水底フェスタ (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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レビュー : 143
  • Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167901578

作品紹介・あらすじ

彼女は復讐のために村に帰って来た――過疎の村に帰郷した女優・由貴美。彼女との恋に溺れた少年・広海は彼女の企みに引きずり込まれる。待ち受ける破滅を予感しながら…。

感想・レビュー・書評

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  • いまいち入り込めない内容で残念だったのですが、ふと男女を逆転させて考えてみたら少女漫画みたいで楽しいかも…!
    閉鎖的な村の少女と、同じ村出身で芸能界で成功した俳優。
    もう全然違う話になりますね(笑)

    主人公の広海は置いておいても、その両親や達哉が不気味すぎる。
    ホラーのような作品でした。

  • 暗いとは聞いてたけど予想を上回ってきて驚いた。

    自分がそのに所属している時の視野の狭さに恐怖を覚える。
    また話は違うけど例えば、中学生の時に部活のメンバーに気を使ったり、いじめられないように周りに合わせたり。
    今になって馬鹿らしいって思うけど、やっぱりその当事者は抜けられない。絶対にそんなの気にしなくていいって今昔の自分に行ったとしても、それは届かない。

    だから何事も自分の今の所属している場所から、外の世界へ目を向けられるのは純粋に強みだなと。

    とりあえずフェスには行っててみたくなりました。

  • 前の2作品が短編でしかも思いの外怖い話だったから普通っぽそうなタイトルを適当に選んで読んでみたけどやっぱり怖かったです…

    フェスには行ってみたくはなりました。きっと、その村をついつい観察してしまいそうだけど…

  • これで読んだの3回目なのに全然内容が違って見えた

    前に読んだときは切ないラブストーリーだと思っていたのに
    こんなにドロドロなストーリーとは思ってなかった
    昔は広海のラブストーリーにだけ注目していて、ゆきみの魂胆や、達哉の気持ちは読み飛ばしていたのだろう

    同じ本で毎回違うストーリーに感じるのは不思議だ
    前の僕はどんな状況でどんな気分で読んでいたのだろう

    僕の知らないうちに書き換えられていたようにさえ感じる

    読書の醍醐味なのだろうか
    不思議な感じだ

    昔、好きだったイメージはどこにいったのだろう

  • 辻村作品らしくない、と言えばらしくない作品。
    他の辻村作品の方が面白いのはあるし、小説としても大傑作かというとそうでもない。凡作っちゃ凡作。だけど、俺これ好きだわ。

    悪女に翻弄される、いたいけな男児高校生。それもまた青春でエエやんか。モヤモヤしろ青春真っ盛り!女の魅力で若い男を翻弄したれ、ファムファタル!そういうお話なのかと思って読み進めると…。

    後半は一転して、たかがロックフェスと土木事業だけで生き延びている、過疎寸前の小さな村社会が、2人に大きくのしかかってくる。その息詰まるような圧倒的閉そく感が凄い。俺たちとは違う凡庸な人と小馬鹿にしつつ、善人だということだけは信頼していたご近所さん、親類縁者、親兄弟までが閉そくの側に立ち、二人を囲い込んでいく描写はすさまじい。

    ぼっち飯が恥ずかしいとか、
    女子高生は一人でトイレも行けないのかとか、
    SNSを読むと自分だけが疎外感を感じるとか、
    そういう類の現代社会病が根に持っている根底、それこそが二人を囲い込んだものであり、この作品のテーマだと思う。

    盗んだバイクで走りだしても、夜の校舎窓ガラス壊して回っても、子猫のような泣き声で睦声をあげても…村社会は全てをその淀んだ水底に隠して何もなかったかのように明日を迎える。

    尾崎豊でも村社会に勝てない、という絶望感。
    救いの少ない小説だがそれでも俺、これ好きである。

  •  辻村さんの本に光を求めている人は、この本は読まないほうが良い。
     これが『冷たい校舎の時は止まる』や『子供たちは夜と遊ぶ』を書いたのと同じ作家さんのものだと思うとビックリする。
     そして、こういうのを読んで理解できる年齢まで成長していて良かったなと。

     田舎にある閉塞感と、秩序を守るための不文律。
     「村八分」という言葉の意味が今も生きる小さな山奥の村で起こる、小さな騒動と恋の物語。

     ドロドロです。どんどん泥沼に嵌って溺れていくような。その泥沼というのが、主人公を取り巻く環境すべてなのだからなおさら救いようがない。
     自分が女性だからかもしれませんが、随所に出てくる女性の立場がすごく気になりました。
     例えば、徹底して男性主義で回る主人公の家のお母さんだとか、小さい頃から、主人公の家にお嫁に行くのだと周囲から刷り込まれるように育った主人公の幼馴染だとか。
     社会進出して働く女性の「自由」と、村の中でだけ役割を果たす女性の「自由」というのは、同じ言葉でも意味合いが違うのだなと感じた。どちらが幸せで不幸か、ではなく、そういう生き方もあるのだということ。

  • 暗い感じが好みではないので、期待してなかったけど、一気に読んでしまった。
    田舎の閉鎖的な価値観、そこに反発する主人公にも共感。
    恋愛話は苦手だけど、この小説はそれだけじゃなく、奥が深い。人の本質、価値観の違いって、交わることはないんだなーと、改めて思う。

  • 面白くて一気に読んだ。
    辻村深月さんの本は色んな感情を呼び起こされる。
    怒り、憎しみ、切なさ、後悔、欲望、、、
    日常生活以上に一冊の本の中でこんなに
    感情がかき立てられるのはすごいと思う。

  • 序盤は高2男子の恋愛小説か?と思わせるが、後半の、どこまでが真実で、どこまでが嘘なのかに翻弄される2人の心理が見事に描かれている。ムラ独特の閉鎖性、暗黙のルールという設定がうまく機能した良作。ただ、中盤は中だるみして頁を捲る手が度々止まった。ラストの彼の決断は...。

  • ずいぶん前に”東京會舘とわたし”を読み、人気のある作家さんだと思っていました。本作はたまたま手にしたのですが、ダークな展開と結末に嫌気がさしています。
    まったく共感できない登場人物たちー、最も嫌だったのは由貴美。
    主人公の広海と異母姉弟という設定ですが、その事を知りながら(8歳下の広海は知らない)実の弟を誘惑するのか! 

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著者プロフィール

辻村深月(つじむら みづき)
1980年山梨県生まれ。千葉大学教育学部卒業後、2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。2011年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、2012年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、2017年『かがみの孤城』で「ダ・ヴィンチ ブックオブザイヤー」1位、王様のブランチBOOK大賞、啓文堂書店文芸書大賞などをそれぞれ受賞。本屋大賞ノミネート作も数多く、2018年に『かがみの孤城』で第6回ブクログ大賞、第15回本屋大賞などを受賞し、2019年6月からコミック化される。他の代表作に『子どもたちは夜と遊ぶ』『凍りのくじら』『ぼくのメジャースプーン』『スロウハイツの神様』『名前探しの放課後』『ハケンアニメ!』『朝が来る』など。新作の度に期待を大きく上回る作品を刊行し続け、幅広い読者からの熱い支持を得ている。2020年、河瀬直美監督により『朝が来る』が映画化される。

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