- Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167901394
作品紹介・あらすじ
文庫オリジナル、待望の動物園ミステリーシリーズ第3弾!ドラマ化もされた『戦力外捜査官』で人気急上昇中の似鳥鶏の書き下ろし、動物園ミステリー第3弾!楓ヶ丘動物園のアイドル飼育員・七森さんの友人が失踪。事件の鍵を握るのは、フワフワもこもこのアルパカ?ハムスター?それとも……飼育員仲間の桃くん、ツンデレ獣医の鴇先生、変態・服部君らおなじみの面々が大活躍。
感想・レビュー・書評
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動物園シリーズ第三弾。
今度はいきなりアルパカが道端に現れ保護する所から始まり、動物の芸能プロダクションに就職した七森さんの友人が失踪したりして、動物絡みの事件へと繋がる。
今回もキャラ達(人間も動物も)が個性的で面白かった。事件の真相がなかなか掴めない展開も読んでいて本当楽しい。しかし、この動物園…短期間に事件が起こりまくりで、実際にあったらいち早く閉園しそうな勢い(^_^;)
私は動物園・水族館・植物園などが大好きだけれど、今それらの集客が大変だろうとは思う。世の中には娯楽が溢れているし。子供の頃よく行った動物園も潰れてしまっていた。そんな中でも色々企画など工夫して働いている方々がいるんだよね。このシリーズを読んだ後で動物園等に行ったら、そんな従業員や飼育員さん達に目が行ってしまいそう…。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ワニ日和、ダチョウにつづく第三弾。ミステリのシリーズはこれぐらい無駄に事件が起きるのがよろしい。今回はとても深い闇。動物プロダクションの虐待がテーマになってます。とはいえ、暗くもなく、読了感も悪くない。前半にもちらりと言及される、捨てペットについても、非常に良いですな。今回は捨てアルパカからのスタート。ももさん、鴇先生、七森さん、服部くんの活躍が大変楽しい。服部くんが回を増すごとに魅力が倍増してきます。
>『どこかで保護されていた動物が最終的に動物園に引き取られる、というケースは時折あるが、それは密輸が摘発されて、押収されたとかいった特殊なケースだけで、そもそも飼える施設も費用も労力もないのに、動物園が何に感染しているか分からない捨てペットを引き取ったりはしない。だが、置いておけば引き取ってくれるだろうという浅はかな考えで動物園付近にペットを捨てていく最低の人間(注釈)が時折いるのだ。電話で「引き取ってくれないか」と言ってくる世間知らずもいる。動物園の動物は一個体ごとに厳格に管理されており、飛び入りなど受け入れる余地がないことぐらい分からんのかと思うが、分からん人間もいるのである。』
『(注釈)当たり前のことだが、動物を飼い始めたら動物が死ぬまで自分で飼わなければならないし、動物より先に死んでもならない。』 -
シリーズ3巻目は一番読み応えがあった。今までストレスを感じていなかった証拠だと園長が桃くんを褒めるところが秀逸。
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シリーズ3作目。今回も桃さんと愉快な仲間たちの活躍が楽しい。アルパカやカピバラ、ハムスターなど可愛い系の動物が登場して、仕草の描写が可愛くてなごんだ。
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次々いろんな事件がおこりますね。動物って人間に振り回されているんだなぁと思わずにはいられません。
鴇先生と桃くんも気になりつつ動物園のドタバタ続いてほしいです。 -
▶鷹待山ファミリーパークのカピバラと二人の男。▶所有者不明のアルパカを拾う。▶七森さんの大学時代の友人が失踪。▶なんらかの事件はあったのかなかったのか。
■楓ヶ丘動物園についての簡単なメモ(これまでに読んだ全巻分/★は主要語)
【アイ】ミニブタの雌、六歳。
【安達/あだち】大山動物園のダチョウ担当。
【あにまる通信】飼育員たちによる動物園ブログ。
【アルパカ】毛をトルステンとかすぐ臭い唾を吐くというくらいしか知りません。
【井坂/いさか】仁堂製薬株式会社早瀬川研究センターの守衛。鴇先生の顔見知り。
【イサミ】オオワシの雄、十八歳。ややフレンドリー。
【乾愛梨/いぬい・あいり】祖父江の部下のライター。声とノリがよい。
【ウァレフォル】謎の人物。元の意味はソロモン王が使役する七十二柱の悪魔の一柱。手持ちのド=プランシー『地獄の辞典』によると天使の姿ないしは、ライオンの顔にガチョウの脚、野兎の尾という姿で現れ人間に才気と大胆さを与えるとなっている「ヴァラファール」がこれになるか。他の説では人間に盗みをそそのかす悪魔というものもあった。
【宇川幹夫】ある人物の本名。
【馬刑事】名前不明。都筑とコンビを組んでいるようだ。二足歩行の馬を思わせるルックス。
【ウララ】シマウマの雌、六歳。
【江川】獣医兼レッサーパンダ担当。
【N作戦】「泣いた赤鬼作戦」の略。友人のためにあえて悪役をするという憧れのシチュエーション。服部くんがしたがっていた。
【遠藤】広報係。女性。プライベートでも広報係という厄介なお人。
【大久保】南署の若い刑事。
【オードリー】フタコブラクダ。もうじき出産。
【大平牧場】アルパカも多数飼育している。
【大山動物園】近隣の動物園らしい。桃くんたちが捕獲したダチョウを引き取ってくれた。
【落合】ペンギン担当。
【楓ヶ丘動物園】桃くんたちが勤める動物園。最近事件の舞台になることが多い特異点。
【感染症】珍しいペットを欲しがり多様化して輸入動物から感染症が広まることが増えている。ヒトの無責任さの一例。動物園でも危険回避のために種々の手段が取られている。野兎病、エボラ出血熱、カンガルー病など。ペットとは限らないが鳥インフルエンザなんかもありますね。
【キーパーズトーク】飼育員による担当動物のガイド。
【北村】「週刊文椿(しゅうかんぶんちゅん)」の女性記者。
【ギンジ】イヌワシの雄、二十二歳。警戒心が強い。
【グレゴリー】たぶんフタコブラクダ。雄。
【見城市動植物園】閑散としている。水鳥池は大きい。
【ケント君】鷹待山のカピバラ。手拍子すると後ろ足で立ってどじょうすくいを踊る。
【コータロー】グレービーシマウマの雄、八歳。
【ココ】ダチョウの雌、十六歳。おとなしい性格。
【コン】イリエワニ。一番小さく一メートル二十センチ。
【斎藤】ある夜、七森さんが見つけ、桃くんと鴇先生で保護した所有者不明のアルパカ。とりあえず楓ヶ丘動物園で保護することになりとりあえず斎藤さんという名前がつきとりあえず桃くんと本郷さんが担当することになった。
【佐世保修/させぼ・おさむ】三代目園長。長身で上品な白髪、知的なまなざしの紳士。アフリカゾウの飼育を二十年間担当した職人肌の飼育員だった。
【サトシ】イリエワニ。二番目に大きいがルディとそう変わらない。
【飼育員】二割は動物好き。三割は動物マニア。五割は動物バカ。現代の飼育員は明るさ、朗らかさ、トーク力、演技力が求められる。当然飼育の知識と能力や研究する能力も。厳しい・・・
【ジェシカ】アミメキリンの雌、九歳。
【ショコラ】モルモット。
【仁堂製薬株式会社早瀬川研究センター/じんどうせいやく】鴇先生が以前勤めていた研究所。
【鈴木良太】花里千恵の彼氏。と自称している。いつもへりくだって騒いでいる。桃くんにだけは態度がデカい。
【祖父江洋平】フリーライター。花里千恵がコンタクトをとっていたらしい。普段は銀縁メガネでクールな態度だが赤いフレームのメガネに変えると野次馬根性丸出しの記者モードになる。
【ソロモン】怪盗。イリエワニのルディを盗んだ。
【高橋】庶務。
【鷹待山ファミリーパーク】動物園もある遊園地。あまり盛況ではない。カピバラの飼育では実績がある。
【都筑/つづき】南署の刑事。カエルに似ている。
【ディオゲネス】服部君ちの犬。ボクサーとエアデール・テリアと何かが混じった雑種。《古代イヌ様生物、とでも表現すべき不思議な風情が漂っている。》アルパカp.185。桃くんと出会い興奮のあまり正体を失った。嗅覚にすぐれておりクマ以上という説も。
【テレビカメラ】《テレビカメラというのは、向けられる人にとっては銃口のようなものだった。》p.131
【動物園】犯罪現場には向かない現場。言うことを聞かない生き物がぞろぞろおり危険だしいろいろ制限もあるのでとても捜査しにくい。
【動物園不要論】根強く存在する考え方ではある。個人的にはぼくも「なくてもいい」とも思っているのですが、その教育的価値の高さは認めています。ただ教育的価値のために動物の自由を奪うのがゆるされるのかとか、でも実のとこ動物園で飼われている動物たちは野生よりもシアワセなのかもとか、まあいろいろ考えて結論は出にくいです。
【鴇佐恵子★/とき・さえこ】獣医兼猛禽館担当。髪をひっつめにしている。長身で姿勢がいい。思い切りと度胸もいい。この人に指示されると誰もがつい姿勢を正してしたがってしまう。格闘能力も高い。以前は仁堂製薬株式会社早瀬川研究センターに勤めていた。意外なことに桃くんのことが気になっているようでもある。
【時田】渉外係。
【トップ】鴇《トップだからあんななのよ》第二巻p.63
【トト】花里千恵の家でノノとともに死にかけていたハムスター。三色。とりあえず桃くんが世話をしている。
【七森さや★/ななもり・さや】ふれあい広場担当。園のアイドル。動物の名前にも「さん」をつけて呼ぶ。油断すると折り紙をしてる。もしかしたら桃くんに気があるようでもある。
【盗まれた動物】イリエワニ一頭ルディ。ミニブタ二頭アイとハナ。インドクジャクの雌一羽。
【ノノ】花里千恵の家でトトとともに死にかけていたハムスター。白茶。とりあえず桃くんが世話をしている。
【服部樹★/はっとり・いつき】爬虫類館東側担当。文学青年だったゆえか作中一番の変人。「あにまる通信」に載せる文章もときおり耽美に走り変態的なことがあるのでむしろ評判がよかったりする。自分が変態であることの誇りを抱いている。他人の困っている顔を見るのが好き。特に桃くんが困ったことになっているのを見るとうっとりするので困るようにしむけたり後をつけたりする。フェンシングの心得があるようだ。金持ちと思われる。生ハムサラダを注文して生ハムをどけて食べたり、温玉牛丼を注文して温玉をどけて食べたりするタイプ。《服部君の辞書にデリカシーという単語はない。》第一巻p.230。
【ハナ】ミニブタの雌、十一歳。
【花里千恵】七森さんの大学時代同じ動物行動学のゼミの友人だった。最近不審なことがなかったか聞いてきた後に行方不明に。今福動物プロダクション勤務。
【はにかみ屋】飼育係御用達の弁当屋。何を選んでも必ず異常に塩辛い謎の漬け物がついてきて皆が他の人に押しつけようとする。
【BL】ブリーディング・ローン。動物園同士での動物の貸し借り。
【菱川】リスザル担当。
【伏見】爬虫類館西側担当。
【ププル】オランウータンの雄、二歳。
【ふれあい広場】動物に触れるスペース。
【北斗】仁堂製薬株式会社早瀬川研究センター創薬安全性研究室勤務。鴇先生の知人。
【ボコ】ダチョウの雄、十七歳。なぜか人間の雌を見分けることができ好みの女性に求愛行動をとる。
【本郷健助/ほんごう・けんすけ】先輩。どこの動物園にも一人はいる熊ヒゲの飼育係。楓ヶ丘牧場担当。ランニング好き。
【マカロン君】モモイロペリカン。見城市動植物園で以前は飼育員と漫才していた人気者。
【マラソン】本郷いわく「ランニングの体力は別腹」(第二巻p.10)なんだとか。どんなに仕事で疲れていてもランニングのペースは落ちない。
【丸山】飼育係長。飼育員の中で最古参。アルマジロ等小型小動物担当。
【村田】広報係。以前は工場に勤めていた。
【メイ】アミメキリンの雌、三歳。人懐っこい。桃くんの顔を舐めたがる。
【モモ】ミニブタ。
【桃本★/もももと】語り手の主人公。3連「も」が言いにくいので、だいたい「桃さん」とか「桃くん」とか呼ばれる。オランウータンとミニブタに「モモ」がおり他園に引っ越したコビトカバにも「モモ」がいる。動物園の動物はなぜかとりあえず「モモ」と名付けられることが多いらしく桃くんは「人間の方のモモ君」と呼ばれることもある。アフリカ草原ゾーン担当。動物に舐められやすい。皮膚から美味しそうな何かを分泌しているのかもしれない。特にキリンのメイは執拗に舐めようとしてくる。毎回殴打されている。
【モルコ】モルモット。
【ヤヨイ】ミニブタ。
【結城明彦/ゆうき・あきひこ】仁堂製薬株式会社早瀬川研究センターに勤務している。鴇先生の元カレらしい。デリカシーがなく自信家のようだ。ルックスも悪くないしある意味鴇先生に似合っている。
【リリィ】シマウマの雌、五歳。コータローを物憂げに見ている。
【ルディ】イリエワニ。
【ワリー】イリエワニ。その中でも一番大きく二メートル近い。
【第一巻 第一章 のたのたクロコダイル】二メートル近くある危険なイリエワニが「怪盗ソロモン」とやらにさらわれた。いつ、どうやって、なんのために? 桃くんが疑われてるみたい?
【第一巻 第二章 ごろごろポットベリー】七森さんの周囲が不穏な感じがしたので食事に誘ってみたが・・・。そしてふれあい広場のミニブタ二頭がさらわれた。鴇先生とのコンビ誕生。
【第一巻 第三章 ばさばさピーコック】鴇先生と桃くんの捜査と危機。そして桃くんが襲われた。
【第一巻 第四章 がっかりホモサピエンス】七森さんとの会話から少しずつ謎がほどけてゆき鴇先生、服部くん、園長なども参戦。
【第二巻 第一章 公道上のダチョウ】市民マラソン大会でなぜかダチョウがゆうゆうと走っていた。そいつをなんとか捕獲したせいで・・・?
【第二巻 第二章 業務上のペンギン】鴇先生が襲われる。かなり不穏な状況なのに皆けっこうお気楽だったがえらい目にあう。
【第二巻 第三章 捜査線上のオオワシ】動物園まわりで無視できるような小さな異変が重なっている。いったい、なにが起こっている?
【第二巻 第四章 掌の上の鳥たち】ダチョウが逃げ出した施設があるはずなので探そうとする桃くんたち。服部君ちの犬ディオゲネス大興奮。
【第三巻 第一章 迷いアルパカ】迷いアルパカを拾い「斎藤」と名づけるが失踪しているアルパカの情報はない。
【第三巻 第二章 腹減りハムスター】七森さんの大学時代の友人と連絡がつかなくなっているので彼女の部屋に行ってみる。
【第三巻 第三章 ふらつきペリカン】今回も桃くんが襲われる。怪しいヤツは誰だ?
【第三巻 第四章 戦う飼育員】飼育員はなにと戦うのか。なにをすべきか。 -
シリーズ第3弾
迷子のアルパカ・斎藤さんを保護した事から話は始まる。
動物を『商品』として扱う事での闇を描いてくれたなと感じた。観客は、見たいものしか見ない
今回も、犯人は当てられなかった。自分に推理力はない!
第4章『戦う飼育員』というタイトルが熱いなぁ、と思った。
今作も、あとがきのくせがつおい -
動物好きならより楽しめるミステリー。おすすめです。