時の罠 (文春文庫 み 44-30)

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167901462

作品紹介・あらすじ

人気作家が競作! 文庫オリジナル・アンソロジー綺羅、星の如く輝く作家たちの手による“時”をめぐる物語。文庫オリジナルでお届けする、宝石箱のような短篇集をお楽しみください。

感想・レビュー・書評

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  • 読み友さんの高評価につられて、時の罠。そうそうたる大御所の時を超えたミステリー。辻村さんのお話しはダメ親父が仕事が忙しいながら息子を陰で見守るお話し。最後は父親が本気を出したところは良かった。万城目さんのトシ&シュン。2人の夢をかなえるべく神様が本気になるお話し。米澤さんは上津山と下津山の不思議なお話し。2800年頃の人間、山との関わりが秀逸。最後の湊さんのお話しが一番。3秒遅れて聴くことができる主人公。様々な不運もあり人生がうまくかみ合わない。しかし最後は一気に視界が広がった。⑤辻⑤、万⑤、米⑤、湊⑤↑

    • ポプラ並木さん
      ゆうママさん、全部5です。最高に面白かった。これはお買い得です。しかも自分の好きな「時間」関係です。分かりやすいし、全てスッキリしたお話し。...
      ゆうママさん、全部5です。最高に面白かった。これはお買い得です。しかも自分の好きな「時間」関係です。分かりやすいし、全てスッキリしたお話し。米澤さんだけちょっと難しいけど全然大丈夫でした!「琥珀の夏」感想書き終わったかな?ずっと待っていますよ。見に行きますね。
      2021/11/14
    • アールグレイさん
      こんばんは★
      ・・・・やっぱりダメだ~
      下書きなしでぶっつけ本番、私は苦手。骨組みだけではあるけれど書けば良かった。編集するにしても、あれじ...
      こんばんは★
      ・・・・やっぱりダメだ~
      下書きなしでぶっつけ本番、私は苦手。骨組みだけではあるけれど書けば良かった。編集するにしても、あれじゃあ・・・
      白骨化遺体は私の思っていた子ではなく、最後は裁判になる。少女のデリケートな部分も描写されている。ポプラさんのお嬢さん位かな?読むのなら図書館で充分かなと思う。
      図書館は私をいじめる!今日から読む本があるのに、自転・・・公転する、キャンセルした!また、どんどんやってきそう!
      そういえば、坊っちゃん、読んだことない。息子の本棚にあるから、いつでも読める?
      2021/11/14
    • ポプラ並木さん
      ゆうママさん、おはよう!
      実は数年前、感想文の書き方をネットで勉強しました。
      まあまあ、怒らないで聞いてよ。

      基本形 https://su...
      ゆうママさん、おはよう!
      実は数年前、感想文の書き方をネットで勉強しました。
      まあまあ、怒らないで聞いてよ。

      基本形 https://surapuri.jp/book_report.php
      第一段落 「なんでこの本を読みたいと思ったの?」
      第二段落 あらすじ「どんなお話なの?」
      第三段落 出来事「気になったところはどこ?」
      前最終段落 「読む前と読んだ後の気持ちの変化」
      最終段落「本を読み終わってわかったこと」

      これを基本にしつつ、

      インパクト
      https://happy-teacher-singing.com/archives/4681

      発展形
      https://good-mental.com/dokusyokansoubun-syukatsukakikata/

      こういう定型があると楽だよ。
      どう?もし興味があればお試しください。
      2021/11/15
  • 好きな作家さんばかりの贅沢すぎるアンソロジー。
    最初の数ページは辻村さんの書く自己中な父親にイライラしていたが、話の後半は良かったし、そこからは引き込まれ一気に読み切った。万城目さんの不思議な神様の話、米澤さんの不可解な山の話に心躍らされた後、最後は湊さんの話で救われた気分になり心地良い読後感。
    アンソロジーって、やっぱり楽しい♪

  • 私には一年に一度だけ訪れる街があります。
    数年前からその街に行く事が家族の行事となり街の成長が私の密かな楽しみです。
    そんな街の雑貨屋さんで発見したのが本書です。

    まず、驚いたのが私の好きな作家だけの短編集であり、時という言葉に弱い私の掌に収まってしまうのは必然でした。

    辻村深月さんの作品:子育てが苦手な父親が登場、身近な人にこんな人が居るなぁと思いながら読むものの、物語は途中で反転する!?

    万城目学さんの作品:神様の言動が非常にコミカル!万城目学さんの他の作品に出て来る超常現象はこんな神様が起こしていたりして!なんて思ってしまいました。

    米澤穂信さんの作品:長い歴史の物語、山の意志と人間

    湊かなえさんの作品:らしくてらしくない作品、反応が遅い人にもう少し優しくしようと思った!


    いずれに致しましても、私にとっては豪華なアンソロジーでした!

  • 4人の作者による短編集。
    すべて時間・時がメインテーマとなっている。

    辻村深月の「タイムカプセルの8年」の登場人物である父親は正直なところ、いい父親では無い。
    私が妻であれば今すぐにでも離婚したいと思うような父親である。
    何しろ我が子の誕生日やこどもの日のようなイベントから、運動会や授業参観のような学校行事もよく忘れ、挙げ句の果てにクリスマスプレゼントまで買い忘れる有様!
    それらを別にたいしたことがない、プレゼントなど実用的ではないと言ってのける。
    あんたはそうかもしれないが、と腹立たしい。
    心がないのではないかと読んでいて心底嫌になったものだ。
    確かに祝い事やプレゼントなど実用的でもないし大した事では無いかもしれないが、だったらなぜ家族を持つのだ。
    それでも息子が教師になろうと思ったのは、父親の影響があると言うのだから、母親にしてみればなんとも悔しい話ではないか。
    教師になると言うのが悪いのではない。
    そんないい加減な(ように見える)のような人には憧れて、日々一生懸命子供のことを考えて身も心もすり減らしている母親には何の見返りもない。
    ああ、やりきれない。
    とは言っても物語は、「時間」が思いがけない形でつながっていくことがあるときれいにまとめられている。
    何となくモヤモヤした気持ちが抜けないのは今まさに子供のことで悩んでいるからなのだろうか。

    湊かなえ 「長井優介へ」
    湊かなえにしては優しい話だったように思う。
    主人公の雄介は耳がよく聞こえないため3秒経ってから返事をする。
    それが誤解を生んでしまう。
    そのために小学3年生の時にいじめられ、親友を失ってしまった。
    この事件は一体どこに着地するのだろうかとドキドキしながら読んでいた。
    真実とは残酷であるが、今回は真実に救われた。
    人と違う事で起きてしまう行き違いや悲しみや苦しみ。
    それをどう乗り越えていくか。
    参考になるものがあったように思う。

  • 面白かった。続きが読みたくてあっという間に読んだ。
    4人の作家さんの短編集。
    題名の時の罠はなぜそのタイトルにしたのかやや不明。
    私の好きな作家の辻村深月さん、湊かなえさんの短編は本当にワクワクした。さすがのお2人。
    ただあとの2人の作家さんの話は面白くなかった。星4つは辻村さんと湊かなえさんの面白さだけでつけた。あとの2人は興味のあった作家さんだったのでとっても残念。

  • 厳しめ辛口で3点。
    すごく豪華なラインナップなのに、すっごい!とかおもしろーい!と思えるものがなかった。
    普通かな。

    辻村深月と湊かなえは小6タイムカプセルつながりで、結構悪くなかったけど、なんかもひとつぴりっと来ない。
    万城目さんも、縁結びの神様が芸能の神のヘルプをするお話なんですが、「悟浄出立」のあとではちょっとなぁ...って印象です。
    米澤氏は、なかなかに難解でした。読むだけで一苦労。

  • 「下津山縁起」米澤穂信著
    遠江国・静岡にある、ふたごの山、かみつ山、しもつ山。A.D.870年からA.D.2873年までのふたご山の編年記述。時に市街地開発の対象となり、下津山はどうなったか? おお、これはSFだ。深読みすれば開発に対する批判? 2299年になるとコンピュータと山々の交信。
    ちょっと読みずらいけど、最後の2873年の記述になると、う~ん、とうなる。最後は裁判に。これがおもしろい。だって裁判長が富士山、検察官は阿蘇山、弁護が榛名山。判決文が秀逸です。


    初出誌「別冊文芸春秋」
    「タイムカプセルの八年」辻村深月著 2012.7月号
    「トシ&シュン」万城目学著 2014.7月号
    「下津山縁起」米澤穂信著 2012.7月号
    「長井優介へ」湊かなえ著 2012.7月号

    2014.7.10第1刷 図書館

  • 辻村深月さん、万城目学さん、湊かなえさん、米澤穂信さんと、
    有名どころが集まったアンソロジー、テーマは「時」。

    個人的には2つ入っているタイムカプセルネタが印象的で。
    どちらも女性作家というのが、ふむふむと。

    この年になると、折々で振り返りたくなる過去も、
    中にはトラウマ化していて、思いだしたくないモノもあるけれど。

    それはそれで忘れてしまえばよい、のでしょうか。

    さて、カプセルの中に封じ込めた“想い”は、
    どんなものとなっているのでしょうか、なんて。

  • 「タイムカプセルの八年」辻村深月


    「トシ&シュン」万城目学
    芥川龍之介の杜子春が関係あるかと思ったらたぶんないのかな?それとももう少し深読みすれば関係してるのかな?と。神様の目線の話は畠中恵さんを思い出した。

    「下津山縁起」米澤穂信
    なんとスケールのでかい!!米澤穂信さんがやってくれたなぁって思った。現実を追い越したタイミングあたりでゾクゾクしてきた。

    「長井優介へ」湊かなえ
    イヤミスの女王が書く救いのある話。

  • ”時間“をテーマにした4人の作家たちの競演

    辻村深月「タイムカプセルの八年」
    不器用な父親と息子の物語、ジワリと涙腺がやられるやつです。

    万城目学「トシ&シュン」
    この人の感性は本当に面白い。
    “時間”をテーマにしたとき、よくこの発想へたどりつくなと、感心してしまう。

    米澤穂信「下津山縁起」
    今度の時間は気の遠くなるほどの長さ。
    “時間”という概念について少し前いろいろ本が出ていたけど、”知性“という概念と合わせて編年体にして描く、お上手です。

    湊かなえ「長井優介へ」
    “イヤミスの女王“と言われた作者らしい短篇。でも最後に少し光が見え読後感がいい。

    辻村深月と湊かなえが少しかぶり気味だったけど、全員「タイムカプセル」で作ったらあとの二人はどんな物語だったのだろう……と勝手に想像してしまう。

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著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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