水底フェスタ (文春文庫 つ 18-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 208
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  • Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167901578

感想・レビュー・書評

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  • ずいぶん前に”東京會舘とわたし”を読み、人気のある作家さんだと思っていました。本作はたまたま手にしたのですが、ダークな展開と結末に嫌気がさしています。
    まったく共感できない登場人物たちー、最も嫌だったのは由貴美。
    主人公の広海と異母姉弟という設定ですが、その事を知りながら(8歳下の広海は知らない)実の弟を誘惑するのか! 

  • 高校生の時、周りを下に見てしまう感覚、冷めたように振る舞うけど、本当はそんな自分がもどかしいような気持ちを思い出した。

    独特の村社会は、こんなの実際にあるの?という気持ち含めて窮屈で苦しく感じた。由貴美の方に肩入れすれば、自分の中で作り上げた物語に依存していなければ、自分を保っていけない気持ちがよくわかると思った。

  • ある田舎の村に住む高校二年生の広海が、フェスで年上の女性・由貴美に出会うことで、大きく運命が狂い始める。
    正直言うと残念だった。
    辻村作品の持ち味である、「じわんと来る感動」がどこにも見られず、終始そわそわしっぱなしだった。彼女の作品では珍しく性描写もあったのには少し驚いたが。
    何より、登場人物の誰にも感情移入できなかったことが残念。
    しかし、こういう田舎でのいざこざや村八分などの話もかけるとは。辻村さんのジャンルは本当に多岐にわたるなー。

  • 最近、辻村さんの感動の作品を何作も読んだあとなので、この作品はなんか後味の悪い本に思えた。田舎の悪しき慣習みたいな話は、田舎に住んでるからよけいにわかるような気がするし、読んでて辛い。

  • 人間は理知的で繊細で腹黒い。
    小さな村の小さな共同体。
    その残酷さがどこか懐かしく心地良い、という恐怖。

    2015.11.19

  • 田舎の閉塞感。思春期の子供が持つ傲慢さ。そして「こじらせた人」を書かせたら右にでるものはいないんじゃないか。な、辻村深月が文春で書く物語はどこか陰惨。村ひとつダムの底に沈めた村が持つ不正を暴くことを建前に帰郷した由貴美。彼女に惹かれる村長の息子・広海。「空が青いのと、家ん中が暗いのの差がすげえ」この村で生きてくと決められたら、広海の悲劇は回避できたのかもしれない。大人ってずるくて汚い生き物だったね。

  • 田舎の村の古い価値観と、それを嫌う高校生の恋の話。鬱屈した感じは好きなんだけれど、オチがいまいち。

  • 貰った
    途中何度か、身体に馴染めずに読み飛ばしてしまった。

  • 描写は映像化したい上手さ。
    都会の片隅に住むネズミには地方の共同体の成り立ちがどうも理解できない。洋の東西を問わずこういう設定はあるので実在するんだろうとは思うのだけど…。

  • いやあ…。

    私は辻村深月作品が好きで、かなり読んでるとは思うのですが、その中ではこれが一番ダメ…………。

    ここに出てくる女がみんな、気持ち悪い。

    それに私はベッドシーンというんですか、そういうのが好きではなく、辻村さんの作品にはあまりそういうの出てこないので好きだったんですが。
    今回のは「はいはい、もうわかったからいいよ、書かないで」と思ってしまいました………。

    辻村作品、そのほとんどを私は手元に置いて大切にしていますが、ごめんなさい、これは手放してしまいそうです。

著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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