烏に単は似合わない  八咫烏シリーズ 1 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 2686
レビュー : 392
  • Amazon.co.jp ・本 (377ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167901189

作品紹介・あらすじ

史上最年少松本清張賞受賞作人間の代わりに八咫烏の一族が支配する世界「山内」ではじまった世継ぎの后選び。有力貴族の姫君四人の壮大なバトルの果て……。史上最年少の松本清張賞受賞作品。解説・東えりか

感想・レビュー・書評

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  • 期待していた話と違っていたのだけど、これは嬉しいことなのか、それとも期待外れになるのか…

    あせびという主人公は魅力に欠けるなぁと読んでいたけれど、なるほど。
    一方、構成上、仕方がないのかもしれないけれど浜木綿に思い入れできるようなシーンがもう少し欲しかったなぁ…

  • 若殿の妻になるべく集った4人の姫君の、後宮での争いの物語。

    物語の3分の2くらいまでは、主人公となるあせびに心を重ね、純真無垢な彼女が若宮に選ばれたらいいと思っていた。あせびの若君を想う、少女小説のような初な恋心に心をぐっと掴まれ、彼女を応援する気持ちになっていた。姫君同士の喧嘩はあるものの、気負わないあせびの様に毒気を抜かれたように宮中も穏やかになっていき、周りにいい影響を与えるあせびを中心とする物語展開に、気持ちも明るくなっていった。
    ところが人死が出、北殿の姫が壊れ始めた頃から、姫君達の憧れと競争心だけではない、隠されていた物語が姿を見せ始める。とどめは若君が登場し、あせびに入内の意志を訊いたところ。ここから様相ががらっと変わる。ただ無邪気に、知識はないながらも心は豊かな姫君だと思っていたあせびが、表と裏を入れ替えるように異なる様相を見せる。伏線の張り方が絶妙であり、意識せずに記憶にとどまっていた一言なり一人なりが、あとから伏線であると明かされ、鮮やかに裏もようを見せる。

    ファンタジーとしての世界観も、ミステリーとしての見せ方も、どちらも非常にレベルが高い。松本清張賞受賞も頷ける。
    異世界後宮ファンタジーであり、異文化体験であり、初恋の少女小説であり、女の友情物語であり、ミステリーであり、何より恋愛物語でもある。読み終えた今でも、物語に深く没頭したためかまだ気持ちが浮上し切れておらず、怖い。笑顔で、何も知らない顔をして、自身が幸せになるために、他の花を手折ることに全くためらいを持たない女。前半をその女に感情移入して過ごしてきたからこそ恐ろしい。身が震える。さても恐ろしい物語であるか。これからが非常に楽しみな作家さんです。

  • 良質の和製ファンタジーを読んでいるつもりが
    ラストで本格ミステリー気味の大どんでん返し
    で唖然という言葉でまとめられる。

    ラストは個人的には評価しがたい。

    というのは、唐突感がありすぎて
    ポカーン(゜д゜)という感じだし
    最後までファンタジーを読みたかった
    という思いがあるから。

    大富豪の革命ばりにすべてが
    ひっくり返りすぎて
    今までの話はなんだったのか
    という読後感だった。

  • たびたびブクログのレビューで見かけて気になっていた1冊です。

    舞台は八咫烏の一族が支配する世界。
    若宮の后候補として四家の名門貴族から遣わされた美しい姫君たちの1年を描いた、王宮で繰り広げられるきらびやかな和製ファンタジー。

    …かと思いきや、なのである。

    ある者は若君への恋心を胸に、ある者は家の期待を背に負って、またある者はうかがい知れない思惑を抱え。
    今上陛下の正室や大貴族の当主たちの権力争いも相まって、ストーリーはどんどん予測できない方向に転がり始めます。
    次々と変わる風向きや旗色に目を白黒させつつも、ページをめくる手が止まりません。
    そしてたたみかけるように真実が明らかになる第5章、夢中になりすぎて体温が上がったように思えたほど、のめりこんでいたのでした。

    この八咫烏シリーズ、続編があるのだそう。
    「また裏切られたい」という期待を胸に、そちらも読んでみたいと思います。

  • 「八咫烏」の一族が支配する世界、山内。
    朝廷で権力争いをする大貴族四家から遣わされた
    四人の后候補は「桜花宮」で
    それぞれの想いや家の命運を背負って
    后の座を競うが…

    ほとんどあらすじ等を知らずに読み始め
    王道少女漫画風ファンタジーだと
    思い込んでいたので
    実際読み始めてみたら后を選ぶ
    女性のドロドロした後宮での争いで
    あっ、こういう系のか…と少しがっかりしただけに
    最終的にファンタジーミステリー
    だったのでびっくりと同時に嬉しい誤算…!
    そうですよね、松本清張賞ですものね…!

    東家のあせび、南家の浜木綿、
    西家の真赭の薄、北家の白珠。
    それぞれ春夏秋冬の名がついた部屋を与えられ
    雅な世界かと思いきや…
    ビジュアルなども目に浮かびやすく
    大変に読みやすかったです。
    人が烏に変化できることを踏まえた上での
    殺人などファンタジー設定でのミステリーとして
    楽しめました。シリーズが続いているようなので
    今後、この舞台、世界観をどう活かしていくのか
    楽しみです。

  • 主人公に共感しながら読むと大きな裏切りに合う。
    それが面白いのだが、後味は、悪い。でも気になるので、次巻も買ってしまうだろうなと思う。
    一番好きなキャラだったのに、ますおのすすき の読みがなかなか覚えられなくて、自分の限界を感じた。

    • komoroさん
      9nanokaさんの限界だったらきっと僕は全くわからないと思う。
      読みたいけど変な意味で緊張しそうです。
      9nanokaさんの限界だったらきっと僕は全くわからないと思う。
      読みたいけど変な意味で緊張しそうです。
      2016/03/23
  • 八咫烏の世界ってところは興味深かった。でも。うーん。
    歳をとったのかなー。ちょっと前なら大好物だったけど。

    異世界ファンタジーと言っても宗家と四家、言ってみれば大きな家中のお家騒動でしかない。宮中の話だというのにやりとりがあまりにフランクに感じる。

    以前、渡部淳一氏が「歳を取っても恋愛はしている、恋愛小説を書く以上実際に恋愛をしないとどうしても絵空事になってしまう」という趣旨の発言をしていたが、こういったファンタジーは設定そのものが絵空事であるだけに、細かいやり取りに作者の人生経験、あるいは徹底的な取材による重みが必要になるのではないか。この作者は若い女性で相当の読書量だと伝え聞くが、脳内操作のみで書かれているような感じを受ける。

    ミスリードのオンパレードで、はじめは春殿のあせびの視点で物語が進むのだが、後半に体が入れ替わるように若宮の視点になる。そのときにあせびの評価が変わるのだが、この変わり方がさっきまで仲良くしていたお友だちが豹変して悪口を言うみたいで、聞かされる方はあまりいい気持ちではない。こうなっては読書の喜びは半減である。

    松本清張賞を受賞したとのことだが、元々ライトノベルとして出版されている。松本清張賞を受賞と思うから辛口になるのかもしれません。ライトノベルとして軽く楽しむなら、そこそこ楽しめるでしょう。

  • ミスリードされるように構成されている作品。
    一度読み終わってから、再度冒頭のあせびと父の会話を読み返すと、なんか怖い(笑)
    個人的にはあまり好きな騙され方ではない。
    主人公だと思って好意的に読み進めていった末の裏切られた感が気持ちよくない。
    人物や世界観は好き。

  • すごくおもしろかった!
    解説でもあったけど、本当に最初はあらすじ読んでよくある宮廷内の切ない恋愛とか陰謀渦巻く愛憎劇の物語なのかなーって思っていたら不意にん?って展開になってあとは一気に最後まで読みきってしまいました
    いい意味で裏切られた。そして私にとってそれがとても気持ちのいい裏切られ方でした
    ただ今作の衝撃がすごすぎて続編読むかはちょっと保留にしておきたいかも

    ※以下ネタバレ注意※



    クライマックスでこの物語の主人公はそれまでほとんど姿を見せることもなかった若宮だとわかるんだけど、同時に主人公然としていたあせびに抱いていた疑惑が溶けた気がしました
    純真無垢で世間知らずの箱入り娘、容姿も美しくて他の后候補のような野心や嫉妬心を持ち合わせないあせびは一見少女漫画の王道主人公のようなんだけどそれにしては実態が掴めないというかどうも感情移入しにくかった
    この感じ、ある程度の年齢いった女性はわかるんじゃないかなー
    それとも私が疑ぐり深いだけなのか?(笑)

  • 2017年2月19日(日)香川県高松市にて「烏に単は似合わない」を課題図書とした読書会を開催します。お近くの方で都合のあう方は是非。
    【申込方法】
    下記リンクより、「読書会フレンドパーク」のブログへ飛び、メールフォームへの入力・運営からの返信をもって正式な受付とさせていただきます。その際に会場の場所をおって連絡いたします。

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