地下の鳩 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
3.19
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本棚登録 : 1107
レビュー : 109
  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167901158

作品紹介・あらすじ

大阪ミナミの夜に生きる人々の光と陰暗い目をしたキャバレーの客引きと、夜の街に流れついた素人臭いチーママ。情けなくも愛おしい二人の姿を描いた平成版「夫婦善哉」。

感想・レビュー・書評

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  • 夜の街で働く人々の物語。
    ホステス、客引きの男、おかまバーのママ。
    猥雑で欲に満ちた世界の中で、どうにか強く生きようとする人間の弱さと美しさ。

    自分自身、ホステスやママではないけれど一応夜に営業するお店をやっているから、そういう職業は人の嫌な面を見てしまう機会が多いことも実感していて、そうなるとどんどん警戒心や猜疑心は増す。
    人を見る目ばかり長けてしまうのはあまりいいことだとは言えない。
    道化る瞬間も普通よりは多いかもしれない。
    悩み苦しみながら向き合い、食べていくために自分を納得させようともがく。
    そういう空気がこの小説じゅうに流れていた。

    この本に出てくるおかまのミミィのこと、ずっと考えてる。彼女の洞察力にドキッとさせられること多々だった。
    女であることに甘えてる瞬間、私もけっこうあるのかもしれない。

    傷があるから強くなれるのか、傷のせいで弱いままになってしまうのか。
    その深さや残る痛みにもよるけれど、みんな何かを抱えながら、それでも人からは楽しげに見えるように生きている。
    夜の世界はもしかしたら、そういうのが顕著なのかもしれない。

    鋭い小説だった。

  • 人間には誰しも影の部分というか、影の経験があるものなんだと改めて思った。
    寧ろ、影がないと人間の趣きがなくなる。
    けれど、しなくてもいい経験をたくさんしている気もする。
    人生に無駄なことは何ひとつないというけれど
    それは間違いないのかな?と疑問を抱かせる作品だった。

  • えげつなさと人間くささと、複雑な、だけどなんか共感できる、深い感情の描写。やっぱこの人すごいなー。

  • 西加奈子やっぱり好き〜

  • 西加奈子の作品ではかなり異色の作品だと思う。「地下の鳩」、「タイムカプセル」大阪のスナック、オカマバーを描く繋がったストーリー。だが、どちらの作品も主人公の人間味が溢れていた。

  • 確かに異色作だった。そして女性である西さんが的確に男の性分を描いているのに驚いた。失うことを誰よりも恐れてるくせに悟られまいという見栄のため何も出来ず、失ってから未練に囚われる。情けないがダメな男の姿がとても共感できた。
    あらすじ(背表紙より)
    大阪最大の繁華街、ミナミのキャバレーで働く「吉田」は、素人臭さの残るスナックのチーママ「みさを」に出会い、惹かれていく(「地下の鳩」)。オカマバーを営む「ミミィ」はミナミの人々に慕われている。そのミミィがある夜、客に殴り掛かる(「タイムカプセル」)。賑やかな大阪を描いて人気の著者が、街の「夜の顔」に挑んだ異色作。

  • 面白かった
    特に後編が

  • うーん、「地下の鳩」はイメージしていたものとは違った…
    最初から最後まで、ムカムカ気持ち悪くて私には合わない(^^;)
    「タイムカプセル」の方がまだなんとなく馴染めて
    ミミィの方が好きだな…しかし胃の中に重い物が残る

  • 初読みの作家さんです。
    内容は嫌いではないのですが、終わり方がすっきりしませんでした。
    『えっ!終わりなの?』って言う感じでした。
    単に好みの問題かもしれません。

  • 14/08/28

    中だるみするなーと思いつつ表題を読み、ふたつめの「タイムカプセル」は表題の話の登場人物にスポットを当てた話で、があーっと読めました。
    「どないしたん?」てかわいいなあ。わたしも言いたい。笑

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著者プロフィール

西加奈子(にし かなこ)
1977年、イランのテヘラン生まれ。エジプトのカイロ、大阪府堺市で育つ。関西大学法学部卒業。雑誌「ぴあ」のライターを経て、2004年『あおい』でデビュー。
2007年『通天閣』で織田作之助賞大賞、2011年咲くやこの花賞、2013年『ふくわらい』で第1回河合隼雄物語賞、2015年『サラバ!』で第152回直木三十五賞を受賞。
その他代表作として、宮崎あおい・向井理出演で映画化された絵本『きいろいゾウ』、同じく映画化された『円卓』、20万部を超えるベストセラー『さくら』、本屋大賞ノミネート作『i』など。2020年初夏、『さくら』が映画化決定。プロレス好きとして知られる。お気に入りの本は『アントニオ猪木詩集』。

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