時の罠 (文春文庫 み 44-30)

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167901462

感想・レビュー・書評

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  • 四作品。時間の経過を盛り込んだ話。それぞれの作家さんの趣向が面白い。2014/12/30

  • 今をときめく、4人の人気作家の短編集。ハッピーエンドになりそうで良かった。

  • どれも短編で物語に深みがなかった気がする。それでも辻村深月の『タイムカプセルの八年』は親の愛情を感じたしじんとくるものがあった。湊かなえの『長井優介へ』もよかったかな。

  • 最近、「あぁ、なるほど。ここでこうなるために、あそこでああなったのか。」と思うことがある。

  • 大好きな作家さんが集まってる短編集。いろんな作家さんが集まっている短編集は苦手なんだけど、この短編集は好き。買ってよかったです。

  • 四人の作家が時をテーマに書いた短編が四作載っている短編集。
    時をテーマに……してるのかな?ほんとに?って思うのもあったけれど、四作ともそれぞれ味があって良かった。味濃すぎるけど。

    個人的には「タイムカプセルの八年」が一番好き。いい話だ…
    米澤穂信の物語は発想が面白かった。読みにくかったけれど。
    湊かなえの物語は相変わらず内容が重かった…

  • アンソロジー次に読みたくなる作者さんが出てくるからたまに読むのですが、今回はめぼしい作者さんが見あたらず残念。辻村さん、湊さんの作品はやっぱり好きだな、と思いました。最初は悲観的に進むのですが、ラストのほっこり感が心温まります。本当に“時の罠”ですね。

  • 短編集。ほかの作家の続きで米澤穂信の作品を読むと難しいって感じる。
    辻村深月の「タイムカプセルの八年」を読んで,大人が子供に対して”こんなふうに思っているだろうな”ってことと,実際に子供の記憶に残っていることって違うんだって改めて思った。きっと,何気ないことがその子にとってはとっても意味のあるものだったりするんだろうな。それが,こちらにとっては後ろめたいことでも。
    ほんとにもう幸臣が優しくていいやつすぎてかわいい。

    ▼短編
    辻村深月「タイムカプセルの八年」
    万城目学「トシ&シュン」
    米澤穂信「下津山縁起」
    湊かなえ「長井優介へ」

  • "ところで、その……少々野暮な質問でありますが、あ、さすがお察しがよい、まさにそのことで。私のほうの取り分と言いますか、配分はどれほどのもので。上からは、現地で話し合いで決めるものだから、と言われてまして。でも、だいたいはフィフティ・フィフティでまとまるなんてことも聞いたのですがーー。
    七と三。
    ええと私が七。
    違う。そちらが七で、私が三。
    あっと、厳しい。
    これは、たいへん厳しい。"[P.87_トシ&シュン]

    「タイムカプセルの八年」 辻村深月
    「トシ&シュン」 万城目学
    「下津山縁起」 米澤穂信
    「長井優介へ」 湊かなえ

    米沢さんのがsfっぽくて面白かった。

    “「彼らとわれわれとでは、時間の流れ方が違うからだ。彼らにしてみれば、われわれは目にも止まらぬ速度で動きまわりいつのまにかいなくなる、妙な現象としか受け止められてはいないだろう」
    森島博士が言う「知性体」とは何なのか。博士が果たした「接触」の内実とは?次号第八号の特集で、その真実を明らかにする。しかし現時点で、筆者が確信をもって言えることが一つだけある。
    人類は孤独ではない”
    (超科学レムリア)”[P.154_下津山縁起]

  • 四人の作家からなるアンソロジー

    作家が誰かを考えて読むのも面白い。
    一作目:2ページで誰かわかった
    二作目:作家が見えてしまったが、たぶん見ないでもすぐわかったと思う。
    三作目:二行でわかった
    四作目:二行でわかった

    短いので、一日で読めてしまった。通勤電車の行きに半分、帰りに半分。帰りは酔っていて理解が不十分なと所あるかもしれないが、読み返したいとは思えず、全体的にぼやっとしていたな。
    テーマ「時」って何?その後付けでもつけられそうな。。。時の推移の無い話なんて有るの?

    一作目
     父の子を思う感じは良かったな。

    二作目
     御都合主義!とも思うが、展開は面白い。言っていることはそれが大事だと思える説得力。さらに第3者目線を取り込む事で、話を複雑に興味深くしている。

    三作目
     意味と意義がわからなかった。

    四作目
     学校、薄暗いイメージに当著者カラーを感じる。

  • 時にまつわる短編集。面白かったです。特に、辻村さんの『タイムカプセルの八年』は、息子のタイムカプセルのことで父親が奮闘する話で、親の立場で読むと感慨深いものがありました。万城目さんは初読み作家さんでしたが、面白い! 他の作品も読んでみたいと思いました。湊さんの『長井優介へ』はイヤミスの女王らしく不穏な空気を醸し出していましたが、最後は爽やかな気持ちになれました。本の厚さ以上にギッシリとお得な短編集でした。

  • 4人の作家さんの、時に関する短編集。

    4つしか入ってないというのに
    読んだ事があるのが2編。
    辻村さんと、湊さん。

    米澤さんの話は、一体何が始まるのかと
    読んでいてさっぱり分かりませんでした。
    その状態で最後のあれ。
    自然に影響を受けている、といわれますが
    もしもこうだったら…今の現代が維持できるのは
    彼らのおかげ、という事でしょうか?
    『本当』という前提で考えると、ぞっとします。

    万城目さんは…えらくのんびりとした神様。
    クライマックスまで行けば、確かにこれは
    違反に近い手順かも? と思ってしまいます。
    しかし最後の落ち。
    やはりどこでも上の人間にはへいこらするもの?
    それとも、神様がしているからこそ
    人間がまねしているのでしょうか?w

  • 2014/10/22
    移動中

  • 常に読んでる辻村深月は安定の面白さ。

    それ以外の3人は気になっていて読みたかった作家だったけど、万城目学と米澤穂信は参考にならない(!?)かもしれない内容。

  • 最初と最後の2編はタイムカプセルがキーになっていて、もちろん話の筋は異なるもののバリエーションに欠ける感覚。たった4作品しか入っていないのだからこの辺りは配慮して外して欲しかった。
    アンソロジーというなら7編前後ないとひとつひとつのクオリティが効いてくる。

    辻村深月『タイムカプセルの八年』
    二十歳になった青年が小学生のときに埋めたタイムカプセルを掘り起こす。
    そこから時間を遡り、息子とうまい関係が構築できずに今日まで来てしまった父親だが、実は彼なりに息子のために努力していた、ということがわかる物語。
    いい話なんだろうけどあまりに父親の人格に共感が持てず。改心するタイミングが遅すぎた感。
    恩師と慕った先生が実は大して熱心な先生でもなかった、という点は物事の表裏としてはいいネタだけど、物語全体の分量の中では過剰な内容な気がした。


    万城目学『トシ&シュン』
    小説家を目指す彼と、女優の卵の彼女ふたりの未来予報のような話。
    最初何のことだかわからなかったけど、この矛盾はこういうことか、というのが終盤繋がる。
    軽妙でさっくり読めるが、映像で見たほうが面白そうだと思った。

    米澤穂信『下津山縁起』
    なんだこれ、と思って最後まで目は通したけどよくわからなかった。
    たった4編しかないのにこういうアクの強い話が入ると損した感がすごいのでもっと考えて欲しい。

    湊かなえ『長井優介へ』
    人生うまく行かないままにおとなになってしまった主人公。
    良い思い出はないはずなのに、タイムカプセルを掘り起こしにやって来た理由が物語の鍵でラストの伏線にもなっている。
    物事は悪く捉えると悪いようにしか見えなくなる、ということに気づいて成長する話という湊かなえにしては爽やかな終わり方。
    途中はドロドロしているけれど。
    この中では一番おもしろかった。

  • 四人の作家さんの短編。
    読み終えて成る程、時の罠とはよい題名です!
    薄いからすぐ読めて泣ける。

    始めの辻村深月さんと、最後の湊かなえさんが特に良かった。二つとも小6に埋めたタイムカプセルが題材で、でも全然違う話なんだけど。
    辻村深月さんのは、世のお父さんの中に時々いる、ありがちなズレた感覚がよくわかった。そういうことなんか!と筋とは別にとても感心し、ことの真相には短い話なのに泣けて泣けて困った。
    湊かなえさんのは、実際、こういう誤解はもしかしたらたくさん埋まったまんまかもしれない。数行しか登場しない家庭教師の先生、イイ。
    二つとも、きっと、主人公は自分の足で未来を歩くだろうと思い、胸アツです。

  • 辻村さんの、タイムカプセルと父と息子の話、考え込んだ。
    湊さんの、難聴のある子と友達と、青酸カリ。カテキョの先生、やるじゃん。。

  • 2014.11.04 読了

  • 1,4作目と、2,3作目がそれぞれ近い傾向。全て同種方向で集めるか、むしろバラバラにしたほうが、逆に全体のまとまりがよかったのではないかな。
    どの作家さんも好きなのだが、辻村さんの作品が一番面白かった。米澤さんはちょっと冒険し過ぎたかもしれない。

  • 辻村の「タイムカプセル」と湊かなえの「長井優介へ」はタイムカプセルが共通項。

  • さすがの作家陣でどの作品も良かった。テイストが違う楽しい。

  • ・タイムカプセルの8年
    このオムニバスの目的の辻村深月!
    お父さんが素敵だーー、
    展開が全く読めなかったけど、なるほどそういう結末!!なんだか優しい気持ちになれます。

    ・トシ&シュン
    2人それぞれの夢が実現する部分
    (そのニから四くらいまで)
    だけでよかったかな〜!!

    ・下津山縁起
    ちょっと思考が追いつかなかった、、
    山に知性がある、って部分しか理解できなかった(笑)

    ・長井優介へ
    実は初めて読む湊かなえ作品。
    とても、好みでした。
    何年ももやもや抱えたままだった優介を想像すると切なすぎるけど、最後はなんがか安心しました。
    浩太がいいやつでよかった、、
    不安だったーー(笑)

  • 時をテーマにしたアンソロジー。
    辻村さんと湊さんの作品は同じ題材を別の角度から取り上げていて面白い。作風が出ていると思う。
    万城目さんの作品は、気楽に読めるが、最後に作者にやられたと思いました。
    米澤さんの作品は、ちょっとわかりにくいというレビューが多いが、発想は70年代のSF風で個人的に懐かしい雰囲気のある作品。

  • 辻村深月・万城目学・米澤穂信・湊かなえの4人の短編集。
    タイムカプセルに纏わる2編は非常に楽しく読めたが、他の2編は面白くなくて特に米澤穂信の作品が私にとっては駄作に思えた。

  • 辻村深月のが一番好き。
    万城目学は長編は入り込めないけど、この長さなら読めた!
    湊かなえのはいつもの作品より毒がなくて、最後は、え?これでいいの?本当にそれが事実ならなんだかなー
    て。思った。
    米澤作品は超越してて、理解不能。

  • 好きな作家さんやよく読む作家さんの短編集だったので読んでみた。
    辻村深月さんの短編はスタンダード、まきめさんは最近なかったユーモラスな感じと良かったが米澤さんの短編は分かりにくく、湊さんの短編は私には合わなかった。

  • 「時間」をテーマにしたオムニバス。
    豪華な作家陣で外れなし。
    お得な一冊。

  • 読み終わってから少し時間がたっています。レビューを書こうと思いましたが、何一つ思い出せない。
    短編集というのは、そんなものなのかなぁ。心に残らないというか…。
    これも時の罠でしょうか。

  • 「時」をお題にしたショートストーリー。タイムカプセルが2題。神さま、大自然が2題。悠久の時間の流れの中での双子山の片割れのジェラシーを描く米澤氏の話が物事に視点的には面白かった。

  • 辻村さんと湊さんが良かった

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著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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