地層捜査 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 417
レビュー : 50
  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167901332

作品紹介・あらすじ

警察小説の巨匠の放つ新シリーズ、開幕!時効撤廃を受けて設立された「特命捜査対策室」。たった一人の捜査員・水戸部は退職刑事を相棒に未解決事件の深層へ切り込んでゆく。

感想・レビュー・書評

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  • 新宿荒木町の変遷と戦後花街の盛衰など、勉強になった(笑)。

    最後、主人公の選んだ選択はどちらだったのか?シリーズものらしいので、続巻でそれとなく示してくれると嬉しいかな。

    ★3つ、7ポイント半。
    2017.10.01.古。

    主人公の過去・・・・人間の屑のようなキャリア警官との経緯が気になるため、続巻も追うことになる予感。

    道警シリーズの新刊も、早く読みたいな。

  • 奇しくも、過去の事件を捜査する小説が続いてしまった。
    新宿荒木町で、15年前に起きた殺人事件。
    この迷宮入り事件を、時効が廃止されたことにより担当することになった若き刑事。
    退職刑事と相棒を組み、事件現場周辺を渉猟する。
    荒木町の詳細な叙述は、まるでガイドブックのようで、思わず区分地図の該当ページを取り出し見比べながら、読み進んだ。事件そのものよりも、かつての荒木町の雰囲気が印象に残る読後。

  • 街の歴史、時代の空気を味わいながら楽しめる警察小説。女性は大抵水商売、ヤクザがらみ、パソコン弱い感がわかる描写が、佐々木譲氏の小説に出てくると自分はいつもながらグッとくる。

  • 謹慎中だった刑事の水戸部に、殺人事件の時効廃止に伴い15年前の事件の再捜査が振り分けられた。
    相棒は当時の捜査本部にも参加していた退職刑事の加納が相談員として当てられた。
    当時は花街として芸者たちもいて賑やかだったというが、その中に埋もれていた事件と秘密。
    突き止めた真実は、長い年月の経過と共に意味を変えていた。

    2017.11.5

  • 法改正によって、これまでの事件に対する時効はすべてなくなった。
    上司の命令により15年前の未解決事件(荒木町老女殺人事件)の再捜査をすることになった水戸部。
    事件当時とは街の様相も変わり、関係者もみな一様に年を重ね、中にはすでに死亡している者もいる。
    タイトルの「地層捜査」とは、地層に埋もれた遺物を発掘して歴史を探っていくように、時間の経過とともに埋もれてしまった事件を掘り起こしひとつずつ洗い直していく・・・といった意味だろう。
    すでに引退し捜査協力員として再捜査に加わった加納がいい。
    古き時代の刑事像そのままのスタイルで捜査していく姿と、水戸部のいまふうの捜査の違いが面白かった。
    もしも本当に法改正が実施され、すべての時効がなくなったとしたら・・・。
    諸手を挙げて賛成する人たちと、反対する人たちに分かれることは目に見えている。
    加納が言うように、被害者側のひとつの区切りとして時効が果たしている役割はあるようにも思う。
    時間とともに薄れていく記憶、風化していく事件。
    変わらないのは関わった人たちの中に眠る様々な感情だけなのかもしれない。
    張り巡らされた伏線がひとつになり、思いがけない真実にたどり着いく。
    まったく違った視点からの捜査も、ときには必要なときもある。

  • 15年前の殺人事件の再捜査から、その原因となったさらに30年前の殺人事件に辿り着いた。
    そして15年前に疑われていた理由とは異なる事件の本質が見えてきた。
    四谷荒木町界隈の谷底に深く潜っていったような読後感。

  • 「代官山コールドケース」の前作。四谷荒木町そのものが主人公ともいえる作品。


    無能なキャリアに歯向かって謹慎となった若き刑事・水戸部は迷宮入り事件を担当する「特命捜査対策室」に配属された。15年前の四谷荒木町の殺しを再捜査せよ。専従捜査員は水戸部ただ一人。退職刑事を相棒に、水戸部は町の底に埋もれた秘密と嘘に肉薄してゆく。静かな余韻を響かせる警察小説シリーズ第一作。

    相棒の加納元刑事が魅力的。

  • 昭和50年代の荒木町の人間模様に起因した殺人事件の話です。
    当初は当時の時代背景から地上げ屋絡みの事件と絞り込まれていた。ただ、再捜査の結果、時代だけではなく、花街という特殊な地域背景が見出され、事件の解決に至る。
    時代による人の感情の変化。現代人と当時の人。
    なかなか、そういう観点で面白かったですね。

  • 無能なキャリアに歯向かって謹慎となった若き刑事・水戸部は迷宮入り事件を担当する「特命捜査対策室」に配属された。15年前の四谷荒木町の殺しを再捜査せよ。専従捜査員は水戸部ただ一人。退職刑事を相棒に、水戸部は町の底に埋もれた秘密と嘘に肉薄してゆく。

  • 地図に弱い私は最初冒頭の周辺地図を何度も見ながら読んでいたが、だんだんどうでもよくなり自分なりのイメージで読めた。さて、最終的にに水戸部はどういう結論を出したかなと気になるところです。第2作目も期待したい。

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著者プロフィール

一九五〇年三月、北海道生まれ。七九年「鉄騎兵、跳んだ」でオール讀物新人賞を受賞。九〇年『エトロフ発緊急電』で日本推理作家協会賞、山本周五郎賞、日本冒険小説協会大賞を受賞。二〇〇二年『武揚伝』で新田次郎文学賞を、一〇年『廃墟に乞う』で直木賞を受賞する。他に『ベルリン飛行指令』『疾駆する夢』『昭南島に蘭ありや』『警官の血』『代官山コールドケース』『獅子の城塞』『犬の掟』など著書多数。

「2017年 『武揚伝 決定版(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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