水底フェスタ (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 1344
レビュー : 140
  • Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167901578

感想・レビュー・書評

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  • 青春ものや感動ものだけゃなくて、こういう話も書ける人なんだと思いました。面白かったけど、誰にも感情移入できなかったなー。

  • 読みやすいけれど…

    読後感はよくないかなー。

    田舎に住む男子高校生が。
    故郷を捨てた女優さんとフェスで会うことからストーリーは始まる。

    辻村さんは感情、人の闇みたいのを表現するのがとてもうまい。

    女優さんがなぜ故郷に戻ってきたのか。
    田舎に潜む秘密とか…。少しずつ真相がわかってくるのだけど。

    登場人物みな、心に秘めたものがある…。
    達也の本当の気持ちを知って悲しくなった…。

    読後感は重く感じた。

  • 何事もなかったかのようにしてしまう村の体質だったり、村の閉塞感がすさまじかった。
    広海が恋に落ち、由貴美に翻弄されていく姿に、広海の家のことや村全体の秘密が次々と明らかになっていくkとが加算されて、続きが気になって仕方なかった。けれど、後味はすっきりせず、あまりよろしくない。この結末に、広海はどうなってしまうのだろう。
    理解あるように見えた、広海の父親・飛雄が最後には一番怖く思えた。

  • 昔からのしがらみが残る閉鎖的な村が誘致した野外フェスティバルで、村長の息子・広海は由貴美と出会う。
    村を捨て東京へ出て行ったモデルの由貴美に広海は魅了され、「村への復讐に協力してほしい」という彼女の企みに応じることになったが、実は由貴美には真の目的があった。

    タイトルからは予想もつかない内容で、非常に怖いお話でした。

    まず、古い因習に縛られたいわゆる「田舎」の描写がいかにもありそうで、そこはかとなくリアル。
    村ぐるみでどんな不都合も隠蔽する排他的な共同体の様子が細かくスケッチされていて、過剰な展開も絵空事でないと思わせてくれます。

    そして、穏やかだけれども退屈な日常に倦み閉塞感を覚えている広海は、由貴美という外部の「異端」に触れたことによって、信じていた世界がガラガラと音を立てて崩れ、それらが実は欺瞞に満ちたものだとわかってしまうのです。
    ・・・ほんと、救いの無い話。

    一番哀れだったのは、由貴美でしょう。
    因習を嫌って村を出て行ったはずの彼女がいちばん村に囚われ、身動きがとれない状態。
    仕事や人間関係に傷ついた彼女は「血縁」(=究極の地縁)という拠り所を求めていただけなのに、それを広海の父親に否定され・・・、ただただ可哀想でした。

    今まで辻村さんの作品は、自意識過剰な思春期の子ども達が閉鎖的な空間(学校)で事件を起こすといったパターンが多かったのですが、このお話もムラ社会という閉じた舞台ではあるものの「大人の理屈」がまかり通る薄汚れた話だったので、こんなのも描けるんだなー、と意外でした。

    あと、ファムファタールとしての由貴美が全く魅力的じゃなかったです。
    「芸能人」「すごく綺麗」というアイコンはしきりに強調されるんだけど彼女の魅力がちっとも描写されないから、なんだか物語のために動かすコマみたいに感じてしまい、白けてしまいました。

  • 表面の正を守る為に裏にある悪を黙認する、どこにでもあるような人間社会の闇を突きつけられているような考えさせられる作品です。

    人間の醜さ、卑しさ、恐ろしさが読み進めるほどに心を激しく揺さぶってくるのですが、一方であちこちに散りばめられた日本が持つ自然の美しさや壮大さの描写が爽やかな空気を運んできて物語の中和剤となっていると思います。

  • ロックフェスの夜に由貴美と出会った広海。由貴美にひかれていく広海。村に復讐に来たと言う由貴美。自殺した由貴美の母親と広海の父親の関係。村長選挙に隠された秘密。

  • 広海に惹かれていく気持ちと盲目的に恋していく広海につらくなっていく気持ちが相まった。

    苦しくなったが、同時にはやく読み進めたいと思った。

    あまりすっきりという感情はなかったが、面白かった。

  • 吐き気がする。面白い。

  • 湖畔の村に彼女が帰ってきた。東京に出て芸能界で成功した由貴美。ロックフェスの夜に彼女と出会った高校生、広海はその謎めいた魅力にとらわれ、恋に落ちた。だが、ある夜、彼女は言う、自分はこの村に復讐するために帰ってきたのだと。村の秘密と美しい女の嘘は引き起こす悲劇。あまりに脆く、切ない、恋の物語。

  • 久々の辻村さん。
    情景が綺麗で、雰囲気のいい恋愛小説という感じで進んでいくと思いきやどんどんこの村の暗いところが出て来る。
    どの人間の行動にも共感するところがあって、すごくリアルな人間描写だなぁと。
    あと、フェスに関する描写がとても的確でフェス好きとしてはたまんなかったです!
    総じてやっぱりこの人の本は好きだなぁ。
    2014.12.16

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著者プロフィール

辻村深月(つじむら みづき)
1980年山梨県生まれ。千葉大学教育学部卒業後、2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。2011年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、2012年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、2017年『かがみの孤城』で「ダ・ヴィンチ ブックオブザイヤー」1位、王様のブランチBOOK大賞、啓文堂書店文芸書大賞などをそれぞれ受賞。本屋大賞ノミネート作も数多く、2018年に『かがみの孤城』で第6回ブクログ大賞、第15回本屋大賞などを受賞し、2019年6月からコミック化される。他の代表作に『子どもたちは夜と遊ぶ』『凍りのくじら』『ぼくのメジャースプーン』『スロウハイツの神様』『名前探しの放課後』『ハケンアニメ!』『朝が来る』など。新作の度に期待を大きく上回る作品を刊行し続け、幅広い読者からの熱い支持を得ている。2020年、河瀬直美監督により『朝が来る』が映画化される。

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