その女アレックス (文春文庫)

制作 : 橘 明美 
  • 文藝春秋
3.78
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本棚登録 : 7424
レビュー : 1232
  • Amazon.co.jp ・本 (457ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167901967

作品紹介・あらすじ

あなたの予想を全て裏切る究極のサスペンス!監禁され、死を目前にした女アレックス――彼女の心に秘められた壮絶な計画とは? 英米ミステリ界を戦慄させた驚愕と慟哭の傑作!

感想・レビュー・書評

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  • 本著は、カミーユ警部シリーズの2作目です。1作目「悲しみのイレーヌ」、2作目「その女アレックス」、3作目「傷だらけのカミーユ」という順番です。

    できれば、1作目から順番に読んでいったほうが楽しめると思います。

    本著は、タイトルにあるアレックスという女性が誘拐されるところから始まり、いきなり読者に緊張感を与えます。加えて、主人公アレックス視点と警部カミーユ視点が短い章で交互に繰り返され、始めからぐいぐいとストーリーに引き込まれます。

    さらに、すぐさま予想もつかない展開が起こり、先が気になり一気に読み進めさせる構成に、唸ってしまった。

    しかし、欲を言えば謎を解き明かしていく過程にもうひとひねり加えてくれたら、最高だった。もう少し酔わせて欲しかった。

    また、最後は「こんなのアリ?!」という展開になりますが、内容が陰鬱だった分、読後感は爽快な気分にさせてくれ、自分としては納得の最後でした。

    私は本著を最初に手にしてしまったため、完成度を求めてしまったがために評価は4点とさせていたあだきましたが、1作目を読んだら、また変わってくるのかもしれません。1作目と3作目を早く読みたいと今はワクワクしています。

  • 今更ながら読みました。
    一時期、このミステリーがすごいと様々な媒体で紹介され、世界中で話題となったフランスの犯罪小説です。

    訳者あとがきに「この作品を読み終えた人々は、プロットについて語る際に他の作品以上に慎重になる。それはネタバレを恐れてというよりも、自分が何かこれまでとは違う読書体験をしたと感じ、その体験の機会を他の読者から奪ってはならないと思うからのようだ」と書かれていて、まさにそのとおりだと思いました。
    残忍な場面がありつつハラハラする内容ながら、本書の見所はやはり、なんと言っても構成の巧さ。
    訳書だけあって最初は違和感があるものの、読みすすめているうちにそんなことは気にならなくなります。

    ネタバレにならないように本書の素晴らしさを伝えるのは難しいですが、総じて見ると主たる登場人物がいいですね。
    ルイは優美で格好いいし、アルマンの健気な感じもいい。
    いけ好かないと思っていたヴィダールだって、案外話がわかる奴じゃないか、なんて思えたりして。

    小説としては素晴らしいけど、事件の内容はあまりに壮絶。
    涙こそ流さなかったものの、あまりにも理不尽な出来事に心が痛くなります。感情移入したら気持ちが鬱々としてしまいますね。映像化もされるみたいですが、怖いもの見たさで見たいような見たくないような。ああ、でも動くルイは見てみたい。

    これは確かに読んだ方がいい1冊。特に読書好きの人にこそ勧めたい1冊ですね。
    やるせない気持ちは残るけど、名小説です。

  • ある日路上で誘拐・監禁された女性アレックスを
    警察が追っていく物語。

    アレックスの立場は、見知らぬ男に突然襲われた
    か弱い被害女性のはずだったのに…。
    そうだったの?そんなことになってるの?
    ああなっちゃったの?そこが狙いだったの?と
    読者は有無を言わさず、ぐるぐると連れまわされます。

    話はよく出来ていて、思ってない場所に連れていかれ
    先がとても気になるのですが…。
    私には重すぎたのかも知れません。
    一気読みできず、ちょっと読むとグッタリして
    十数ページで眠ってしまう日々が続きました。

    自らの意志というより、誰かに進まされているような
    後戻りが許されない暗い深い階段を下りていく感覚。
    そんなアレックスの緊迫する状況と渦巻く怒りのエネルギーに、
    読み手として同行することを無意識に拒否してたのかも知れません。

    アレックスを追う警察側の絆。
    ワケありの警部カミーユと、
    カミーユを助ける周囲の者たちの組織力・人間力に
    ちょっと救われた一冊です。

    よく最後まで読めたものです。
    でも最後まで読まないと…この物語は全く別物になってしまいますからね。

  • ああそうゆうことだったのかと思った。。。なぜアレックスが人を殺し続けても嫌悪感がわかなかった理由が最後にわかった瞬間、とても切なくなった。彼女の魂が救われますようにと祈る。傑作!

  • 史上初の6冠達成、アマゾンでもベストセラー1位の話題作です。
    確かにスピーディでスリルがあり、面白いですよ。

    パリで深夜に女性が誘拐されたという目撃情報が警察に寄せられたが、誘拐されたのが誰なのかもわからず、捜査は難航します。
    捜査の指揮を執るカミーユ・ヴェルーヴェン警部には、かって妻が誘拐されて亡くなったという辛い過去があった。
    ヴェルーヴェン班の面々がなかなか個性的でバランスよく、素敵です。

    見知らぬ男に監禁された女性アレックス。
    派遣の仕事が終わったところをさらわれたため、身近な人も彼女が誘拐されたとはなかなか気づかないでいた。
    アレックスは必死で脱出を試みるが‥
    警察側と交互に描かれ、緊迫した状況に。

    その後、思いがけない展開へと、発展していきます。
    無関係にも見える事件が起きて‥
    ‥この先を書いちゃうわけにいかないよねえ‥
    アレックスとは何者なのか?と思わせるタイトル。
    確かに‥

    カミーユはなんと145センチという小柄。
    フランスでは警察官になる条件に、身長は入ってないんですかね。
    カミーユの実母が芸術家で、才能溢れてはいても普通の母親らしさはないため、息子のカミーユは愛憎半ばする感情を抱いていました。遺作をすべて売り払おうとするのです。
    過去の事件のトラウマを乗り越えられるのか?という問題も。
    カミーユが探偵役の作品は、シリーズとなって他にもあるようです。

    この作品は、何より構成が凝っていて、文章も切れ味よく、翻訳もいいですね。
    ミステリ読みなら必読。ただ事件は陰惨なので、怖い話が読めない人には無理ですけど‥
    描写は書き込むところとアッサリ通り過ぎるところと加減してあります。

    著者は2006年作家デビュー。
    小説を書くことを何年も教えていた人なので、読む人に衝撃を与える新鮮な作品を作り上げてのけたという、これはなかなか出来ないこと。
    お手本のようなヒット作ともいえますね!

  • 面白かった!!
    史上初の6冠!とか他にもポップで書店員煽りすぎーと思って読み始めたら…誘拐監禁事件だと思ってたのに全然違った!驚きのクライマックスから始まって、1部が終わったら1冊読み終えた気分だった。
    2部も3部も予想と全然違う方に進んで、予想した着地点と違いすぎた。刑事たちのキャラもすごく良かったし、ほぼずっと残酷で悲しくて痛いし、でも最後は救いもあって良かった!大事なのは真実ではなく正義。とても感動した。
    アレックスの見方がどんどん変わっていった。頭が良くて行動力もあってかっこいいけど、悲しい女性。
    全部知った上で、また最初から読みたい作品。

    • 三略さん
      「真実よりも正義」自分の言いたかったことが言葉になっていて参考になりました。自分も最後は「こんなのアリ?」と率直に感じてしまいましたが、この...
      「真実よりも正義」自分の言いたかったことが言葉になっていて参考になりました。自分も最後は「こんなのアリ?」と率直に感じてしまいましたが、この作品はそこで全てが救われている感じがしました。
      2017/12/28
  • やっと読了。アレックス側のストーリーは、はらはらしたけど、カミーユ警部の方は、捜査がなかなか進まず、ちょっと退屈でした。でも第3部からは、一気読み。アレックスの無念が少しでも晴らされて良かったかな。

    アマゾンのレビューで批判してる人がいたけど・・。検討違いな批判をしていたので、それはどうかと思いましたが。
    カミーユ警部の身長について、警察の採用条件を指摘してた人いたけど・・、本書読めば、それくらいは、リサーチ済みでしょう。という印象。むしろ知った上での設定だと思いましたが。重苦しくならないための設定演出でしょう。
    あと、アレックスの偽装自殺を、警察は見抜けないのか?という人もいたけど・・あたしも最初心配しましたが、見抜いた上での誤認逮捕ですしね。最後のセリフでそれがわかります。(「大切なのは真実ではなく、正義だ」と仰ってたので)

    とりあえず、心配したほどのグロ描写は無かったですし、読みやすくて面白かったです。

  • どんどん引き込まれ、一気読み。
    もっと読みたい!となってたはずなのに
    読後感が重すぎて辛い。
    それでも話の展開が読めないので楽しめた。

  • お気に入りの赤いウィグをつけ、レストランで気分良く食事をした後、男に連れ去られたアレックス。衣服を剥がれて狭い木箱に閉じ込められて紐で吊るされ、放置される。ほとんど手がかりのないまま警察は捜査を始めるが…。

    3部構成になっており、監禁編、逃亡編、過去編とでも言おうか。読み始めに感情移入させられた部分は、第2部で大幅に裏切られる展開となるところは、この作品の大きな魅力であろう。また、第2部の感覚もまた、裏切られることになるのだ。

    暗く、ページ数の割に改行も少なく、最近の作品としてはかなり読みづらいと感じるかもしれない。しかしそうでもないのだな。しっかりしたキャラクター構成と、とりとめのないようで、実は絞りきられた登場人物と行動。アレックスやカミーユの過去は、うまい具合に作品の厚みを醸し出している。

    まあ、こんなレビューを読んでいる人は、すでに読了であろうが、読んでいない人もいるだろうから、あまり内容に突っ込んだ話を書くのも野暮であろうと思うので、できるだけ先入観なく読み始めることをおすすめする。

    一つ不満を言うとすると、タイトル。和訳した人の独りよがり『「その女」アレックス』だの『「悲しみの」イレーヌ』だとか、いらない言葉を足すんじゃないよ。原題通り『アレックス』でええやろ。

  • 若い女性が男に誘拐されて酷い目に遭う……そういう本でしょ?とぱっと見思う(文春文庫だし)んだけど、それにしては人気で評価が高いというので、本屋さんで平積みされているのを見かけては不思議に思っていた。
    読んでみてなるほど、と思った。装丁はもう少し何とかならなかったのかな。
    悲しい話だった。こうなる前に何とかならなかったのかな、と。暗い、酷い話なんだけど、
    事件の謎を追う警察側の人々がよく書かれていて、バランスの取れた雰囲気になっていた。彼らの人間性に救いを感じる。
    書き方としては、ちょっと出し惜しみ? 伏線と言うにはあまりに細いかなぁ。
    それなりに楽しめたけど、全てがわかってから読み返すと、あちこちで静かに涙を流している彼女が憐れでならない。

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