その女アレックス (文春文庫)

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レビュー : 1294
  • Amazon.co.jp ・本 (457ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167901967

作品紹介・あらすじ

あなたの予想を全て裏切る究極のサスペンス!監禁され、死を目前にした女アレックス――彼女の心に秘められた壮絶な計画とは? 英米ミステリ界を戦慄させた驚愕と慟哭の傑作!

感想・レビュー・書評

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  • アレックスに対して同情から始まったはずの自分の感情がコロコロ変わるのがどうしても面白くて
    作者様に踊らされている感に終始酔いしれました。
    同情やら怒りやら気持ち悪さやら痛さやらもどかしさやら悲しみやら
    1冊でここまで感情をフルに活用する事ってあるのでしょうか。
    読み始めて直ぐに「あ、これは多分凄い作品だ」となったのでラストをより良いものにすべく、なるべく先読みはしないよう頭をセーブしながら目の前の文章を追う事に専念していましたが
    なんのそんな心配は無用でしっかりと「ソーユーコトカ...」となれました。
    種類としてはイヤミスですね。ただこれはこの終わり方でないといけない、ハッピーエンドに中指を立ててもらいたい。

    読了後ほぇ〜と椅子の背もたれに寄りかかりふぅと一息はいて、すっげ..となりながら本を閉じたのは私だけじゃないと思います∠( ˙-˙ )/

  • 史上初の6冠達成、アマゾンでもベストセラー1位の話題作です。
    確かにスピーディでスリルがあり、面白いですよ。

    パリで深夜に女性が誘拐されたという目撃情報が警察に寄せられたが、誘拐されたのが誰なのかもわからず、捜査は難航します。
    捜査の指揮を執るカミーユ・ヴェルーヴェン警部には、かって妻が誘拐されて亡くなったという辛い過去があった。
    ヴェルーヴェン班の面々がなかなか個性的でバランスよく、素敵です。

    見知らぬ男に監禁された女性アレックス。
    派遣の仕事が終わったところをさらわれたため、身近な人も彼女が誘拐されたとはなかなか気づかないでいた。
    アレックスは必死で脱出を試みるが‥
    警察側と交互に描かれ、緊迫した状況に。

    その後、思いがけない展開へと、発展していきます。
    無関係にも見える事件が起きて‥
    ‥この先を書いちゃうわけにいかないよねえ‥
    アレックスとは何者なのか?と思わせるタイトル。
    確かに‥

    カミーユはなんと145センチという小柄。
    フランスでは警察官になる条件に、身長は入ってないんですかね。
    カミーユの実母が芸術家で、才能溢れてはいても普通の母親らしさはないため、息子のカミーユは愛憎半ばする感情を抱いていました。遺作をすべて売り払おうとするのです。
    過去の事件のトラウマを乗り越えられるのか?という問題も。
    カミーユが探偵役の作品は、シリーズとなって他にもあるようです。

    この作品は、何より構成が凝っていて、文章も切れ味よく、翻訳もいいですね。
    ミステリ読みなら必読。ただ事件は陰惨なので、怖い話が読めない人には無理ですけど‥
    描写は書き込むところとアッサリ通り過ぎるところと加減してあります。

    著者は2006年作家デビュー。
    小説を書くことを何年も教えていた人なので、読む人に衝撃を与える新鮮な作品を作り上げてのけたという、これはなかなか出来ないこと。
    お手本のようなヒット作ともいえますね!

  • なんとも生々しく、後味の悪い事件。
    主人公の刑事の、母親のエピソードが間に挟まれ、後半、事件の暗い事実が明らかになるにつれて、主人公の母親のエピソードが暖かくなるのが対照的で、印象深かった。

    被害者であり容疑者でもあったアレックスの感情があまり詳しくは描かれず、最後に一気に過去を明らかにすることで、彼女の真の感情を読者に想像させるストーリー展開が、刑事達と同じ視点に立つことができ、面白かった。

  • 本著は、カミーユ警部シリーズの2作目です。1作目「悲しみのイレーヌ」、2作目「その女アレックス」、3作目「傷だらけのカミーユ」という順番です。

    できれば、1作目から順番に読んでいったほうが楽しめると思います。

    本著は、タイトルにあるアレックスという女性が誘拐されるところから始まり、いきなり読者に緊張感を与えます。加えて、主人公アレックス視点と警部カミーユ視点が短い章で交互に繰り返され、始めからぐいぐいとストーリーに引き込まれます。

    さらに、すぐさま予想もつかない展開が起こり、先が気になり一気に読み進めさせる構成に、唸ってしまった。

    しかし、欲を言えば謎を解き明かしていく過程にもうひとひねり加えてくれたら、最高だった。もう少し酔わせて欲しかった。

    また、最後は「こんなのアリ?!」という展開になりますが、内容が陰鬱だった分、読後感は爽快な気分にさせてくれ、自分としては納得の最後でした。

    私は本著を最初に手にしてしまったため、完成度を求めてしまったがために評価は4点とさせていたあだきましたが、1作目を読んだら、また変わってくるのかもしれません。1作目と3作目を早く読みたいと今はワクワクしています。

  • 2020.10.14 再読
    誘拐された女は何者なのか。本当の加害者そして被害者とは。スピード感のある展開。最後の結末がすごく好き。裁かれない罪だとしても、罪は償われるべきだと思う。

  • 今更ながら読みました。
    一時期、このミステリーがすごいと様々な媒体で紹介され、世界中で話題となったフランスの犯罪小説です。

    訳者あとがきに「この作品を読み終えた人々は、プロットについて語る際に他の作品以上に慎重になる。それはネタバレを恐れてというよりも、自分が何かこれまでとは違う読書体験をしたと感じ、その体験の機会を他の読者から奪ってはならないと思うからのようだ」と書かれていて、まさにそのとおりだと思いました。
    残忍な場面がありつつハラハラする内容ながら、本書の見所はやはり、なんと言っても構成の巧さ。
    訳書だけあって最初は違和感があるものの、読みすすめているうちにそんなことは気にならなくなります。

    ネタバレにならないように本書の素晴らしさを伝えるのは難しいですが、総じて見ると主たる登場人物がいいですね。
    ルイは優美で格好いいし、アルマンの健気な感じもいい。
    いけ好かないと思っていたヴィダールだって、案外話がわかる奴じゃないか、なんて思えたりして。

    小説としては素晴らしいけど、事件の内容はあまりに壮絶。
    涙こそ流さなかったものの、あまりにも理不尽な出来事に心が痛くなります。感情移入したら気持ちが鬱々としてしまいますね。映像化もされるみたいですが、怖いもの見たさで見たいような見たくないような。ああ、でも動くルイは見てみたい。

    これは確かに読んだ方がいい1冊。特に読書好きの人にこそ勧めたい1冊ですね。
    やるせない気持ちは残るけど、名小説です。

  • 最後が衝撃の結末だった。
    それにしても酷い虐待、
    こんな虐待は想像することすらできないし、聞いたこともない。当たり前だが。
    そこからのアレックスの仕返しが見事。

    普通の精神状態では復讐をここまで完璧にやり遂げれないだろう。

    脱獄ができなかったら、この復讐もできなかったし、
    警察が追いついていたらそれでストーリーが終わるが、あともう一歩のところでアレックスに追いついてない感じ。

    あのとき
    死にたくないと思ったのは、
    アレックスが復讐をやりとげたかったからなのか、
    だからあんなに酷い監禁状態でもなお生きたいと思ったのか。
    ネズミに食われかけるシーンとかも描写の仕方がやばい。

    そもそもレイプや強姦などひどい行為があって、
    復讐ができるほど、精神状態を強くできるものか、
    そうなったのは何かきっかけがあったのかも気になる。

    それにしてもひどい、残酷な幼少期。
    そして最後のアレックスの死。

    これは死ななくてはならなかったのか。

    兄のこれまでの犯罪を警察に知らしめるためにわざわざ死を選んだのか、、
    なんか切ない。し衝撃的なミステリー小説。

  • 翻訳された小説を読むのは初めてだったので最初の数ページは違和感があったけれど、序盤から怒涛の展開だったため、すぐに気にならなくなった。しかも、その後はどんでん返しに次ぐどんでん返しで、読むのを止められない。

    フランス文学だからなのか著者の特徴なのか、服・絵画・食の描写が多くて、それも好みだった。特に外食の風景をイメージするとフランスに行きたくなる。

  • ある日路上で誘拐・監禁された女性アレックスを
    警察が追っていく物語。

    アレックスの立場は、見知らぬ男に突然襲われた
    か弱い被害女性のはずだったのに…。
    そうだったの?そんなことになってるの?
    ああなっちゃったの?そこが狙いだったの?と
    読者は有無を言わさず、ぐるぐると連れまわされます。

    話はよく出来ていて、思ってない場所に連れていかれ
    先がとても気になるのですが…。
    私には重すぎたのかも知れません。
    一気読みできず、ちょっと読むとグッタリして
    十数ページで眠ってしまう日々が続きました。

    自らの意志というより、誰かに進まされているような
    後戻りが許されない暗い深い階段を下りていく感覚。
    そんなアレックスの緊迫する状況と渦巻く怒りのエネルギーに、
    読み手として同行することを無意識に拒否してたのかも知れません。

    アレックスを追う警察側の絆。
    ワケありの警部カミーユと、
    カミーユを助ける周囲の者たちの組織力・人間力に
    ちょっと救われた一冊です。

    よく最後まで読めたものです。
    でも最後まで読まないと…この物語は全く別物になってしまいますからね。

  • 主人公アレックスに惹きつけられる。
    話が進むにつれて、アレックスへの印象が美しかったり、不憫だったり、憎らしかったり、哀れだったり、愛おしく感じた。
    読み終わった今は、アレックスが忘れられない存在になり、時折現実に存在した古い知り合いを思い出すように心に浮かぶ。
    何より、ここまで読者をのめり込ませるこの作品が凄い。

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