな他人の読む本すら気になってしまう読書好きさんの為に、著者が最初からカバーを外してくれた世界の超面白い短編小説集。
普段、海外モノは多くは読まないだけに
新鮮な面白さがあった。
もっと、深追いして食べたくなりそうな果実、
一口で充分な果実、
滋味に溢れた果実、
喉をなかなか通ってくれない果実。
色も形も初めての
いろいろフルーツ盛り合わせのごとき小説集。 -
米澤さんが世界中から集めた物語。普段、あまり外国の作品は読まないので、こういう機会に読めて良かった。不思議な話が多かったが、特に気持ちが高まると宙に浮く少女と影がない少年、鏡に映らない少年が出てくる「いっぷう変わった人々」が面白かったな。
様々な国の話が入っているので、その国らしい表現などもあり、読みながら世界旅行をしている気持ちになれた。 -
米澤穂信が書いたわけじゃないけど、面白いよー。
ってオススメしていただいた本。
これ、かなりすごいっす。
冒頭、フランスの小説家マルグリット・ユルスナールの描く『源氏物語』。
源氏の君と花散里のそれから、が書かれているのだけど……結末まで上手いし、昏いた源氏の君の情欲感にゾクっとする。
何気に一番好きになったのが「昔の借りを返す話」。
シュテファン・ツヴァイクと言えば『ジョゼフ・フーシェ』の人?とピンときたけど、疲れ切った貴婦人と、くたびれた老人の邂逅。
二人がそれぞれ在りし日の姿を取り戻していく、そんな元気のもらえる結末が好き。
ツヴァイク、読むと決めた(笑)
「石の葬式」も良かった。
パノス・カルネジスというギリシアの小説家。
申し訳ないけど、まったく知らない。
最初、何の話?と思ったけれど、奴隷扱いされている双子が逃亡し、父親に復讐を試みる。
ぐるぐると循環しながら、クライマックスでもう一度転覆させられるのが心地よい。
「東洋趣味」や「私はあなたと暮らしているけれど、あなたはそれを知らない」もねっとりまとわりつく感じが病みつきになる。
本当に世界にはこんなカラフルなお話があるんだな、と。
それを見出す米澤穂信にやっぱり感心させられる。 -
世界堂書店とある通り海外作家の短編がメインの一冊である。国や時代が違う作品を読む際にいつも思うことだが、理解するのに時間がかかる。だが決して面白くないわけでない。自分の意志では読まなかっただろうという作品を読めるのがこういった作品の一番良いところと再確認できた。
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色々な国の海外文学に触れられる1冊。
少し難しい話もありましたが、知らなかった海外の文化や習慣を知ることができて世界観が広がります。
それに、海外の作家が描く日本の物語が新鮮でした。
もっと海外文学を読んでみたくなります。
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すんなり読めるものもあれば、しっくりこないものも。全体的に後味の良くないショートショート集でした。
「源氏の君の最後の恋」「昔の借りを返す話が」が好き。 -
米澤穂信が世界各国の短編小説から選び抜いた短編を15編収録したアンソロジー。
海外小説といえば米英ミステリーやSFがほとんどの自分にとって、中国やオーストリア、ギリシャといった欧州の作品までが収録されているこの本は、選者である米澤さんの物語への愛を感じさせられました。
『源氏の君の最後の恋』は喪失と忘却、過ぎ去った過去、そして源氏の君をひたすらに愛し続ける花散里の想いの描写がとにかく美しかったです。
『シャングリラ』は中国作家の短編SFですが、独特の味わいやアイディアがあって面白かったです。
『昔の借りを返す話』は一人の女性が昔憧れていた舞台俳優にあることをしてあげる話。
少女時代の淡い回想、そしてほのかな温かさが作品から伝わってきました。
『十五人の殺人者たち』はタイトルから怖い話なのかと思いきや、読んでみると実は……という感じでした。この本の収録作品では個人的にかなりお気に入りの短編です。
『石の葬式』も印象的な短編。二人の双子の少女が自由を手に入れてからの描写がとてもよかったです。
全体的にとても質の高い短編が並んでいました。惜しむらくは、お気に入りの作家を見つけても、その作家の他の作品を探すのが難しそう、という事でしょうか(苦笑)